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6.妄想の果て

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これも大学のため、と心の中で何度も唱えながらベルトを外し、スラックスを下ろす。少し躊躇したが、観念してパンツもずり下ろす。
「ねえ、早くやってくんない?いつもやってる感じで。」
俺はぎこちなく自身のモノを握った。そして、ゆっくり上下に動かす。
見られてる。
その事実だけですぐに反応してしまう自分が憎かった。
達也はそんな俺を黙って見ている。
はあ、はあ、と次第に息が荒くなる。それでも、羞恥心のせいかうまく達せない。
達也はスマホを取り出して動画の撮影を始めた。
「とっ、取るのはやめろって。」
慌てて左手で顔を隠す。
「お前に拒否権とかないけど?」
達也は机から飛び降りて、俺の左手をつかんで顔から離させた。
こいつ、見た目に反して力つよ…。抵抗してもびくともしない。
「いっつも俺でどんな妄想してるの?聞かせて?」
背中越しに達也は耳元で囁いた。
「え、えっと……。」
「ほら、早く言えって。」
耳たぶを甘がみされて後ろがキュンと閉まる。
「…えっと、まず、一ノ瀬が俺のちんこ舐めて、勃たせて、それから俺が一ノ瀬の後ろをゆっくりほぐして…。」
「うんうん。」
「そんで、一ノ瀬が早く入れてって言うから、中に俺のを入れて、それで、いっぱい突いて、最後は一ノ瀬がイっても腰振るのを止めなくて…。」
「へー、」
心底不愉快そうに達也は相槌を打った。
「てかなんで俺が突っ込まれる側なん?おっさんとヤるときはお前が突っ込まれてんのに。」
「だって、お前が可愛いから。」
自分で言って恥ずかしくなり、思わず目を逸らす。
達也は俺の言葉に驚いたのか、一瞬目を見開いた後、 ニヤッと笑って言った。
「へえ、お前にとって俺ってかわいいんだ。」

突如、達也は俺のみぞおちあたりを膝で蹴り上げた。
余りに突然な衝撃に耐えられず、その場に崩れ落ちた。口から胃液の酸っぱいにおいがする。
「俺さ、かわいいとか言われるのぶっちゃけマジで嫌なんだよね。」
しゃがんだままの俺の髪を思いっきり引っ張った。
痛みに顔を歪める俺を見て、満足そうに微笑む。
「だからさ、お前のその気持ちわりー妄想ぶち壊してやるよ。」
「え、」
「だから、今からお前にぶち込んでやるって言ってんの。」

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