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第五章
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今夜の主催は王立学院だった。
国中の貴族と、学院に通っている者たちの交流を目当てにしたものらしい。
優秀な学生を青田買いしたい貴族と、将来を見据えて貴族とのパイプを作っておきたい学院の思惑から、開かれているものだという。
(こういうあたりは、現代的、というか)
ゲームの世界観として、おそらく下地にしている時代はあるのだろうが。現代でも行われていたような学校主催の就職活動の場に感じられて、少し落ちつかない。
社交の場だから、もちろん、まったく同じではないのだが。
「王立学院は、グレイ様も通われていたのでしたよね? 懐かしいですか?」
舞踏場へ案内される道中、エスメが質問する。
グレイは、きょとん、と目を丸くした。
「通っていたが、よく知っているな」
「ゆ、有名な話でしたから」
本当は前世の記憶で知っていたのだが、エスメは誤魔化す。
王都に出たあとのフレアは、王立学院に通っている貴族令息が攻略対象の一人であるので、学院に顔を出すことが多かった。
そのエピソードのなか、かつてのグレイが学院に在籍していたことが語られるのだ。
「いろいろな事情が絡んで、仕方なく学院に在籍していたからな。正直、あまり思い入れはなかったのだが……。あなたと一緒に来ると、不思議と嬉しいような、寂しいような、そんな気持ちになる。昔の俺のことを知ってもらえるのは嬉しいが、同時に、あなたも一緒に通っていたら、と想像するんだ。きっと楽しい学院生活になっただろう」
「もし通っていたとしても、学年が違いますよ。きっと関わりはなかったと思います」
エスメの方が二歳年上だから、接点があったとは考えづらい。
それに、グレイは、学院に通っていた頃、たくさんの人々に慕われていただろう。
エスメは、そんなグレイのことを遠巻きにすることはあっても、近づくことはできなかったはずだ。
「いいや、きっと関わりがあったはずだ。そして、俺はあなたに恋をするだろう。別の出会い方をしたとしても、あなたの優しさに触れて、あなたに惹かれる。そういう運命であったら嬉しい、いや、そういう運命に決まっている」
どのような出逢い方をしても、エスメとグレイは恋に落ちる。
エスメは、そうではないルートを知っている。知っているが、グレイがそんな風に言ってくれることで、胸のうちにあたたかなものが広がった。
「私も、そういう運命であったら、とても嬉しいです」
「両想いだな」
「ちょっと! お姉様と二人きりの世界をつくらないでくださる? もう会場よ、お姉様のことしっかり守ってくださいませ」
近くを歩いていたフレアが、ぴしゃり、と言う。
エスメとグレイ、そしてフレアを迎えたのは、煌びやかな光景だった。
まばゆいシャンデリアの光が、舞踏場を照らしている。
グレイはまったく怯まずに、慣れた様子で舞踏場に入ってゆく。エスメとフレアは、一度だけ顔を見合わせた後、生まれてはじめての王都での夜会に足を踏み入れた。
華やかに着飾った人々の視線が、ふと、エスメに――正確には、エスメの隣にいるグレイに向けられた。
「王太子殿下? 本当に、辺境伯に婿入りをされたのね」
ふと、エスメの耳に入ったのは、扇で口元を隠した貴婦人たちの会話だった。
「よく国王陛下がお許しになったわ」
「オルコットの薔薇姫に婿入りを?」
「いや。薔薇姫の姉だったはずよ。たしか加護なしの」
「まあ。そんな出来損ないの娘と? 王太子殿下も、おかわいそうに。私が慰めてさしあげたいわ」
そんな風に、いろいろ言われているのは聞こえてきたが。
エスメは、不思議なほど、それが気にならなかった。
「俺の妻は、やはり最高に美しい」
グレイが、真っ直ぐ、エスメを褒めてくれるからだ。
グレイが認めてくれるなら、他の誰かに何を言われても構わなかった。
「ありがとうございます。グレイ様」
「何故、礼を言うのか分からない。当たり前のことを言っただけだ。俺の可愛いエスメ。よろしければ、あなたと躍る名誉を、俺にくださらないか?」
グレイが手を差し出してくる。
「よろこんで」
エスメは微笑んで、グレイの手を取った。
「あまり上手ではないので、ご容赦くださいね」
「足を踏んでくれても構わない。それはそれで嬉しいからな。あなたの美しい足に踏んでもらえるなんて光栄だ」
「もう。ご冗談を」
「本気だ」
人生ではじめて、エスメはダンスを楽しい、と思った。
ダンスを踊りながら、ふと、エスメの視界に、フレアの姿が映った。
フレアは誰とも踊るつもりはないのだろうが、彼女の周囲には、フレアを誘おうとしている男たちが、たくさんいた。
(王立学院に通われている伯爵家のご長男、女神様に仕えている神官様に、生真面目なエリート軍人さん。ああ、隠しルートの情報屋さんも、姿を変えていらっしゃる)
エスメは前世でプレイしたゲームを思い出す。
攻略対象であった男たちは、たしかに存在しているのだ。
ただ、エスメの知らないルートを辿っているだけで。
音楽が止んだ。
エスメとグレイは、目を合わせたまま、ふふ、と互いの顔を見ながら笑った。
そのとき、会場がざわめく。
その場に登場したのは、美しい青年だった。
会場にいる反応から、その青年が高貴な人であることが分かる。
「お久しぶりです。グレイ」
ダンスをしていた男女が、まるで海を割るように、一斉に脇に寄った。真っ直ぐ、その中心を歩いてきた青年は、迷いなく、グレイのことを見ていた。
「サフィール! まさか、お前が来るとは思わなかった」
エスメは、ぎょっとした。
(サフィール様?)
その名前は、グレイの双子の弟のものである。
本来であれば、ゲームの開始時点で亡くなっている第二王子だった。
(私たちとは違って。髪と目の色以外、グレイ様とそっくりです)
フレアとエスメは、双子でありながら、まったく似ていない。
単純に、フレアが父親と母親の良いところ取りで、エスメかなり昔に亡くなった親類に似ているというだけだが。
「あなたが薔薇姫か?」
「お、お初にお目に掛かります。エスメラルダ・オルコット、と申します。薔薇姫というのは、あちらにおります私の妹でしょう」
「そうでしょうね。あなたは薔薇というよりも、せいぜい、そのあたりに咲いている野花だ」
「サフィール。俺のエスメは、たしかに野花のように愛らしいが、だからといって薔薇に劣っているわけではないぞ。俺にとっては薔薇よりも美しいしな」
「あなたの感想は聞いていませんけど、グレイ」
「そうか?」
「そうですよ。あいかわらずですね。申し訳ありませんが、グレイと二人きりにしていただいても?」
(グレイ様と、お話。第二王子殿下が?)
いちまつの不安が、エスメの胸にこみあげた。
とはいえ、第二王子にそんな風に言われたら、エスメは言葉を呑みこむしかない。
「エスメ。フレア嬢と一緒にいてくれ。俺がいないところで、あなたが悪い男に絡まれたら、俺はその男を許せなくなってしまうからな」
「……かしこまりました」
エスメは、グレイに言われるがまま、フレアのもとへ向かった。
国中の貴族と、学院に通っている者たちの交流を目当てにしたものらしい。
優秀な学生を青田買いしたい貴族と、将来を見据えて貴族とのパイプを作っておきたい学院の思惑から、開かれているものだという。
(こういうあたりは、現代的、というか)
ゲームの世界観として、おそらく下地にしている時代はあるのだろうが。現代でも行われていたような学校主催の就職活動の場に感じられて、少し落ちつかない。
社交の場だから、もちろん、まったく同じではないのだが。
「王立学院は、グレイ様も通われていたのでしたよね? 懐かしいですか?」
舞踏場へ案内される道中、エスメが質問する。
グレイは、きょとん、と目を丸くした。
「通っていたが、よく知っているな」
「ゆ、有名な話でしたから」
本当は前世の記憶で知っていたのだが、エスメは誤魔化す。
王都に出たあとのフレアは、王立学院に通っている貴族令息が攻略対象の一人であるので、学院に顔を出すことが多かった。
そのエピソードのなか、かつてのグレイが学院に在籍していたことが語られるのだ。
「いろいろな事情が絡んで、仕方なく学院に在籍していたからな。正直、あまり思い入れはなかったのだが……。あなたと一緒に来ると、不思議と嬉しいような、寂しいような、そんな気持ちになる。昔の俺のことを知ってもらえるのは嬉しいが、同時に、あなたも一緒に通っていたら、と想像するんだ。きっと楽しい学院生活になっただろう」
「もし通っていたとしても、学年が違いますよ。きっと関わりはなかったと思います」
エスメの方が二歳年上だから、接点があったとは考えづらい。
それに、グレイは、学院に通っていた頃、たくさんの人々に慕われていただろう。
エスメは、そんなグレイのことを遠巻きにすることはあっても、近づくことはできなかったはずだ。
「いいや、きっと関わりがあったはずだ。そして、俺はあなたに恋をするだろう。別の出会い方をしたとしても、あなたの優しさに触れて、あなたに惹かれる。そういう運命であったら嬉しい、いや、そういう運命に決まっている」
どのような出逢い方をしても、エスメとグレイは恋に落ちる。
エスメは、そうではないルートを知っている。知っているが、グレイがそんな風に言ってくれることで、胸のうちにあたたかなものが広がった。
「私も、そういう運命であったら、とても嬉しいです」
「両想いだな」
「ちょっと! お姉様と二人きりの世界をつくらないでくださる? もう会場よ、お姉様のことしっかり守ってくださいませ」
近くを歩いていたフレアが、ぴしゃり、と言う。
エスメとグレイ、そしてフレアを迎えたのは、煌びやかな光景だった。
まばゆいシャンデリアの光が、舞踏場を照らしている。
グレイはまったく怯まずに、慣れた様子で舞踏場に入ってゆく。エスメとフレアは、一度だけ顔を見合わせた後、生まれてはじめての王都での夜会に足を踏み入れた。
華やかに着飾った人々の視線が、ふと、エスメに――正確には、エスメの隣にいるグレイに向けられた。
「王太子殿下? 本当に、辺境伯に婿入りをされたのね」
ふと、エスメの耳に入ったのは、扇で口元を隠した貴婦人たちの会話だった。
「よく国王陛下がお許しになったわ」
「オルコットの薔薇姫に婿入りを?」
「いや。薔薇姫の姉だったはずよ。たしか加護なしの」
「まあ。そんな出来損ないの娘と? 王太子殿下も、おかわいそうに。私が慰めてさしあげたいわ」
そんな風に、いろいろ言われているのは聞こえてきたが。
エスメは、不思議なほど、それが気にならなかった。
「俺の妻は、やはり最高に美しい」
グレイが、真っ直ぐ、エスメを褒めてくれるからだ。
グレイが認めてくれるなら、他の誰かに何を言われても構わなかった。
「ありがとうございます。グレイ様」
「何故、礼を言うのか分からない。当たり前のことを言っただけだ。俺の可愛いエスメ。よろしければ、あなたと躍る名誉を、俺にくださらないか?」
グレイが手を差し出してくる。
「よろこんで」
エスメは微笑んで、グレイの手を取った。
「あまり上手ではないので、ご容赦くださいね」
「足を踏んでくれても構わない。それはそれで嬉しいからな。あなたの美しい足に踏んでもらえるなんて光栄だ」
「もう。ご冗談を」
「本気だ」
人生ではじめて、エスメはダンスを楽しい、と思った。
ダンスを踊りながら、ふと、エスメの視界に、フレアの姿が映った。
フレアは誰とも踊るつもりはないのだろうが、彼女の周囲には、フレアを誘おうとしている男たちが、たくさんいた。
(王立学院に通われている伯爵家のご長男、女神様に仕えている神官様に、生真面目なエリート軍人さん。ああ、隠しルートの情報屋さんも、姿を変えていらっしゃる)
エスメは前世でプレイしたゲームを思い出す。
攻略対象であった男たちは、たしかに存在しているのだ。
ただ、エスメの知らないルートを辿っているだけで。
音楽が止んだ。
エスメとグレイは、目を合わせたまま、ふふ、と互いの顔を見ながら笑った。
そのとき、会場がざわめく。
その場に登場したのは、美しい青年だった。
会場にいる反応から、その青年が高貴な人であることが分かる。
「お久しぶりです。グレイ」
ダンスをしていた男女が、まるで海を割るように、一斉に脇に寄った。真っ直ぐ、その中心を歩いてきた青年は、迷いなく、グレイのことを見ていた。
「サフィール! まさか、お前が来るとは思わなかった」
エスメは、ぎょっとした。
(サフィール様?)
その名前は、グレイの双子の弟のものである。
本来であれば、ゲームの開始時点で亡くなっている第二王子だった。
(私たちとは違って。髪と目の色以外、グレイ様とそっくりです)
フレアとエスメは、双子でありながら、まったく似ていない。
単純に、フレアが父親と母親の良いところ取りで、エスメかなり昔に亡くなった親類に似ているというだけだが。
「あなたが薔薇姫か?」
「お、お初にお目に掛かります。エスメラルダ・オルコット、と申します。薔薇姫というのは、あちらにおります私の妹でしょう」
「そうでしょうね。あなたは薔薇というよりも、せいぜい、そのあたりに咲いている野花だ」
「サフィール。俺のエスメは、たしかに野花のように愛らしいが、だからといって薔薇に劣っているわけではないぞ。俺にとっては薔薇よりも美しいしな」
「あなたの感想は聞いていませんけど、グレイ」
「そうか?」
「そうですよ。あいかわらずですね。申し訳ありませんが、グレイと二人きりにしていただいても?」
(グレイ様と、お話。第二王子殿下が?)
いちまつの不安が、エスメの胸にこみあげた。
とはいえ、第二王子にそんな風に言われたら、エスメは言葉を呑みこむしかない。
「エスメ。フレア嬢と一緒にいてくれ。俺がいないところで、あなたが悪い男に絡まれたら、俺はその男を許せなくなってしまうからな」
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