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ゴブリンキング編
反発衝撃
『――ニンゲンドモォオオオオオオッ!!』
「ぐあっ!?」
「うわぁっ!?」
だが、ゴブリンロードは怒りの咆哮を放ち、周囲に居た人間は堪らずに耳を抑える。その中でスライムであるコトミンは鼓膜という概念が存在しないので彼女はゴブリンロードの大きく開いた口に狙いを定め、水圧砲を放つ。
「うるさいっ」
『ゴボォッ!?』
幾ら肉体が頑丈の生物であろうと、口内を刺激されれば無事では済まず、叫び声を上げている間に大量の水分が口に流れ込んだ事でゴブリンロードは咳き込み、その隙にレナは付与魔法を発動する。
「水属性……雷属性!!」
「止めてください!!もう手がっ……!?」
6つの属性まで付与魔法を施した時点でレナの左手の負担が増加し、硬貨から放たれる熱によって皮膚が剥がれ落ちるが、それでも彼が耐えられたのは各属性の「耐性」のスキルのお蔭であり、彼は右手を地面から離して最後の付与魔法を施す。
「土属性……喰らえっ!!」
『グォオオオオオオオオオッ!!』
最後に重力を加える付与魔法を発動させ、レナは掌を開いてゴブリンロードに向けて解き放つ。全ての属性が付与された硬貨が光り輝き、各属性の魔力が反発し合いながら「光の衝撃波」へと変化を果たす。吸魔石を利用した時のようにレナの掌に存在する硬貨が発光し、光線のように解き放たれた。自分に迫りくる強烈な光を目の当たりにしたゴブリンロードは目を見開き、彼の身体が光に飲み込まれた。
――ウオァアアアアアアアアアアッ……!!
怒り、戸惑い、恐怖、そして悲しみが入り混じったゴブリンロードの断末魔の雄叫びが帝都に響き渡り、やがてレナの掌に存在する硬貨から光が消失し、役目を終えたとばかりに掌から黒焦げの硬貨が落ちると、レナは目の前の光景を見て膝を崩す。
「倒した……の?」
「そう、みたいですね……信じられませんけど」
傍に居たアイリィも眼前の光景に信じられない表情を浮かべ、その場にいた他の人間達も2人と同様に自分の視界に映し出された光景に目を見開く。レナの最後の攻撃を受けたゴブリンロードの上半身が完全に消し飛んでおり、残された下半身がゆっくりと地面に倒れこむ。
「か、勝ったのか……」
「信じられん……あんな化け物を……」
「な、何者だ!!あの少年は……!?」
「レノ!!」
兵士達に大きな動揺が走り、その一方でゴンゾウとコトミンが彼の「名前」を告げながら駆け寄る。アイリィはすぐにレナの右手を確認し、眉を顰める。先ほどの魔法によって完全に皮膚が剥がれ落ちて骨が露わになっており、彼女は並の回復薬では回復しないと判断して自分の「蘇生薬」を取り出す。
「染みますよ……動かないで下さいね」
「ぐぅっ……がぁああああああっ!?」
「れ、レノ!?」
「抑えてくださいっ!!下手に動けば取り返しのつかない事になりますよ!!」
「んっ!!」
アイリィが蘇生薬をレナの右手に降り注いだ瞬間、予想以上の激痛に彼は悲鳴を上げ、コトミンとゴンゾウが慌てて抑えつける。その光景に兵士達は唖然とするが、街道の方から新たな足音が響き渡る。
「くんくん……こっちです!!こっちの方にアメリアさんの臭いがします!!」
「あっ、あそこ!!レノたん達が居たよ!!」
「……良かった、無事だったんですね」
「おらぁっ!!何処に行きやがったアメリアぁっ!!ぶっ飛ばしてやるっ!!」
――結界石の制限時間が経過し、、無事に陽光教会から抜け出す事に成功したワルキューレ騎士団とヨウカとミキが駆けつけ、彼女達はポチ子の嗅覚を利用してアメリアに化けていたミラの追跡を行い、北門に辿り着いた。だが、既に肝心のミラもゴブリンロードも死体となって横たわっており、彼女達はレナの異変に気付いて駆け寄る。
「お、おい!!あれは陽光教会の……」
「巫女姫様じゃないか!?やべ、サイン欲しいっ!!」
「阿保かっ!!そんな事よりもどうしてワルキューレ騎士団が……」
「そこ、うるせえですよっ!!治療中なんだから黙っててください!?」
『す、すいませんっ!!』
アイリィが兵士達に怒鳴り付け、彼等は謝罪する間にもレナは右手の激痛に悶え苦しみ、抑えつけられる。慌ててヨウカ達も彼等の元に向い、レナの容態を確認してヨウカが掌を構える。
「ま、待っててね!!すぐに治してあげるから……治癒!!」
「ぐぅっ……!?」
「……もう大丈夫ですよ。完全に再生されました」
レナは右手に痛みが収まり、自分の右手を確認すると先ほどまでは骨が剥き出しになっていた指が完全に再生されており、火傷の痕跡が一つも残されていなかった。アイリィの蘇生薬の効果に驚かされる一方、ヨウカの回復魔法の効果で身体も完全に回復し、皆に礼を告げる。
「ありがとう……でも二度とその薬には世話になりたくないな」
「でもそのお蔭で治りましたよね?」
「お蔭さまでね……ヨウカもありがとう」
「えへへ……」
「……ヨウカ様、まずはこの場を離れましょう。皆様にも色々とお聞きしたい事がありますので……」
「そうですね……じゃあ、後片付けは兵士の人達に任せて一度教会に戻りましょうか」
「ちょっと待ちな!!アメリアの奴はどうしたんだい!?あのガキ、あれほど目を掛けたのにあたし達を閉じ込めやがって……」
「そういえばヨウカはどうやって抜け出したの?アメリアに捕まっていたんじゃ……」
「えっとね……縄で縛られていたんだけど、力を込めたら千切れちゃった」
「ええっ……」
「わぅっ……ヨウカ様は凄いです」
「あの、とりあえずは戻りませんか?詳しい話は教会の方で……」
「ほら、ミキさんが困ってますから行きますよ」
「レノ、俺の背中に乗れ」
ミキの提案に全員が従い、レナ達も疲労が蓄積されているので治療院に帰還する。兵士達がそんな彼等を呆然とした表情で見送るが、彼等が正気を取り戻した頃には既にレナ達は立ち去った跡だった――
「ぐあっ!?」
「うわぁっ!?」
だが、ゴブリンロードは怒りの咆哮を放ち、周囲に居た人間は堪らずに耳を抑える。その中でスライムであるコトミンは鼓膜という概念が存在しないので彼女はゴブリンロードの大きく開いた口に狙いを定め、水圧砲を放つ。
「うるさいっ」
『ゴボォッ!?』
幾ら肉体が頑丈の生物であろうと、口内を刺激されれば無事では済まず、叫び声を上げている間に大量の水分が口に流れ込んだ事でゴブリンロードは咳き込み、その隙にレナは付与魔法を発動する。
「水属性……雷属性!!」
「止めてください!!もう手がっ……!?」
6つの属性まで付与魔法を施した時点でレナの左手の負担が増加し、硬貨から放たれる熱によって皮膚が剥がれ落ちるが、それでも彼が耐えられたのは各属性の「耐性」のスキルのお蔭であり、彼は右手を地面から離して最後の付与魔法を施す。
「土属性……喰らえっ!!」
『グォオオオオオオオオオッ!!』
最後に重力を加える付与魔法を発動させ、レナは掌を開いてゴブリンロードに向けて解き放つ。全ての属性が付与された硬貨が光り輝き、各属性の魔力が反発し合いながら「光の衝撃波」へと変化を果たす。吸魔石を利用した時のようにレナの掌に存在する硬貨が発光し、光線のように解き放たれた。自分に迫りくる強烈な光を目の当たりにしたゴブリンロードは目を見開き、彼の身体が光に飲み込まれた。
――ウオァアアアアアアアアアアッ……!!
怒り、戸惑い、恐怖、そして悲しみが入り混じったゴブリンロードの断末魔の雄叫びが帝都に響き渡り、やがてレナの掌に存在する硬貨から光が消失し、役目を終えたとばかりに掌から黒焦げの硬貨が落ちると、レナは目の前の光景を見て膝を崩す。
「倒した……の?」
「そう、みたいですね……信じられませんけど」
傍に居たアイリィも眼前の光景に信じられない表情を浮かべ、その場にいた他の人間達も2人と同様に自分の視界に映し出された光景に目を見開く。レナの最後の攻撃を受けたゴブリンロードの上半身が完全に消し飛んでおり、残された下半身がゆっくりと地面に倒れこむ。
「か、勝ったのか……」
「信じられん……あんな化け物を……」
「な、何者だ!!あの少年は……!?」
「レノ!!」
兵士達に大きな動揺が走り、その一方でゴンゾウとコトミンが彼の「名前」を告げながら駆け寄る。アイリィはすぐにレナの右手を確認し、眉を顰める。先ほどの魔法によって完全に皮膚が剥がれ落ちて骨が露わになっており、彼女は並の回復薬では回復しないと判断して自分の「蘇生薬」を取り出す。
「染みますよ……動かないで下さいね」
「ぐぅっ……がぁああああああっ!?」
「れ、レノ!?」
「抑えてくださいっ!!下手に動けば取り返しのつかない事になりますよ!!」
「んっ!!」
アイリィが蘇生薬をレナの右手に降り注いだ瞬間、予想以上の激痛に彼は悲鳴を上げ、コトミンとゴンゾウが慌てて抑えつける。その光景に兵士達は唖然とするが、街道の方から新たな足音が響き渡る。
「くんくん……こっちです!!こっちの方にアメリアさんの臭いがします!!」
「あっ、あそこ!!レノたん達が居たよ!!」
「……良かった、無事だったんですね」
「おらぁっ!!何処に行きやがったアメリアぁっ!!ぶっ飛ばしてやるっ!!」
――結界石の制限時間が経過し、、無事に陽光教会から抜け出す事に成功したワルキューレ騎士団とヨウカとミキが駆けつけ、彼女達はポチ子の嗅覚を利用してアメリアに化けていたミラの追跡を行い、北門に辿り着いた。だが、既に肝心のミラもゴブリンロードも死体となって横たわっており、彼女達はレナの異変に気付いて駆け寄る。
「お、おい!!あれは陽光教会の……」
「巫女姫様じゃないか!?やべ、サイン欲しいっ!!」
「阿保かっ!!そんな事よりもどうしてワルキューレ騎士団が……」
「そこ、うるせえですよっ!!治療中なんだから黙っててください!?」
『す、すいませんっ!!』
アイリィが兵士達に怒鳴り付け、彼等は謝罪する間にもレナは右手の激痛に悶え苦しみ、抑えつけられる。慌ててヨウカ達も彼等の元に向い、レナの容態を確認してヨウカが掌を構える。
「ま、待っててね!!すぐに治してあげるから……治癒!!」
「ぐぅっ……!?」
「……もう大丈夫ですよ。完全に再生されました」
レナは右手に痛みが収まり、自分の右手を確認すると先ほどまでは骨が剥き出しになっていた指が完全に再生されており、火傷の痕跡が一つも残されていなかった。アイリィの蘇生薬の効果に驚かされる一方、ヨウカの回復魔法の効果で身体も完全に回復し、皆に礼を告げる。
「ありがとう……でも二度とその薬には世話になりたくないな」
「でもそのお蔭で治りましたよね?」
「お蔭さまでね……ヨウカもありがとう」
「えへへ……」
「……ヨウカ様、まずはこの場を離れましょう。皆様にも色々とお聞きしたい事がありますので……」
「そうですね……じゃあ、後片付けは兵士の人達に任せて一度教会に戻りましょうか」
「ちょっと待ちな!!アメリアの奴はどうしたんだい!?あのガキ、あれほど目を掛けたのにあたし達を閉じ込めやがって……」
「そういえばヨウカはどうやって抜け出したの?アメリアに捕まっていたんじゃ……」
「えっとね……縄で縛られていたんだけど、力を込めたら千切れちゃった」
「ええっ……」
「わぅっ……ヨウカ様は凄いです」
「あの、とりあえずは戻りませんか?詳しい話は教会の方で……」
「ほら、ミキさんが困ってますから行きますよ」
「レノ、俺の背中に乗れ」
ミキの提案に全員が従い、レナ達も疲労が蓄積されているので治療院に帰還する。兵士達がそんな彼等を呆然とした表情で見送るが、彼等が正気を取り戻した頃には既にレナ達は立ち去った跡だった――
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