文字の大きさ
大
中
小
173 / 207
戦姫編
ミノタウロス 〈上級危険種〉
「そう言えばここはどれくらいの種類の魔物が存在するの?」
「分からん……だが、俺は前に訪れた時はゴブリン、オーク、トロールの他には……ミノタウロスが存在する」
「ミノタウロス!?そんな化物までいるんですか?」
「ミノタウロス……」
レナの脳裏に牛の頭と人間の胴体を持つ化物が思い浮かび、元の世界でも有名な存在である。こちらの世界では上級危険種に指定されている魔物であり、その強さはゴブリンキングを凌駕する。レナは対面した事はないがゴンゾウは一度だけ廃都で見かけた事があり、巨大な戦斧を所持して廃都を歩き回っていたらしい。
「ミノタウロスは魔人族の中でも凶悪な存在として知られているが、環境によっては人間のように人語を話す事も出来る程知能が高い。だが、俺が見かけたミノタウロスは人間から奪ったのか、それとも廃都に存在した宝物を奪ったのか、あるいは自分で作り出したのかは分からないが……神々しい鉄槌を抱えていた」
「神々しい鉄槌?どんなの?」
「全体が白銀で構成され、更に柄の部分に雷属性の魔水晶らしき宝石が埋め込まれていた……俺は奴の姿を見た瞬間、殺されるかと思った。だが、奴は俺の存在に気付いても反応せず、そのまま立ち去った……ミノタウロスは俺を敵として認めなかったのかもしれない」
「え?襲われなかったんですか?あ、でもミノタウロスは人肉は嫌うんでしたっけ……」
「どんな奴なんだよ……何処で見かけたの?」
「この都市の中央に存在する「廃城」だ。この廃都が存在した時は立派な城だったそうだが、今では半壊して原型すら留めていないらしい……今はミノタウロスの住処になっている」
「廃城か……お宝とかありそうだな」
「そうですね。後で少しだけ覗きに行きますか……そのミノタウロスに見つからないように気を付けないといけませんけど」
アイリィの発言に全員が頷き、レナとしてもゴブリンキングを上回る強さを誇るというミノタウロスとの遭遇は避けたく、レナ達は街道を進み続ける。だが、不思議な事にトロールとの遭遇からそれなりの時間が経過しているが他の魔物と遭遇する気配がない。
「おかしいな……前の時はもっと魔物と遭遇したんだが、どうなっている?」
「そんなに魔物が居たんですか?」
「居た。10歩歩く度に新手に襲われた……だが、今回はおかしい」
「別に魔物なんか遭遇したくないですけどね……あれ、コトミンさんどうしたんですか?」
「……あっちの建物に何か居た」
コトミンが立ち止まり、アイリィが彼女の声を掛けるとコトミンは右方向に存在する建物を指差し、元の世界の古代ローマのパンテオンのような神殿が存在し、陽光教会の象徴である太陽神の銅像が屋根の上に建てられており、コトミンは神殿の中からこちらの様子を伺う存在を発見したと告げる。
「何処に居る?」
「今は隠れた……だけど、人影だった」
「盗賊ですかね?」
「冒険者かも知れない。行ってみよう」
レナ達は神殿の建物に向い、周囲を警戒しながら武器を構えて中に入り込むと、神殿の内部には予想外の光景が広がっていた。
「これは……」
「魔物の……骨か?」
入口を通り抜けて早々にレナ達は血塗れと化した床に気付き、それと同時に無数の魔物の骨の山が設けられており、ゴブリン、トロール、ファング、他にも様々な種類の骨が地面に転がっており、アイリィが足元の骨を拾い上げて鑑定のスキルを発動させると、顔を顰める。
「これは……最近に生み出された骨のようですね。食事の後と言えばいいんでしょうか……」
「食事って……これだけの量を?」
レナ達の周囲には無数の骨の山が存在し、恐らくは数トンの魔物の死骸が食い散らされた後であり、これだけの量の骨の山を形成する生物が神殿に存在する可能性があり、レナ達は周囲を警戒する。
「この骨の量……どう考えても単体の生物の仕業とは思えませんけど……大勢の魔物がここに住んでいるとは考えにくいですし……」
「なんで?」
「床の跡を見てくださいよ。これだけの血の量ですよ?もしも大勢の生物が住んでいたらもっと足跡が残っていますよ……だけど、この神殿に存在する足跡の種類はこれだけです」
アイリィは床の一部を指差し、全員がそちらに視線を向けると人間のような足跡が存在したが、その規模は普通ではなく、少なくとも足跡が1メートルを超えていた。
「何だこれ……すごくデカい巨人族?」
「どんな推理ですか。いくら巨人族でもこのサイズは有り得ませんよ」
「なら……人型の魔物か?」
「考えられるとしたらそうでしょうけど……これだけのサイズとなると全長はどれくらい存在するのかも分かりません。早くこの場を離れた方が良いかも知れませんね」
「……もう遅いと思う」
コトミンの言葉に全員が彼女に視線を向けると彼女は珍しく動揺したように何度も瞬きを行い、目を擦る動作を行うが、やがて前方を指差す。レナは彼女の指差した方向に視線を向けると、建物の奥からこちらを覗き込んでいる「巨人」が存在した。
「分からん……だが、俺は前に訪れた時はゴブリン、オーク、トロールの他には……ミノタウロスが存在する」
「ミノタウロス!?そんな化物までいるんですか?」
「ミノタウロス……」
レナの脳裏に牛の頭と人間の胴体を持つ化物が思い浮かび、元の世界でも有名な存在である。こちらの世界では上級危険種に指定されている魔物であり、その強さはゴブリンキングを凌駕する。レナは対面した事はないがゴンゾウは一度だけ廃都で見かけた事があり、巨大な戦斧を所持して廃都を歩き回っていたらしい。
「ミノタウロスは魔人族の中でも凶悪な存在として知られているが、環境によっては人間のように人語を話す事も出来る程知能が高い。だが、俺が見かけたミノタウロスは人間から奪ったのか、それとも廃都に存在した宝物を奪ったのか、あるいは自分で作り出したのかは分からないが……神々しい鉄槌を抱えていた」
「神々しい鉄槌?どんなの?」
「全体が白銀で構成され、更に柄の部分に雷属性の魔水晶らしき宝石が埋め込まれていた……俺は奴の姿を見た瞬間、殺されるかと思った。だが、奴は俺の存在に気付いても反応せず、そのまま立ち去った……ミノタウロスは俺を敵として認めなかったのかもしれない」
「え?襲われなかったんですか?あ、でもミノタウロスは人肉は嫌うんでしたっけ……」
「どんな奴なんだよ……何処で見かけたの?」
「この都市の中央に存在する「廃城」だ。この廃都が存在した時は立派な城だったそうだが、今では半壊して原型すら留めていないらしい……今はミノタウロスの住処になっている」
「廃城か……お宝とかありそうだな」
「そうですね。後で少しだけ覗きに行きますか……そのミノタウロスに見つからないように気を付けないといけませんけど」
アイリィの発言に全員が頷き、レナとしてもゴブリンキングを上回る強さを誇るというミノタウロスとの遭遇は避けたく、レナ達は街道を進み続ける。だが、不思議な事にトロールとの遭遇からそれなりの時間が経過しているが他の魔物と遭遇する気配がない。
「おかしいな……前の時はもっと魔物と遭遇したんだが、どうなっている?」
「そんなに魔物が居たんですか?」
「居た。10歩歩く度に新手に襲われた……だが、今回はおかしい」
「別に魔物なんか遭遇したくないですけどね……あれ、コトミンさんどうしたんですか?」
「……あっちの建物に何か居た」
コトミンが立ち止まり、アイリィが彼女の声を掛けるとコトミンは右方向に存在する建物を指差し、元の世界の古代ローマのパンテオンのような神殿が存在し、陽光教会の象徴である太陽神の銅像が屋根の上に建てられており、コトミンは神殿の中からこちらの様子を伺う存在を発見したと告げる。
「何処に居る?」
「今は隠れた……だけど、人影だった」
「盗賊ですかね?」
「冒険者かも知れない。行ってみよう」
レナ達は神殿の建物に向い、周囲を警戒しながら武器を構えて中に入り込むと、神殿の内部には予想外の光景が広がっていた。
「これは……」
「魔物の……骨か?」
入口を通り抜けて早々にレナ達は血塗れと化した床に気付き、それと同時に無数の魔物の骨の山が設けられており、ゴブリン、トロール、ファング、他にも様々な種類の骨が地面に転がっており、アイリィが足元の骨を拾い上げて鑑定のスキルを発動させると、顔を顰める。
「これは……最近に生み出された骨のようですね。食事の後と言えばいいんでしょうか……」
「食事って……これだけの量を?」
レナ達の周囲には無数の骨の山が存在し、恐らくは数トンの魔物の死骸が食い散らされた後であり、これだけの量の骨の山を形成する生物が神殿に存在する可能性があり、レナ達は周囲を警戒する。
「この骨の量……どう考えても単体の生物の仕業とは思えませんけど……大勢の魔物がここに住んでいるとは考えにくいですし……」
「なんで?」
「床の跡を見てくださいよ。これだけの血の量ですよ?もしも大勢の生物が住んでいたらもっと足跡が残っていますよ……だけど、この神殿に存在する足跡の種類はこれだけです」
アイリィは床の一部を指差し、全員がそちらに視線を向けると人間のような足跡が存在したが、その規模は普通ではなく、少なくとも足跡が1メートルを超えていた。
「何だこれ……すごくデカい巨人族?」
「どんな推理ですか。いくら巨人族でもこのサイズは有り得ませんよ」
「なら……人型の魔物か?」
「考えられるとしたらそうでしょうけど……これだけのサイズとなると全長はどれくらい存在するのかも分かりません。早くこの場を離れた方が良いかも知れませんね」
「……もう遅いと思う」
コトミンの言葉に全員が彼女に視線を向けると彼女は珍しく動揺したように何度も瞬きを行い、目を擦る動作を行うが、やがて前方を指差す。レナは彼女の指差した方向に視線を向けると、建物の奥からこちらを覗き込んでいる「巨人」が存在した。
感想 263
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
S級冒険者の子どもが進む道
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。