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ゴブリンキング編
付与魔法の利用法
レナは陽光教会から移動を行い、向かった先は帝都の防壁を超えた草原だった。この草原にはオークのような魔物が出現するが、流石にゴブリンナイトのような大物を倒せるレナにとって帝都近辺の魔物は脅威的な存在ではなく、以前に帝都の外壁に近い場所ならば魔物は滅多に近付いて来ないとホノカから聞いており、レナは帝都から離れすぎないように気を付けながら準備を行う。
「これで良し……まずは実験だな」
数日前にレナが陽光教会の協力を得てレベル上げを行う際、帝都の傍に小川が流れているのを発見していた。彼は小川の場所まで移動を行い、収納石から桶を取り出し(当は聖水を製造するために用意していた物)、小川の水を掬い上げる。その後にレナは掌を水面に構えて火属性の付与魔法を発動する。
「火属性……やっぱりこの状態じゃ付与は出来ないな」
以前に魔石の実験を行った時も試したが、付与魔法は物体にしか発動せず、桶の中の水が沸騰する様子はない。だが、仮に刃物のような金属に火属性を付与させ、刃を水に沈めれば水をお湯に変化させる事も出来る。しかし、今回はレナは付与魔法を発動させた状態で右手の人差し指を差し出し、水面に沈み込ませる。
「やっぱり……」
結果として指先から放たれる「高熱」に水面が沸騰し、瞬時に桶の中の水がお湯に変化する。慌ててレナは指先を離そうとしたが、どういう事なのか指先が火傷を負う様子はない。
「あれ……熱くない?」
普通は火属性で付与させた物体に触れた時は火傷を起こすのだが、今回はどういう事なのか沸騰したお湯に人差し指が沈んでいても火傷を負う様子はない。不思議に感じながら覗き込むと、水飛沫が掌ではなく右腕の方に降り注ぎ、レナは軽く悲鳴を上げて右腕を引き抜く。
「あつっ!?」
慌てて右腕を振り払い、火傷を起こす前に聖属性の付与魔法を発動する。指先が触れた時は問題なかったが、腕の方に水飛沫が振れただけで火傷を起こしそうになり、この事から熱の影響を受けなかった原因は掌に発動させた火属性の付与魔法が関係していた。
「付与魔法を発動している箇所は影響を受けないのかな……というか、掌以外の部分でも発動できるのかな?」
レナは基本的に掌を解して付与魔法を発動しており、試しに他の部位に付与魔法を発動出来ないのかを試す。まずは掌に近い肘の部分に意識を集中させ、火属性を発動させる。
「火属性!!」
結果としては肘先に赤色の魔力の光が灯り、熱気が漂う。どうやら掌以外の箇所でも付与魔法を発動する事は可能らしく、今度は範囲を広げる。
「よし……火属性!!」
今度は肘から先の部分に火属性を付与させる想像を行いながらレナは発動させると、多少の時間は掛かったが肘から先の腕が炎の魔力を纏う。
「やった!!これなら……うわっ、かなりきついな……」
だが、規模を拡大させた事で魔力の消耗量が増大しており、数秒も経過しない内に解除してしまう。掌と腕では効果範囲が大きく違うので魔力の消費速度も段違いであり、今回は必要以上に魔力を消費した事になる。
「流石に何度もやるのはきついな……やっぱり、手の部分だけで十分かな」
レナは両手に意識を集中させ、火属性を発動する。掌の部分にだけ発動する分には特に問題はなく、この状態ならば長時間の発動も出来る。試しに握り拳を造り、ボクシングのように突き出す。この状態ならば戦技を発動すればどうなるのか確かめたくなり、戦技を発動する。
「弾撃!!」
虚空に向けて全身を勢いよく回転を加えて拳を振り抜くと、掌の火属性の魔力が揺らめき、正に「火の拳」と化す。この状態で殴り込めば相手に火傷を負わせる事も出来るだろうが、単純に白銀拳を装備した状態で付与魔法を発動させた方が攻撃力も魔力消費量も少ない。
「でも武器無しの状態でも攻撃できる手段は身に付けられたかな」
白銀拳は常に装備している訳ではなく、反対側の腕で発動する事も出来る。更に魔法腕輪を利用すれば魔水晶の効果で魔法を強化する事も可能であり、接近戦に対抗する手段を新しく身に着けた。
「だけど遠距離攻撃は出来ないか……俺もミキさんみたいに攻撃したいな」
魔槍使いのミキは近距離も遠距離も攻撃する事が出来るため、彼女のように戦えるのがレナの理想なのだが、付与魔術師は砲撃魔法は習得出来ない。これからも魔石を利用した投擲魔法を頼るしかなく、レナは北の方角に視線を向ける。ゴブリンが巣食うアラン炭鉱には未だにゴンゾウが1人だけ取り残されており、出来る事ならば今すぐにでも彼を助けに向かいたい。この世界で初めて出来た男友達であり、生きている可能性は低かったとしてもレナは彼の救助を諦める事は出来ない。
「これで良し……まずは実験だな」
数日前にレナが陽光教会の協力を得てレベル上げを行う際、帝都の傍に小川が流れているのを発見していた。彼は小川の場所まで移動を行い、収納石から桶を取り出し(当は聖水を製造するために用意していた物)、小川の水を掬い上げる。その後にレナは掌を水面に構えて火属性の付与魔法を発動する。
「火属性……やっぱりこの状態じゃ付与は出来ないな」
以前に魔石の実験を行った時も試したが、付与魔法は物体にしか発動せず、桶の中の水が沸騰する様子はない。だが、仮に刃物のような金属に火属性を付与させ、刃を水に沈めれば水をお湯に変化させる事も出来る。しかし、今回はレナは付与魔法を発動させた状態で右手の人差し指を差し出し、水面に沈み込ませる。
「やっぱり……」
結果として指先から放たれる「高熱」に水面が沸騰し、瞬時に桶の中の水がお湯に変化する。慌ててレナは指先を離そうとしたが、どういう事なのか指先が火傷を負う様子はない。
「あれ……熱くない?」
普通は火属性で付与させた物体に触れた時は火傷を起こすのだが、今回はどういう事なのか沸騰したお湯に人差し指が沈んでいても火傷を負う様子はない。不思議に感じながら覗き込むと、水飛沫が掌ではなく右腕の方に降り注ぎ、レナは軽く悲鳴を上げて右腕を引き抜く。
「あつっ!?」
慌てて右腕を振り払い、火傷を起こす前に聖属性の付与魔法を発動する。指先が触れた時は問題なかったが、腕の方に水飛沫が振れただけで火傷を起こしそうになり、この事から熱の影響を受けなかった原因は掌に発動させた火属性の付与魔法が関係していた。
「付与魔法を発動している箇所は影響を受けないのかな……というか、掌以外の部分でも発動できるのかな?」
レナは基本的に掌を解して付与魔法を発動しており、試しに他の部位に付与魔法を発動出来ないのかを試す。まずは掌に近い肘の部分に意識を集中させ、火属性を発動させる。
「火属性!!」
結果としては肘先に赤色の魔力の光が灯り、熱気が漂う。どうやら掌以外の箇所でも付与魔法を発動する事は可能らしく、今度は範囲を広げる。
「よし……火属性!!」
今度は肘から先の部分に火属性を付与させる想像を行いながらレナは発動させると、多少の時間は掛かったが肘から先の腕が炎の魔力を纏う。
「やった!!これなら……うわっ、かなりきついな……」
だが、規模を拡大させた事で魔力の消耗量が増大しており、数秒も経過しない内に解除してしまう。掌と腕では効果範囲が大きく違うので魔力の消費速度も段違いであり、今回は必要以上に魔力を消費した事になる。
「流石に何度もやるのはきついな……やっぱり、手の部分だけで十分かな」
レナは両手に意識を集中させ、火属性を発動する。掌の部分にだけ発動する分には特に問題はなく、この状態ならば長時間の発動も出来る。試しに握り拳を造り、ボクシングのように突き出す。この状態ならば戦技を発動すればどうなるのか確かめたくなり、戦技を発動する。
「弾撃!!」
虚空に向けて全身を勢いよく回転を加えて拳を振り抜くと、掌の火属性の魔力が揺らめき、正に「火の拳」と化す。この状態で殴り込めば相手に火傷を負わせる事も出来るだろうが、単純に白銀拳を装備した状態で付与魔法を発動させた方が攻撃力も魔力消費量も少ない。
「でも武器無しの状態でも攻撃できる手段は身に付けられたかな」
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「だけど遠距離攻撃は出来ないか……俺もミキさんみたいに攻撃したいな」
魔槍使いのミキは近距離も遠距離も攻撃する事が出来るため、彼女のように戦えるのがレナの理想なのだが、付与魔術師は砲撃魔法は習得出来ない。これからも魔石を利用した投擲魔法を頼るしかなく、レナは北の方角に視線を向ける。ゴブリンが巣食うアラン炭鉱には未だにゴンゾウが1人だけ取り残されており、出来る事ならば今すぐにでも彼を助けに向かいたい。この世界で初めて出来た男友達であり、生きている可能性は低かったとしてもレナは彼の救助を諦める事は出来ない。
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