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魔法学園編
第154話 訓練漬けの日々
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――吸魔腕輪の訓練を開始してから一か月近くが経過した頃、マオの方に進展があった。彼は吸魔腕輪を装着した状態で杖を握りしめ、全身に汗を流しながらも杖先から魔光を放つ。
「くっ、うっ……もう、少し……!!」
魔法の発現にはまだ成功していないが、杖先に魔力を送り込む事に成功したマオは意識を集中させて杖先に氷の破片を作り出す事に成功する。最初の頃の魔法を使った時と同じであり、彼は遂に吸魔腕輪を取りつけた状態で魔法を発動させる事に成功した。
ほんの僅かではあるが氷の欠片を作り出す事に成功したマオは、荒い息をあげながらも地面に膝を突いて魔法を解除した。一か月目にして遂にマオは魔法を発動する事に成功し、達成感を抱く。
「やった……遂にできた!!」
「凄い……流石はマオ」
「……大したもんだね」
彼が魔法を発動する光景はミイナとバルルも見届け、彼に対してミイナは拍手を行う。一方でバルルの方は言葉とは裏腹に表情は暗く、彼女は汗を流しながらも遂に魔法の発現に成功したマオに告げる。
「一か月目で魔法を使えるようになったのかい。大した成長だね、前よりも魔力操作の技術が磨かれてるね」
「は、はい……まだ欠片ぐらいの氷しか作れませんけど」
「それでも立派なもんさ。あたしの若い頃なんて魔法すら使えなかったからね」
「という事はマオはもう若い頃のバルルを越えた?」
「まあ、あたしは魔拳士だったからね、魔術師のあんたと比べるのもおかしな話さ」
魔拳士であるバルルは杖を扱う事は滅多になく、彼女の場合は下級魔法の「ファイア」しか使えない。それでも若い頃のバルルでも成し遂げる事ができなかった吸魔腕輪を取りつけた状態の魔法の発動にマオは成功した。
彼が学園に訪れてから既に三か月以上の時が流れ、最初の頃と比べるとマオは魔術師として確実に成長していた。もしかしたら学園の誰よりも彼が一番に成長しているかもしれないが、それもマリアが言っていた様に彼が魔力量が少ないという才能のお陰かもしれない。
(まさか一か月で魔法を使えるようになるなんてね……けど、それだけじゃ駄目なんだ)
今回の訓練の目的は決して魔力操作の技術を磨くための訓練ではなく、別の意図があっての事だった。そのためにはこのまま彼に訓練を続けさせるわけにはいかない。
「マオ、よく頑張ったね」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ、反対の腕を出しな」
「え?」
バルルはマオの左腕を掴むと、彼女は新しい「吸魔腕輪」を取り出して装着した。マオは二つ目の吸魔腕輪を取りつけられた事に驚き、彼女の行動にミイナでさえも呆気に取られた。
「明日からはこの二つの吸魔腕輪を取りつけた状態で訓練を続けな」
「えっ……」
「バルル!!いくらなんでもそれは無茶過ぎる!!マオが死んじゃう!?」
「大丈夫だよ、死にはしないさ……多分ね」
唖然とするマオに対して淡々とバルルは二つの吸魔腕輪を装着して訓練を続けるように指示を出し、彼女の行動に流石のミイナも怒るが結局はバルルは抗議を聞き入れずにマオに訓練を課す――
――二つ目の吸魔腕輪を取りつけられた事でマオの肉体の負担は大きく増し、酷い時はまともに立つ事もできなかった。魔法を使おうとすると今までの倍の吸引力で魔力を搾り取られ、杖から魔光すらも放つ事ができない。
一つ目の吸魔腕輪で魔法を成功した途端、新しい吸魔腕輪を装着させられた事にマオは戸惑い、ミイナやバルトは激怒した。こんなの訓練でもなんでもなく、まるでマオから魔力を搾り取るためだけの拷問にしか思えない訓練内容に怒りを抱くのは無理はなかった。
(師匠……僕には分かりません)
流石のマオも二つ目の吸魔腕輪を装着した状態での訓練の過酷さに心が折れかけ、眠れない夜を過ごす。眠っている時も吸魔腕輪は外す事はできず、ほんの少しでも魔法を使おうとすると魔力を奪われて意識を失ってしまう。
「はあっ……駄目だ、全然眠れないや」
もう深夜を迎えたにも関わらずにマオは眠る事ができず、今のうちに身体を休めないといけない事は分かっているが、どうしても目が冴えて眠れない。
「……仕方ない、これに頼るか」
あまりに眠れないのでマオは杖を取り出して魔法を発動させ、両腕に装着した吸魔腕輪に魔力を吸わせて無理やり意識を絶つ事にした。魔力を奪われれば勝手に気絶するため、覚悟を決めたマオはベッドの上で杖を構えた。
「アイス――」
魔法を唱えた瞬間に両腕の腕輪から魔力が吸収され、マオの意識が途絶えた――
――次にマオは目を覚ますと、彼は頭痛感に苛まれながらも身体を起き上げる。目覚めは最悪だが学校に行く準備をしようとしたが、窓の外をみると未だに太陽が上がってない事に気付く。
「あれ……まだ朝じゃないのか」
気絶から目覚めたマオは不思議に思いながらも部屋の中の時計を確認すると、時間を確認した瞬間にマオは目を見開く。彼が眠る前の時刻から僅か数分しか経過していない事が判明した。
「くっ、うっ……もう、少し……!!」
魔法の発現にはまだ成功していないが、杖先に魔力を送り込む事に成功したマオは意識を集中させて杖先に氷の破片を作り出す事に成功する。最初の頃の魔法を使った時と同じであり、彼は遂に吸魔腕輪を取りつけた状態で魔法を発動させる事に成功した。
ほんの僅かではあるが氷の欠片を作り出す事に成功したマオは、荒い息をあげながらも地面に膝を突いて魔法を解除した。一か月目にして遂にマオは魔法を発動する事に成功し、達成感を抱く。
「やった……遂にできた!!」
「凄い……流石はマオ」
「……大したもんだね」
彼が魔法を発動する光景はミイナとバルルも見届け、彼に対してミイナは拍手を行う。一方でバルルの方は言葉とは裏腹に表情は暗く、彼女は汗を流しながらも遂に魔法の発現に成功したマオに告げる。
「一か月目で魔法を使えるようになったのかい。大した成長だね、前よりも魔力操作の技術が磨かれてるね」
「は、はい……まだ欠片ぐらいの氷しか作れませんけど」
「それでも立派なもんさ。あたしの若い頃なんて魔法すら使えなかったからね」
「という事はマオはもう若い頃のバルルを越えた?」
「まあ、あたしは魔拳士だったからね、魔術師のあんたと比べるのもおかしな話さ」
魔拳士であるバルルは杖を扱う事は滅多になく、彼女の場合は下級魔法の「ファイア」しか使えない。それでも若い頃のバルルでも成し遂げる事ができなかった吸魔腕輪を取りつけた状態の魔法の発動にマオは成功した。
彼が学園に訪れてから既に三か月以上の時が流れ、最初の頃と比べるとマオは魔術師として確実に成長していた。もしかしたら学園の誰よりも彼が一番に成長しているかもしれないが、それもマリアが言っていた様に彼が魔力量が少ないという才能のお陰かもしれない。
(まさか一か月で魔法を使えるようになるなんてね……けど、それだけじゃ駄目なんだ)
今回の訓練の目的は決して魔力操作の技術を磨くための訓練ではなく、別の意図があっての事だった。そのためにはこのまま彼に訓練を続けさせるわけにはいかない。
「マオ、よく頑張ったね」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ、反対の腕を出しな」
「え?」
バルルはマオの左腕を掴むと、彼女は新しい「吸魔腕輪」を取り出して装着した。マオは二つ目の吸魔腕輪を取りつけられた事に驚き、彼女の行動にミイナでさえも呆気に取られた。
「明日からはこの二つの吸魔腕輪を取りつけた状態で訓練を続けな」
「えっ……」
「バルル!!いくらなんでもそれは無茶過ぎる!!マオが死んじゃう!?」
「大丈夫だよ、死にはしないさ……多分ね」
唖然とするマオに対して淡々とバルルは二つの吸魔腕輪を装着して訓練を続けるように指示を出し、彼女の行動に流石のミイナも怒るが結局はバルルは抗議を聞き入れずにマオに訓練を課す――
――二つ目の吸魔腕輪を取りつけられた事でマオの肉体の負担は大きく増し、酷い時はまともに立つ事もできなかった。魔法を使おうとすると今までの倍の吸引力で魔力を搾り取られ、杖から魔光すらも放つ事ができない。
一つ目の吸魔腕輪で魔法を成功した途端、新しい吸魔腕輪を装着させられた事にマオは戸惑い、ミイナやバルトは激怒した。こんなの訓練でもなんでもなく、まるでマオから魔力を搾り取るためだけの拷問にしか思えない訓練内容に怒りを抱くのは無理はなかった。
(師匠……僕には分かりません)
流石のマオも二つ目の吸魔腕輪を装着した状態での訓練の過酷さに心が折れかけ、眠れない夜を過ごす。眠っている時も吸魔腕輪は外す事はできず、ほんの少しでも魔法を使おうとすると魔力を奪われて意識を失ってしまう。
「はあっ……駄目だ、全然眠れないや」
もう深夜を迎えたにも関わらずにマオは眠る事ができず、今のうちに身体を休めないといけない事は分かっているが、どうしても目が冴えて眠れない。
「……仕方ない、これに頼るか」
あまりに眠れないのでマオは杖を取り出して魔法を発動させ、両腕に装着した吸魔腕輪に魔力を吸わせて無理やり意識を絶つ事にした。魔力を奪われれば勝手に気絶するため、覚悟を決めたマオはベッドの上で杖を構えた。
「アイス――」
魔法を唱えた瞬間に両腕の腕輪から魔力が吸収され、マオの意識が途絶えた――
――次にマオは目を覚ますと、彼は頭痛感に苛まれながらも身体を起き上げる。目覚めは最悪だが学校に行く準備をしようとしたが、窓の外をみると未だに太陽が上がってない事に気付く。
「あれ……まだ朝じゃないのか」
気絶から目覚めたマオは不思議に思いながらも部屋の中の時計を確認すると、時間を確認した瞬間にマオは目を見開く。彼が眠る前の時刻から僅か数分しか経過していない事が判明した。
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