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7、春の学院生活
77、夏の海でハーレムのお誘い
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階上でハートを負傷したネネツィカに、天真爛漫な声が飛び込んで来た。
「あー、ネネツィカちゃん!」
階上にも階下にも響き渡ろうかというほどの溌剌とした大声は、デミル・マジェスのものだった。
「オイラ、呪術の講義新しく追加したから次の次の時間は、隣に座ろうね!」
ぶんぶんと手を振るデミルの袖をアッシュが引っ張っている。いつの間に仲良くなったのか。ネネツィカは燃料を胸に受け取り、笑顔になった。
「まあ。まだ序盤といえ、途中からの講義参加は追いつくのが大変では?」
「魔術の単位がもう取れたから、暇つぶし!」
「……もう単位もらえちゃいましたの?」
アンドルート先生? ネネツィカは胸の中で初日の演説を思い出していた。匙を投げたのか、それともデミルの才能がありすぎたのか――。
「オイラは天才だから!」
「そ、そうですわね」
そういえば、デミルは妖精なのだとヘレナが言っていた。妖精陣営の力を増すように選択肢を選べば、その記憶が戻るのだとか。
「ねえ、デミル。つかぬことをお伺いするのですけど」
ゲームとやらの設定とリアルは、違う事もある。ネネツィカはそんな思いを胸にそおっと問いかけた。
「なあに! 早くきいて!」
相変わらずの無礼ぶりにアッシュが蒼褪めている。
「ちょっと、デミルく……マジェス君……。貴族様にそんな喋り方したら」
「オイラはいじめられない! 強いから」
当たり前のように言って、デミルがアッシュを見る。
「アッシュがいじめられても、オイラが守ってあげてもいいよ」
「くっ……!!」
油断してたらストレートが来た! ネネツィカは口元を右手で抑えて、左手でサムズアップした。
――ありがとう、デミル。ありがとう、アッシュ……。
「ネネツィカちゃん、質問は?」
「あ、ええ。デミル、記憶がないという噂を耳にしたのですけれど、本当かしら。記憶を取り戻したいと思っていたり、するかしら」
慌てて問えばアッシュが驚いた顔をして、「そうなのか?」と同情するような目でデミルを見た。デミルはあっけらかんとした顔で首肯する。
「うん!」
「す、すげーあっさり」
「そ、そうですの」
困っていて、取り戻せるなら、取り戻してあげるのもいいかも――ネネツィカの胸の片隅にほんの少し、そんな思いが生まれた。と、その時。
「やあネネツィカ! 今日は天気がいいよね。次の講義は美術? そういえば、君は絵もうまいんだったね」
「はっ」
ネネツィカはビクッとした。いつの間に階段をのぼってきたのか、エリック王子が声をかけてきて、こちらに来るではないか。なんか一生懸命王子様スマイルをキラキラさせていて、手に薔薇とか持っている。今度はどうしたのですか、また何かに影響を受けてしまったのですか? ネネツィカは心配と親しみの混ざる笑みで王子を迎えた。
「きゃー」
「恋人同士の語らいですわー」
ベスとコーデリアが浮かれた声をあげて手と手を握り合っている。エリック王子の取り巻きたちもドヤ顔だ。
この人たち、次の講義とか行かないのかしら。ネネツィカはそろそろと時間を気にしつつ、「ごきげんよう。講義に遅れますので、失礼しますわ」と微笑んだ。
「あっ、待ってー―」
エリック王子がすこし慌てた様子でネネツィカの腕を取り、引き止める。
エフェクトの薔薇がふわふわと舞って、周囲がうっとりとそれに見惚れた。ネネツィカ本人は「この薔薇……はっ、取り巻きがばら巻いている……薔薇だけに?」と驚くばかりであった。
「ひゃい。なんでしょう」
かみまみた。
でも大丈夫。エリック様もいっぱいいっぱいな感じで。
「夏にオレと海でハーレムしないか!」
――と、そんな事を言ったから。
「あー、ネネツィカちゃん!」
階上にも階下にも響き渡ろうかというほどの溌剌とした大声は、デミル・マジェスのものだった。
「オイラ、呪術の講義新しく追加したから次の次の時間は、隣に座ろうね!」
ぶんぶんと手を振るデミルの袖をアッシュが引っ張っている。いつの間に仲良くなったのか。ネネツィカは燃料を胸に受け取り、笑顔になった。
「まあ。まだ序盤といえ、途中からの講義参加は追いつくのが大変では?」
「魔術の単位がもう取れたから、暇つぶし!」
「……もう単位もらえちゃいましたの?」
アンドルート先生? ネネツィカは胸の中で初日の演説を思い出していた。匙を投げたのか、それともデミルの才能がありすぎたのか――。
「オイラは天才だから!」
「そ、そうですわね」
そういえば、デミルは妖精なのだとヘレナが言っていた。妖精陣営の力を増すように選択肢を選べば、その記憶が戻るのだとか。
「ねえ、デミル。つかぬことをお伺いするのですけど」
ゲームとやらの設定とリアルは、違う事もある。ネネツィカはそんな思いを胸にそおっと問いかけた。
「なあに! 早くきいて!」
相変わらずの無礼ぶりにアッシュが蒼褪めている。
「ちょっと、デミルく……マジェス君……。貴族様にそんな喋り方したら」
「オイラはいじめられない! 強いから」
当たり前のように言って、デミルがアッシュを見る。
「アッシュがいじめられても、オイラが守ってあげてもいいよ」
「くっ……!!」
油断してたらストレートが来た! ネネツィカは口元を右手で抑えて、左手でサムズアップした。
――ありがとう、デミル。ありがとう、アッシュ……。
「ネネツィカちゃん、質問は?」
「あ、ええ。デミル、記憶がないという噂を耳にしたのですけれど、本当かしら。記憶を取り戻したいと思っていたり、するかしら」
慌てて問えばアッシュが驚いた顔をして、「そうなのか?」と同情するような目でデミルを見た。デミルはあっけらかんとした顔で首肯する。
「うん!」
「す、すげーあっさり」
「そ、そうですの」
困っていて、取り戻せるなら、取り戻してあげるのもいいかも――ネネツィカの胸の片隅にほんの少し、そんな思いが生まれた。と、その時。
「やあネネツィカ! 今日は天気がいいよね。次の講義は美術? そういえば、君は絵もうまいんだったね」
「はっ」
ネネツィカはビクッとした。いつの間に階段をのぼってきたのか、エリック王子が声をかけてきて、こちらに来るではないか。なんか一生懸命王子様スマイルをキラキラさせていて、手に薔薇とか持っている。今度はどうしたのですか、また何かに影響を受けてしまったのですか? ネネツィカは心配と親しみの混ざる笑みで王子を迎えた。
「きゃー」
「恋人同士の語らいですわー」
ベスとコーデリアが浮かれた声をあげて手と手を握り合っている。エリック王子の取り巻きたちもドヤ顔だ。
この人たち、次の講義とか行かないのかしら。ネネツィカはそろそろと時間を気にしつつ、「ごきげんよう。講義に遅れますので、失礼しますわ」と微笑んだ。
「あっ、待ってー―」
エリック王子がすこし慌てた様子でネネツィカの腕を取り、引き止める。
エフェクトの薔薇がふわふわと舞って、周囲がうっとりとそれに見惚れた。ネネツィカ本人は「この薔薇……はっ、取り巻きがばら巻いている……薔薇だけに?」と驚くばかりであった。
「ひゃい。なんでしょう」
かみまみた。
でも大丈夫。エリック様もいっぱいいっぱいな感じで。
「夏にオレと海でハーレムしないか!」
――と、そんな事を言ったから。
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