この溺愛は契約外です~恋焦がれた外科医から愛し愛されるまで~

水羽 凛

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3章

臆病な愛 Four o’clock flower

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 どうして彼の提案を受け入れてしまったのだろう――純正の帰宅を待ちながら花名は思う。

数百万円の治療を無償で提供する代わりに、自分の身の回りの世話をしてほしいと純正は言った。

食材や日用品を買うためにと十万円を渡されて、勢いで受け取ってしまったのだけれど、あの時は正常な判断が出来なかったのだ。

家事はあまり得意な方ではない。

料理だってそうだ。普通の家庭料理程度なら作れるが、純正を満足させられるはずがない。

最大限の努力はするつもりだが、母親の治療費同等の仕事ができるとは到底思えなかった。

今になって後悔の念が沸き上がってくる。

(でも私、お母さんの命を助けるためにはなんだってするって決めたじゃない。だから、これでよかったのよ)

花名は自分の決断に間違いはなかったのだと一生懸命言い聞かせることしかできなかった。


 純正からの提案を承諾した翌日、花名は治療の同意書にサインをした。

数日後には母親の深山記念病院への転院が済み、治療を受けるために必要な検査結果が出そろった今日、待ちに待った治療が始まった。花名は仕事終わりに母親の病室へ顔を出した。

投薬直後に出る可能性があるという拒絶反応は起きなかったが、これから徐々に起こる副反応には注意していかなければならないという。

不安げな母親の傍にいてやりたかったが、「また明日くるから」と後ろ髪引かれる思いで純正のマンションにやってきた。

部屋の掃除をし、頼まれていたスーツをクリーニングに出し、夕食を作り風呂を沸かした。すべておやり終えて、花名はため息を吐いた。

「本当にこれでいいのかしら」

 家事をさせるなら、プロの業者のほうがいいに決まっている。何百万円もの価値が自分のやっていることにあるとは到底思えない。

でもだからと言って、これ以上何ができるのかもわからなかった。

 二十時過ぎにインターフォンが鳴った。花名は玄関にかけて行き緊張しながらもドアを開ける。

「ただいま」

「おかえりなさい。今日もお仕事お疲れ様でした」

 ぎこちなくカバンを受けとり食事か風呂かの確認をすると純正は「先に風呂にするよ」といった。

「タオルは、出してあります。一応、部屋着も……」

「ありがとう。助かるよ」

 風呂に入っていったのを見送って、下準備しておいたメインの料理に火を入れる。

(焼き上がりのタイミングが合えばいいんだけど……)




「とてもいい匂いがするね」

 風呂から上がってきた純正はそういいながらキッチンを覗き込んでくる。

「なに作ってるの?」

「今日は鳥の香草焼きです」

見上げた彼の髪はまだ濡れていて、無造作に後ろに流してあった。

いつもの髪形ももちろん素敵だが、オールバックもワイルドで素敵だ。純正の顔立ちなら、たとえ坊主頭でも素敵だろう。

「どうしたの、ボーっと見て。俺の顔になにかついてる?」
 
ハッと我に返ると純正は困った様にこちらを見ている。花名は慌てて目を逸らした。


「あ、いえ。なんでもありません。すぐ出来上がるので座っててください」

「分かった。手伝うことがあれば言ってね」

「ありがとうございます」

 ネットで調べて作ったメイン料理。とてもおいしそうに出来上がった。味はあまり自信がないが、失敗が少ない料理だと書いてあった。

「熱いうちに召し上がってください」

「ありがとう。いただきます」

 小さく頭を下げ、花名はテーブルから離れると純正が食事をしている間に風呂を洗った。

同時に洗濯をし、そうこうしているうちに純正の食事が終わる。

コーヒーを出し、食器を片づけそれが終わると、リビングのソファーに座っていた純正に後ろから声を掛けた。

「終わりました」

「お疲れ様。もう帰っていいよ」

 純正は振り返ると、「気を付けて」とだけ言った。

「はい。失礼します」

 マンションから出ると、すぐ目の前にある地下鉄の階段を降りる。

自宅アパートまで二十分。花名は自宅に帰ると、軽く夕飯を済ませてベッドにもぐりこんだ。

それくらい気持ちが疲れてしまっていた。

清掃のバイトはやめてしまった。時間的に無理があったし、自分の体力に限界を感じていたから遅かれ早かれ辞めざるを得なかっただろう。


  次の日、花名は昼休みに母親の病室に顔を出した。

「お母さん、具合どう?」

「あら、花ちゃん。いらっしゃい。なにも変わりはないわ」

 母の言葉を聞いて、花名はほっと胸をなでおろす。ゆっくりと体を起こすとほんの少し申し訳なさそうな顔をして雅恵は言った。

「こんなこと言うなんて贅沢かもしれないけど、部屋にひとりでいるとつまらないのよね。結城先生は毎日診察に来てくださるけど、すぐにいなくなってしまうし」

 まるでホテルのような内装の病室は、全て個室だ。静かでいいはずだが、長く入院生活を送る母にとって、誰もいない空間で一日を過ごすということは退屈でしかないのかもしれない。

「それはそうよ、先生はお忙しいんだもの。私もできるだけ顔出すようにするね」

 母親の入院してた病院が職場のすぐそばに移ったことで、以前よりも顔を出す時間が取れるようになった。それだけでもとても楽だ。

「ありがとう。うれしいわ」

「うん。じゃあ、仕事に戻るから行くね」

 後ろ髪惹かれる思いで病室を出ると、勢いよく誰かにぶつかってしまった。

「ごめんなさい!大丈夫ですか?」

いいながら相手の方を見ると、白衣を着た男性だった。

純正と同じ色のスクラブを着ているところを見ると、医者なのだろう。

「いえ、こちらこそ。お怪我はありませんか?」

 乱れた前髪を右手でなでつけ、ニコリと微笑んだ。その表情を見て、花名はほっとする。

「よかった。私は平気です」

 何気なく床に視線を落とすと男性のものであろうスマホが落ちていて、画面が割れてしまっていた。

「大変!」

「ああ。大丈夫ですよ」

 平然といいながら男性はかがんでそれを拾い上げる。

「大丈夫じゃないですよ。ちゃんと動きますか?」

 小さな傷程度なら花名もそう言うと思う。けれど、かなり派手にひびが入っている。

「動きますよ。少し見にくいけど」

 確かに起動はしているようだった。しかし、このままの状態で使い続けるわけにはいかないだろう。

「修理代、お支払いさせてください。私はこの部屋に入院している小石川雅恵の娘です」

「小石川さんの娘さんでしたか。僕は外科の深山といいます」

 花名は彼のネームプレートを見た。すると、深山晴紀と書いてある。医院長と同じ苗字であることが気になって、花名はつい聞いてしまった。

「深山先生ってもしかして、院長先生の……」

「ええ、父はこの病院の院長です」

 ほんの少し言いにくそうに晴紀が言ったのを聞いて、彼はとても謙虚な人なのではないかと想像した。親の権力の上に胡坐をかくような人ではない、まるで樹のような。

「やっぱりそうなんですね! 母が大変お世話になっています」

 花名は深々と頭を下げた。すると晴紀は困ったような顔をする。

「そんなかしこまらないでください」

「でも……」

「僕はただの医者に過ぎませんから。父が院長ってだけで、えらくもなんともない。そんなことよりも、お母様治療が無事に始められてよかったですね。僕は主治医ではないですが、結城からすべて聞いています」

「おかげさまで、ありがとうございます。結城先生にはとてもよくしていただいています」

「結城はいいやつでしょ。医学部時代からの付き合いですから。あいつの事ならなんでもわかりますよ」

「そうなんですね! でしたら先生のことで教えていただきたいことがあるんです」

「結城の事?」

「はい。少し込み入った話になるんですが、……こんなこと誰も相談できなくて……」

 晴紀になら、話してもいいのではないか。そう思ったのは、彼の第一印象がとてもよかったことと、学生時代からの付き合いがあるのであれば純正の考えていることがわかるのではないかと思ったからだ。

「いいですよ。ここじゃ何ですから、改めて時間を作りましょうか?」

 晴紀が快諾してくれて、花名はとてもうれしくなる。

「そうしていただけるんですか?」

「ええ、もちろん。これ、僕の連絡先です」

 晴紀は白衣のポケットから財布を取り出すと、一枚の名刺を花名に差し出した。

「電話は出られないこともありますが、メールならいつ送ってくれても大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

 花名は両手で名刺を受け取ると、丁寧にお礼を言った。

「じゃあ、また」

「はい。連絡します」

 廊下で晴紀と別れて仕事場へと戻った花名は、仕事を始める前に先ほどのお詫びを兼ねたあいさつメールを送った。もらった名刺は手帳の間に挟んでそれから夕方の閉店時間までは無心で働いた。

 その日の夕方。母の病室へと顔を出し、その足で純正のマンションへと向かう。掃除洗濯をして、夕食の準備を終えた。しかし、純正はいつになっても帰ってこない。

「先生、どうしたんだろう?」

 今日は当直ではなかったはずだ。

ひと月のスケジュールはあらかじめもらっている。当直や研修会などで食事がいらない日は掃除洗濯だけでいいということになっていた。そういう時は仕事さえ終われば帰っても問題はない。

けれど帰宅するのであれば、勝手に帰るのは気が引けた。

「スケジュール表を見間違えたのかしら……」

 急に不安になった花名は手帳をバッグから取り出す。

スケジュール表に印がついていないことを確認すると手帳を閉じた。

その時、なにかがひらりと床に落ちる。けれど、花名はそれに気づかなかった。

「やっぱり今日はなにもない日だったじゃない。もう少しだけ待ってみようかな」

 キッチンのスツールに腰を下ろし、何気なくスマホを手に取った。すると新着メールがあることに気付く。晴紀からだった。

昼間の印象そのままに、丁寧な文章でスマホの修理代は負担させるつもりがないと書かれていた。

ドアの近くを歩いていた自分にも非があったし、ちょうど買い替える予定だったので気にしないでほしいとのことだった。

「深山先生って飾らない、いいひと」

 さらに読み進めると、何でも相談してくださいとある。母親の事でも結城のことでも自分に力になれることがあればなんでも言ってくださいと。

花名は返信用のフォーマットを立ちあげて、ないもしないというのは心苦しいので、お茶に誘わせてくださいと書いた。そして、一番聞きたかったことをしたためる。

 
 純正が治療費を支払う代わりに家政婦のようなポジションで自分を雇ってくれているのだということ。

毎日彼の身の回りの世話をしてはいるが、本当にこれだけでいいはずがないと思っているということ。

そして純正が何をしたら喜ぶのか教えて欲しいと。

きっと学生時代からの友達である晴紀なら、正解に近い答えをくれるはずだ。そういう思いで送信した。

返事はすぐに来た。

喜び勇んでメールを開く。しかしそこには花名を悩ませるようなことが書かれていた。

「……やっぱりそうだよね。先生だってそう思ってるよね」

 今までそういうことを考えなかったわけではなかった。自分だってもういい大人だ。だからと言って、実行に移すのには勇気がいる。晴紀に相談メールを送ろうと思ったその時、インターフォンが鳴った。

純正が帰宅したのだ。スマホをカウンターに伏せ置いて、急いで玄関に向かう。

「お帰りなさい」

「遅くなって悪かった。思った以上にオペが長引いてしまって、連絡もせずに申し訳い」

「いえ、いいんです。お仕事お疲れさまでした。食事もお風呂もご用意はできていますよ。どちらになさいますか?」

 廊下を歩きながら、花名は純正にそう問いかける。

「ありがとう。とにかく帰っていいよ。今日はもう遅い」

「でも。片づけをしないといけませんし」

「いいよ。それくらい俺がやる」

「だめです。それじゃあ、私のいる意味がありません」

「十分意味があるよ」

「あの先生。もっと私にできることはありませんか?」

「本当に今日はもう大丈夫だから……」

「そんなはずありません。私の料理に、掃除に、洗濯に、何百万もの価値があるとは思えないんです」

「そんなことないさ。君が家事をしてくれて、すごく助かってるんだよ」

「嘘つかないでください!」

「……嘘はついていないよ」

小さくため息をはくと、純正はソファーに身を沈めた。

相当疲れているのが伝わってくるが、花名は止められなかった。

「私だって本当は家事だけじゃ足りないってわかってます。だって、男の人って、もっと他のものを求めてるんですよね? どうぞ私のことを好きにしてください」

花名は震える手で、ブラウスのボタンを外すとスカートのファスナーを下ろした。乾いた音を立てて床にスカートが落ちる。

「なにを言ってるんだ」

「先生に喜んでいただけるかは分かりませんけど、精一杯頑張りますから」

「……小石川さん、服を着て」

「どうして。私じゃダメですか?」

女としての魅力がないと言われているようで、花名はいたたまれないような気持になった。

「そういうことを言っているんじゃない」

「だったら抱いてください。私は先生にならなにされてもかまいません」

むしろ、初めて抱かれるのならば純正がいい。

「ひと目ぼれでしたから」

たとえ実らない恋であっても、思い出としてとっておきたい。それが本心だ。

けれど純正にこの思いは伝わらなかったようだ。

「……ありがとう。でも、君の想いは受け入れられない」

 純正は険しい顔のままソファーから立ち上がった。そして花名のはだけたブラウスをそっと整える。

「もっと賢い人だと思っていたけど、違ったのかな」

まるで突き放すようにそう言われて、花名の胸は張り裂けそうに傷んだ。純正のためにと決死の覚悟で行動に移したのに、彼を失望させてしまったなんて。

緊張で汗をかいていたせいか、喉はカラカラに乾いている。声帯が痛いぐらいにひしゃげて、謝罪の言葉すら出てこない。  

「家まで送るよ」

 純正はそう言ったが、これ以上、迷惑はかけられない。そう思い必死に声を絞り出す。

「……ひとりで、帰れます」

 はだけたブラウスの胸元を掻き合わせると、まるで逃げるように純正のマンションを飛び出した。




なぜ彼女はあんなことを言い出したのだろう。

花名が部屋を飛び出していったとき、追いかけることもできないくらい、純正は衝撃を受けていた。

どさりとソファーに身を投げ、頭を抱える。

「……なにが正解だったんだよ」

あのまま花名を抱くこともできた。性欲がないわけではないし、彼女のことを満足させるくらいの自信はある。けれど純正は、儚く可憐な花名をそばに置いて愛でていたかっただけだ。

純粋無垢な彼女を自分色に染めたい衝動にかられたことはあるけれど、それを抑える理性くらいは持ち合わせている。態度に出ていたとは考えられない。

だから花名があんな行動に出たことが純正には理解できなかった。

「あとで彼女に聞くしかないか」

 落ち着いてちゃんと話をしなければならないだろう。このままでは彼女もここへ来ずらいはずだ。

純正はこれ以上考えることをやめた。ソファーから立ち上がり、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して一気に飲み干した。

風呂に入り、用意してある部屋着に着替える。リビングに戻るとカウンターに置いてある花名の作った料理が目に入った。

それほど空腹は感じていなかったが、このまま捨ててしまうのは憚られる。純正はスツールを引いて座った。

「今日はビーフシチューか。……いただきます」

 人参はきちんと面取りがしてあって、バゲットは食べやすいサイズにカットしてあった。サラダのドレッシングは毎回手作りだ。

手を抜こうと思えばいくらでもできるのに、いつも手の込んだものを作る。

母の看病と、花屋の仕事をこなして疲れているだろうに。掃除だって洗濯だっていつも完璧だ。
そんな花名にこれ以上何を求めるというのか。

「ごちそうさまでした」

 おいしかったよ――そう花名に言えないのが残念だ。
そっと手を合わせて、立ち上がる。その時、なにかが床に落ちていることに気が付いた。

「……なんだ? 名刺、みたいな……」

 腰をかがめて拾い上げ、純正は目を見開いた。

「どうしてこんなものがここにあるんだよ」

 それは、深山晴紀の名刺だった。純正ははっとした。花名の言動がおかしかったのは、晴紀の入れ知恵に違いない。

「どこで会った?」

接触するとしたら店か病院だ。病院の方が可能性は高いだろう。純正は勢いよく名刺を破り捨てると、車のキーを手に取った。

「今日あいつは当直のはずだ」

 車を飛ばして病院の通用口に横付けすると、すぐに警備員がやってくる。

「こんなところに停められたら困りますよ」

「すまないが急いでいるんだ」

 無言でIDカードを突き出すと、警備員はあわてたように頭を下げた。

「お疲れ様です。結城先生。呼び出しですか?」

 否定はしなかった。緊急車両の妨げにはならない位置に停めたし、問題ないだろう。

純正は入り口のロックを解除して、病院の中に入るとエレベーターに乗り込む。

外科病棟にある仮眠室のドアをノックすると眠たそうな晴紀がドアを開けた。

「純正か。何か用?」

「もう寝てたのかよ。研修医に仕事押し付けていいご身分だな」

「はあ? いきなり来てなんなんだよ」

「話がある。中に入れろ!」

 半ば強引に仮眠室に入ると純正は晴生の胸ぐらを掴んだ。

「だから何なんだっていってんの。苦しいって」

 晴紀は喉元に手を当てて、苦痛に顔を歪める。

「あの子に何言った」

「あの子って?」

「しらを切る気か? 小石川雅恵の娘だよ。花屋の!」

 いいながら襟元を引き上げると晴紀の顔は紅潮していく。

それを見た純正は思わすその手を放した。

すると間合いをとるように二三歩後退してからゲホゲホとわざとらしく咳をして見せる。

「やばい、死ぬかと思った。てかさ、そんな怒ることないじゃん。僕はただ、彼女に助言しただけだよ」

 にやりと口元を歪めて晴紀は笑った。まるで悪魔のほほえみのようだ。純正はこの顔を幾度となく見てきた。晴紀の暗く淀んだ裏の顔だ。

「やっぱりお前の仕業か」

「どうだった? 意外とよかった?」

 純正の瞳の奥を覗き込むようにして晴紀は言う。

「……お前と一緒にするな!」

 沸き上がった怒りはもうすでに沸点に達しそうだった。晴紀はそれをさらにあおる。

「まさか何もしてないわけ? せっかくチャンスをくれてやったのに純正って、馬鹿なの?」

「チャンスだと? いったいお前はどこまで俺を苦しませたら気が済むんだ!」

 声を荒らげて、拳を握った。怒りでわなわなと腕が振るえる。けれど晴紀は、へらへらと笑いながら純正を挑発した。

「殴りたいならどーぞ。でも僕にそんなことしていいのかな?」

純正は振り上げた拳を壁に打ち付けた。それで怒りが収まるはずがない。物事の大小はあれど、今まで幾度となく繰り返されてきたことだった。

「お前はいつもそうだ。俺の大切なものを奪って壊して、もううんざりなんだよ」  

「おいおいおいおい、人聞きの悪いこと言わないでくれる? 僕がいつそんなことした?」

「茉莉花のことだってそうだ」

 純正がその名前を口にしたことで、その場の空気は一変した。晴紀は小さく舌打ちすると、純正から目をそらす。

「……あれはただの事故だ。僕には関係ない」

「関係ないわけないだろ!」

「黙れ!それ以上言ったら、親父に言うからな。この病院をクビになるだけでは済まないだろうな」

 純正は口を噤むしかなかった。

晴紀の父親は誰もが見放した母親の治療に手を差し伸べてくれた恩人であり、純正の医者としての成長を誰よりもサポートしてくれた医療界の重鎮。そんな深山修二には誰も逆らえない。

おそらく医者として生きていくならば一生、背負っていかなければならない十字架になってしまったのだと思った。

「なあ純正」

「……なんだ」

「僕になにか言うことないの?」

「当直中にいきなり来て悪かった」

「それだけ?」

「だから悪かったって、言ってるだろ」

「それが人に謝る態度なわけ? 信じられないよ。ほんと乱暴。まあいいよ。もう出てって。明日も仕事なんだ。分かるだろう」

 晴紀は大きなあくびをして、ベッドに腰を下ろした。

「ああ、わかったよ」

 純正は当直室を出た。ナースステーションからは、看護師たちの話声が聞こえる。

病棟が落ち着いている証拠だ。純正はホッと胸をなでおろす。

もし、自分の担当する患者になにかあれば、いつでも電話してきていいと言ってある。晴紀では役に立たないから。

口には出さないが、医者はもちろん一部の看護師たちも気づいている。

彼自身も。いや、彼が一番わかっているはずだ。だから、深山修二の興味は純正にあることにも気づいている。晴紀が純正に辛く当たるのは、嫉妬からくるものだ。

深山修二の息子という十字架を、晴紀も背負っているのだ。

そんな晴紀の苦しみを知っているからこそ、純正は強く出られない部分もある。彼になにかを譲るたび、そのプライドを傷つけていることもわかっている。

 純正はエレベーターに乗り込むとIDカードをかざして最上階へのボタンを押した。

そこには特別室が並ぶVIP病棟がある。見舞客はもちろん、スタッフでさえも簡単には出入りできないようなセキュリティ体制が売りだ。

「あら、結城先生。こんな時間にどうしたんですか?」

 エレベーターを降りてすぐ、ホールのすぐ向かいにあるナースステーションからすぐに声がかかった。仕方なく、カウンターに歩み寄る。

「お疲れ様。仕事が終わったので、来たんだ。少しいいかい?」

 純正は薄闇の奥の病室を指さした。

「もちろんです。遅くまで疲れ様です」

「ありがとう」

 純正が微笑むと、看護師は頬を赤く染める。「じゃあ」といって軽く頭を下げ、ある病室の前まで行きドアを開けた。

フットライトだけが灯る薄暗い部屋の廊下を進み、ベッドの前に立つ。そこには、まるで人形のようにひとりの女性が横たわっている。

「茉莉花」

 純正が名前を呼んでも反応することはない。

 瀬能茉莉花は半年前に交通事故にあった。

命の危機こそ脱したが、いまだ意識が戻らないでいた。

彼女は、純正と同期の医師だった。大学病院や地方の市中病院で働いた後、約二年前にこの深山記念病院へとやってきた。

共に働くうちに、茉莉花は純正へ好意を持つようになっていった。純正は彼女の仕事ぶりや人間性に惹かれていたが、恋愛感情とは違うと感じていた。

だから、晴紀が茉莉花を気に入っていると知って、彼女から距離を置いた。

しかし、そんな純正に晴紀は『茉莉花と付き合えるように協力してほしい』と言ったのだ。彼女の好意を知りながら他の男を好きになるように仕向けることはとても苦痛なことだった。

けれど逃げることは許されなかった。なにかにつけて、父である深山修二への恩義をちらつかせ純正を苦しませた。

『なあ、茉莉花。明後日の学会、俺行かないことにしたから晴紀と行ってこいよ』

 ある日、医局で純正は、茉莉花と一緒に行くはずだった外科学会に出席しないといった。

本当ならば、参加することで得られるポイントを稼ぎたかったし、たまにしか取れない連休を取って泊りがけでのんびりと羽でも伸ばしてこようかと考えていたのだが、晴紀はそれを許さなかった。

茉莉花も純正の日程に合わせてきたからだ。同じホテルを予約したことで余計に嫉妬心をあおってしまったのだ。

『どうして?』

『いやほら、外科医が全員出払うわけにもいかないだろう』

『いまさら何言ってるの? そんなこと、当たり前じゃない』

 茉莉花は語気を強めた。学会ヘ行くのは数名の医師だけで、病院をからにしないことくらい言わなくてもわかっていることだ。馬鹿にされたとでも思ったのだろう。

『だから俺が留守番しようってことになったんだよ』

『……あのさ、純正。そういうのやめてよ』

『そういうのって?』

『私の気持ちに気付いているくせに、どうして深山先生とくっつけようとするの?』

 茉莉花は今にも泣きだしそうな顔をしていた。それを見た純正は胸が締め付けられるように痛んだ。

『そんなことしてないさ』

 つくづく嘘が下手だと思った。発した声が上ずっている。視線すら定まっていない。

『してるよ! そのくらいのことが分からないとでも思ってるの? 私は深山君となんて付き合うつもりはないわ。純正が好きなの。純正じゃないと嫌なの』

 茉莉花の気持ちは知っていたのに面と向かって言われると純正の心は揺れ動いた。

このまま彼女の思いを受け入れたら、悲しませることはない。でも、それは出来ない。

『俺のことが好きなら、俺のためにも晴紀と付き合ってくれないかな』

 苦し紛れにそう言ってしまった。

なんてひどいことを言ったのだろう。すぐに後悔の念に苛まれる。けれど、出てしまった言葉はもう取り消すことはできない。

『わかった。純正がいうなら、そうするわ』

 消え入りそうな声で茉莉花はいい、医局から出ていこうとする。

そんな彼女のことを引き留めてやりたかった。しかしそうしたところで思いを受け入れるわけにはいかない。だったら、このまま何もしない方がいいに決まっている。

純正は己の不甲斐なさをただひたすら呪った。


学会が終わって数日後、二人が付き合いだしたという噂が院内を駆け巡った。

茉莉花から告白して晴紀が承諾した。なんでも結婚前提での交際らしい。このまま二人がうまくいけば、茉莉花は次期院長夫人だ。そんな話をそこかしこで耳にするようになった。

晴紀は上機嫌だった。茉莉花のことも思いのほか大事にしているようで、院内に彼女専用の部屋をあてがってやっていた。

自分なんかと付き合うよりも案外幸せになれるのかもしれない。そう考えると、純正はほんの少しだけ許された気持ちになれた。

 それから数か月は平穏な日々が続いていた。

飽きっぽい性格の晴生が茉莉花との付き合いを続けられるのかどうかが心配だったけれど、それは純正の取り越し苦労だったようだ。二人は同棲を始めた。

もしかしたら本当にこのままゴールインするのではないかと誰もが思いはじめた矢先、事件は起こった。

外科当直をしていた純正のもとに一本の電話が入ったのは、深夜の十二時を少し過ぎた時だった。

相手はERの医師で、緊急手術の必要がありそうな交通外傷の患者が救急搬送されてくるという。

丁度手が空いていた純正はそのままERへと走った。いつもなら正式な依頼の電話があるまでは待機していることがほとんどだったが、なぜか胸騒ぎがしたのだ。


ERの扉を開けると、ちょうど救急車が到着したところだった。大勢のスタッフに囲まれて、病院のストレッチャーへと移し替えられた顔面蒼白の女性の顔を見て、純正はわが目を疑った。

『茉莉花!』

 一目散に駆け寄ってその顔を確かめる。間違いない、彼女だ。そう確信した瞬間、心臓がバクバクと音を立て始める。

『お知り合いですか?』

 救急隊員にそう尋ねられて、純正は大きくうなずいた。

『所持品が携帯電話だけで、身分証も何も携帯していなかったんです。先生がご存じでよかった』

『何があったんですか?』

『信号のない横断歩道を横断中に、大型トラックと接触したようです。この大雨の中、傘もささずに歩いていたみたいで、衝突する寸前まで気づかなかったとドライバーが話していました』

純正と救急隊員が話をしている間に、ERのスタッフたちは手際よく採血や点滴の処置を済ませていく。

『結城先生、この女性瀬能先生なんですね。顔がむくんでいてわからないけど……これからすぐにCTを撮りに行きます。エコーで見た感じだと、やっぱりオペが必要そうです』

 ERの医師は口早にそう説明し、ストレッチャーを引いて放射線科へ向かって歩き出す。

『僕も行きます』

 純正はその後を追った。写し出される画像を見て、オペ室へと電話する。待機のスタッフはもうすでに集まっていた。後は麻酔科医の到着を待つだけだという。

『このままオペ室へ運んでください。あと、輸血の準備を……』

 オペ室へと向かいながら、純正は晴紀に電話をかけた。しかし、いくら電話を鳴らしても彼は電話に出たくれない。仕方なく、別の外科医を呼び出した。そして、茉莉花の手術が始まった。

術中何度も心臓が止まるような、危険な状態だった。けれど、どうにか一命をとりとめることができた。人工呼吸器に繋いだままの茉莉花をICUに収容し、そのまま朝を迎えた。
長い、長い夜だった。


『なあ茉莉花、どうしてあんな雨の中人いで歩いてたりしたんだよ』

 茉莉花に純正は話しかけた。

薬で眠らせているので聞こえているのかはわからない。けれど、聞かずにはいられなかった。どうして茉莉花は事故になんてあってしまったのだろう。
昼近くなってようやく電話をかけてきた晴紀をICUに呼び出した。

茉莉花の姿を見てうろたえはしたけれど、純正が考えていたほど取り乱すようなことはなかった。それどころか晴紀は純正をにらみつけるとこんなことを言い出した。

『そもそもな、こいつが事故にあったのはお前のせいなんだからな』

『どういうことだよ』

 意味も分からずに聞き返す。

すると晴紀は純正の胸ぐらを掴んで壁に押し付けた。

『お、おい。いったい、なんだっていうんだ』

『純正、お前おととい俺が出張で不在なのをいいことに、茉莉花と寝ただろ? せつかく俺に気持ちが傾いてきたっていうのに邪魔するのもいい加減にしろよ』

 身に覚えのないことだった。どうしたらそんな話が出来上がるのか。純正は真っ向から否定した。

『ちょっと待て! どうして俺が茉莉花と? そんなわけないだろ。おとといの夜は病棟の飲み会で茉莉花と一緒にタクシーには乗ったけれど、病院から呼び出されて途中で降りた』

『そんな話信じられるか!』

『嘘だと思うなら、携帯の着信履歴と電子カルテの記載時間を見てもらえばわかる。その日は結局病院に泊まることになったからな』

 飲み会が終わったのが二十一時。病院からの電話がその十五分後。さらにその二十分後には通用口のセキュリティーを解除して院内に入っている。茉莉花とホテルに行く時間なんてあるわけがない。

『じゃあ、お前と茉莉花がホテルに行ったのをみたっていうのは? だから俺、あいつに出ていけって言ったんだぞ』

 晴紀は動揺していた。ようやく自分の勘違いが招いた事の重大さに気が付いたのだろう。

『そんなの、知らねえよ。ただのデマだろ』

 一緒にタクシーに乗ったのを見てありもしない噂を広められることなんてよくあることだ。

『当の茉莉花だって否定したろ? それなのに信じてやらなかったのかよ。あいつがどんな気持ちで家を出たのかわかるか?』

 純正は晴紀を責めた。同時に自責の念に駆られる。

あの日、飲み会の日。晴紀が家に不在だからと羽目を外して飲み過ぎてしまった茉莉花を自分が送るといった。

急な呼び出しに備えて、アルコールは口にしなかった。だから彼女をちゃんと送ってやらなければと思った。

けれど、その行動が誤解を招き、結果的に茉莉花を事故に合わせてしまった。

自分は悪くないと、無関係だと思えたらどれほど楽だろう。晴紀のように、自由に器用に生きることができたら、どれほど幸せだろうか。

純正は仕事の合間を縫って茉莉花の治療を続けた。しかし、彼女の意識は戻ることはなかった。

その日から純正の日常は色を失った。

医者としてたくさんの命を救っても、人として大切な人を守れない自分に生きる意味などあるのだろうか――と自問自答する日々だった。


そんなある日、茉莉花の容態が安定し、集中治療室から出られることになった。晴紀は彼女を特別室へ移動させた。

広く静かな部屋には看護師の巡回以外は人の出入りもない。

晴紀は仕事を理由に寄り付かなかったので、純正は忙しい合間を縫って茉莉花を見舞った。目を覚ました時、なにもない部屋では寂しかろうと花を飾ることを思い立つ。衛生管理をしっかりするからと無理矢理許可を得て、
病院の隣にあるフラワーショップへと向かった。

そこで純正は花名と出会った。
小柄で薄化粧の彼女には素朴で幼い印象を受けたが、接客の細やかさに感心し、まるで全てを許すかのような優しい笑顔に心惹かれた。茉莉花の見舞いの花を買い求めるためといいつつ、いつしか彼女に会うために足を運ぶようになっていた。

交わす言葉こそ少ないが、彼女に会えただけで癒された気がした。
彼女が見せる笑顔は決して自分だけに見せるものではないことくらいわかっている。それでも、次店に来るまでの一週間を頑張れるきがした。

この気持ちが恋というものだということくらいわかっていた。おそらく花名も自分のことを好いていてくれてるのだろうと感じていた。これはうぬぼれでも何でもない。彼女の態度を見ていたら分かる。

けれど、純正には花名を幸せにする資格などないと思っていた。だったら、この思いは伝えない方がいいに決まっている。そう決意したはずなのに、彼女のことを諦められなかった。だからあらゆる手をつくして彼女を自分のそばに置いた。

でも結局、花名を傷つけてしまった。

「なあ、茉莉花。俺、なにやってるんだろうな。みんなを不幸にして、本当にダメな男だよ。こんなことになるなら、自分の気持ちを押し殺したりせずに好きだと伝えたらよかった。好きだから支えたいと素直に言えばよかった。そうすれば彼女だって、あんなに悩まずに済んだんだ」

 想いの全てを勢いよく吐露して、純正はハッと我に返った。いくら意識がないとはいえ、不甲斐ない男の愚痴を聞かせていいはずがない。

「ごめん、茉莉花。こんな話聞きたくないよな。彼女とちゃんと話そうと思う」 

純正は病室を後にすると自宅へと帰った。

そしてその翌朝、病棟での回診を済ませると花名の働くフラワーショップへと出向いた。

けれど、そこに花名の姿はなかった。

「……休みだったのか」

 本当は一刻も早く話をしたかったのだけれど、居ないのなら仕方がない。ならば、夕方自宅で会ったときに話そう。そう純正は思った。
しかし、仕事を早めに切り上げて帰宅してみると、花名の姿はなかった。

部屋はきれいに掃除され、風呂は湯張りのタイマーがセットしてある。冷蔵庫にはひとりでは食べ切れないほどの料理が入っていた。

 仕事はきちんと終わっているし、純正が帰宅するまで待つ契約でもない。けれど、花名はいつも主の帰宅を待ってたではないか。

「避けられてるんだろうな。当然か……」

 彼女のあの行動を否定して、追い返した。顔を合わせるも気まずいと思っているに違いない。

「それならなおさら俺の方から出向いて彼女と話をしないといけないな。また明日、店にいってみるか」

 純正は翌日、仕事の合間を縫って花屋へ出向いた。だがそこには花名の姿はない。

「あの、すみません」

 カウンターの奥にいた若い男性店員に声をかける。

「はい。いらっしゃいませ」

「あの、小石川さんは今日も出勤されていないんですか?」

「……ええ、おりません」

「そうですか。次はいつ出勤されますか?」

そう純正が聞くと、男性店員の表情はあからさまに顔をしかめた。

「申し訳ございませんが、そういったことはお答えできません」

 当然だろう。今の時代、個人情報の取り扱いはとても厳しくなっている。あまりしつこく聞くと、不審者扱いされかねない。

「わかりました」

 会えないのなら、電話かメッセージを送ることにしよう。本当は直接話したかったのだが仕方がない。

「ご用はそれだけですか?」

 男性店員にそう聞かれ、純正はジャスミンの花束を注文した。まだ、活け替えるのには早いのだが、冷やかしで店を出るわけにはいかない。

「承知いたしました」

 純正は仕方なく花束が出来上がるのを待つことにした。他の客の邪魔にならないように店内の壁際に寄る。すると、ポケットの中のPHSが鳴った。

出てみると、同僚の外科医からだった。緊急オペが必要な患者がいるから至急戻ってきて欲しいという。

「すみません。この花束なんですが、病院へ配達していただけますか?」

「はい。できますが……」

「では、ここにお願いできますか?」

 純正は自分の名刺の裏に茉莉花の部屋の番号を書いた。

「これを見せれば入れるはずですから。お金はここに置きます」

早口でそう言うと一万円札をカウンターに置き、踵を返して店を飛び出した。

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