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ゴブリンキング編
作戦会議 〈アラン炭鉱〉
「これが帝都周辺の地図です。北部に存在するこの鉱山がアラン炭鉱です」
「……この地図だと草原のど真ん中に鉱山が1つだけ存在しますね。何だか変わっていますね」
「色々な説がありますが、元々はこの鉱山以外にも複数の山が存在しました。しかし、大昔に召喚された勇者が聖剣を使用し、この場所で当時の魔王と激突し、山々が崩れ去り、この鉱山だけが残ったという説が有力です」
「山々を崩すって……そんなに聖剣は凄いの?」
「間違いなく、人間が生み出した武器の中では最強の武器ですよ。聖剣が1つの島を吹き飛ばしたという逸話も残っている程ですから」
「……凄い」
この世界では「聖剣」という存在は武器の中でも最強を誇り、この聖剣に対抗できる武器は魔剣だけだと言われている。聖剣は人間が生み出した武器に対し、魔剣は魔人族が聖剣に対抗するために生み出した武器であり、この二つの武器は歴史上で何度も衝突しており、どちらも最強の兵器としてこの世界の人々に認識されている。そのため、下手に扱えば大きな被害を生み出すため、現在は陽光教会が保有している聖剣は厳重に封印をされていた。
「それでどうするつもりですか?私達にこんな地図を見せて何をする気ですか?」
「これを見てください。地図の通り、鉱山の周囲は草原が広がっているので日中に近づこうとしたら敵に気付かれる恐れがあります。もしも軍隊が近づけばゴブリンキングは人質を殺すつもりかもしれません」
「交渉として利用する可能性もありますよ?」
「それも考えられますが、邪魔な存在になる人質を全員生かす理由はありません。それに先ほどの少女の話では三日以内に帰って来なければ人質を殺すと言っていましたが……クド草の毒に侵された人間は通常は1日以内に死亡してしまいます」
ミキの言葉に全員が息を飲み、彼女の言葉通り、クド草の毒を受けた人間は約1日で死亡してしまう。ゴブリン達がわざわざ人質を助けるために解毒薬を使用するとは考えられず、それ以前に炭鉱に解毒薬のような薬品が存在する可能性が低い。
「仮に人質の中に治癒魔導士が居たとしても状態異常を覚えているとは限りませんし、そもそも治癒魔導士が毒に侵された状態の可能性もあります。冒険者ならば毒の対策として解毒薬を常備している人間もいるかも知れませんが、クド草の場合だと市販の解毒薬では効果を遅らせるのが限界でしょう」
「という事は……毒に侵された人質の皆さんは明日には死んじゃうんですか!?」
「そ、そんな……!!」
「……どうしようもありませんね。それにクド草の毒で死亡するまでの時間は約1日だと言われていますが、ゴブリンキングの襲撃が今日の昼頃と推定した場合、もう既に数時間は経過しています。最低でも明日の昼までに毒に侵された方は命を落とす事になります」
「ええっ!?な、何とか助けられないの?」
アイリィの発言にヨウカがミキに視線を向けるが、彼女は難しい表情を浮かべており、現状ではゴブリンキングに対抗できる戦力が少なく、炭鉱に移動を行うだけでも時間が掛かってしまう。今から馬に乗って出発したとしてもアラン炭鉱に到着するのは夜中で間違いなく、ゴブリンは夜行性の生物なので彼等が最も活発的に動きやすい時間帯である。
「仮にワルキューレ騎士団を全員出撃させたとしてもゴブリンキングの討伐が出来るかは分かりません……それにゴブリンやゴブリンナイトも存在する以上、激しい戦闘は避けられないでしょう」
「今から冒険者ギルドや王城に報告して増援を頼むとか……」
「既に報告は行っていますが、あまり期待できません。敵の戦力が未知数という事で迂闊には攻め入る事は危険です。残念ですが我々にはどうしようも……」
「駄目だよそんなの!!」
悔し気な表情を浮かべるミキに対し、ヨウカが一括する。仮に炭鉱の人間を放置すれば確実に彼等が死亡するという話を聞いた時点で諦める事など彼女には出来ず、ミキに詰め寄る。
「本当にみんなを助ける手段はないの!?ワルキューレ騎士団は最強の戦闘集団だって言ってたのに!!」
「それはそうですが……」
「戦闘集団って……さり気に怖い事を言いましたね」
「確かに……」
ヨウカの気持ちはミキも理解出来るが、現状ではアラン炭鉱を支配したゴブリンキングの勢力、更に大勢の人間の人質が取られている状況下では迂闊に動けく事は出来ない。ワルキューレ騎士団は帝国領土内でも最強の騎士団である事は確かだが、だからと言って無敵ではない。相手の情報を詳しく調べない内に迂闊に出撃する事は出来ない。
「せめて相手の勢力だけでも判明していれば対策は打てますが……腕の良い暗殺者を雇って偵察に向かわせる時間もありません」
「腕の良い暗殺者か……ん?」
「どうしました?」
「いや……暗殺者じゃないけど、敵に襲われない人間ならここにいるなと思って……」
『えっ?』
レナはアイリィとコトミンに視線を向け、彼女達は草原での戦闘の際、魔物から一度も襲われていない。理由として考えられるのはコトミンは人型のスライムであり、そしてアイリィはコトミンの分裂したスライムを全身に纏った人間のため魔物達には彼女達は敵として認識されない可能性が高い。この2人ならばゴブリンの巣窟と化したアラン炭鉱でもゴブリンに気にされずに忍び込める可能性はあった。
「……この地図だと草原のど真ん中に鉱山が1つだけ存在しますね。何だか変わっていますね」
「色々な説がありますが、元々はこの鉱山以外にも複数の山が存在しました。しかし、大昔に召喚された勇者が聖剣を使用し、この場所で当時の魔王と激突し、山々が崩れ去り、この鉱山だけが残ったという説が有力です」
「山々を崩すって……そんなに聖剣は凄いの?」
「間違いなく、人間が生み出した武器の中では最強の武器ですよ。聖剣が1つの島を吹き飛ばしたという逸話も残っている程ですから」
「……凄い」
この世界では「聖剣」という存在は武器の中でも最強を誇り、この聖剣に対抗できる武器は魔剣だけだと言われている。聖剣は人間が生み出した武器に対し、魔剣は魔人族が聖剣に対抗するために生み出した武器であり、この二つの武器は歴史上で何度も衝突しており、どちらも最強の兵器としてこの世界の人々に認識されている。そのため、下手に扱えば大きな被害を生み出すため、現在は陽光教会が保有している聖剣は厳重に封印をされていた。
「それでどうするつもりですか?私達にこんな地図を見せて何をする気ですか?」
「これを見てください。地図の通り、鉱山の周囲は草原が広がっているので日中に近づこうとしたら敵に気付かれる恐れがあります。もしも軍隊が近づけばゴブリンキングは人質を殺すつもりかもしれません」
「交渉として利用する可能性もありますよ?」
「それも考えられますが、邪魔な存在になる人質を全員生かす理由はありません。それに先ほどの少女の話では三日以内に帰って来なければ人質を殺すと言っていましたが……クド草の毒に侵された人間は通常は1日以内に死亡してしまいます」
ミキの言葉に全員が息を飲み、彼女の言葉通り、クド草の毒を受けた人間は約1日で死亡してしまう。ゴブリン達がわざわざ人質を助けるために解毒薬を使用するとは考えられず、それ以前に炭鉱に解毒薬のような薬品が存在する可能性が低い。
「仮に人質の中に治癒魔導士が居たとしても状態異常を覚えているとは限りませんし、そもそも治癒魔導士が毒に侵された状態の可能性もあります。冒険者ならば毒の対策として解毒薬を常備している人間もいるかも知れませんが、クド草の場合だと市販の解毒薬では効果を遅らせるのが限界でしょう」
「という事は……毒に侵された人質の皆さんは明日には死んじゃうんですか!?」
「そ、そんな……!!」
「……どうしようもありませんね。それにクド草の毒で死亡するまでの時間は約1日だと言われていますが、ゴブリンキングの襲撃が今日の昼頃と推定した場合、もう既に数時間は経過しています。最低でも明日の昼までに毒に侵された方は命を落とす事になります」
「ええっ!?な、何とか助けられないの?」
アイリィの発言にヨウカがミキに視線を向けるが、彼女は難しい表情を浮かべており、現状ではゴブリンキングに対抗できる戦力が少なく、炭鉱に移動を行うだけでも時間が掛かってしまう。今から馬に乗って出発したとしてもアラン炭鉱に到着するのは夜中で間違いなく、ゴブリンは夜行性の生物なので彼等が最も活発的に動きやすい時間帯である。
「仮にワルキューレ騎士団を全員出撃させたとしてもゴブリンキングの討伐が出来るかは分かりません……それにゴブリンやゴブリンナイトも存在する以上、激しい戦闘は避けられないでしょう」
「今から冒険者ギルドや王城に報告して増援を頼むとか……」
「既に報告は行っていますが、あまり期待できません。敵の戦力が未知数という事で迂闊には攻め入る事は危険です。残念ですが我々にはどうしようも……」
「駄目だよそんなの!!」
悔し気な表情を浮かべるミキに対し、ヨウカが一括する。仮に炭鉱の人間を放置すれば確実に彼等が死亡するという話を聞いた時点で諦める事など彼女には出来ず、ミキに詰め寄る。
「本当にみんなを助ける手段はないの!?ワルキューレ騎士団は最強の戦闘集団だって言ってたのに!!」
「それはそうですが……」
「戦闘集団って……さり気に怖い事を言いましたね」
「確かに……」
ヨウカの気持ちはミキも理解出来るが、現状ではアラン炭鉱を支配したゴブリンキングの勢力、更に大勢の人間の人質が取られている状況下では迂闊に動けく事は出来ない。ワルキューレ騎士団は帝国領土内でも最強の騎士団である事は確かだが、だからと言って無敵ではない。相手の情報を詳しく調べない内に迂闊に出撃する事は出来ない。
「せめて相手の勢力だけでも判明していれば対策は打てますが……腕の良い暗殺者を雇って偵察に向かわせる時間もありません」
「腕の良い暗殺者か……ん?」
「どうしました?」
「いや……暗殺者じゃないけど、敵に襲われない人間ならここにいるなと思って……」
『えっ?』
レナはアイリィとコトミンに視線を向け、彼女達は草原での戦闘の際、魔物から一度も襲われていない。理由として考えられるのはコトミンは人型のスライムであり、そしてアイリィはコトミンの分裂したスライムを全身に纏った人間のため魔物達には彼女達は敵として認識されない可能性が高い。この2人ならばゴブリンの巣窟と化したアラン炭鉱でもゴブリンに気にされずに忍び込める可能性はあった。
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