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ゴブリンキング編
ゴブリンの皇帝
『ウオァアアアアアアアッ!!』
「ぎゃあぁああああっ!?」
「ひいいっ!?」
「や、止めてくれぇっ!?」
ゴブリンロードは肥大化した両腕を振り上げ、次々と兵士を薙ぎ払う。腕に触れた兵士達は圧倒的な腕力によって十数メートルも吹き飛ばされ、他の兵士を巻き込んで吹き飛ぶか、あるいは街の建物に衝突するか、もしくは地面に叩きつけられて絶命する。
「や、矢を射ろっ!!魔法を撃てっ!!」
「無理ですよ!?こんな化物、どうしようもできませんっ!!」
「駄目だ!!魔法が効かない!!」
兵士達の中には諦めずに抵抗を試みようとする人間も存在したが、ゴブリンロードの全身は鋼鉄の皮膚と化しており、剣も槍も矢も魔法すらも通じない。どのような攻撃を加えようとゴブリンロードの皮膚には傷一つ付けられず、次々と兵士達が蹴散らされていく。
帝国軍の兵士達が一夫的に蹂躙される光景を見せつけられ、レナ達は動くことが出来なかった。全員がゴブリンロードに恐怖を抱いて身体が硬直してしまい、この場に残り続ければ全員が殺されてしまう事を理解しながらも動くことが出来なかった。
「……逃げましょう。もう、どうしようもありません」
最初に声を上げたのはアイリィであり、彼女の言葉に反応して他の人間も身体の硬直から解放され、レナはアイリィに視線を向ける。
「逃げるって……何処に?」
「何処でもいいからこの場所から離れますよ。もう分かっているでしょう?あんなの、もう誰も止められませんよ」
「しかし……」
「現実を見てください!!私達にあんな化け物をどうにかできると思っているんですか!?」
アイリィの言葉にゴンゾウは眉を顰め、彼としてはゴブリンロードを放置して逃げ出す事に抵抗を覚えるが、彼女の言葉通り、兵士達を蹂躙する怪物を止める手段は誰も思いつかない。剣や槍の刃どころか並の砲撃魔法すらも通さない鋼鉄の皮膚、巨人族の何倍も上回る圧倒的な腕力、何よりも仲間達を殺された事で人間に対して激しい怒りを抱いており、この場に存在する兵士を全員倒したとしてもゴブリンロードの暴走は止まらない。
現在のレナ達の戦力では到底敵う相手ではなく、アイリィは撤退を指示する。だが、レナはゴブリンロードに視線を向け、次々と兵士を殺す姿に拳を握りしめ、不意に自分の手元に違和感を覚える。
「あっ……」
「レノ?」
彼は掌を確認すると元の世界の硬貨を握りしめている事に気付き、完全魔法耐性を備えた金属であり、これを使用すればレナの「奥の手」は使用できる。しかし、彼は目の前で暴れるゴブリンロードに視線を向け、自分の魔法が通じる相手なのか疑問を抱く。
レナは現実世界の硬貨を利用して複数の魔法の属性を付与する事で反発作用と呼ばれる現象を引き起こし、強烈な「光の衝撃波」を生み出す事が出来る。しかし、この反発作用の威力はレナの魔法の威力が基準となり、レベルが20程度のステータスの彼の攻撃が通用するのかは本人には分からない。
それでもゴブリンロードに損傷を与える可能性があるのはレナの反発作用を利用した攻撃法だけであり、彼は効果を握りしめて考える。練習の時は「火属性」と「雷属性」の魔法を付与させたが、もしも他の属性を追加した場合はどうなるのかは試していない。威力が上昇するのか、それとも付与は出来ないのか、あるいは相性が悪い属性同士では相殺してしまう可能性もある。
――それでもレナは帝国の兵士を見殺しには出来ず、彼等はあくまでも帝都を守る為にゴブリンの群れに攻撃を行っただけであり、決して悪意を抱いてゴブリンナイトを惨殺したわけではない。ゴブリンロードに殺される兵士の1人1人に家族が存在し、ゴブリンロードを放置すれば更に何百人、あるいは何千人の兵士が殺されてしまうだろう。
彼は硬貨を握りしめ、仮にこの場を逃げ出したとしてもゴブリンロードが見逃す保証もなく、レナは覚悟を決めて硬貨を強く握りしめる。そんな彼の行動にコトミン達は不思議そうな視線を向けるが、レナは彼等に振り返り、自分1人ではゴブリンロードには通じない事は把握しており、3人にも協力を頼む。
「ごめん……もしかしたら俺は死ぬかもしれないけど、皆に手伝って欲しい事がある」
『はあっ!?』
頼み方に少々問題があったが、3人はレナが考えた作戦を聞き終え、彼の提案に唖然とする。それでもレナ一人をこの場に残して逃げ逃げるという選択肢は3人には存在せず、仕方なく彼の提案を受け入れる事にした。
「ぎゃあぁああああっ!?」
「ひいいっ!?」
「や、止めてくれぇっ!?」
ゴブリンロードは肥大化した両腕を振り上げ、次々と兵士を薙ぎ払う。腕に触れた兵士達は圧倒的な腕力によって十数メートルも吹き飛ばされ、他の兵士を巻き込んで吹き飛ぶか、あるいは街の建物に衝突するか、もしくは地面に叩きつけられて絶命する。
「や、矢を射ろっ!!魔法を撃てっ!!」
「無理ですよ!?こんな化物、どうしようもできませんっ!!」
「駄目だ!!魔法が効かない!!」
兵士達の中には諦めずに抵抗を試みようとする人間も存在したが、ゴブリンロードの全身は鋼鉄の皮膚と化しており、剣も槍も矢も魔法すらも通じない。どのような攻撃を加えようとゴブリンロードの皮膚には傷一つ付けられず、次々と兵士達が蹴散らされていく。
帝国軍の兵士達が一夫的に蹂躙される光景を見せつけられ、レナ達は動くことが出来なかった。全員がゴブリンロードに恐怖を抱いて身体が硬直してしまい、この場に残り続ければ全員が殺されてしまう事を理解しながらも動くことが出来なかった。
「……逃げましょう。もう、どうしようもありません」
最初に声を上げたのはアイリィであり、彼女の言葉に反応して他の人間も身体の硬直から解放され、レナはアイリィに視線を向ける。
「逃げるって……何処に?」
「何処でもいいからこの場所から離れますよ。もう分かっているでしょう?あんなの、もう誰も止められませんよ」
「しかし……」
「現実を見てください!!私達にあんな化け物をどうにかできると思っているんですか!?」
アイリィの言葉にゴンゾウは眉を顰め、彼としてはゴブリンロードを放置して逃げ出す事に抵抗を覚えるが、彼女の言葉通り、兵士達を蹂躙する怪物を止める手段は誰も思いつかない。剣や槍の刃どころか並の砲撃魔法すらも通さない鋼鉄の皮膚、巨人族の何倍も上回る圧倒的な腕力、何よりも仲間達を殺された事で人間に対して激しい怒りを抱いており、この場に存在する兵士を全員倒したとしてもゴブリンロードの暴走は止まらない。
現在のレナ達の戦力では到底敵う相手ではなく、アイリィは撤退を指示する。だが、レナはゴブリンロードに視線を向け、次々と兵士を殺す姿に拳を握りしめ、不意に自分の手元に違和感を覚える。
「あっ……」
「レノ?」
彼は掌を確認すると元の世界の硬貨を握りしめている事に気付き、完全魔法耐性を備えた金属であり、これを使用すればレナの「奥の手」は使用できる。しかし、彼は目の前で暴れるゴブリンロードに視線を向け、自分の魔法が通じる相手なのか疑問を抱く。
レナは現実世界の硬貨を利用して複数の魔法の属性を付与する事で反発作用と呼ばれる現象を引き起こし、強烈な「光の衝撃波」を生み出す事が出来る。しかし、この反発作用の威力はレナの魔法の威力が基準となり、レベルが20程度のステータスの彼の攻撃が通用するのかは本人には分からない。
それでもゴブリンロードに損傷を与える可能性があるのはレナの反発作用を利用した攻撃法だけであり、彼は効果を握りしめて考える。練習の時は「火属性」と「雷属性」の魔法を付与させたが、もしも他の属性を追加した場合はどうなるのかは試していない。威力が上昇するのか、それとも付与は出来ないのか、あるいは相性が悪い属性同士では相殺してしまう可能性もある。
――それでもレナは帝国の兵士を見殺しには出来ず、彼等はあくまでも帝都を守る為にゴブリンの群れに攻撃を行っただけであり、決して悪意を抱いてゴブリンナイトを惨殺したわけではない。ゴブリンロードに殺される兵士の1人1人に家族が存在し、ゴブリンロードを放置すれば更に何百人、あるいは何千人の兵士が殺されてしまうだろう。
彼は硬貨を握りしめ、仮にこの場を逃げ出したとしてもゴブリンロードが見逃す保証もなく、レナは覚悟を決めて硬貨を強く握りしめる。そんな彼の行動にコトミン達は不思議そうな視線を向けるが、レナは彼等に振り返り、自分1人ではゴブリンロードには通じない事は把握しており、3人にも協力を頼む。
「ごめん……もしかしたら俺は死ぬかもしれないけど、皆に手伝って欲しい事がある」
『はあっ!?』
頼み方に少々問題があったが、3人はレナが考えた作戦を聞き終え、彼の提案に唖然とする。それでもレナ一人をこの場に残して逃げ逃げるという選択肢は3人には存在せず、仕方なく彼の提案を受け入れる事にした。
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