文字の大きさ
大
中
小
187 / 207
戦姫編
手裏剣
一先ずは訓練を終えたレナはゴアから受け取った短剣の具合に満足し、新しく覚えた「浮揚魔術」は今後の戦闘で役立つ事を確信する。また、短剣を利用した攻撃法として弾丸のように射出する「螺旋弾」と丸鋸のように切り裂く「螺旋刃」を生み出す事に成功し、レナはバジリスク戦に備えて準備を進める。
「おっ……ゴアの奴、こんな物まで作っていたのか」
レナが依頼した覚えのない武器も入っており、教会に送り込まれた木箱の中には「手裏剣」に酷似した武器も収納されており、レナは鑑定のスキルを発動させて名前を確認しようとしたが構成された素材だけしか表示されず、ゴアが作り出した現時点では世界に存在しない武器だと判明した。
「鑑定のスキルでも名前が表示されない場合もあるのか……勝手に名付けるか」
外見は日本の忍者が使用していた十字手裏剣と酷似しており、無難に彼は「手裏剣」と名付け事に決め、こちらの武器の方が「螺旋刃」が扱いやすく、通常の短剣は「螺旋弾」として利用する事を決め、レナは3枚しか存在しない手裏剣を腰に装備させる。
「流石に荷物が多くなって来たな……矢筒は背中に移動させるか」
腰に短剣と手裏剣のベルトを装着した以上、今後は弓矢と矢筒は背中に背負う事に決め、バジリスクとの戦闘を想定して動きやすい服装が最良と判断し、退魔のローブは装着せず、それぞれの武器の点検を行う。
「出発は早くても3日後か……」
魔法腕輪に装着している魔水晶を取り替えながらレナはバジリスクが潜む深淵の森に出発する日時を確認し、事前の話し合いでは戦姫が直々に道案内を行い、今回の作戦には彼女の護衛として帝国側から3000の兵士の精鋭が選別され、更に陽光教会からはワルキューレ騎士団が出動し、冒険者ギルドからも募集を行っており、ゴブリンロードの時と違う点は万全な準備を整えてからこちら側が仕掛ける事になる。
参加する人間の中には魔術師も数多く存在するが、その中で最も期待されているのはバジリスクと同格の超級危険種を倒したレナであり、ジャンヌの側近を勤めるリノンも彼に期待を抱いていた。だが、実際の所はレナはゴブリンロードを打ち倒した時の魔法をもう一度発動できる自信はなかった。
「今度は腕が吹き飛ぶかもな……」
元の世界の硬貨を取り出し、指先で摘みながらレナは溜息を吐きだす。全ての付与魔法を発動させ、各属性同士の魔力の反発作用を利用した「反発衝撃」は彼の右手を危うく消し飛ばしかけ、アイリィの蘇生薬が存在しなければ完全な治癒は不可能であり、もしも彼女が居なければ彼の右手は存在しなかった可能性もある。
「あんまり期待されても困るんだよな……だけどやるしかない」
ゴブリンロードと戦闘した時よりも確実にレナは成長しており、それは同時に彼の付与魔法の力も高まっている事を示しており、もしもバジリスクとの戦闘で「反発衝撃」に頼らなければならない状況に陥った時、今度の彼は右手を失うだけでは済まず、下手をしたら右腕どころから身体が耐え切れずに消し飛んでしまう可能性も否定できない。
それでも伝説の大蛇を倒すには「反発衝撃」を発動しなければならない状況に追い込まれる可能性があり、レナは大きな溜息を吐きだす。様々な「可能性」という単語が頭の中で交錯し、現時点ではバジリスクの詳細を知っている人物がジャンヌとリノンだけであるのが問題であり、レナは得体のしれない伝説の大蛇に不安を抱く。
「もう少し情報があればな……バジリスクに挑んだ付与魔術師とかいないのかな」
既に読み終えた魔法書の本棚に視線を向け、レナが入手した魔法書の主人公達は様々な魔物と遭遇しており、全員が付与魔術を上手く活用して対抗していたが、流石にバジリスクのような伝説級の魔物と戦闘を行った人間はいない。だが、一冊だけ読み終えていない魔法書が本棚に存在し、レナは抜き取る。
「そう言えば返し忘れていたな……何の魔法書なんだろう?」
レナは黒色の魔法書を抜き取り、魔道具店のコウが用意した付与魔法の魔法書に混じっていた物であり、店に返し忘れていた事を思い出し、面倒ではあるが返却に向かうために本棚に手を伸ばすと、扉がノックされる。
『レナ様!!いらっしゃいますか!?』
「ミキさん?」
『失礼します!!』
部屋の中に慌てた様子のミキが入り込み、非常に興奮した様子であり、レナは彼女の反応に何事か起きた事に気付き、実際にミキの次の言葉は衝撃的な内容だった。
「じゃ、ジャンヌ様がこの教会に訪れた途端に倒れました!!今現在は治療中ですが、全身に毒が回っています。レナ様も治療にご協力ください!!」
「何だって!?」
ミキの言葉にレナは驚愕し、唐突に容態が悪化したジャンヌが治療院に運び込まれたという報告に動揺を隠せず、即座に彼女の案内でジャンヌが治療を施されている緊急医療室に向かう。
※新作を投稿しました。
「おっ……ゴアの奴、こんな物まで作っていたのか」
レナが依頼した覚えのない武器も入っており、教会に送り込まれた木箱の中には「手裏剣」に酷似した武器も収納されており、レナは鑑定のスキルを発動させて名前を確認しようとしたが構成された素材だけしか表示されず、ゴアが作り出した現時点では世界に存在しない武器だと判明した。
「鑑定のスキルでも名前が表示されない場合もあるのか……勝手に名付けるか」
外見は日本の忍者が使用していた十字手裏剣と酷似しており、無難に彼は「手裏剣」と名付け事に決め、こちらの武器の方が「螺旋刃」が扱いやすく、通常の短剣は「螺旋弾」として利用する事を決め、レナは3枚しか存在しない手裏剣を腰に装備させる。
「流石に荷物が多くなって来たな……矢筒は背中に移動させるか」
腰に短剣と手裏剣のベルトを装着した以上、今後は弓矢と矢筒は背中に背負う事に決め、バジリスクとの戦闘を想定して動きやすい服装が最良と判断し、退魔のローブは装着せず、それぞれの武器の点検を行う。
「出発は早くても3日後か……」
魔法腕輪に装着している魔水晶を取り替えながらレナはバジリスクが潜む深淵の森に出発する日時を確認し、事前の話し合いでは戦姫が直々に道案内を行い、今回の作戦には彼女の護衛として帝国側から3000の兵士の精鋭が選別され、更に陽光教会からはワルキューレ騎士団が出動し、冒険者ギルドからも募集を行っており、ゴブリンロードの時と違う点は万全な準備を整えてからこちら側が仕掛ける事になる。
参加する人間の中には魔術師も数多く存在するが、その中で最も期待されているのはバジリスクと同格の超級危険種を倒したレナであり、ジャンヌの側近を勤めるリノンも彼に期待を抱いていた。だが、実際の所はレナはゴブリンロードを打ち倒した時の魔法をもう一度発動できる自信はなかった。
「今度は腕が吹き飛ぶかもな……」
元の世界の硬貨を取り出し、指先で摘みながらレナは溜息を吐きだす。全ての付与魔法を発動させ、各属性同士の魔力の反発作用を利用した「反発衝撃」は彼の右手を危うく消し飛ばしかけ、アイリィの蘇生薬が存在しなければ完全な治癒は不可能であり、もしも彼女が居なければ彼の右手は存在しなかった可能性もある。
「あんまり期待されても困るんだよな……だけどやるしかない」
ゴブリンロードと戦闘した時よりも確実にレナは成長しており、それは同時に彼の付与魔法の力も高まっている事を示しており、もしもバジリスクとの戦闘で「反発衝撃」に頼らなければならない状況に陥った時、今度の彼は右手を失うだけでは済まず、下手をしたら右腕どころから身体が耐え切れずに消し飛んでしまう可能性も否定できない。
それでも伝説の大蛇を倒すには「反発衝撃」を発動しなければならない状況に追い込まれる可能性があり、レナは大きな溜息を吐きだす。様々な「可能性」という単語が頭の中で交錯し、現時点ではバジリスクの詳細を知っている人物がジャンヌとリノンだけであるのが問題であり、レナは得体のしれない伝説の大蛇に不安を抱く。
「もう少し情報があればな……バジリスクに挑んだ付与魔術師とかいないのかな」
既に読み終えた魔法書の本棚に視線を向け、レナが入手した魔法書の主人公達は様々な魔物と遭遇しており、全員が付与魔術を上手く活用して対抗していたが、流石にバジリスクのような伝説級の魔物と戦闘を行った人間はいない。だが、一冊だけ読み終えていない魔法書が本棚に存在し、レナは抜き取る。
「そう言えば返し忘れていたな……何の魔法書なんだろう?」
レナは黒色の魔法書を抜き取り、魔道具店のコウが用意した付与魔法の魔法書に混じっていた物であり、店に返し忘れていた事を思い出し、面倒ではあるが返却に向かうために本棚に手を伸ばすと、扉がノックされる。
『レナ様!!いらっしゃいますか!?』
「ミキさん?」
『失礼します!!』
部屋の中に慌てた様子のミキが入り込み、非常に興奮した様子であり、レナは彼女の反応に何事か起きた事に気付き、実際にミキの次の言葉は衝撃的な内容だった。
「じゃ、ジャンヌ様がこの教会に訪れた途端に倒れました!!今現在は治療中ですが、全身に毒が回っています。レナ様も治療にご協力ください!!」
「何だって!?」
ミキの言葉にレナは驚愕し、唐突に容態が悪化したジャンヌが治療院に運び込まれたという報告に動揺を隠せず、即座に彼女の案内でジャンヌが治療を施されている緊急医療室に向かう。
※新作を投稿しました。
感想 263
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
S級冒険者の子どもが進む道
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。