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7、春の学院生活
68、試合観戦という名のデート、コミュニケーションツールに夜の加護ぞある
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週末になり、エリック王子が迎えに来て、ネネツィカはサバイバルマッチの観戦に行った。
会場は隣国との国境近くにあり、かなり大きなドウム状の建築。中には中央にステージと、360度ぐるりとステージを囲む観戦席。観戦席一部が個室のようになっていて、術で拡大視能力が高められたオペラグラス完備のVIP席になっているようだ。
母とメイドが考えてくれたデート用ファッションは、初々しさと楽しさがテーマらしい。丁寧に結い上げた髪には丸いマーブルキャンディみたいな飾りをつけて、耳には透明度が高くてキラキラする赤い果実似の宝石がついたサクランボ型イヤリングをつけて。
ブレスレットはオーロラの輝きをもつ水晶と薄い紫とピンクの石がキラキラ。首からさげるのは、王子に贈られた薔薇水晶の首飾り。
薄く施した化粧は顔色を明るく、目元を華やかに――爪は透明なネイルをベースに、先に向けて淡い桜色に色付くいて可愛らしく、手元を見るたび気持ちが上向きになる。香水も軽く、ほんの僅かに自然に薫る程度つけてきた。ヴァニラに似た甘くて可愛い印象を与えそうなものを。
「今日はとびきり可愛いね」
オレのためにおしゃれしてきたんだ、可愛い――エリック王子はデレッとしそうな頬を緩めすぎないよう引き締めた。二人を護衛するオーガストはそんな主を微笑ましく見守っている。
ステージに少年たちが登場し、拍手が湧く。
「キャッスルファイブだ!」
「ケイオスレッグ!」
観客が叫んでいる。
「呪文ですの?」
ネネツィカがびっくりしていると、エリック王子がチーム名だと教えてくれた。
「5人1チームでポイントを取り合うスポーツなんだ。ケイオスレッグは、メンバーが多国籍なのも特徴だね」
エリック王子の解説を聞きながら、ネネツィカはステージ上にオスカーを探した。二人より年上のオスカーは、背が高くて見つけやすい。
「あ、ユンク先輩ですわ」
オスカーはケイオスレッグのメンバーのようだ。長身の白頭が進行役が差し出す箱から紙を取り、広げる。
「市街地フィールド!」
司会進行役と思われるおじさんが筒型魔道具を手に叫ぶ。拡声機能があるらしい。
「試合のフィールドをくじで決めたんだ」
エリック王子が説明してくれた。
ワアアアアッ、
観客席が湧いて、ステージが光に包まれる。演出として盛り上げるためだろうか、赤や青、紫といった光が幾つも花がひらくみたいな形で溢れて――それが落ち着くと、ステージに市街地を模したフィールドが現れた。同時に、10人の選手がフィールドの模型市街地に合わせたように小人化していた。
「魔法……?」
「呪術だよ。小さいのはアバターだ」
「アバター?」
観客席からカラフルな風船が放たれる。風船は上空で弾けて、紙吹雪を降らせた。オーガストは観客席をまわる売り子からドリンクとお菓子を買い、差し出した。
二人はオペラグラスを放してドリンクを受け取る。持ちやすい透明グラスには、気泡をシュワシュワさせる果実ジュースが揺れていた。
ビーッ、と試合の始まりを告げる笛が鳴り、市街地に似たフィールドを10人がうごめく。
建物の中に隠れたり、外を駆けたり、空を飛んだり。遠距離から呪力弾を放つ選手に、シールドで防ぐ選手。オスカーが呪力弾の弾幕の中を勇敢に接近し、呪力の剣で相手チームの選手を斬ると観客席は大盛り上がり。
斬られた選手は怪我をすることなく一瞬で消えて、場外に元の大きさの生身が現れた。
「あの選手は倒されて試合から締め出されたんだよ。そして、倒したユンク先輩のチームにポイントが入った」
「なるほど……?」
観客席でケイオスレッグのファンが浮かれている。
「5対4だ。いけいけ!」
キャッスルファイブのファンはイライラしていた。
「ケイオスレッグなんて、金の力で強い選手を囲っているだけなのに」
オスカーの名を呟く声が近くの席から聞こえてくる。
「アシスト上手のショーは前回の試合でキャッスルファイブだったんだ、強いからってユンク伯爵が引き抜いたんだぜ。ガード名人のレビエだって、元は『アスタリア』の選手だ」
「『フレウランス』のシュナは引き抜かれたのに控えメンバーだぜ、もったいねえ」
――何の話かしら?
ネネツィカが首を捻っていると、エリック王子はカエルの形をした緑のグミを上品につまんでから、ケイオスレッグというチームがオスカーのために父であるユンク伯爵が作った新興チームで金に物を言わせていろんな既存チームの花形選手を引き抜きまくって最強をうたっているのだと教えてくれた。
「悔しかったら引き抜き返してみろよ!」
「伯爵より金を使えば強いチームが作れるかもな」
ケイオスレッグのファンがそう言ってキャッスルファイブの選手とファンを煽っている。
「なんだか、場外の罵り合いで楽しさが削がれる心地ですわね……」
ネネツィカが思わずポロリと感想を溢すと、エリック王子は慌ててオーガストに「両チームのファンに暴言を慎むよう注意喚起してくれ」と指示を出したのだった。
◇◇◇
別の席では、公爵家の兄妹も観戦を楽しんでいた。
「お兄さま、あまり近くに寄らないでくださいね」
「うん、うん」
好感度がどうとか気にするユージェニーに慣れた様子で、兄クレイは呪術師のフードを引っ張って顔を寄せた。
「これは実戦に近くて、スポーツというより強兵策なのではない?」
(戦闘能力の高い若年者を遊戯の名目で他国からも集めて囲い込み、実戦に近い超小隊戦闘に慣れさせている……イメージトレーニングだ。シミュレーションだ。これは、アーサー王の流儀だろうか? あの王様は、そういうところがある)
レネンはつるりとした顔で全く言葉が響く様子がなかった。どちらかといえば、その顔は不満げなのだ。
「坊ちゃん、先ほどの声かけはいけませんよ」
先ほど、というのは、兄妹が寛ぐ席をオスカーが訪ねた時の話だろう。
「おお、おお、学院の外でお目にかかるのは初めてですがお二人とも麗しい! さすが上流の気風を感じますな」
と、はしゃいだ声で膝をつく試合前のオスカーを見て、妹ユージェニーは兄に耳打ちをしたのだ。
「ほらお兄さま、このお揃い衣装、刺さると言った通りでしょう。そして次はお姫さま風に可愛らしく健気に応援してあげるんですよ」
妹ユージェニーは、オスカーの攻略に関しては兄クレイと以前のような距離感で『遊んで』くれるのだ。
いわばオスカー・ユンクとは兄と妹のコミュニケーションツール的存在になっていた。
(ぼくは、この男との親密度だかの議題を話す理由に介さないと妹と話せない兄になってしまった)
レネンはその時反対側で「坊ちゃん、あまり妙な遊びはいけませんよ。無言で結構、媚びを売る必要などありませんとも」と注意していた。
(しかしレネン、何やら公子本人も言葉を待っている気配ではないか)
目の前にはニコニコ、ワクワクと言葉を待つオスカーがいて、結局クレイは少し迷ってから「夜の加護ぞある」と言ってしまったのだった。
「夜の」
言葉に食い付く様子が如何にもまずい。これはレネンが怒るだろうと思ったものだ。
クレイが夜と言えば、やはり黒竜を仄めかすことになるのだ。
クレイは今、『お前を黒竜が応援してる』的なニュアンスを告げたのだ。
「け……怪我をしないように、気をつけて」
「怪我をするような遊戯ではないので、その点はご安心あれ」
「そうだったね」
そろりそろりと気配を探りつつ付け足し、レネンを見るとたいそう冷めた視線が注がれていた。
「坊ちゃん、スポーツという観点からもよろしくないご発言でしたよ。ご本人は嬉しそうですが、公子が例えば『俺は竜に応援してもらえた!』など言いふらしたら、例え公子が実力で勝利しても、悪意ある者によっては実力ではなく黒竜の奇跡で勝ったと言うかもしれません」
公子本人はたいそう喜び試合に向かったものだが、とクレイは首を傾げた。
「嘘をついている、無い加護をあると申しているのは悪いと思う……」
喜ぶと思ったのだ。
それでつい、喜ばせてみたくなったのだ。
実際喜ばせてみると、罪悪感が湧くでは無いか。
(消極的に否定しないのではなく、自分から積極的に加護持ちのフリをしてしまった……)
「あの公子が負けたら加護なんて嘘だって事になる? あの公子が勝ったら加護は本当にあったのだって事になる?」
「公子が言いふらせば、そう思う者もそりゃあ出るでしょうね」
「では、言いふらさぬよう口止めすれば良いじゃない。それで解決だよ」
あのお喋り公子に口止めなんて効くんですかね、と言いつつレネンが席を離れていく。一方で、ユージェニーも第二王子を見つけてアプローチしに行くようだった。
「ユージェニーはめげないなあ。デート中のところに乗り込むとは……ぼくには真似できない」
悲しくならないだろうか。
つらくない?
みじめな気分になったりしない?
クレイは妹を想い、尊敬と同情を混ざるため息をついた。
そして、ふと観戦席に有名人がいる事に気がついたのだった。
「『鮮血』だ」
それは、大陸に名を知られる清廉高潔な青年騎士。とても目立つ赤い髪の騎士。
「本物だ。キーリング卿だ」
少年の頬が淡く憧憬に彩られる。
第一王子の忠臣である二つ名付きの騎士フィニックス・キーリングは、活躍が口伝てに多く語られていて、現実の中なのに物語の人物みたいな、憧れの英雄騎士なのだ。
会場は隣国との国境近くにあり、かなり大きなドウム状の建築。中には中央にステージと、360度ぐるりとステージを囲む観戦席。観戦席一部が個室のようになっていて、術で拡大視能力が高められたオペラグラス完備のVIP席になっているようだ。
母とメイドが考えてくれたデート用ファッションは、初々しさと楽しさがテーマらしい。丁寧に結い上げた髪には丸いマーブルキャンディみたいな飾りをつけて、耳には透明度が高くてキラキラする赤い果実似の宝石がついたサクランボ型イヤリングをつけて。
ブレスレットはオーロラの輝きをもつ水晶と薄い紫とピンクの石がキラキラ。首からさげるのは、王子に贈られた薔薇水晶の首飾り。
薄く施した化粧は顔色を明るく、目元を華やかに――爪は透明なネイルをベースに、先に向けて淡い桜色に色付くいて可愛らしく、手元を見るたび気持ちが上向きになる。香水も軽く、ほんの僅かに自然に薫る程度つけてきた。ヴァニラに似た甘くて可愛い印象を与えそうなものを。
「今日はとびきり可愛いね」
オレのためにおしゃれしてきたんだ、可愛い――エリック王子はデレッとしそうな頬を緩めすぎないよう引き締めた。二人を護衛するオーガストはそんな主を微笑ましく見守っている。
ステージに少年たちが登場し、拍手が湧く。
「キャッスルファイブだ!」
「ケイオスレッグ!」
観客が叫んでいる。
「呪文ですの?」
ネネツィカがびっくりしていると、エリック王子がチーム名だと教えてくれた。
「5人1チームでポイントを取り合うスポーツなんだ。ケイオスレッグは、メンバーが多国籍なのも特徴だね」
エリック王子の解説を聞きながら、ネネツィカはステージ上にオスカーを探した。二人より年上のオスカーは、背が高くて見つけやすい。
「あ、ユンク先輩ですわ」
オスカーはケイオスレッグのメンバーのようだ。長身の白頭が進行役が差し出す箱から紙を取り、広げる。
「市街地フィールド!」
司会進行役と思われるおじさんが筒型魔道具を手に叫ぶ。拡声機能があるらしい。
「試合のフィールドをくじで決めたんだ」
エリック王子が説明してくれた。
ワアアアアッ、
観客席が湧いて、ステージが光に包まれる。演出として盛り上げるためだろうか、赤や青、紫といった光が幾つも花がひらくみたいな形で溢れて――それが落ち着くと、ステージに市街地を模したフィールドが現れた。同時に、10人の選手がフィールドの模型市街地に合わせたように小人化していた。
「魔法……?」
「呪術だよ。小さいのはアバターだ」
「アバター?」
観客席からカラフルな風船が放たれる。風船は上空で弾けて、紙吹雪を降らせた。オーガストは観客席をまわる売り子からドリンクとお菓子を買い、差し出した。
二人はオペラグラスを放してドリンクを受け取る。持ちやすい透明グラスには、気泡をシュワシュワさせる果実ジュースが揺れていた。
ビーッ、と試合の始まりを告げる笛が鳴り、市街地に似たフィールドを10人がうごめく。
建物の中に隠れたり、外を駆けたり、空を飛んだり。遠距離から呪力弾を放つ選手に、シールドで防ぐ選手。オスカーが呪力弾の弾幕の中を勇敢に接近し、呪力の剣で相手チームの選手を斬ると観客席は大盛り上がり。
斬られた選手は怪我をすることなく一瞬で消えて、場外に元の大きさの生身が現れた。
「あの選手は倒されて試合から締め出されたんだよ。そして、倒したユンク先輩のチームにポイントが入った」
「なるほど……?」
観客席でケイオスレッグのファンが浮かれている。
「5対4だ。いけいけ!」
キャッスルファイブのファンはイライラしていた。
「ケイオスレッグなんて、金の力で強い選手を囲っているだけなのに」
オスカーの名を呟く声が近くの席から聞こえてくる。
「アシスト上手のショーは前回の試合でキャッスルファイブだったんだ、強いからってユンク伯爵が引き抜いたんだぜ。ガード名人のレビエだって、元は『アスタリア』の選手だ」
「『フレウランス』のシュナは引き抜かれたのに控えメンバーだぜ、もったいねえ」
――何の話かしら?
ネネツィカが首を捻っていると、エリック王子はカエルの形をした緑のグミを上品につまんでから、ケイオスレッグというチームがオスカーのために父であるユンク伯爵が作った新興チームで金に物を言わせていろんな既存チームの花形選手を引き抜きまくって最強をうたっているのだと教えてくれた。
「悔しかったら引き抜き返してみろよ!」
「伯爵より金を使えば強いチームが作れるかもな」
ケイオスレッグのファンがそう言ってキャッスルファイブの選手とファンを煽っている。
「なんだか、場外の罵り合いで楽しさが削がれる心地ですわね……」
ネネツィカが思わずポロリと感想を溢すと、エリック王子は慌ててオーガストに「両チームのファンに暴言を慎むよう注意喚起してくれ」と指示を出したのだった。
◇◇◇
別の席では、公爵家の兄妹も観戦を楽しんでいた。
「お兄さま、あまり近くに寄らないでくださいね」
「うん、うん」
好感度がどうとか気にするユージェニーに慣れた様子で、兄クレイは呪術師のフードを引っ張って顔を寄せた。
「これは実戦に近くて、スポーツというより強兵策なのではない?」
(戦闘能力の高い若年者を遊戯の名目で他国からも集めて囲い込み、実戦に近い超小隊戦闘に慣れさせている……イメージトレーニングだ。シミュレーションだ。これは、アーサー王の流儀だろうか? あの王様は、そういうところがある)
レネンはつるりとした顔で全く言葉が響く様子がなかった。どちらかといえば、その顔は不満げなのだ。
「坊ちゃん、先ほどの声かけはいけませんよ」
先ほど、というのは、兄妹が寛ぐ席をオスカーが訪ねた時の話だろう。
「おお、おお、学院の外でお目にかかるのは初めてですがお二人とも麗しい! さすが上流の気風を感じますな」
と、はしゃいだ声で膝をつく試合前のオスカーを見て、妹ユージェニーは兄に耳打ちをしたのだ。
「ほらお兄さま、このお揃い衣装、刺さると言った通りでしょう。そして次はお姫さま風に可愛らしく健気に応援してあげるんですよ」
妹ユージェニーは、オスカーの攻略に関しては兄クレイと以前のような距離感で『遊んで』くれるのだ。
いわばオスカー・ユンクとは兄と妹のコミュニケーションツール的存在になっていた。
(ぼくは、この男との親密度だかの議題を話す理由に介さないと妹と話せない兄になってしまった)
レネンはその時反対側で「坊ちゃん、あまり妙な遊びはいけませんよ。無言で結構、媚びを売る必要などありませんとも」と注意していた。
(しかしレネン、何やら公子本人も言葉を待っている気配ではないか)
目の前にはニコニコ、ワクワクと言葉を待つオスカーがいて、結局クレイは少し迷ってから「夜の加護ぞある」と言ってしまったのだった。
「夜の」
言葉に食い付く様子が如何にもまずい。これはレネンが怒るだろうと思ったものだ。
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公子本人はたいそう喜び試合に向かったものだが、とクレイは首を傾げた。
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喜ぶと思ったのだ。
それでつい、喜ばせてみたくなったのだ。
実際喜ばせてみると、罪悪感が湧くでは無いか。
(消極的に否定しないのではなく、自分から積極的に加護持ちのフリをしてしまった……)
「あの公子が負けたら加護なんて嘘だって事になる? あの公子が勝ったら加護は本当にあったのだって事になる?」
「公子が言いふらせば、そう思う者もそりゃあ出るでしょうね」
「では、言いふらさぬよう口止めすれば良いじゃない。それで解決だよ」
あのお喋り公子に口止めなんて効くんですかね、と言いつつレネンが席を離れていく。一方で、ユージェニーも第二王子を見つけてアプローチしに行くようだった。
「ユージェニーはめげないなあ。デート中のところに乗り込むとは……ぼくには真似できない」
悲しくならないだろうか。
つらくない?
みじめな気分になったりしない?
クレイは妹を想い、尊敬と同情を混ざるため息をついた。
そして、ふと観戦席に有名人がいる事に気がついたのだった。
「『鮮血』だ」
それは、大陸に名を知られる清廉高潔な青年騎士。とても目立つ赤い髪の騎士。
「本物だ。キーリング卿だ」
少年の頬が淡く憧憬に彩られる。
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