最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

文字の大きさ
171 / 207
戦姫編

盗賊撃退

しおりを挟む
「ぬんっ!!」
「「うわぁあああっ!?」」
「えっ……うぎゃあっ!?」


ゴンゾウが両手に掴んでいた男達を放り投げ、投擲の方向に存在した他の盗賊に衝突する。その一方でレナは短剣を構える男と向かい合い、相手は短剣の戦技を発動して攻撃を仕掛けてくる。


「乱れ斬り!!」
「おっと」
「あ、当たらねえっ!?」


短剣を構えた男が不規則な軌道で刃を振り回すが、レナは回避を発動して難なく回避を行い、その光景を見た他の盗賊の男が驚くが、レナは反撃のスキルを発動して足払いを行う。


「よっと」
「うわぁっ!?」
「こ、このっ!!」


戦技の発動中は手元以外の注意が落ちており、その隙を突いて短剣を振り回す男の足元を蹴り飛ばし、地面に倒れこむ。その隙にレナの後方に居た男が短剣を両手で握りしめて彼に短剣を突き刺そうとするが、レナは冷静に掌を地面に翳して水属性の付魔法を発動させて地面を凍り付かせる。


「うわぁああっ!?」
「足元注意っ」


駆け寄ってきた男は凍結した地面にあを滑らせて転倒してしまい、その一方でレナは起き上がるとその場を離れ、アイリィとコトミンに近づこうとする男の背後に向かう。


「くそったれ!!せめて女だけでも……」
「コトミンさん!!」
「んっ……邪魔」
「ふげぇっ!?」


だが、レナが向かうまでもなく、コトミンは正面から近づいてくる男に右腕を伸ばし、レナの白銀拳のように腕を変形させて殴り込む。スライムの形状変化の能力を利用した攻撃であり、実際に本物のような金属の拳に変化するわけではないが、彼女の一撃を受けた男は派手に吹き飛ぶ。コトミンはヴァンパイアのカトレアを一撃で気絶させる程の力を持っており、男は気絶したのか地面に倒れ込んだまま動かなくなる。


「流石だな……けど、少しやばいかな」
「げほげほっ……く、くそがぁっ!!ふざけた真似をしやがって!!」
「ぶっ殺してやる!!」


吸魔石の効果が切れたのか黒煙の役割を果たしていた闇属性の魔力の黒霧が消散し、煙幕を受けて動けなかった残りの盗賊達が咳き込みながら現れ、一斉にレナ達に襲い掛かる。それを見たゴンゾウは棍棒を構え、その一方でレナは魔弓を握りしめ、矢を構えようした瞬間、唐突に地面に振動が走る。


「うおおっ!?」
「な、なんだ!?」
「地震かっ!?」


地面の振動が徐々に強まり全員に動揺が走る中、レナ達は一か所に集まって周囲を見渡す。アラン炭鉱を生き抜いた彼等は今回のような地面の振動に嫌な覚えがあり、この振動の正体が自身ではなく、大型の「魔物」が近づいている事に気付く。


「レナさん……」
「分かってる……あそこだっ!!」
『ウァアアアアアッ……!!』


レナは自分達が通り過ぎた通路に振り返ると、こちらに向けて3体の緑色の皮膚の巨人が近づいている事に気付き、最初彼はゴブリンキングが現れたのかと思ったが、今回の魔物は全身が肥え太っており、しかも顔つきが明らかにゴブリンとは異なり、腰の部分に布切れだけを纏った状態で現れる。すぐに彼の脳裏に「トロール」という単語が思い浮かび、ゴブリン同様に有名な魔物である。


「ウォオッ……オウッ?」
「ゲヘ、ゲヘヘヘッ!!」
「ウォオオオッ!!」


3体のトロールはレナ達に視線を向け、即座に下衆な笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてくる。身長は5メートルを超えており、全員がゴンゾウを上回る巨体であり、何処かの建物から盗み出したのか石柱を握りしめる個体も存在した。その光景に盗賊達は顔色を変え、慌ててレナ達を放置して逃走を行う。


「や、やべぇっ!!トロールだ!!逃げるぞっ!?」
「くそっ……ここら辺はあいつらの領域じゃないはずなのに!!」
「いいから走れ!!あいつらは足が遅くても体力は無尽蔵だっ!!完全に撒かないと……!!」
「オァアアアアアアアッ!!」


逃走を開始した盗賊団に対し、トロールの1体が咆哮を上げると勢いよく地面を踏み込み、跳躍を行う。巨体からは考えられない程の跳躍力であり、レナ達を飛び越えて盗賊団の真上から巨体を利用して押し潰す。


『ぎゃあぁあああああああっ!?』
「お、お前等ぁっ!?」
「ゲヘヘッ……!!」


数人が餌食となり、トロールの巨体に押し潰され、盗賊頭が咄嗟に助けようと近寄るが、トロールは右腕を伸ばして振り払う。


「フゥンッ!!」
「ぎゃああっ!?」
「頭ぁっ!?」
「に、逃げろっ!!殺されるぞっ!!」


あっさりと自分達の首領が薙ぎ払われた光景に他の盗賊は怖じ気づき、恐怖の表情を浮かべて走り去る。その光景にレナは舌打ちし、トロールに向けて駈け出す。
しおりを挟む
感想 263

あなたにおすすめの小説

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

処理中です...