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ゴブリンキング編
地下水路
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「随分と暗いな……まあ、何百年も使われていないなら灯りなんて用意するはずがないか」
「こういう時は本当に便利ですよね。この聖水」
「……美味い」
「あ、こら!!飲んじゃ駄目でしょっ!?めっ!!」
レナ達は聖水を掲げて地下水路の通路を移動し、周囲を聖水の光で照らしながら気を付けて移動する。流石に兵士がこの場所まで巡回している可能性は皆無だが、それでも油断は出来に。アイリィの話によると魔物が住み着いている可能性もあり、実際に水路には人間以外の足跡が存在した。
「あ、見てくださいよ。この足跡、多分ですけどオークですよ。もしかしたら外から入り込んだのかも知れませんね」
「こんな場所まで入り込んでるのかな?」
「どうですかね……まあ、遭遇しない事を祈りながら先に進みましょう」
「……それは無理みたい」
アイリィの言葉にコトミンが前方を指差し、他の2人が顔を向けると前の通路から近づいてくる人影と足音に気が付き、すぐに武器を構える。レナは白銀拳に瞬時に水属性の付与魔法を発動さえ、左手に魔装術を発動して火属性の付与魔法を発動する。
「うわっ!?その左手どうしたんですかレノさん!?」
「後で説明するよ……来た!!」
「プギィイイイイイッ!!」
暗闇から姿を現したのは全身が水苔まみれのオークであり、その右手には原始人のような石槍を握りしめており、レナ達の存在に気付いて警戒するように槍を構える。戦闘は避けられず、レナは両腕を構えて魔装術の実戦を試す事にした。
「2人は下がってろ」
「大丈夫ですか?」
「レナ……気を付ける」
「大丈夫……こんな奴に負けるようならゴンゾウ君は助けられないからな」
「ブヒィイッ!!」
人間の言葉が分かるわけではないが、オークは雰囲気で自分が馬鹿にされたと判断し、レナに襲い掛かる。まずは握りしめている槍を横から振り払って斬り付けようとするが、レナは冷静に白銀拳で受け止める。
「くっ……このっ!!」
「プギィッ!?」
振り払われた槍を白銀拳で受け止めた瞬間、事前に腕鉄甲に付与させていた水属性の魔力が働き、槍の触れた個所を凍結させる。自分の武器が凍り付いた事にオークは動揺し、一方でレナは左手を隙だらけの相手の腹部に打ち込む。
「せいやぁっ!!」
「ゲフゥッ……!?」
腹部にレナの火属性の付与魔法を発動させた左拳がめり込み、相手に打撃を与えるのと同時に肉が焼け焦げる臭いが発生し、オークは槍を手放して腹部を抑えながら後退する。一方でレナは左手の感覚を確かめ、特に問題ない事を確認すると今度は戦技を発動させる。
「弾撃!!」
「プゲェエエエエエエエエッ!?」
「「おおっ」」
オークに向けて勢いよく地面に両足を踏み込み、足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、左拳を撃ち込む。今度は確実にオークの胸元を貫き、相手を突き飛ばす。腹部と同様に胸元に火傷を負ったオークは意識を失ったのか地面に倒れ込み、動かなくなる。その様子を確認したレナは安堵の息を吐くが、すぐに左手に痛みが走る。
「いててっ……流石に生身の拳で殴るのは無謀だったかな」
「大丈夫ですか?」
「平気だよ。素手で戦うのに慣れてないだけだから……さあ、先を急ごう」
「そうですね」
「行こ」
――レナ達を先を急ぎ、地下水路を移動する。王城の地下牢から降りてから30分後、一本道の地下水路の通路の移動を終えたレナ達は無事に帝都の外の堀に抜け出し、帝都の脱出を果たす。外壁の警備兵に見つからないように堀を乗り越え、まずは草原に辿り着く事に成功した。
ここから問題なのは草原に潜むゴブリンキングが率いるレッドゴブリンとゴブリンナイトの群れを通り過ぎ、アラン炭鉱が存在する鉱山にどのように移動するかであり、徒歩で移動した場合は間違いなく二日は掛かってしまう。出来るならば馬を連れて来たかったが、帝都の城門を封鎖されている以上はどうしようもできない。
「ここからどうします?レナさんの聖属性の付与魔法で身体能力を底上げして魔物の群れを駆け抜けますか?」
「それしか方法がないのかな……ゴブリンみたいにファングを手懐げる方法は知らないの?」
「魔物使いの職業なら出来なくもないですけど……どちらにしろ人間を背に乗せられる程のファングなんて滅多にいませんよ」
「レナ、私に任せる」
2人の会話にコトミンが前に出ると、彼女は両手に水属性の魔石を取り出し、そのまま自分の口の中に飲み込む。彼女の行動にレナとアイリィは驚愕するが、コトミンは魔石を2つ飲み込むと彼女の身体が徐々に変化を始めた。
「ちょっ!?コトミンさん!?」
「急に何を……」
「……変身」
彼女は2人の目の前で肉体を変形させ、やがてレナ達にも見覚えのある魔獣に変身する。先日に草原に出現したゴブリンが乗物として利用していた「ファング」と似ており、違いがあるとすれば顔面は狼というより小型犬のように可愛らしく、大きさも馬に匹敵した。どうやら自分の肉体を魔獣に擬態したらしく、彼女は背中を差し出して2人に乗り込むように指示する。
「こういう時は本当に便利ですよね。この聖水」
「……美味い」
「あ、こら!!飲んじゃ駄目でしょっ!?めっ!!」
レナ達は聖水を掲げて地下水路の通路を移動し、周囲を聖水の光で照らしながら気を付けて移動する。流石に兵士がこの場所まで巡回している可能性は皆無だが、それでも油断は出来に。アイリィの話によると魔物が住み着いている可能性もあり、実際に水路には人間以外の足跡が存在した。
「あ、見てくださいよ。この足跡、多分ですけどオークですよ。もしかしたら外から入り込んだのかも知れませんね」
「こんな場所まで入り込んでるのかな?」
「どうですかね……まあ、遭遇しない事を祈りながら先に進みましょう」
「……それは無理みたい」
アイリィの言葉にコトミンが前方を指差し、他の2人が顔を向けると前の通路から近づいてくる人影と足音に気が付き、すぐに武器を構える。レナは白銀拳に瞬時に水属性の付与魔法を発動さえ、左手に魔装術を発動して火属性の付与魔法を発動する。
「うわっ!?その左手どうしたんですかレノさん!?」
「後で説明するよ……来た!!」
「プギィイイイイイッ!!」
暗闇から姿を現したのは全身が水苔まみれのオークであり、その右手には原始人のような石槍を握りしめており、レナ達の存在に気付いて警戒するように槍を構える。戦闘は避けられず、レナは両腕を構えて魔装術の実戦を試す事にした。
「2人は下がってろ」
「大丈夫ですか?」
「レナ……気を付ける」
「大丈夫……こんな奴に負けるようならゴンゾウ君は助けられないからな」
「ブヒィイッ!!」
人間の言葉が分かるわけではないが、オークは雰囲気で自分が馬鹿にされたと判断し、レナに襲い掛かる。まずは握りしめている槍を横から振り払って斬り付けようとするが、レナは冷静に白銀拳で受け止める。
「くっ……このっ!!」
「プギィッ!?」
振り払われた槍を白銀拳で受け止めた瞬間、事前に腕鉄甲に付与させていた水属性の魔力が働き、槍の触れた個所を凍結させる。自分の武器が凍り付いた事にオークは動揺し、一方でレナは左手を隙だらけの相手の腹部に打ち込む。
「せいやぁっ!!」
「ゲフゥッ……!?」
腹部にレナの火属性の付与魔法を発動させた左拳がめり込み、相手に打撃を与えるのと同時に肉が焼け焦げる臭いが発生し、オークは槍を手放して腹部を抑えながら後退する。一方でレナは左手の感覚を確かめ、特に問題ない事を確認すると今度は戦技を発動させる。
「弾撃!!」
「プゲェエエエエエエエエッ!?」
「「おおっ」」
オークに向けて勢いよく地面に両足を踏み込み、足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、左拳を撃ち込む。今度は確実にオークの胸元を貫き、相手を突き飛ばす。腹部と同様に胸元に火傷を負ったオークは意識を失ったのか地面に倒れ込み、動かなくなる。その様子を確認したレナは安堵の息を吐くが、すぐに左手に痛みが走る。
「いててっ……流石に生身の拳で殴るのは無謀だったかな」
「大丈夫ですか?」
「平気だよ。素手で戦うのに慣れてないだけだから……さあ、先を急ごう」
「そうですね」
「行こ」
――レナ達を先を急ぎ、地下水路を移動する。王城の地下牢から降りてから30分後、一本道の地下水路の通路の移動を終えたレナ達は無事に帝都の外の堀に抜け出し、帝都の脱出を果たす。外壁の警備兵に見つからないように堀を乗り越え、まずは草原に辿り着く事に成功した。
ここから問題なのは草原に潜むゴブリンキングが率いるレッドゴブリンとゴブリンナイトの群れを通り過ぎ、アラン炭鉱が存在する鉱山にどのように移動するかであり、徒歩で移動した場合は間違いなく二日は掛かってしまう。出来るならば馬を連れて来たかったが、帝都の城門を封鎖されている以上はどうしようもできない。
「ここからどうします?レナさんの聖属性の付与魔法で身体能力を底上げして魔物の群れを駆け抜けますか?」
「それしか方法がないのかな……ゴブリンみたいにファングを手懐げる方法は知らないの?」
「魔物使いの職業なら出来なくもないですけど……どちらにしろ人間を背に乗せられる程のファングなんて滅多にいませんよ」
「レナ、私に任せる」
2人の会話にコトミンが前に出ると、彼女は両手に水属性の魔石を取り出し、そのまま自分の口の中に飲み込む。彼女の行動にレナとアイリィは驚愕するが、コトミンは魔石を2つ飲み込むと彼女の身体が徐々に変化を始めた。
「ちょっ!?コトミンさん!?」
「急に何を……」
「……変身」
彼女は2人の目の前で肉体を変形させ、やがてレナ達にも見覚えのある魔獣に変身する。先日に草原に出現したゴブリンが乗物として利用していた「ファング」と似ており、違いがあるとすれば顔面は狼というより小型犬のように可愛らしく、大きさも馬に匹敵した。どうやら自分の肉体を魔獣に擬態したらしく、彼女は背中を差し出して2人に乗り込むように指示する。
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