最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

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ゴブリンキング編

火炎槍

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「何だ今の……」
「呆けている場合じゃないですよ!!右から近づいてます!!」
「ギィイッ!!」


今までの吸魔石の使用した時と明らかに異なる現象にレナは呆然としたが、すぐにアイリィが声を掛ける。彼女の言葉に反応して彼は右側を振り向くと、そこには戦斧を構えたレッドゴブリンが存在し、レナに向けて振り下ろす姿があった。


「このっ!!」
「グギィッ!?」


即座に回避と反撃のスキルを発動させ、戦斧の刃を回避したレナは白銀拳の拳を相手の顔面に叩き込み、地面に沈ませる。すぐに距離を取って鞄から新しい吸魔石を取り出し、もう一度先ほどの現象を確かめるためにレナは火属性の吸魔石を左手で握りしめ、付与魔法を発動する。


火属性エンチャット……うわっ!?」
「グガァアアアアッ……!?」
「おおっ……」


左手に構えた方向に吸魔石の魔力が発動し、今度は火炎放射というよりは「炎の槍」のように一直線に火炎が放たれ、地面に倒れたレッドゴブリンの頭部を兜ごと焼却する。その光景に降りの中に居たゴンゾウが驚愕の声を上げ、一方でレナは吸魔石の魔力を自分の意思で操作した事に驚きを隠せない。今までは付与魔法を発動すると魔石の魔力が暴発して周囲に拡散すると思い込んでいたが、自分の手で握りしめている状態ならば爆発の規模や方向を操れる事が発覚した。


「やった……と言っている場合じゃないよね!!」
『ギィイイイイッ!!』


遂に遠距離攻撃を覚えることが出来たレナだが現在は戦闘中であり、新しい攻撃法を入手した事に感動する暇もなく敵が襲い掛かる。彼は両手に付与魔法を発動させ、今度は雷属性で対抗する。


「いい加減にしつこいんだよ!!」
「ギィアッ!?」
「……水圧砲」
「ギャアッ!?」
「私もさり気に……ていっ!!」
「ギィッ?」


魔術師なのに格闘家のように相手を殴りつけるレノ、後方から水圧砲で援護射撃を行うコトミン、そして遂にアイリィも弓矢を構えて矢を放つが、彼女の射た矢はレッドゴブリンの真横を素通りしてしまう。弓矢の腕に関してはまだ技量が足りず、彼女は何事もなかったようにコトミンの援護に徹する事にした。


「はいは~い。おかわりですよ」
「あむっ……もうちょっと純度の高い魔石が欲しい」
「わがままを言うんじゃないですよ!!うちの家計は厳しいんです!!」
「……アイリィが売り上げを誤魔化して、自分だけ大目にお金を入手しているのは知ってる」
「どきっ……な、何故それを……」
「ちょっと!!こっちは真剣に戦ってるんだけど!?」


レナが1人だけレッドゴブリンの群れで奮闘している中、アイリィとコトミンは緊張感を感じさせない会話を行いながら援護を行う。しかし、流石にレッドゴブリン達も彼女達の存在を厄介に感じたのか数体が2人の元に向かう。


『ギィイッ!!』
「うわ、やばいですよ!!流石にやりすぎましたね!!」
「……ぷるぷる、私は無害なスライム」
「いや、幾ら何でもそれで許してくれませんよ!?」


2人は魔物からはスライムと認識されているので襲われる可能性は低いが、流石に派手にレッドゴブリン達を倒し過ぎた事で排除すべき敵だと認識されたらしく、5体のレッドゴブリンが2人の元に移動する。だが、全身に鎧と武器を身に着けているので速度自体は遅く、その間にアイリィが複数の硝子瓶を取り出す。


「しょうがないですね……こいつの出番です!!」
「……それは?」
「皆さんお待ちかねの腐敗剤ですよ!!」


彼女は派手に叫び声を上げながら灰色の液体を放り投げ、接近してくるレッドゴブリンの鎧に衝突する。その瞬間、中身の液体が飛び出して鎧の中の肉体に入り込み、異臭と悲鳴が混じり合う。


『ギィアァアアアアアアッ……!?』


腐敗剤を受けたレッドゴブリンは悲鳴を上げながらその場に転がり込み、苦痛の表情を浮かべる。鎧の表面に付着した液体から煙が上がり、鋼鉄の鎧を溶解させる。しかもゴミの埋め立て地のような腐臭が周囲に広がり、嗅覚が人間よりもするおぢ他のレッドゴブリン達も口元を抑える。


「グギィイイイッ……!?」
「ギィイッ……!?」
「ゲボォッ!!」
「うわっ!?」


異臭に耐え切れずに吐き出してしまった個体も存在し、レナは腐敗剤が予想以上にレッドゴブリン達に効果的である事に気付き、この隙にゴンゾウの元に近づく。


「ゴンゾウ君!!」
「レノ……俺を助けに……着てくれたのか?」
「そうだよ……少し待っててね」


ゴンゾウを捕縛する檻の鍵にレナは水属性の付与魔法を発動させ、まずは金属を凍結させて硬度を低下させ、続いて火属性の付与魔法で一気に過熱する事で熱疲労を起こして破壊する。
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