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ギルド長の苦労
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――レオを巡って様々な人物の思惑が交錯している中、彼の親友であると同時に上司でもあるギルド長は連日に届く手紙に頭を悩ませていた。手紙の内容は勿論アトラス大森林とバルカン王国から届けられ、手紙の内容はレオの近況を詳細にまとめて提出するように記されていた。
「くそっ……もういい加減にしてくれよ、どうしてギルドの仕事よりもこっちの手紙の処理に時間を掛けてるんだ俺は……」
「ギルド長……やはり、ここは正直に言うべきでは?我々はではどうしようもないと……」
「それが出来たら苦労はしない!!相手は国家だぞ!?そんな返事をすれば俺達はどうなるんだ……」
手紙にはあくまでもレオの近況を報告するようにしか支持されていないが、両国共に距離があるため、報告書が届くまで時間が掛かってしまう。情報の伝達に時間が掛かってしまうのは仕方のない事なのに両国の代表は手紙を送りつけるのを辞めない。
ギルド長は手紙の山を今すぐにでもゴミ箱にぶちこみたい気持ちを抑えながら毎日のようにレオの様子を記した報告書を作成し、両国に送り返している。正直に言えば同じ内容の手紙を二度も書いて送りつける作業ほど面倒な事はなく、しかもレオがギルドを離れて遠出する時が一苦労だった。
「た、大変です!!レオ様が若手の冒険者を連れて遠征したいと申し込んできました!!場所はここから馬車で三日ほど掛かるダンジョンです!!」
「何としても留まらせろ!!冒険者を買収してでもこの街から離れる事を許すな!!レオには俺から話す!!」
レオの近況を正確に伝えるためには彼が街から離れないように留める必要があり、冒険者達や街の住民の知り合いに頼んでギルド長はレオの様子を調べさせている。もしもレオが遠征などすれば近況を報告する事が非常に難しくなり、慌てた様子でギルド長はレオの元へ向かう。
(くそうっ……何で魔王を討伐する時よりもこんなに苦労させられるんだ!!)
ギルド長もレオと共のパーティを組んでいた時期もあり、彼よりも先に引退している。レオがギルドに入ってからは彼に色々と助けられてきたが、今回ばかりはレオの助けは期待できない。何故ならばギルド長の悩みの要因はレオなのだから。
(話をした限り、レオは誰とも恋仲になるつもりはないようだ……あのアリアでさえもあの様子だと期待は薄い。無論、姫様に関しても何年も会っていないんだ。交際を申し込んでも上手く行くはずがない。だが、レオがどちらかと結婚しない限りはこんな生活が続くのか……もう勘弁してくれ!!)
両国から毎年支払われているギルドの援助金を増額する条件でギルド長はレオの様子を探るように申し付けられているが、ギルドの仕事だけでも手一杯なのに四六時中にレオの様子を伺う事になってしまい、お陰で家にも戻れずにギルドに立てこもる日が続く。そのせいで家族からも心配され、部下達からも気遣われるが不用意に他の人間に相談出来る内容ではない。
「レオ!!ここに居たのか!!」
「ああ、ギルド長か……どうした?随分と慌てているようだが」
「い、いや……何でもない」
呑気そうに受付で待機していたレオにギルド長は汗を流しながら駆け込み、そんな親友の態度にレオは首を傾げるが、ここに訪れた目的を話す。
「ギルド長、実は若手の中でも将来性が期待できる新人冒険者を連れてダンジョンに潜りたい。初心者向けのダンジョンなら俺一人で指導は十分だろう」
「そ、そうか……ちなみにどれくらいで戻ってこれる?」
「そうだな、馬車で移動する事を考えても……一週間か10日ぐらいか?場合によってはもっと長く滞在するかもしれないが……」
「勘弁してくれよ!!」
「はっ?」
レオの言葉にギルド長は涙目で彼の肩を掴み、全力で首を振る。そんな彼の態度にレオは戸惑う中、慌てて受付嬢達がレオを説得する。
「れ、レオ様!!ギルド長はどうやらお疲れの様ですので今日の所はお引き取りをお願いします!!」
「明日、明日までにはギルド長も落ち着いているはずですから!!」
「そうか……?体の具合が悪いのならしっかりと休むんだぞ」
「あ、ああっ……そうさせてもらうよ」
何も知らないとはいえ、呑気に声を掛けてくるレオに対してギルド長は歯を食いしばりながらも返事を行い、誰のせいでこのような苦労をしているのかと言い出したい気持ちだが何も言わない。
(レオは悪くない、レオのせいじゃない……それは分かっているが、やはり限界だ……!!)
今すぐにレオに真相をぶちまけたい気持ちを抑えながらギルド長は彼を建物の外に案内しようとした時、レオが思い出したように振り返る。
「そうだギルド長、実は遠征の件とは他に話したいことがあるんだが……」
「な、何だ?出来れば明日聞きたいんだが……」
「いや、こちらはただの報告だ。どうも最近誰かに見張られているような感覚がしてな……まさかとは思うが、魔王軍の生き残りが俺を狙っているのかもしれない」
「っ……!?」
「だから俺は遠征が終わったらしばらくは街を離れようと思う。敵の狙いが俺ならばきっと一人になった時に姿を現すだろうからな……ギルド長?どうした!?」
「ぎ、ギルド長!?」
「た、立ったまま気絶してやがる……!!」
思いもがけぬレオの言葉にギルド長は白目を剥き、立ち尽くしたまま気絶した――
※まさかの年越し前の更新!!来年には完結できるか心配です……(;´・ω・)
「くそっ……もういい加減にしてくれよ、どうしてギルドの仕事よりもこっちの手紙の処理に時間を掛けてるんだ俺は……」
「ギルド長……やはり、ここは正直に言うべきでは?我々はではどうしようもないと……」
「それが出来たら苦労はしない!!相手は国家だぞ!?そんな返事をすれば俺達はどうなるんだ……」
手紙にはあくまでもレオの近況を報告するようにしか支持されていないが、両国共に距離があるため、報告書が届くまで時間が掛かってしまう。情報の伝達に時間が掛かってしまうのは仕方のない事なのに両国の代表は手紙を送りつけるのを辞めない。
ギルド長は手紙の山を今すぐにでもゴミ箱にぶちこみたい気持ちを抑えながら毎日のようにレオの様子を記した報告書を作成し、両国に送り返している。正直に言えば同じ内容の手紙を二度も書いて送りつける作業ほど面倒な事はなく、しかもレオがギルドを離れて遠出する時が一苦労だった。
「た、大変です!!レオ様が若手の冒険者を連れて遠征したいと申し込んできました!!場所はここから馬車で三日ほど掛かるダンジョンです!!」
「何としても留まらせろ!!冒険者を買収してでもこの街から離れる事を許すな!!レオには俺から話す!!」
レオの近況を正確に伝えるためには彼が街から離れないように留める必要があり、冒険者達や街の住民の知り合いに頼んでギルド長はレオの様子を調べさせている。もしもレオが遠征などすれば近況を報告する事が非常に難しくなり、慌てた様子でギルド長はレオの元へ向かう。
(くそうっ……何で魔王を討伐する時よりもこんなに苦労させられるんだ!!)
ギルド長もレオと共のパーティを組んでいた時期もあり、彼よりも先に引退している。レオがギルドに入ってからは彼に色々と助けられてきたが、今回ばかりはレオの助けは期待できない。何故ならばギルド長の悩みの要因はレオなのだから。
(話をした限り、レオは誰とも恋仲になるつもりはないようだ……あのアリアでさえもあの様子だと期待は薄い。無論、姫様に関しても何年も会っていないんだ。交際を申し込んでも上手く行くはずがない。だが、レオがどちらかと結婚しない限りはこんな生活が続くのか……もう勘弁してくれ!!)
両国から毎年支払われているギルドの援助金を増額する条件でギルド長はレオの様子を探るように申し付けられているが、ギルドの仕事だけでも手一杯なのに四六時中にレオの様子を伺う事になってしまい、お陰で家にも戻れずにギルドに立てこもる日が続く。そのせいで家族からも心配され、部下達からも気遣われるが不用意に他の人間に相談出来る内容ではない。
「レオ!!ここに居たのか!!」
「ああ、ギルド長か……どうした?随分と慌てているようだが」
「い、いや……何でもない」
呑気そうに受付で待機していたレオにギルド長は汗を流しながら駆け込み、そんな親友の態度にレオは首を傾げるが、ここに訪れた目的を話す。
「ギルド長、実は若手の中でも将来性が期待できる新人冒険者を連れてダンジョンに潜りたい。初心者向けのダンジョンなら俺一人で指導は十分だろう」
「そ、そうか……ちなみにどれくらいで戻ってこれる?」
「そうだな、馬車で移動する事を考えても……一週間か10日ぐらいか?場合によってはもっと長く滞在するかもしれないが……」
「勘弁してくれよ!!」
「はっ?」
レオの言葉にギルド長は涙目で彼の肩を掴み、全力で首を振る。そんな彼の態度にレオは戸惑う中、慌てて受付嬢達がレオを説得する。
「れ、レオ様!!ギルド長はどうやらお疲れの様ですので今日の所はお引き取りをお願いします!!」
「明日、明日までにはギルド長も落ち着いているはずですから!!」
「そうか……?体の具合が悪いのならしっかりと休むんだぞ」
「あ、ああっ……そうさせてもらうよ」
何も知らないとはいえ、呑気に声を掛けてくるレオに対してギルド長は歯を食いしばりながらも返事を行い、誰のせいでこのような苦労をしているのかと言い出したい気持ちだが何も言わない。
(レオは悪くない、レオのせいじゃない……それは分かっているが、やはり限界だ……!!)
今すぐにレオに真相をぶちまけたい気持ちを抑えながらギルド長は彼を建物の外に案内しようとした時、レオが思い出したように振り返る。
「そうだギルド長、実は遠征の件とは他に話したいことがあるんだが……」
「な、何だ?出来れば明日聞きたいんだが……」
「いや、こちらはただの報告だ。どうも最近誰かに見張られているような感覚がしてな……まさかとは思うが、魔王軍の生き残りが俺を狙っているのかもしれない」
「っ……!?」
「だから俺は遠征が終わったらしばらくは街を離れようと思う。敵の狙いが俺ならばきっと一人になった時に姿を現すだろうからな……ギルド長?どうした!?」
「ぎ、ギルド長!?」
「た、立ったまま気絶してやがる……!!」
思いもがけぬレオの言葉にギルド長は白目を剥き、立ち尽くしたまま気絶した――
※まさかの年越し前の更新!!来年には完結できるか心配です……(;´・ω・)
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