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ゴブリンキング編
反発作用
「……がはぁっ……!?」
レナは全身に激痛が走り、それでも何とか身体を起き上げて両腕を確認すると、そこには酷い火傷を負った両手が存在し、危うく腕が消し飛ぶ所だった。実際に指が全て折れており、異様な方向に曲がっていた。腕以外の部分は「退魔のローブ」を着こんでいたお蔭なのか大きな損傷はないが、それでも身体を動かす度に痛みが走る。
「聖属性……」
まずは治療を行うために全身に聖属性の魔法を発動させ、身体の治療を行う。時間を巻き戻すようにレナの両手の傷が治癒され、全身の激痛も和らぐ。一息吐いてレナは鞄から陽光教会から渡された聖水を取り出し、一気に飲み干す。吸魔石で生み出した聖水よりも効果が高いため、傷の治療と魔力の回復を同時に行い、体力の方も僅かながらに回復した。
「死ぬ所だった……アイリィの忠告を無視した結果がこれか」
頭を掻き分けながらレナは自分の迂闊な行動に大きな溜息を吐きだし、魔法同士の「反発作用」の恐ろしさを自分の身で確かめる。間違ってもこれからは自分の両手で反発作用を試さないように気を付け、レナは立ち上がる。
「だけど……凄い威力だったな」
危うく両腕が消し飛びかけた威力を思い返し、この反発作用ならばゴブリンキングにも通じる可能性は高い。少なくとも現時点のレナが生み出せる攻撃よりも威力が高く、この現象を利用出来ればゴブリンキングを倒せるかも知れない。
「でも両手でやるのはもう勘弁だな……他の方法を利用出来ないかな」
レナが最初に考え付いたのは投擲魔法であり、複数の魔法を同時に発動して相手に向けて放り込み、反発作用を引き起こす方法を考えた。だが、先ほど両手で試した時は反発作用が発動するには数秒程度掌を重ね合わせており、魔石同士を上手く重ね合わせなければ反発作用は引き起こせないだろう。
反発作用が発動する条件は別属性同士の魔法を衝突させる事であり、しかも完全に発動するまで数秒程度の時間が掛かる。この数秒というのが問題であり、レナの投擲魔法は魔石に付与魔法を施し、相手に投擲して魔石の魔力を暴発させるのだが、当然だがこの方法の場合は一瞬で魔石が崩壊してしまう。吸魔石の場合でも一瞬で魔力を使い切ってしまう為、反発作用を引き起こすのは難しい。
「どうにか出来ないかな……」
両手に火属性と雷属性の付与魔法を発動させ、今更ながらにレナは無詠唱でも魔法が発動できる事に気付き、ステータスを確認すると先ほどの付与魔法で雷属性の熟練度が「5」に上昇しており、どうやら熟練度の限界値の半分まで迎えると無詠唱で発動できる事が判明した。
「あっ……そうだ。こいつを利用出来ないかな?」
久しぶりに元の世界の硬貨を取り出し、最近は利用しなかったが最初の頃は「完全魔法耐性」の能力を身に着けている硬貨に付与魔法を施して熟練度を上昇させていたが、吸魔石を購入してからはあまり使用する機会が無かった。この硬貨を利用して聖属性の付与魔法を施し、相手に閃光を放って目晦ましを行っていた事を思い出し、この硬貨ならば反発作用でも耐える事が出来るかも知れない。
「まずは……雷属性」
硬貨に電流を纏わせ、間違っても掌に発動している付与魔法を消さないように気を付ける。この状態ならば電流の影響を受けないのは先ほどの実験で確認済みであり、続いてレナは電流を帯びている硬貨に左手を近づけ、今度は火属性ではなく、風属性を発動した。相性的には雷属性は風属性に弱いのだが、別に相性が悪くても反発作用の発動には問題ない(規模と威力は縮小されるが)。
「風属性」
右手に掴んでいる硬貨に滅多に扱わない風属性の付与魔法を発動させた瞬間、硬貨が渦巻き状の風を纏い、電流が飲み込まれる。そして3~4秒程時間が経過すると硬貨が光り輝き、レナは危険を察知して空中に放り投げる。
「うわっ!?」
硬貨が上空に放り投げた瞬間、空中で閃光が迸り、光の衝撃波が誕生する。先ほどと比べると衝撃波は小さいが、それでも十分な威力であり、レナは地面に落ちた硬貨に視線を向ける。完全魔法耐性のお蔭なのか硬貨自体は無傷であり、気を付けて拾い上げる。
「やった……これなら勝てるかも知れない」
吸魔石を利用した投擲魔法よりも明らかに威力が高く、この反発作用を利用した方法ならばゴブリンキングを倒せる可能性が生み出された。問題なのは炭鉱からどうやってゴブリンキングを招きだすかであり、下手に坑道で利用したら落盤する可能性がある。
「いや、それよりも皆に相談しないとな……」
まずは他の人間の意見を聞くため、レナは硬貨を握りしめて陽光教会に戻る事に決めた。
レナは全身に激痛が走り、それでも何とか身体を起き上げて両腕を確認すると、そこには酷い火傷を負った両手が存在し、危うく腕が消し飛ぶ所だった。実際に指が全て折れており、異様な方向に曲がっていた。腕以外の部分は「退魔のローブ」を着こんでいたお蔭なのか大きな損傷はないが、それでも身体を動かす度に痛みが走る。
「聖属性……」
まずは治療を行うために全身に聖属性の魔法を発動させ、身体の治療を行う。時間を巻き戻すようにレナの両手の傷が治癒され、全身の激痛も和らぐ。一息吐いてレナは鞄から陽光教会から渡された聖水を取り出し、一気に飲み干す。吸魔石で生み出した聖水よりも効果が高いため、傷の治療と魔力の回復を同時に行い、体力の方も僅かながらに回復した。
「死ぬ所だった……アイリィの忠告を無視した結果がこれか」
頭を掻き分けながらレナは自分の迂闊な行動に大きな溜息を吐きだし、魔法同士の「反発作用」の恐ろしさを自分の身で確かめる。間違ってもこれからは自分の両手で反発作用を試さないように気を付け、レナは立ち上がる。
「だけど……凄い威力だったな」
危うく両腕が消し飛びかけた威力を思い返し、この反発作用ならばゴブリンキングにも通じる可能性は高い。少なくとも現時点のレナが生み出せる攻撃よりも威力が高く、この現象を利用出来ればゴブリンキングを倒せるかも知れない。
「でも両手でやるのはもう勘弁だな……他の方法を利用出来ないかな」
レナが最初に考え付いたのは投擲魔法であり、複数の魔法を同時に発動して相手に向けて放り込み、反発作用を引き起こす方法を考えた。だが、先ほど両手で試した時は反発作用が発動するには数秒程度掌を重ね合わせており、魔石同士を上手く重ね合わせなければ反発作用は引き起こせないだろう。
反発作用が発動する条件は別属性同士の魔法を衝突させる事であり、しかも完全に発動するまで数秒程度の時間が掛かる。この数秒というのが問題であり、レナの投擲魔法は魔石に付与魔法を施し、相手に投擲して魔石の魔力を暴発させるのだが、当然だがこの方法の場合は一瞬で魔石が崩壊してしまう。吸魔石の場合でも一瞬で魔力を使い切ってしまう為、反発作用を引き起こすのは難しい。
「どうにか出来ないかな……」
両手に火属性と雷属性の付与魔法を発動させ、今更ながらにレナは無詠唱でも魔法が発動できる事に気付き、ステータスを確認すると先ほどの付与魔法で雷属性の熟練度が「5」に上昇しており、どうやら熟練度の限界値の半分まで迎えると無詠唱で発動できる事が判明した。
「あっ……そうだ。こいつを利用出来ないかな?」
久しぶりに元の世界の硬貨を取り出し、最近は利用しなかったが最初の頃は「完全魔法耐性」の能力を身に着けている硬貨に付与魔法を施して熟練度を上昇させていたが、吸魔石を購入してからはあまり使用する機会が無かった。この硬貨を利用して聖属性の付与魔法を施し、相手に閃光を放って目晦ましを行っていた事を思い出し、この硬貨ならば反発作用でも耐える事が出来るかも知れない。
「まずは……雷属性」
硬貨に電流を纏わせ、間違っても掌に発動している付与魔法を消さないように気を付ける。この状態ならば電流の影響を受けないのは先ほどの実験で確認済みであり、続いてレナは電流を帯びている硬貨に左手を近づけ、今度は火属性ではなく、風属性を発動した。相性的には雷属性は風属性に弱いのだが、別に相性が悪くても反発作用の発動には問題ない(規模と威力は縮小されるが)。
「風属性」
右手に掴んでいる硬貨に滅多に扱わない風属性の付与魔法を発動させた瞬間、硬貨が渦巻き状の風を纏い、電流が飲み込まれる。そして3~4秒程時間が経過すると硬貨が光り輝き、レナは危険を察知して空中に放り投げる。
「うわっ!?」
硬貨が上空に放り投げた瞬間、空中で閃光が迸り、光の衝撃波が誕生する。先ほどと比べると衝撃波は小さいが、それでも十分な威力であり、レナは地面に落ちた硬貨に視線を向ける。完全魔法耐性のお蔭なのか硬貨自体は無傷であり、気を付けて拾い上げる。
「やった……これなら勝てるかも知れない」
吸魔石を利用した投擲魔法よりも明らかに威力が高く、この反発作用を利用した方法ならばゴブリンキングを倒せる可能性が生み出された。問題なのは炭鉱からどうやってゴブリンキングを招きだすかであり、下手に坑道で利用したら落盤する可能性がある。
「いや、それよりも皆に相談しないとな……」
まずは他の人間の意見を聞くため、レナは硬貨を握りしめて陽光教会に戻る事に決めた。
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