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ゴブリンキング編
お見舞い
レナが意識を取り戻したのはアラン炭鉱から脱出した二日後の昼であり、彼の予想以上に今までの疲労が身体に蓄積されていたらしく、目覚めて早々に身体の節々に痛みが襲う。レナはすぐに聖属性の付与魔法を施して筋肉痛を治療し、身体を起き上げて周囲の様子を伺うと、彼が居たのは陽光教会の建物の南側に存在する患者のための個室であり、ベッドから身を乗り出すと扉が開かれて2人の人物が入ってきた。
「あっ!!やっと起きたんだね!!」
「レノさん!!おそようございます!!」
「おは……いや、おそよう?」」
入ってきたのは陽光教会巫女姫のヨウカとワルキューレ騎士団の見習いのポチ子であり、2人の手元には大量の果物が入った籠と水が入った壺を用意していた。2人は机の上に籠と壺を置き、椅子を用意してレナのベッドの前に移動する。
「レノ君……いや、レノたんと呼んでいい?」
「え、何でっ!?」
「ご、ごめんね?私、実は男の子の友達は初めてだからどんな風に接すればいいのか分からなくて……」
「それで何でレノたん……ああ、渾名みたいな感じ?」
「ちなみに私は巫女姫様からポチちゃんと呼ばれています!!」
「ポチちゃん……」
ポチ子の立場を考えれば陽光教会の頂点である巫女姫のヨウカには敬語を使わなければならないはずだが、2人の間柄は友達のような関係らしく、立場を超えた友情をレナは感じた。ヨウカは果物をレナとポチ子に手渡し、自分も食しながら話を行う。
「レノたんが寝ている間に色々と起きたんだよ。ミキが凄く怒っていたけど、テンがそれを抑えたり、それに他の騎士団の人もレノたんに謝りたいって……」
「謝りたい?」
「失礼な態度を取ってごめんなさいだって……何かあったの?」
レナはワルキューレ騎士団の女騎士達の事を思い出し、彼女達はレナの考えた作戦に否定的であり、実際に厳しい態度を取っていた。それでも彼が3人だけで危険を犯して潜入し、100人以上の人質を帝都に避難させた報告を受けると、彼女達はレナ達が無茶な行動を犯したのは自分たちが辛辣な態度を取った事により、彼等が騎士団を信用できずに自分たちの力だけで問題を解決しようと動いたと思い込む。
実際にレナがワルキューレ騎士団の力を借りなかった理由は彼女達に連絡を行う時間が無かっただけであり、本当はアイリィとコトミンに連絡に向わせようとしたのが、様々な事情で結局は自分達と人質の人間と協力して共に炭鉱から脱出しただけである。それでもワルキューレ騎士団は自分達が彼等に信用されていないと判断し、今回のレナ達の無謀な行動は自分達にも責任があると考えていた。
「ミキも最初は怒っていたけど、今は他の人と同じようにレノたんに謝りたいって言ってるよ」
「そんな……別に謝る事なんてないのに」
「あ、それとさっきレノさんにお礼を言いたい人がいっぱい来ました!!命を救ってくれたお礼をしたいと言ってましたけど……」
ポチ子の話によると炭鉱から生き残り、帝国軍の事情聴取を終えた人間は陽光教会に何度も尋ねており、レナに礼を告げたいと申し出たが彼は意識を失っており、教会側が代わりに伝える事を承諾する。中には見舞いの品を持ってきた人間も多く、アイリィがレナの代わりに預かっていた。
「皆凄くレノたんに感謝してたよ。命を助けてくれてありがとうって……」
「そうなのか……」
ヨウカの言葉にレナは照れ臭く感じ、これほど大勢の人間に感謝された事など初めてであり、素直に彼等の気持ちは嬉しい。だが、まだ肝心の友人をゴブリンキングから救い出していない事を思い出し、一気に落胆してしまう。
「はあっ……ゴンゾウ君はどうなったんだろう」
「ゴンゾウ君……確か巨人族のお友達の?」
「そう。まだあいつらに捕まっているはずなのに……見つけられなかった」
「そっか……でも大丈夫だよ!!明日には帝国軍の討伐隊が出発するから、きっと兵士の人が助けてくれるよ!!」
「討伐隊?ちょっと待って……俺が寝てからどれくらい時間が経っているの?」
「えっと……二日ぐらいかな?」
「二日!?そんなに寝てたのか……」
今まで魔法の使用によって意識を失う事はあったが、今回の場合は予想以上に眠っていた時間が長い事にレナは戸惑う。
――彼が二日間も眠り続けていた理由は職業スキルに関係しており、レナは知らないが彼が炭鉱で習得した「格闘家」という職業は魔術師とは非常に相性が悪い職業であり、普通の人間ならばこの二つの職業を一緒に覚える事は出来ない。それでも彼が二つの職業を身に着けたのは異世界人であり、SPを使用して覚えた事が関係する。
彼は後で知ったが一般的にこの世界の人間はステータスと「主職」と「副職」の選択を行う際、同質の職業を選ぶことが多い。例えば陽光教会の治癒魔導士は主職に「治癒魔導士」副職に「魔術師」の職業を選択しており、同じ系統の職業を選ぶことで覚えられる能力を魔法方面に発展している。逆にゴンゾウのような巨人族は主に「格闘家」や「剣士」のような職業を選択し、魔法ではなく戦闘方面の能力を伸ばそうとする。
だが、レナの場合は魔術師と格闘家の職業を選び、魔法と戦闘の二つの方面の能力を覚えようとしている。暗殺者の職業の場合は戦闘方面ではなく、隠密能力に特化した職業のため問題はなかったが、今回はレナが無理に二つの相反する職業を身につけようとした事で身体に大きな負担が掛かった。
「あっ!!やっと起きたんだね!!」
「レノさん!!おそようございます!!」
「おは……いや、おそよう?」」
入ってきたのは陽光教会巫女姫のヨウカとワルキューレ騎士団の見習いのポチ子であり、2人の手元には大量の果物が入った籠と水が入った壺を用意していた。2人は机の上に籠と壺を置き、椅子を用意してレナのベッドの前に移動する。
「レノ君……いや、レノたんと呼んでいい?」
「え、何でっ!?」
「ご、ごめんね?私、実は男の子の友達は初めてだからどんな風に接すればいいのか分からなくて……」
「それで何でレノたん……ああ、渾名みたいな感じ?」
「ちなみに私は巫女姫様からポチちゃんと呼ばれています!!」
「ポチちゃん……」
ポチ子の立場を考えれば陽光教会の頂点である巫女姫のヨウカには敬語を使わなければならないはずだが、2人の間柄は友達のような関係らしく、立場を超えた友情をレナは感じた。ヨウカは果物をレナとポチ子に手渡し、自分も食しながら話を行う。
「レノたんが寝ている間に色々と起きたんだよ。ミキが凄く怒っていたけど、テンがそれを抑えたり、それに他の騎士団の人もレノたんに謝りたいって……」
「謝りたい?」
「失礼な態度を取ってごめんなさいだって……何かあったの?」
レナはワルキューレ騎士団の女騎士達の事を思い出し、彼女達はレナの考えた作戦に否定的であり、実際に厳しい態度を取っていた。それでも彼が3人だけで危険を犯して潜入し、100人以上の人質を帝都に避難させた報告を受けると、彼女達はレナ達が無茶な行動を犯したのは自分たちが辛辣な態度を取った事により、彼等が騎士団を信用できずに自分たちの力だけで問題を解決しようと動いたと思い込む。
実際にレナがワルキューレ騎士団の力を借りなかった理由は彼女達に連絡を行う時間が無かっただけであり、本当はアイリィとコトミンに連絡に向わせようとしたのが、様々な事情で結局は自分達と人質の人間と協力して共に炭鉱から脱出しただけである。それでもワルキューレ騎士団は自分達が彼等に信用されていないと判断し、今回のレナ達の無謀な行動は自分達にも責任があると考えていた。
「ミキも最初は怒っていたけど、今は他の人と同じようにレノたんに謝りたいって言ってるよ」
「そんな……別に謝る事なんてないのに」
「あ、それとさっきレノさんにお礼を言いたい人がいっぱい来ました!!命を救ってくれたお礼をしたいと言ってましたけど……」
ポチ子の話によると炭鉱から生き残り、帝国軍の事情聴取を終えた人間は陽光教会に何度も尋ねており、レナに礼を告げたいと申し出たが彼は意識を失っており、教会側が代わりに伝える事を承諾する。中には見舞いの品を持ってきた人間も多く、アイリィがレナの代わりに預かっていた。
「皆凄くレノたんに感謝してたよ。命を助けてくれてありがとうって……」
「そうなのか……」
ヨウカの言葉にレナは照れ臭く感じ、これほど大勢の人間に感謝された事など初めてであり、素直に彼等の気持ちは嬉しい。だが、まだ肝心の友人をゴブリンキングから救い出していない事を思い出し、一気に落胆してしまう。
「はあっ……ゴンゾウ君はどうなったんだろう」
「ゴンゾウ君……確か巨人族のお友達の?」
「そう。まだあいつらに捕まっているはずなのに……見つけられなかった」
「そっか……でも大丈夫だよ!!明日には帝国軍の討伐隊が出発するから、きっと兵士の人が助けてくれるよ!!」
「討伐隊?ちょっと待って……俺が寝てからどれくらい時間が経っているの?」
「えっと……二日ぐらいかな?」
「二日!?そんなに寝てたのか……」
今まで魔法の使用によって意識を失う事はあったが、今回の場合は予想以上に眠っていた時間が長い事にレナは戸惑う。
――彼が二日間も眠り続けていた理由は職業スキルに関係しており、レナは知らないが彼が炭鉱で習得した「格闘家」という職業は魔術師とは非常に相性が悪い職業であり、普通の人間ならばこの二つの職業を一緒に覚える事は出来ない。それでも彼が二つの職業を身に着けたのは異世界人であり、SPを使用して覚えた事が関係する。
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だが、レナの場合は魔術師と格闘家の職業を選び、魔法と戦闘の二つの方面の能力を覚えようとしている。暗殺者の職業の場合は戦闘方面ではなく、隠密能力に特化した職業のため問題はなかったが、今回はレナが無理に二つの相反する職業を身につけようとした事で身体に大きな負担が掛かった。
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