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戦姫編
弓魔術の強化
――二日後、無事に馬車の購入を終えて夜営する準備を整えたレナ達が治療院に待機しているとし、彼女は後部に荷車が取り付けられた馬車を購入し、流石にゴンゾウを乗せられる程の規模の馬車は存在せず、仕方無いので彼だけが後部の荷車で移動する事になる。
馬車の運転を行うのはアイリィであり、彼女は馬車を操れるように練習を行っており、レナ達は治療院の人間に廃都に向かう用事を伝え、新しい馬車と供に出発する。まずは帝都の周辺に広がっている草原を抜け出す必要があり、魔物に襲われた場合を考えて手に石も用意し、レナ達は帝都を出発した。
「……やっぱ馬が2頭でもこれだけの人数だと移動速度が遅いね」
「そうですね。まあ、今日中には廃都には辿り着けると思いますよ」
「むう……俺が重くてすまない」
馬車はレナ達だけならばともかく、巨人族のゴンゾウと彼の装備を運ぶことで移動速度が若干落ちており、アイリィによると廃都に辿り着くのは深夜の時間帯であり、それまでに魔物の遭遇に気を付けなければならない。レナは周囲に視線を向け、現在の彼のステータスの副職は「射手」に切り替えており、ゴブリンロードとの戦闘を終えてから新たに覚えた職業スキルである。
この射手のスキルを習得した時にレナは「鷹の目」というスキルも覚えており、視覚と観察眼を強化するスキルであり、周囲に気を配りながら魔弓を射抜く準備を行う。射手のスキルとして「速射」という矢を番える動作を短縮させるスキルと単発限りではあるが矢の威力を強化させる「強射撃」の戦技も覚えており、レナは矢を構えて魔法腕輪を確認する。
「よし……魔法腕輪と魔石の準備も問題なし」
「おっ、遂に本格的に魔弓を扱うんですか?」
「まあね……ちょっと馬車を止めてくれない?試し撃ちしたいから」
「いいですよ。こちらもどの程度の威力なのか把握して置く必要がありますから」
「ん?レナは射手になったのか……?」
「その辺の説明は後でするから……」
ゴンゾウは彼が魔弓を装備している事に驚くが、レナは魔弓を試すために馬車を止めて草原に降り立つ。彼は弦の具合を確かめ、今回は雷属性の魔石の鏃が装着された矢を番え、魔法腕輪を発動して魔力を強化した状態で射抜く。
「よし……雷属性」
先に魔石に付与魔法を施し、暴発を引き起こす前に矢を魔弓に番え、上空に構える。撃ち出す際に魔弓にルーンの紋様が光り輝き、レナは弦から指を離す。
「よっとっ!!」
『おおっ!!』
電撃を纏った矢が上空に射抜かれ、最早「電撃の槍」と化して30メートル程まで移動を終えると矢が炭と化してしまう。鏃の部分以外は普通の矢である事に違いはなく、魔石の暴発に耐え切れずに消失する。今回は魔石を利用したが、魔水晶の方が威力を上昇させる可能性が高いが、鍛冶師のゴアによると魔水晶の加工は非常に難しく、魔石以上に時間が掛かるという事からレナは今回の装備に魔水晶の鏃は所持していない。
「中々格好いいじゃないですか。威力も凄そうですし……これなら例の吸魔石を利用した魔力砲撃とやらも必要ないんじゃないですか?」
「いや、どうかな……こっちは弓がないと使えないし、魔力砲撃の方が多分だけど威力は強いと思うよ」
弓魔術の攻撃を「銃」として例えた場合、魔力砲撃の場合は「大砲」であり、威力の面では大きな差がある。だが、レナは弓魔術を確認して今後の戦闘ではこちらを利用する事を決め、矢を撃つ度に魔石を消費するのは金銭面で負担が掛かるが、現在の彼には日本円で換算すると数千万の貯蓄が存在するため、魔物との戦闘で命を守るためならば多少の金銭は惜しまない方が得策だと彼は考えていた。
「レナはこれからは射手として戦うのか?」
「援護は任せて……と言いたいけど、それだと後方支援が3人になるからゴンちゃんの負担が大きいな」
「そうですね。前衛が1人だけだとバランスが悪いですし、やっぱりあと1人か2人ぐらいは前に出て戦える人間を加えたいですね」
現在のレナ達は魔術師が2人も存在し、しかもどちらも回復魔法を得意ではあるが攻撃に利用できる砲撃魔法は覚えていない。ゴンゾウだけが前衛として戦闘を行うのは負担が大きく、やはり他に剣士や騎士のような職業の人間を追加させる必要があった。
「今度からは冒険者ギルドに依頼して護衛を加えようか?」
「それなら冒険者よりも傭兵が良い……彼等は戦闘に慣れているし、対人戦に優れている。盗賊が現れた時は冷静に対応してくれるぞ」
「そっか……」
「でも帝都には傭兵ギルドは存在しませんよ?帝国では冒険者ギルドが主流ですから……」
「むっ……そうなのか?」
「……それは残念」
巨人族の領土では傭兵ギルドしか存在しないが、逆に帝国では冒険者ギルドが主流となっており、傭兵ギルドは少ない。国家によってはどちらかのギルドが廃止されている事も珍しくはなく、少なくとも帝国領土で傭兵を雇う事は難しい。
馬車の運転を行うのはアイリィであり、彼女は馬車を操れるように練習を行っており、レナ達は治療院の人間に廃都に向かう用事を伝え、新しい馬車と供に出発する。まずは帝都の周辺に広がっている草原を抜け出す必要があり、魔物に襲われた場合を考えて手に石も用意し、レナ達は帝都を出発した。
「……やっぱ馬が2頭でもこれだけの人数だと移動速度が遅いね」
「そうですね。まあ、今日中には廃都には辿り着けると思いますよ」
「むう……俺が重くてすまない」
馬車はレナ達だけならばともかく、巨人族のゴンゾウと彼の装備を運ぶことで移動速度が若干落ちており、アイリィによると廃都に辿り着くのは深夜の時間帯であり、それまでに魔物の遭遇に気を付けなければならない。レナは周囲に視線を向け、現在の彼のステータスの副職は「射手」に切り替えており、ゴブリンロードとの戦闘を終えてから新たに覚えた職業スキルである。
この射手のスキルを習得した時にレナは「鷹の目」というスキルも覚えており、視覚と観察眼を強化するスキルであり、周囲に気を配りながら魔弓を射抜く準備を行う。射手のスキルとして「速射」という矢を番える動作を短縮させるスキルと単発限りではあるが矢の威力を強化させる「強射撃」の戦技も覚えており、レナは矢を構えて魔法腕輪を確認する。
「よし……魔法腕輪と魔石の準備も問題なし」
「おっ、遂に本格的に魔弓を扱うんですか?」
「まあね……ちょっと馬車を止めてくれない?試し撃ちしたいから」
「いいですよ。こちらもどの程度の威力なのか把握して置く必要がありますから」
「ん?レナは射手になったのか……?」
「その辺の説明は後でするから……」
ゴンゾウは彼が魔弓を装備している事に驚くが、レナは魔弓を試すために馬車を止めて草原に降り立つ。彼は弦の具合を確かめ、今回は雷属性の魔石の鏃が装着された矢を番え、魔法腕輪を発動して魔力を強化した状態で射抜く。
「よし……雷属性」
先に魔石に付与魔法を施し、暴発を引き起こす前に矢を魔弓に番え、上空に構える。撃ち出す際に魔弓にルーンの紋様が光り輝き、レナは弦から指を離す。
「よっとっ!!」
『おおっ!!』
電撃を纏った矢が上空に射抜かれ、最早「電撃の槍」と化して30メートル程まで移動を終えると矢が炭と化してしまう。鏃の部分以外は普通の矢である事に違いはなく、魔石の暴発に耐え切れずに消失する。今回は魔石を利用したが、魔水晶の方が威力を上昇させる可能性が高いが、鍛冶師のゴアによると魔水晶の加工は非常に難しく、魔石以上に時間が掛かるという事からレナは今回の装備に魔水晶の鏃は所持していない。
「中々格好いいじゃないですか。威力も凄そうですし……これなら例の吸魔石を利用した魔力砲撃とやらも必要ないんじゃないですか?」
「いや、どうかな……こっちは弓がないと使えないし、魔力砲撃の方が多分だけど威力は強いと思うよ」
弓魔術の攻撃を「銃」として例えた場合、魔力砲撃の場合は「大砲」であり、威力の面では大きな差がある。だが、レナは弓魔術を確認して今後の戦闘ではこちらを利用する事を決め、矢を撃つ度に魔石を消費するのは金銭面で負担が掛かるが、現在の彼には日本円で換算すると数千万の貯蓄が存在するため、魔物との戦闘で命を守るためならば多少の金銭は惜しまない方が得策だと彼は考えていた。
「レナはこれからは射手として戦うのか?」
「援護は任せて……と言いたいけど、それだと後方支援が3人になるからゴンちゃんの負担が大きいな」
「そうですね。前衛が1人だけだとバランスが悪いですし、やっぱりあと1人か2人ぐらいは前に出て戦える人間を加えたいですね」
現在のレナ達は魔術師が2人も存在し、しかもどちらも回復魔法を得意ではあるが攻撃に利用できる砲撃魔法は覚えていない。ゴンゾウだけが前衛として戦闘を行うのは負担が大きく、やはり他に剣士や騎士のような職業の人間を追加させる必要があった。
「今度からは冒険者ギルドに依頼して護衛を加えようか?」
「それなら冒険者よりも傭兵が良い……彼等は戦闘に慣れているし、対人戦に優れている。盗賊が現れた時は冷静に対応してくれるぞ」
「そっか……」
「でも帝都には傭兵ギルドは存在しませんよ?帝国では冒険者ギルドが主流ですから……」
「むっ……そうなのか?」
「……それは残念」
巨人族の領土では傭兵ギルドしか存在しないが、逆に帝国では冒険者ギルドが主流となっており、傭兵ギルドは少ない。国家によってはどちらかのギルドが廃止されている事も珍しくはなく、少なくとも帝国領土で傭兵を雇う事は難しい。
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