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魔法学園編

閑話 《魔法剣士》

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――この世界における魔法使いは主に2つの部類タイプが存在し、まずは杖を扱って遠距離からの攻撃を得意とする「魔術師」魔法腕輪を身に着ける事で肉体に魔力を纏い、接近戦を得意とする「魔拳士」に分かれる。

しかし、後者の魔拳士に関しては魔力を肉体その物ではなく、装備している武器や防具に魔力を流し込んで利用する人間もいる。それらの人間は魔拳士ではなく、扱う武器や防具の種類によって別々の呼ばれ方をしており、例えば「刀剣」に魔力を流して扱う人間は「魔法剣士」と呼ばれていた。

魔法剣士は文字通りに剣に魔法の力を流し込む事で魔術師や魔拳士には真似できない「魔法剣技」を扱う。但し、普通の金属製の武器では魔力を流し込んだとしても耐え切れずに壊れてしまう危険性があるため、魔法の耐性を持つ魔法金属製の武器を用意しなければならない。


「リオン様、食事ができました」
「……また魚か」
「申し訳ありません、狩猟が上手くいかなかったので……」


魔法学園の一年生にしてマオと同じく「月の徽章」を持つリオンは学園から離れ、とある山中にて自分に仕える騎士達と共に山ごもりを行っていた。どうして本来であれば学生であるはずのリオンが学園に通わず、騎士達と共に人里から離れて暮らしているのかというと理由があった。

リオンは12才でありながら中級魔法を扱える程の魔法の腕を持つが、彼は剣才にも優れていた。そしてリオン本人も杖で魔法を扱うよりも剣で戦う事を好み、彼は修行を積んで「魔法剣士」になろうと鍛錬を励む。

魔法学園の教員は残念ながら魔術師と魔拳士しか存在せず、魔法剣士を目指すリオンにとっては都合が悪かった。そもそも魔法剣士自体が彼の暮らす国には滅多におらず、だからこそリオンは自力で修行を積んで魔法剣士に成ろうと努力していた。


「リオン様、魔法剣の調子はどうですか?」
「大分感覚は掴めてきたが、まだ魔力の制御が完全とは言えない……あと一か月はかかりそうだな」
「リオン様……どうして剣に拘るのですか?貴方の魔術師の才能は誰もが認めております。御父上のように魔術師を目指す方が……」
「駄目だ!!」


父親の話をした途端にリオンは怒鳴りつけ、その言葉にジイは口を閉じる。リオンの父親は国内でも有名な魔術師だったが、リオンは自分の父のように魔術師になるつもりはない。


「俺は父上とは違う、魔術師になるつもりはない!!」
「し、しかし……いくらリオン様と言えども、師もいないのに魔法剣士になるのは難しいのでは?」
「それでも……俺は魔法剣士になると決めた」


魔法剣士になる事にリオンは執着し、彼は優秀な魔術師でありながら敢えて杖を捨てて魔法剣士になる事を誓う。そんな彼に仕える騎士達は心配そうな表情を浮かべるが、リオンは退く気はない。


「よく覚えておけ、俺は言った事は必ず実現させる男だ」
「リオン様……」
「さあ、休憩は終わりだ。久々に肉が喰いたい……熊でも狩りに行くぞ」


川魚にはいい加減に飽きてきたリオンは狩猟に出向き、そんな彼を見てジイはため息を吐きながら彼に仕える騎士として同行する――






※閑話なので短めになりました。リオンはいったいどうなるのか……お楽しみください。

リオン「あいつら、何処に行った!?」(;´・ω・)キョロキョロ←やっぱり迷子になるリオン君
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