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ゴブリンキング編
付与魔法の真の力
「いつつっ……霜焼けになるっ」
「ちょっ……何をしたんですか今!?」
「……凍ってる」
「こいつは……驚かされたね」
レナはゴブリンナイトの顔面から掌を離すと指先まで凍り付いており、聖属性の付与魔法で回復させる。他の三人は目の前で「氷像」と化したゴブリンナイトに驚愕する一方、レナ自身も聖属性以外の属性の付与魔法を生物に施した場合、このような結果になるのは予想外であり、凍り付いたゴブリンナイトは困惑した表情のまま固まっており、レナは自分のレベルを確認すると「20」に上昇して居る事に気付き、昼間のオークとファング、そしてゴブリンナイトを2体を倒した事でレベルが上昇していた。
「これ本当に死んでるんですか?何事もなかったように起き上がらないですよね?」
「大丈夫だよ。それより、こいつを運ぶのを手伝ってよ……扉の前から退かさないと」
「急がないと他のゴブリンが戻ってくるかもしれないね……ほらよ!!」
4人で凍り付いたゴブリンナイトの巨体を動かし、炭鉱員の宿舎の扉の前に移動する。こちらの扉にも食堂のように南京錠が施されており、今回はコトミンの水圧砲も使えないのでレナが鍵の破壊を試みる。先ほどは思いつかなかったが、レナはゴブリンナイトに利用したように鍵に水属性の付与魔法を施す(今度は直接は触れず、掌を翳しながら)。
「水属性……からの火属性!!」
「わあっ!?な、何だってんだい?」
「……なるほど、熱疲労ですか」
最初に南京錠を水属性の付与魔法で凍結させ、続いて火属性の付与魔法で一気に過熱する。大抵の金属は凍結させる事で硬度が落ちる為、直後に一気に過熱させる事で激しい温度差を与える事で破壊を試みる。結果として南京錠は全体に罅割れが生じ、その場で砕け散る。レナの付与魔法はどちらも熟練度も聖属性の次に高いため、現在のレナのレベルの魔法でも十分な威力を発揮できる。
南京錠を破壊して鋼鉄の扉を押し開く。ちなみに何故か食堂も宿舎も頑丈な扉で囲まれているのかをレナがミラに問い質すと、彼女の説明によると炭鉱内に魔物が現れた場合、中に閉じ籠って避難できるように鋼鉄製の扉を施し、外側からではなく内側からも鍵を掛けられる作りになっているという。
「ここが宿舎か……意外と広いですね」
「そりゃ、ここには100人以上の発掘員がいるんだよ?むしろ、これだけのベッドでは数が足りなくて不満が上がる程さ」
レナ達の視界に無数に並ぶ五段ベッドが存在し、炭鉱員は普段はこの部屋で寝泊まりを行っており、ゴブリン達が回収した冒険者達の荷物が詰められた袋が存在した。中に運んで外側から南京錠を施すだけで十分だと考えていたのか小袋は地面に放置されたままのようであり、レナ達は荷物の回収に成功する。
「これがゴブリンが運んでいた袋ですか……なるほど、確かに中身は魔石や魔道具ばかりですね。武器や防具もあるようですけど、ゴブリンから奪われた物も多いでしょうね」
「これを全部あいつらの所に運ぶんだね?収納石の用意はいいかい?」
「はい」
大量の荷物を運ぶ時は異空間に物体を収める事が出来る収納石が便利であり、レナ達は冒険者の荷物を運び出す準備を行う。まずは全員が袋の中身を確認し、目当ての「転移石」を探し出した。
「あっ、ありましたよ。こっちの袋に1つ見つけました」
「……この中にも1つあった」
「こっちの袋は……やった。底の方に落ちてる」
「あんたらよく見つけるね……あれ、私も見つけちゃったよ」
意外と転移石を所持していた冒険者が居たらしく、レナ達が所持していた物を含めると5つの転移石が存在し、こちらを利用すれば食堂に隠れている人間全員を帝都に転移する事が可能となる。問題があるとすれば食堂以外に存在する者であり、最後までゴブリンに抵抗を試みたゴンゾウは転移できない。
「ミラさん。ゴンゾウ……いや、最後までゴブリンに抵抗していた巨人族の行方は本当に分からないんですか?」
「悪いね……あんたの友達の事は本当に知らないよ。さっきも言った通り、ここから先の坑道はかなり複雑になってるから見つけ出すのは難しいよ」
「レナさん。気持ちは分かりますが、私達は偵察に訪れたんですよ?あまり時間を掛け過ぎるとワルキューレ騎士団も退却するかも知れませんし……」
「分かってる……くそっ」
「……レナ」
レナは壁に拳を叩きつけ、ゴンゾウの行方が掴めない以上は食堂の人間を避難させるしかなく、後の事はワルキューレ騎士団に任せる事に決め、仕方なく引き返そうとした時、扉の外側が騒がしい事に気付く。
「……何だ?」
「しっ!!」
「まさか……」
鋼鉄製の扉の向こう側で物音が聞こえ、レナ達は扉から離れると、坑道内を振動する程の途轍もない鳴き声が響渡った。
――グォオオオオオオオオッ……!!
普通のゴブリンとは明らかに異なる獣の咆哮が扉の外側から響き渡り、直後に鋼鉄製の扉に衝撃が走る。何度も外側から力強く叩きつけるような轟音が響き渡り、レナ達の背筋が凍り付く。
「ちょっ……何をしたんですか今!?」
「……凍ってる」
「こいつは……驚かされたね」
レナはゴブリンナイトの顔面から掌を離すと指先まで凍り付いており、聖属性の付与魔法で回復させる。他の三人は目の前で「氷像」と化したゴブリンナイトに驚愕する一方、レナ自身も聖属性以外の属性の付与魔法を生物に施した場合、このような結果になるのは予想外であり、凍り付いたゴブリンナイトは困惑した表情のまま固まっており、レナは自分のレベルを確認すると「20」に上昇して居る事に気付き、昼間のオークとファング、そしてゴブリンナイトを2体を倒した事でレベルが上昇していた。
「これ本当に死んでるんですか?何事もなかったように起き上がらないですよね?」
「大丈夫だよ。それより、こいつを運ぶのを手伝ってよ……扉の前から退かさないと」
「急がないと他のゴブリンが戻ってくるかもしれないね……ほらよ!!」
4人で凍り付いたゴブリンナイトの巨体を動かし、炭鉱員の宿舎の扉の前に移動する。こちらの扉にも食堂のように南京錠が施されており、今回はコトミンの水圧砲も使えないのでレナが鍵の破壊を試みる。先ほどは思いつかなかったが、レナはゴブリンナイトに利用したように鍵に水属性の付与魔法を施す(今度は直接は触れず、掌を翳しながら)。
「水属性……からの火属性!!」
「わあっ!?な、何だってんだい?」
「……なるほど、熱疲労ですか」
最初に南京錠を水属性の付与魔法で凍結させ、続いて火属性の付与魔法で一気に過熱する。大抵の金属は凍結させる事で硬度が落ちる為、直後に一気に過熱させる事で激しい温度差を与える事で破壊を試みる。結果として南京錠は全体に罅割れが生じ、その場で砕け散る。レナの付与魔法はどちらも熟練度も聖属性の次に高いため、現在のレナのレベルの魔法でも十分な威力を発揮できる。
南京錠を破壊して鋼鉄の扉を押し開く。ちなみに何故か食堂も宿舎も頑丈な扉で囲まれているのかをレナがミラに問い質すと、彼女の説明によると炭鉱内に魔物が現れた場合、中に閉じ籠って避難できるように鋼鉄製の扉を施し、外側からではなく内側からも鍵を掛けられる作りになっているという。
「ここが宿舎か……意外と広いですね」
「そりゃ、ここには100人以上の発掘員がいるんだよ?むしろ、これだけのベッドでは数が足りなくて不満が上がる程さ」
レナ達の視界に無数に並ぶ五段ベッドが存在し、炭鉱員は普段はこの部屋で寝泊まりを行っており、ゴブリン達が回収した冒険者達の荷物が詰められた袋が存在した。中に運んで外側から南京錠を施すだけで十分だと考えていたのか小袋は地面に放置されたままのようであり、レナ達は荷物の回収に成功する。
「これがゴブリンが運んでいた袋ですか……なるほど、確かに中身は魔石や魔道具ばかりですね。武器や防具もあるようですけど、ゴブリンから奪われた物も多いでしょうね」
「これを全部あいつらの所に運ぶんだね?収納石の用意はいいかい?」
「はい」
大量の荷物を運ぶ時は異空間に物体を収める事が出来る収納石が便利であり、レナ達は冒険者の荷物を運び出す準備を行う。まずは全員が袋の中身を確認し、目当ての「転移石」を探し出した。
「あっ、ありましたよ。こっちの袋に1つ見つけました」
「……この中にも1つあった」
「こっちの袋は……やった。底の方に落ちてる」
「あんたらよく見つけるね……あれ、私も見つけちゃったよ」
意外と転移石を所持していた冒険者が居たらしく、レナ達が所持していた物を含めると5つの転移石が存在し、こちらを利用すれば食堂に隠れている人間全員を帝都に転移する事が可能となる。問題があるとすれば食堂以外に存在する者であり、最後までゴブリンに抵抗を試みたゴンゾウは転移できない。
「ミラさん。ゴンゾウ……いや、最後までゴブリンに抵抗していた巨人族の行方は本当に分からないんですか?」
「悪いね……あんたの友達の事は本当に知らないよ。さっきも言った通り、ここから先の坑道はかなり複雑になってるから見つけ出すのは難しいよ」
「レナさん。気持ちは分かりますが、私達は偵察に訪れたんですよ?あまり時間を掛け過ぎるとワルキューレ騎士団も退却するかも知れませんし……」
「分かってる……くそっ」
「……レナ」
レナは壁に拳を叩きつけ、ゴンゾウの行方が掴めない以上は食堂の人間を避難させるしかなく、後の事はワルキューレ騎士団に任せる事に決め、仕方なく引き返そうとした時、扉の外側が騒がしい事に気付く。
「……何だ?」
「しっ!!」
「まさか……」
鋼鉄製の扉の向こう側で物音が聞こえ、レナ達は扉から離れると、坑道内を振動する程の途轍もない鳴き声が響渡った。
――グォオオオオオオオオッ……!!
普通のゴブリンとは明らかに異なる獣の咆哮が扉の外側から響き渡り、直後に鋼鉄製の扉に衝撃が走る。何度も外側から力強く叩きつけるような轟音が響き渡り、レナ達の背筋が凍り付く。
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