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ルイと母親達
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屋敷に連れ戻された後の理緒は、今後の生活が一層厳しくなるのを覚悟していたが、意外にも快適な生活に変わってしまい、拍子抜けするほどだった。嫌がらせをしてきた侍女や教師が首になったのもあってか、理緒の周りには好意的な者が集まったというのもあるだろう。半ば見せしめ的に解雇したのもあってか、屋敷にいる者も表立って理緒を蔑む者もいなくなり、それは予想以上に理緒の精神的安定に役立っていた。
気落ちに余裕が出てくると、自ずと周りを見る余裕が出てくるようで、理緒は新しく自分付きになった侍女にルイの様子を尋ねた。急に自分がいなくなって大丈夫だったろうか…自分を捨てたと思って悲しんでいないかと心配になったのだ。
新しく理緒付きになった侍女は二人で、一人はジュリアという茶髪と深緑の瞳を持つ少女で、もう一人はミリアという、こちらは緑銀髪に琥珀色の瞳を持つ少女だった。二人とも理緒と同じか少し上だろうか。ジュリアは好奇心旺盛で、ルイがいた別邸のエミーに似たタイプだった。物怖じせず、思った事がそのまま顔に出るタイプで、コロコロと表情を変えた。ミリアは大人し目で読書などを好み、聞けば商人の娘で勉強が好きらしい。二人とも二~三年前から辺境伯の本邸で働いているという。
「ルイ様でしたら、リオ様が旦那様と結婚されてからはずっとこちらの別邸でお過ごしでしたが、リオ様がいなくなられてから少し経った頃、お母君でもあるコーデリア様も別邸に移られて、今は一緒にお過ごしです」
「え?一緒に?」
「ええ。エルシーさん一家がいらっしゃるのもあって、ルイ様も落ち着かれたのもありますが…旦那様が結婚された以上、コーデリアがこの部屋を使う訳にもいきませんし…」
「え?この部屋?」
「ええ、この部屋は領主の正妻の部屋ですから」
「そうです。まぁ、元々は旦那様の兄君である先代様とコーデリア様がここの主だったのです。先代様が亡くなった後もコーデリア様はこの部屋をお使いだったのです」
「そうだったんですか。でも、それじゃ、自分のせいで…」
もしかして自分のせいで追い出されてしまったのかと理緒は危惧した。確かコーデリア様は夫と息子を失ったショックで情緒不安定だった筈だ。そんな人が引っ越しをすると逆に悪くなると元の世界で聞いたような気がする。だとしたら…
「リオ様のせいではありませんわ。本来なら旦那様がこの屋敷に入られた時、コーデリア様が別邸なりに移らなければいけなかったのです」
「そうです、コーデリア様のショックが思いのほか大きくて、このお部屋への思い入れもあったとかで、落ち着くまでは…と旦那様も仰って…」
「旦那様、ああ見えてお優しいんですよ。でも、さすがにご自身がリオ様を迎えたのにコーデリア様を留め置くのはよくありませんし」
「それに…旦那様は、コーデリア様に遠慮してリオ様をこの部屋に迎えなかったせいで、リオ様が嫌になって家を出たのではないかと気に病まれて…それで、急遽コーデリア様は別邸に移されたのです」
いなくなった後、そんな事になっていたとは知らなかったが、理緒は戻ってからの環境の変化に納得した。なるほど、確かに正妻になったのに、兄嫁が何時までも正妻の部屋にいたら普通は気に病むものなのだろう。元の世界でもそれは同じだった。まぁ、自分は今までの部屋でもよかったんだけど…とは思ったが。
「それで、ルイ様達は…」
「それが、最初はコーデリア様がまた不安定になるのでは…と心配されていたんですが…どうやら何事もなくお過ごしのようですよ」
「そうなんだ」
「ええ、エルシーさん達がいますし、ルイ様はアレンやキャロルと一緒なら大丈夫みたいで」
「そうですか。よかった」
本当に、よかったと心から思った。やはり子どもは実親と一緒にいて落ち着いて過ごせるのが一番だろう。そして一緒に遊べる友達も。ジュリアやミリアの話でも、ルイは母親やエルシーたちと一緒で楽しそうだと別邸から伝わっていると言った。どうやらコーデリアも年の近い、また同じ未亡人のエルシーとは通じるところがあるらしく、仲がいいらしい。会いに行きたいとは思ったが、こうなっては自分がいるとかえってルイ達の輪に波紋を生むかもしれない…そう思った理緒は、直ぐに会いに行くのはやめる事にした。まずは一応夫になったアルバートに相談すべきだろうとも思ったからだ。小さい事でも相談やお伺いを繰り返せば、少しは距離も縮まるかもしれない…と思った。
- - - - -
読んで下さってありがとうございます。
年末年始に向け、仕事が予想以上に多忙になってしまったので、暫く更新が止まります。
仕事が落ち着き次第再開しますので、お待ちください。
気落ちに余裕が出てくると、自ずと周りを見る余裕が出てくるようで、理緒は新しく自分付きになった侍女にルイの様子を尋ねた。急に自分がいなくなって大丈夫だったろうか…自分を捨てたと思って悲しんでいないかと心配になったのだ。
新しく理緒付きになった侍女は二人で、一人はジュリアという茶髪と深緑の瞳を持つ少女で、もう一人はミリアという、こちらは緑銀髪に琥珀色の瞳を持つ少女だった。二人とも理緒と同じか少し上だろうか。ジュリアは好奇心旺盛で、ルイがいた別邸のエミーに似たタイプだった。物怖じせず、思った事がそのまま顔に出るタイプで、コロコロと表情を変えた。ミリアは大人し目で読書などを好み、聞けば商人の娘で勉強が好きらしい。二人とも二~三年前から辺境伯の本邸で働いているという。
「ルイ様でしたら、リオ様が旦那様と結婚されてからはずっとこちらの別邸でお過ごしでしたが、リオ様がいなくなられてから少し経った頃、お母君でもあるコーデリア様も別邸に移られて、今は一緒にお過ごしです」
「え?一緒に?」
「ええ。エルシーさん一家がいらっしゃるのもあって、ルイ様も落ち着かれたのもありますが…旦那様が結婚された以上、コーデリアがこの部屋を使う訳にもいきませんし…」
「え?この部屋?」
「ええ、この部屋は領主の正妻の部屋ですから」
「そうです。まぁ、元々は旦那様の兄君である先代様とコーデリア様がここの主だったのです。先代様が亡くなった後もコーデリア様はこの部屋をお使いだったのです」
「そうだったんですか。でも、それじゃ、自分のせいで…」
もしかして自分のせいで追い出されてしまったのかと理緒は危惧した。確かコーデリア様は夫と息子を失ったショックで情緒不安定だった筈だ。そんな人が引っ越しをすると逆に悪くなると元の世界で聞いたような気がする。だとしたら…
「リオ様のせいではありませんわ。本来なら旦那様がこの屋敷に入られた時、コーデリア様が別邸なりに移らなければいけなかったのです」
「そうです、コーデリア様のショックが思いのほか大きくて、このお部屋への思い入れもあったとかで、落ち着くまでは…と旦那様も仰って…」
「旦那様、ああ見えてお優しいんですよ。でも、さすがにご自身がリオ様を迎えたのにコーデリア様を留め置くのはよくありませんし」
「それに…旦那様は、コーデリア様に遠慮してリオ様をこの部屋に迎えなかったせいで、リオ様が嫌になって家を出たのではないかと気に病まれて…それで、急遽コーデリア様は別邸に移されたのです」
いなくなった後、そんな事になっていたとは知らなかったが、理緒は戻ってからの環境の変化に納得した。なるほど、確かに正妻になったのに、兄嫁が何時までも正妻の部屋にいたら普通は気に病むものなのだろう。元の世界でもそれは同じだった。まぁ、自分は今までの部屋でもよかったんだけど…とは思ったが。
「それで、ルイ様達は…」
「それが、最初はコーデリア様がまた不安定になるのでは…と心配されていたんですが…どうやら何事もなくお過ごしのようですよ」
「そうなんだ」
「ええ、エルシーさん達がいますし、ルイ様はアレンやキャロルと一緒なら大丈夫みたいで」
「そうですか。よかった」
本当に、よかったと心から思った。やはり子どもは実親と一緒にいて落ち着いて過ごせるのが一番だろう。そして一緒に遊べる友達も。ジュリアやミリアの話でも、ルイは母親やエルシーたちと一緒で楽しそうだと別邸から伝わっていると言った。どうやらコーデリアも年の近い、また同じ未亡人のエルシーとは通じるところがあるらしく、仲がいいらしい。会いに行きたいとは思ったが、こうなっては自分がいるとかえってルイ達の輪に波紋を生むかもしれない…そう思った理緒は、直ぐに会いに行くのはやめる事にした。まずは一応夫になったアルバートに相談すべきだろうとも思ったからだ。小さい事でも相談やお伺いを繰り返せば、少しは距離も縮まるかもしれない…と思った。
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年末年始に向け、仕事が予想以上に多忙になってしまったので、暫く更新が止まります。
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恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
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世界観がしっかりしていてとても面白いです。このまま逃げ果せてしばらくの間はおだやかに過ごしてほしいけれど難しいのかな?
感想ありがとうございます。
お返事が遅くなって申し訳ありません💦
既に捕まっておりますが…中々穏やかな生活には…になると思います。