文字の大きさ
大
中
小
69 / 207
ゴブリンキング編
巫女姫ヨウカ
レナ達はミキの案内の元、治療院の建物の奥に存在する部屋にまで移動する。この部屋に立ち入る事が許されている人間は教会内でも限られており、ミキは部屋の前で立ち止まり、レナ達に説明を行う。
「この部屋は?」
「聖者の間と呼ばれています。この中にレノ様に会わせたい御方が居ます」
「ミキ団長……本気ですか?この坊主をあの人に会わせるなんて……」
「一体誰なんですか?レノさんに会わせたい人というのは?」
「この教会の巫女姫様です」
「……巫女姫?」
ミキの発言にレナ達は顔を見合わせ、巫女姫とは教会の頂点に立つ人間であり、陽光教会の重要人物に自分達を会わせようとするミキにレナ達は疑問を抱くが、彼女は扉の前に立ち止まり、扉をノックする。
「巫女姫様……居られますか?」
『え?あ、うん……居るよ~』
「あれ……この声」
「何処かで聞いたことがありますね」
部屋の中から女子の声が響き渡り、扉が内側から開かれて金髪の髪の毛の美少女が現れる。その少女の顔を見た瞬間、レナ達は驚きの声を上げる。
「あ、あの時の……」
「あれ?君……もしかして街で出会った男の子?」
「やはりお知り合いでしたか……ヨウカ様」
ヨウカと呼ばれた少女はレナ達が街で遭遇した修道女で間違いなく、彼女が魔力回復薬を落とした事が切っ掛けで彼等は治療院に訪れたのだが、少女は街と遭遇した時と恰好が変わっており、今現在は白色を基調としたローブを身に纏い、彼女は不思議そうにレナ達を見渡し、ミキに尋ねた。
「どうしたのミキ?この人達は誰?」
「ヨウカ様……その前にお聞きしますが、聖光石の方はどうですか?」
「あっ……ご、ごめんね……今日も調子が悪くて……」
ミキの言葉にヨウカは申し訳なさそうに首を振り、彼女の返答にテンは眉を顰め、レナ達は何の話なのかと2人に視線を向けると、ミキが周囲を見渡して誰もいない事を確かめると説明を行う。
「……先ほどの皆様の質問に答えます。実はこの部屋には聖水を生み出す事が出来る聖光石が存在します」
「聖光石って……さっき話していた聖剣の素材になる魔石?」
「はい。巫女姫様はこの聖光石に魔力を送り込む事で聖水を生み出すのです」
「ちょっ!?そこまで話していいんですか団長!?」
彼女の発言にテンが驚いた表情を浮かべるが、ミキは問題ないとばかりに首を振り、ここまで来たら彼女はレナ達に隠し事は通じないと判断したらしい。
「先代の巫女姫様もこの聖者の間に存在する聖光石に魔力を送り込み、大量の聖水を生産していました。ですがヨウカ様は魔力容量が少なく、1日に生産できる聖水の量が非常に少ないのです」
「ううっ……ごめんなさい」
「いえ、謝らないで下さい。まだ巫女姫様はレベルが10なのですから今後の成長で魔力容量が増加される可能性は十分にあります。ですが……巫女姫様は生まれた時からあるスキルのせいで回復薬等の効果を殆ど受け付けないのです」
「え?どういう事ですか?」
「……まさか、それは薬物耐性のスキルじゃないですか?」
会話の途中にアイリィが口を挟み、彼女の発言にミキは驚いた表情を浮かべるが、レナは「薬物耐性」というスキルは聞いたことが無く、アイリィに尋ねる。
「薬物耐性?」
「あらゆる薬品に対して耐性を所持する固有スキルです。このスキルを持つ人間は文字通りにあらゆる薬品に対して最低限の効果しか得られません。このスキルの利点は毒物に対しても有効ですが、不利点は回復薬の類の効果も薄まります」
「え?じゃあ……あの大量の魔力回復薬はもしかして……?」
レナの脳裏に大量の魔力回復薬を買いこんでいたヨウカの姿が浮かび、聖水の生産には巫女姫の魔力が必要というミキの話も思い出し、彼の頭の中である予想が思いついた。
「もしかして聖水を生み出すためにあんなに魔力回復薬を買いこんでいたの?」
「えっ!?何で分かったの!?」
「ヨウカ様……実はこの方達はヨウカ様が落とした薬を返すために訪れてくれた方々です」
ヨウカが落とした薬瓶をミキが取り出し、彼女は慌てて受け取るとテンがそれを見て何かに気付いたように息を飲む。
「魔力回復薬……という事は巫女姫様、また薬を飲んで無理やり聖水を作り出そうと……!?」
「そ、それは……」
「ヨウカ様……お気持ちは嬉しいですが、あまり無理をしないで下さい。回復薬と言えど、飲み過ぎると身体に毒となります。それに薬物耐性を持つヨウカ様が同じ薬を飲み続けるとさらに効果の方も薄まる危険性があります」
「で、でも……私が聖水を作り出さないと皆が困っちゃうし……」
「なるほど……そういう事ですか。だからミキさんは聖水の製造法を調べていたんですね」
「……優しい」
「そういう事か……」
ミキとヨウカのやり取りに全てを悟り、レナは2人がお互いを気遣っていた事が判明する。
「この部屋は?」
「聖者の間と呼ばれています。この中にレノ様に会わせたい御方が居ます」
「ミキ団長……本気ですか?この坊主をあの人に会わせるなんて……」
「一体誰なんですか?レノさんに会わせたい人というのは?」
「この教会の巫女姫様です」
「……巫女姫?」
ミキの発言にレナ達は顔を見合わせ、巫女姫とは教会の頂点に立つ人間であり、陽光教会の重要人物に自分達を会わせようとするミキにレナ達は疑問を抱くが、彼女は扉の前に立ち止まり、扉をノックする。
「巫女姫様……居られますか?」
『え?あ、うん……居るよ~』
「あれ……この声」
「何処かで聞いたことがありますね」
部屋の中から女子の声が響き渡り、扉が内側から開かれて金髪の髪の毛の美少女が現れる。その少女の顔を見た瞬間、レナ達は驚きの声を上げる。
「あ、あの時の……」
「あれ?君……もしかして街で出会った男の子?」
「やはりお知り合いでしたか……ヨウカ様」
ヨウカと呼ばれた少女はレナ達が街で遭遇した修道女で間違いなく、彼女が魔力回復薬を落とした事が切っ掛けで彼等は治療院に訪れたのだが、少女は街と遭遇した時と恰好が変わっており、今現在は白色を基調としたローブを身に纏い、彼女は不思議そうにレナ達を見渡し、ミキに尋ねた。
「どうしたのミキ?この人達は誰?」
「ヨウカ様……その前にお聞きしますが、聖光石の方はどうですか?」
「あっ……ご、ごめんね……今日も調子が悪くて……」
ミキの言葉にヨウカは申し訳なさそうに首を振り、彼女の返答にテンは眉を顰め、レナ達は何の話なのかと2人に視線を向けると、ミキが周囲を見渡して誰もいない事を確かめると説明を行う。
「……先ほどの皆様の質問に答えます。実はこの部屋には聖水を生み出す事が出来る聖光石が存在します」
「聖光石って……さっき話していた聖剣の素材になる魔石?」
「はい。巫女姫様はこの聖光石に魔力を送り込む事で聖水を生み出すのです」
「ちょっ!?そこまで話していいんですか団長!?」
彼女の発言にテンが驚いた表情を浮かべるが、ミキは問題ないとばかりに首を振り、ここまで来たら彼女はレナ達に隠し事は通じないと判断したらしい。
「先代の巫女姫様もこの聖者の間に存在する聖光石に魔力を送り込み、大量の聖水を生産していました。ですがヨウカ様は魔力容量が少なく、1日に生産できる聖水の量が非常に少ないのです」
「ううっ……ごめんなさい」
「いえ、謝らないで下さい。まだ巫女姫様はレベルが10なのですから今後の成長で魔力容量が増加される可能性は十分にあります。ですが……巫女姫様は生まれた時からあるスキルのせいで回復薬等の効果を殆ど受け付けないのです」
「え?どういう事ですか?」
「……まさか、それは薬物耐性のスキルじゃないですか?」
会話の途中にアイリィが口を挟み、彼女の発言にミキは驚いた表情を浮かべるが、レナは「薬物耐性」というスキルは聞いたことが無く、アイリィに尋ねる。
「薬物耐性?」
「あらゆる薬品に対して耐性を所持する固有スキルです。このスキルを持つ人間は文字通りにあらゆる薬品に対して最低限の効果しか得られません。このスキルの利点は毒物に対しても有効ですが、不利点は回復薬の類の効果も薄まります」
「え?じゃあ……あの大量の魔力回復薬はもしかして……?」
レナの脳裏に大量の魔力回復薬を買いこんでいたヨウカの姿が浮かび、聖水の生産には巫女姫の魔力が必要というミキの話も思い出し、彼の頭の中である予想が思いついた。
「もしかして聖水を生み出すためにあんなに魔力回復薬を買いこんでいたの?」
「えっ!?何で分かったの!?」
「ヨウカ様……実はこの方達はヨウカ様が落とした薬を返すために訪れてくれた方々です」
ヨウカが落とした薬瓶をミキが取り出し、彼女は慌てて受け取るとテンがそれを見て何かに気付いたように息を飲む。
「魔力回復薬……という事は巫女姫様、また薬を飲んで無理やり聖水を作り出そうと……!?」
「そ、それは……」
「ヨウカ様……お気持ちは嬉しいですが、あまり無理をしないで下さい。回復薬と言えど、飲み過ぎると身体に毒となります。それに薬物耐性を持つヨウカ様が同じ薬を飲み続けるとさらに効果の方も薄まる危険性があります」
「で、でも……私が聖水を作り出さないと皆が困っちゃうし……」
「なるほど……そういう事ですか。だからミキさんは聖水の製造法を調べていたんですね」
「……優しい」
「そういう事か……」
ミキとヨウカのやり取りに全てを悟り、レナは2人がお互いを気遣っていた事が判明する。
感想 263
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
S級冒険者の子どもが進む道
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。