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ゴブリンキング編
閑話 〈城壁〉
「おいおい兄ちゃん。身分証を持ってないのか?」
「え、ええっ……ちょっと無くしてしまって」
「そいつは災難だな。だが、身分証を持ってないとこの帝都からはでられないぜ?最近、何故か検問が強化されちまってな……荷物検査まで再開しやがったら通り過ぎるだけでも面倒で堪らないぜ」
「そうなんですか……」
佐藤はこの世界の金銭を手に入れる為、適当に価値がありそうな物を家から持ち込んで雑貨屋に訪れたが、売却を望むと店主から身分証の提示を言い渡される。まさかこちらの世界にも身分証が存在するとは思わず、佐藤は慌てて適当に誤魔化すが雑貨屋の主人は身分証が無ければ買い取りを出来ないと告げる。
「兄ちゃんのこの手鏡は凄い良い品だけどよ……うちはボロいが立派な店だからな。身分証を落としたんなら市場とかの露天商に交渉する方が良いぜ。あいつらは品物が良ければ何でも買うからな……」
「市場……」
「この建物の右側を突き進めば辿り着けるぜ。もしも売る事に成功したらうちの店で何か買ってくれよ」
「ありがとうございます!!」
親切な雑貨屋の店主に礼を告げ、佐藤は市場に向かう。この世界の科学技術は彼も詳しくは知らないが、百貨店で購入した品物も幾つか用意しており、先ほどの雑貨屋の店主の反応から彼の持ち込んだ品物はどれも高評価を受けていた。
しかし、佐藤は街道を巡回している帝国の兵士に気を付けて行動を行わなければならず、元の世界の服装はこちらでは目立つため、まずは金銭を手に入れた後はこの世界の衣服、武器、情報を入手する必要がある。佐藤は雑貨屋の主人の言葉を信じて市場に向かう途中、ある事に気付く。
「そうだ……今回は何を失ったんだ?」
自分の「異能」の発動条件を思い出し、彼の転移の能力は発動の度に自分が習得しているスキルをランダムで消費する事を思い出し、慌てて自分のステータス画面のスキルを確認する。すると今回消えたのは前回の時に覚えたばかりの「開錠」が消えている事に気付いた。
「開錠か……」
苦労して熟練度を上昇させていたスキルが消えた事は残念だが、SPを使用すれば再び覚え直すことも出来る。だが、今は一刻もこちらの世界の情報を掴むのが先決であり、彼は市場に向かう――
――結果として市場に訪れた彼は様々な露天商に立ち寄り、元の世界に持ち込んだ品物の売却には成功した。だが、元々の相場が分からない彼は露天商の商人が要求する値段に応じる事しか出来ず、結局は銀貨が数枚程度の売り上げであり、元の世界で掛かった費用を考えると十分な成果だが、彼は4人分の衣服と武器を入手する必要があり、まだまだ金銭は心許ない。
「くそっ……まさかこんな世界に身分証が必要なんて……」
佐藤は頭にターバンのような帽子を被った状態で食事を行い、他に資金を稼ぐ方法がないのか確かめるために色々な店に立ち寄ったが、結局は身分証を所持していないと店員として雇う事は出来ないと全ての店の人間に言われた。身分証の発行には高額な金額を必要とするため、更に身元保証人も用意しないと発行は認められず、資金にも身元保証人を引き受けてくれる知り合いも存在しない彼には身分証の発行は出来ない。
雑貨屋の店主の話では帝都に抜け出す際にも身分証を必要とするらしく、しかも最近では荷物検査まで行われる程に警備兵の警戒が強まり、勇者である佐藤が帝都を抜け出そうとすれば当然だが兵士に捕まる可能性が高い。城壁には24時間体制で大勢の兵士が見張りを行い、しかも防壁の周囲には深い堀が存在し、防壁を乗り越える事も不可能。佐藤は悔し気に拳を握りしめ、自分のスキルを確認する。
「やるしかない……!!」
また大切な能力を失われるかも知れないが、佐藤は覚悟を決めて城壁を調べ上げるために行動を行う――
――数時間後、佐藤は帝都を取り囲む防壁を調べ上げるために行動する。わざわざ自分の足で防壁に沿って歩き回り、防壁を一周した頃には時刻は夕方を迎え、結果的に城壁の上に繋がる階段は4つだけ存在する事が判明した。その全ての階段には常に複数人の兵士が見張りを行っており、現在の佐藤のレベルでは強行突破は不可能だった。
今の佐藤には共に行動してくれる仲間は存在せず、1人だけで行動しなければならない。唯一の救いは彼が外の光景を確かめる事が出来れば「転移」の能力を利用して脱出する事が可能であり、佐藤としては出来る限り転移の発動は避けたいが、最悪の場合は転移の能力に頼らなければならない状況に追い込まれた時の事を想定し、彼は新しいスキルを習得する事にした。
時刻は深夜を迎え、防壁の警備を行っている兵士達も睡魔によって警戒意識が緩み始める時間帯に突入し、この時間帯だけは警備の人数も大幅に減少する。それでも防壁の各地に常に屈強な兵士が配備されており、暗殺者の職業の人間でも通り抜ける事が出来ない程の警備体制である事に変わりはない。それでも広大な帝都を取り囲む防壁全体に兵士を張り巡らせる事は不可能である。
昼間に防壁を調べ尽くした佐藤は人気が少ない場所を見つけ出し、新しいスキルを身に着けて防壁に向かう。今回彼が覚えたのは「崖登り」という技能スキルであり、このスキルを活かして彼は防壁を突破する覚悟を抱く。
「くっ……!!」
――佐藤は煉瓦製の城壁を素手で掴み、着実に防壁上部に向けて移動を行う。両手で煉瓦の窪みを掴み取り、決して下を見ないように壁をよじ登る。自分が蜘蛛になったような気分を味わいながら佐藤は防壁を移動し続ける。幸いにも彼のレベルは3に上昇しており、各段にレベル1の時と比べると身体能力は上昇していた。勇者である彼はレベルが上昇した際の成長率は他の人間よりも非常に高く、今では元の世界で過ごしていた頃にも劣らない程に運動能力を取り戻していた。
「やっと……半分か」
20メートルを超える防壁に張り付き、佐藤は全身から汗を流しながらも登り続ける。誰にも見つからない事を祈り、彼は絶対に落ちないように気を配りながら移動する。
「あと少し……!!」
防壁の頂点に登り詰めれば外の光景を確認する事が可能であり、その後は転移で元の世界に戻れば問題なく、防壁の外の光景を記憶に刻めば今度からの転移で帝都の外部に移動する事は可能となり、佐藤は根性を発揮して防壁を登り始めてから1時間が経過し、遂に頂上付近にまで辿り着く。
「着い、たぁっ!!」
佐藤は防壁を乗り越え、左右を見渡すと兵士が遠目に確認出来たが、自分に気付いていない事を知る。急いで兵士位気付かれる前に防壁の反対側に移動を行い、外の光景を確認する。
「草原……」
帝都の周辺には広大な草原が広がっており、佐藤はしっかりと記憶を刻む。これで次の転移の発動先が決まり、彼は兵士に見つかる前に元の世界に戻ろうとすると、不意に上空から声を掛けられた。
「ねえねえお兄さぁん……何をしてるのぉっ?」
「えっ?」
女の子が自分の頭の上から聞こえ、佐藤は振り向くとそこには蝙蝠の翼を生やした少女が存在し、彼は驚いて腰を抜かす。金髪の少女、サキュバスの「カトレア」は城壁にへたり込む佐藤に視線を向ける。
「お兄さんは兵士の人じゃないよねぇっ……何をしているのかなぁっ?」
「ぼ、僕は……!?」
彼女の「瞳」に見つめられ、佐藤は何故か奇妙な疲労感が身体に襲い掛かり、唐突に現れた少女に心惹かれる。だが、左右の方向から近づいてくる足音を耳にして冷静さを取り戻し、左右に視線を向けると兵士達が自分の元に近づいている事を知る。
「おい!!貴様等何者だ!!」
「そこを動くな!!」
「あれれ?」
「っ!?」
カトレアと佐藤の存在に気付いた兵士達が2人の元に次々と駆け寄り、その人数は十数人を超えており、普通ならば逃げられる状況ではない。だが、カトレアは即座に背中の蝙蝠の羽根を羽ばたかせ、防壁から飛び降りる。
「しょうがないなぁっ……またねっ」
「あっ……」
「と、飛び降りた!?」
「何てことをっ……!!」
城壁から飛び降りたカトレアに兵士達は悲鳴を上げ、城壁には深い堀が存在し、彼女の姿が消え去る。その光景に兵士達は唖然とするが、残された佐藤は正気を取り戻す。
「くっ……転移!!」
「あ、貴方は――!?」
兵士の何人かが佐藤の顔を見て目を見開くが、既に佐藤は転移を発動させており、元の世界に帰還した――
――後に佐藤を発見した兵士達は上層部に今回の件の報告を行い、勇者である佐藤が何者かと共に行動して城壁に存在し、姿を消した事を伝える。それを聞いた将軍の1人が早合点を行い、勇者全員が城壁から逃れたと判断し、デキンに報告を行った。彼はその報せを受けて勇者が帝都外に脱出した可能性を考慮し、帝国領土内に勇者の似顔絵を配布し、彼等の行方を掴むために大量の兵士を動員して調査に向かわせた。
しかし、実際の佐藤達は彼等が絶対に見つけることが出来ない元の世界に帰還しており、今回の転移で佐藤はこの世界のある程度の知識を身に着ける事に成功したが、同時に厄介な存在に目を付けられた事に彼は気付いていない――
「え、ええっ……ちょっと無くしてしまって」
「そいつは災難だな。だが、身分証を持ってないとこの帝都からはでられないぜ?最近、何故か検問が強化されちまってな……荷物検査まで再開しやがったら通り過ぎるだけでも面倒で堪らないぜ」
「そうなんですか……」
佐藤はこの世界の金銭を手に入れる為、適当に価値がありそうな物を家から持ち込んで雑貨屋に訪れたが、売却を望むと店主から身分証の提示を言い渡される。まさかこちらの世界にも身分証が存在するとは思わず、佐藤は慌てて適当に誤魔化すが雑貨屋の主人は身分証が無ければ買い取りを出来ないと告げる。
「兄ちゃんのこの手鏡は凄い良い品だけどよ……うちはボロいが立派な店だからな。身分証を落としたんなら市場とかの露天商に交渉する方が良いぜ。あいつらは品物が良ければ何でも買うからな……」
「市場……」
「この建物の右側を突き進めば辿り着けるぜ。もしも売る事に成功したらうちの店で何か買ってくれよ」
「ありがとうございます!!」
親切な雑貨屋の店主に礼を告げ、佐藤は市場に向かう。この世界の科学技術は彼も詳しくは知らないが、百貨店で購入した品物も幾つか用意しており、先ほどの雑貨屋の店主の反応から彼の持ち込んだ品物はどれも高評価を受けていた。
しかし、佐藤は街道を巡回している帝国の兵士に気を付けて行動を行わなければならず、元の世界の服装はこちらでは目立つため、まずは金銭を手に入れた後はこの世界の衣服、武器、情報を入手する必要がある。佐藤は雑貨屋の主人の言葉を信じて市場に向かう途中、ある事に気付く。
「そうだ……今回は何を失ったんだ?」
自分の「異能」の発動条件を思い出し、彼の転移の能力は発動の度に自分が習得しているスキルをランダムで消費する事を思い出し、慌てて自分のステータス画面のスキルを確認する。すると今回消えたのは前回の時に覚えたばかりの「開錠」が消えている事に気付いた。
「開錠か……」
苦労して熟練度を上昇させていたスキルが消えた事は残念だが、SPを使用すれば再び覚え直すことも出来る。だが、今は一刻もこちらの世界の情報を掴むのが先決であり、彼は市場に向かう――
――結果として市場に訪れた彼は様々な露天商に立ち寄り、元の世界に持ち込んだ品物の売却には成功した。だが、元々の相場が分からない彼は露天商の商人が要求する値段に応じる事しか出来ず、結局は銀貨が数枚程度の売り上げであり、元の世界で掛かった費用を考えると十分な成果だが、彼は4人分の衣服と武器を入手する必要があり、まだまだ金銭は心許ない。
「くそっ……まさかこんな世界に身分証が必要なんて……」
佐藤は頭にターバンのような帽子を被った状態で食事を行い、他に資金を稼ぐ方法がないのか確かめるために色々な店に立ち寄ったが、結局は身分証を所持していないと店員として雇う事は出来ないと全ての店の人間に言われた。身分証の発行には高額な金額を必要とするため、更に身元保証人も用意しないと発行は認められず、資金にも身元保証人を引き受けてくれる知り合いも存在しない彼には身分証の発行は出来ない。
雑貨屋の店主の話では帝都に抜け出す際にも身分証を必要とするらしく、しかも最近では荷物検査まで行われる程に警備兵の警戒が強まり、勇者である佐藤が帝都を抜け出そうとすれば当然だが兵士に捕まる可能性が高い。城壁には24時間体制で大勢の兵士が見張りを行い、しかも防壁の周囲には深い堀が存在し、防壁を乗り越える事も不可能。佐藤は悔し気に拳を握りしめ、自分のスキルを確認する。
「やるしかない……!!」
また大切な能力を失われるかも知れないが、佐藤は覚悟を決めて城壁を調べ上げるために行動を行う――
――数時間後、佐藤は帝都を取り囲む防壁を調べ上げるために行動する。わざわざ自分の足で防壁に沿って歩き回り、防壁を一周した頃には時刻は夕方を迎え、結果的に城壁の上に繋がる階段は4つだけ存在する事が判明した。その全ての階段には常に複数人の兵士が見張りを行っており、現在の佐藤のレベルでは強行突破は不可能だった。
今の佐藤には共に行動してくれる仲間は存在せず、1人だけで行動しなければならない。唯一の救いは彼が外の光景を確かめる事が出来れば「転移」の能力を利用して脱出する事が可能であり、佐藤としては出来る限り転移の発動は避けたいが、最悪の場合は転移の能力に頼らなければならない状況に追い込まれた時の事を想定し、彼は新しいスキルを習得する事にした。
時刻は深夜を迎え、防壁の警備を行っている兵士達も睡魔によって警戒意識が緩み始める時間帯に突入し、この時間帯だけは警備の人数も大幅に減少する。それでも防壁の各地に常に屈強な兵士が配備されており、暗殺者の職業の人間でも通り抜ける事が出来ない程の警備体制である事に変わりはない。それでも広大な帝都を取り囲む防壁全体に兵士を張り巡らせる事は不可能である。
昼間に防壁を調べ尽くした佐藤は人気が少ない場所を見つけ出し、新しいスキルを身に着けて防壁に向かう。今回彼が覚えたのは「崖登り」という技能スキルであり、このスキルを活かして彼は防壁を突破する覚悟を抱く。
「くっ……!!」
――佐藤は煉瓦製の城壁を素手で掴み、着実に防壁上部に向けて移動を行う。両手で煉瓦の窪みを掴み取り、決して下を見ないように壁をよじ登る。自分が蜘蛛になったような気分を味わいながら佐藤は防壁を移動し続ける。幸いにも彼のレベルは3に上昇しており、各段にレベル1の時と比べると身体能力は上昇していた。勇者である彼はレベルが上昇した際の成長率は他の人間よりも非常に高く、今では元の世界で過ごしていた頃にも劣らない程に運動能力を取り戻していた。
「やっと……半分か」
20メートルを超える防壁に張り付き、佐藤は全身から汗を流しながらも登り続ける。誰にも見つからない事を祈り、彼は絶対に落ちないように気を配りながら移動する。
「あと少し……!!」
防壁の頂点に登り詰めれば外の光景を確認する事が可能であり、その後は転移で元の世界に戻れば問題なく、防壁の外の光景を記憶に刻めば今度からの転移で帝都の外部に移動する事は可能となり、佐藤は根性を発揮して防壁を登り始めてから1時間が経過し、遂に頂上付近にまで辿り着く。
「着い、たぁっ!!」
佐藤は防壁を乗り越え、左右を見渡すと兵士が遠目に確認出来たが、自分に気付いていない事を知る。急いで兵士位気付かれる前に防壁の反対側に移動を行い、外の光景を確認する。
「草原……」
帝都の周辺には広大な草原が広がっており、佐藤はしっかりと記憶を刻む。これで次の転移の発動先が決まり、彼は兵士に見つかる前に元の世界に戻ろうとすると、不意に上空から声を掛けられた。
「ねえねえお兄さぁん……何をしてるのぉっ?」
「えっ?」
女の子が自分の頭の上から聞こえ、佐藤は振り向くとそこには蝙蝠の翼を生やした少女が存在し、彼は驚いて腰を抜かす。金髪の少女、サキュバスの「カトレア」は城壁にへたり込む佐藤に視線を向ける。
「お兄さんは兵士の人じゃないよねぇっ……何をしているのかなぁっ?」
「ぼ、僕は……!?」
彼女の「瞳」に見つめられ、佐藤は何故か奇妙な疲労感が身体に襲い掛かり、唐突に現れた少女に心惹かれる。だが、左右の方向から近づいてくる足音を耳にして冷静さを取り戻し、左右に視線を向けると兵士達が自分の元に近づいている事を知る。
「おい!!貴様等何者だ!!」
「そこを動くな!!」
「あれれ?」
「っ!?」
カトレアと佐藤の存在に気付いた兵士達が2人の元に次々と駆け寄り、その人数は十数人を超えており、普通ならば逃げられる状況ではない。だが、カトレアは即座に背中の蝙蝠の羽根を羽ばたかせ、防壁から飛び降りる。
「しょうがないなぁっ……またねっ」
「あっ……」
「と、飛び降りた!?」
「何てことをっ……!!」
城壁から飛び降りたカトレアに兵士達は悲鳴を上げ、城壁には深い堀が存在し、彼女の姿が消え去る。その光景に兵士達は唖然とするが、残された佐藤は正気を取り戻す。
「くっ……転移!!」
「あ、貴方は――!?」
兵士の何人かが佐藤の顔を見て目を見開くが、既に佐藤は転移を発動させており、元の世界に帰還した――
――後に佐藤を発見した兵士達は上層部に今回の件の報告を行い、勇者である佐藤が何者かと共に行動して城壁に存在し、姿を消した事を伝える。それを聞いた将軍の1人が早合点を行い、勇者全員が城壁から逃れたと判断し、デキンに報告を行った。彼はその報せを受けて勇者が帝都外に脱出した可能性を考慮し、帝国領土内に勇者の似顔絵を配布し、彼等の行方を掴むために大量の兵士を動員して調査に向かわせた。
しかし、実際の佐藤達は彼等が絶対に見つけることが出来ない元の世界に帰還しており、今回の転移で佐藤はこの世界のある程度の知識を身に着ける事に成功したが、同時に厄介な存在に目を付けられた事に彼は気付いていない――
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