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11話 合流
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大所帯で移動していたので早朝にアジトを出発したのに、ランクス副隊長達に合流出来たのは昼ごろになった。
「アリア様!」
ランクス副隊長が心配そうに駆け寄ってきた。
「アリア様!大丈夫でしたか?」
「ええ。危なかったけどギリギリのところでキース隊長達が助けにきてくれたから。」
「アリア様!申し訳ございません!我々の力が及ばないばかりに危険な目に····」
ランクス副隊長は悔しそうに歯を食い縛り、きつく目を閉じた。
「仕方がないわ·····予期せぬ出来事でしたから。それに皆頑張ってくれたもの。今は無事だったのだから自分を責めないで。」
「·····はい·····」
まだ悔やんでるわね······。
「ところで皆のケガの状況などはどうなってますの?」
少し話題を逸らしてみる。
「腕に多少の深い傷を負った者が二名います。他は軽傷ですね。死者は居ませんのでご安心を。」
私はホッと腕を撫で下ろした。
「皆の傷は大丈夫なの?」
「はい。腕を負傷したものは暫くは荷台の馬車に乗せたいのですが宜しいでしょうか?」
「勿論よ!荷台だなんて····私が乗っている馬車に乗せなさい!私が馬に乗るわ!」
私は張り切って言ったけど即効で却下されました·····。
私とランクス副隊長と話しをしている間に、キース隊長はネネを馬車に乗せてくれていた。
「ネネ殿は馬車に乗せました。ゆっくり休ませて上げて下さい。」
「ありがとう。」
「あと、顔は冷やした方がいいかと思いますので水と救急箱を一緒に持ってきます。」
「でも·····」
水はとても貴重。
「大丈夫ですよ。奴らの持っていた水もあります。実はそれを取りに行きたいのですが宜しいでしょうか?そのためにはここで野宿することになりますが····。」
これからのことを考えると野宿が嫌なんて言ってられないわ。
「大丈夫よ!お願いしますわ!」
「かしこまりました。すぐに編成して向かわせます。」
キース隊長は一礼して部下の元へ指示をしに向かった。
「では私は盗賊の尋問を行いにいって参ります。」
ランクス副隊長も盗賊の元へと向かっていった。
私は足にまとわりついているピューマを抱き上げ、ネネのいる馬車へと向かった。
馬車に乗ると、ネネが横たわっていた。
あれだけのことがあったのだ、疲れていて当然で今はぐっすりと寝ていた。
私はそっと毛布をかけ、ネネの寝顔を見ていた。
痛々しいほどに顔が腫れ上がっている。
切り傷はキース隊長が持っていた救命用具で応急措置はしていた。
その時にコンコンとドアを叩く音が聞こえたので、小窓を覗くとキース隊長だった。
私はすぐドアを開けた。
「アリア様、水と救急箱を持ってきました。」
「ありがとう。」
私はお礼を言い、馬車に乗るように言った。
キース隊長は馬車に乗ってきて、ソファーに座り、ネネを痛々しそうに見つめていた。
起こしちゃうかな·····。
でもこんなに腫れてるもの。少しでも早く冷やさないと。
私は布を濡らして軽く絞りネネの頬に当てた。
ネネは冷たさでビクっとし、目を開けた。
「ネネ、起こしてしまってごめんなさいね。早く冷やさないとと思って。」
ネネは首を左右に振り
「いいえ。ありがとうございます。気持ちいいです。」
私はもう一枚同じことをして布を反対側の頬に当てた。
ネネにその布を持っていてもらい、次は切れている唇に薬を塗っていった。ネネはとても痛そうにしていたけど、声もあげずに我慢していた。
ネネのことをしている時にキース隊長はこれまでのいきさつを話してくれた。
「山道に入ると、やはりかなりの魔物が出てくるようになりましたので、ランクス殿と話し合いをして二手に別れることにしました。やっと追い付いた時はすでにアリア様とネネ殿が連れ去られた後でした。ほんの一足遅かったとのことだったので、すぐにアリア様達を追いかけることにしました。まだ戦闘中だった為、とりあえず10人ほど連れて森入りましたが、何分暗闇ですので魔物会えど、人の姿は見当たりませんでした。闇雲に動くのも危険と判断し、捕らえた盗賊を尋問してアジトを聞き出すつもりで一度元の場所へと戻りました。戻ったらすでに戦闘が終わってました。」
キース隊長はそこで一旦間を空けため息をついた。
「ランクス殿が盗賊を全て殺してました。」
え?
あのランクス副隊長が?
「おかげ様で尋問もできなくなり途方にくれてましたが、アリア様達が乗っていた馬車が激しく揺れていることに気づいて、馬車に入ったらソファーの下がガタガタと何かが暴れている音がしたので、引き出しを開けてみるとピューマが入ってたんですよ。」
キース隊長はその時のことを思い出しているのか、苦笑いをした。
「その時にピューマは獣の中でも物凄く嗅覚がいいのを思い出してまして。とりあえず大量の盗賊の遺体をどうにかしなければと思い、遺体を焼くことにして、それにも人手がいるので私達10人がアジトに向かうことにしました。そしてピューマがアリア様の匂いをたどり、無事にアジトのたどり着いたわけです。ピューマは大活躍しましたよ。魔物も感知して教えてくれましたしね。」
キース隊長は私の膝の上で寝てたピューマの頭を撫でながら笑った。
ピューマ·····あなたは凄いわね!後でう~んと褒めてあげないと!
「でもなぜ遺体を燃やしたの?遺族とかに渡した方が良かったのでは?」
私はふと思った疑問を聞いた。
「まずは30~40人の遺体を運ぶのは不可能ってことですね。しかも腐敗したら凄い臭いますし、魔物にここに獲物がいますよっと言っているようなものです。勿論遺体をそのままにしていても一緒です。手っ取り早く遺体を焼いた方が効果的でなんですよ。それに死んだやつらも魔物に食べられるよりはいいでしょう。」
「でもアジトでも死んだ方がいるって···」
「ええ。血の臭いを消すため一応土に埋めてきました。夜明けだったので魔物が火を目当てにくる場合がありましたから遺体は焼かなかったんです。」
キース隊長は一通り言ったあと、ネネを見てピューマをもう一度撫でて馬車から出ていった。
私もとても疲れていたようでそのままコテリと寝てしまいました。
私が起きたころにはすでに夕方になっていた。
私が寝ている間に、今度はランクス副隊長がアジトへ行き、水の確保やら盗賊が盗んだものを持って帰ってきていた。
ネネの顔も、何回も水で冷やしていると腫れもちょっとずつ引いてきていた。
ネネは思ったより立ち直りが早く
「アリア様!キース隊長の筋肉見ました!?もう腹筋バキバキでしたよね!」
ネネ·····。
ネネは起きたらキース隊長の筋肉について、硬さがどうだった、筋肉の厚みがどうだったなど興奮しながら語り始めた。
「もう、おんぶやお姫様抱っこされて最高でした!じかに触れて幸せでしたわ!あまりに嬉しすぎて鼻血が出ないかと冷や冷やしました!」
ネネ·····良かったわね····。
私は少し遠い目をしてしまいました。
私はネネの立ち直りの早さに驚きながらも、いつものネネに戻って良かったと安堵した。
そしてそこの場所でもう一泊をして、サブライマ街を目指し出発した。
盗賊はサブライマ街で警備隊に引き渡すとランクス副隊長と説明をしてくれた。
盗賊は歩きの為、当初より時間がかかり何回か野宿をした。
お風呂に入ってないから早くお風呂に入りたい!
ネネの顔が元に戻るまではかなりかかり、サブライマ街に着くころにやっと完治をしたのだった。
「アリア様!」
ランクス副隊長が心配そうに駆け寄ってきた。
「アリア様!大丈夫でしたか?」
「ええ。危なかったけどギリギリのところでキース隊長達が助けにきてくれたから。」
「アリア様!申し訳ございません!我々の力が及ばないばかりに危険な目に····」
ランクス副隊長は悔しそうに歯を食い縛り、きつく目を閉じた。
「仕方がないわ·····予期せぬ出来事でしたから。それに皆頑張ってくれたもの。今は無事だったのだから自分を責めないで。」
「·····はい·····」
まだ悔やんでるわね······。
「ところで皆のケガの状況などはどうなってますの?」
少し話題を逸らしてみる。
「腕に多少の深い傷を負った者が二名います。他は軽傷ですね。死者は居ませんのでご安心を。」
私はホッと腕を撫で下ろした。
「皆の傷は大丈夫なの?」
「はい。腕を負傷したものは暫くは荷台の馬車に乗せたいのですが宜しいでしょうか?」
「勿論よ!荷台だなんて····私が乗っている馬車に乗せなさい!私が馬に乗るわ!」
私は張り切って言ったけど即効で却下されました·····。
私とランクス副隊長と話しをしている間に、キース隊長はネネを馬車に乗せてくれていた。
「ネネ殿は馬車に乗せました。ゆっくり休ませて上げて下さい。」
「ありがとう。」
「あと、顔は冷やした方がいいかと思いますので水と救急箱を一緒に持ってきます。」
「でも·····」
水はとても貴重。
「大丈夫ですよ。奴らの持っていた水もあります。実はそれを取りに行きたいのですが宜しいでしょうか?そのためにはここで野宿することになりますが····。」
これからのことを考えると野宿が嫌なんて言ってられないわ。
「大丈夫よ!お願いしますわ!」
「かしこまりました。すぐに編成して向かわせます。」
キース隊長は一礼して部下の元へ指示をしに向かった。
「では私は盗賊の尋問を行いにいって参ります。」
ランクス副隊長も盗賊の元へと向かっていった。
私は足にまとわりついているピューマを抱き上げ、ネネのいる馬車へと向かった。
馬車に乗ると、ネネが横たわっていた。
あれだけのことがあったのだ、疲れていて当然で今はぐっすりと寝ていた。
私はそっと毛布をかけ、ネネの寝顔を見ていた。
痛々しいほどに顔が腫れ上がっている。
切り傷はキース隊長が持っていた救命用具で応急措置はしていた。
その時にコンコンとドアを叩く音が聞こえたので、小窓を覗くとキース隊長だった。
私はすぐドアを開けた。
「アリア様、水と救急箱を持ってきました。」
「ありがとう。」
私はお礼を言い、馬車に乗るように言った。
キース隊長は馬車に乗ってきて、ソファーに座り、ネネを痛々しそうに見つめていた。
起こしちゃうかな·····。
でもこんなに腫れてるもの。少しでも早く冷やさないと。
私は布を濡らして軽く絞りネネの頬に当てた。
ネネは冷たさでビクっとし、目を開けた。
「ネネ、起こしてしまってごめんなさいね。早く冷やさないとと思って。」
ネネは首を左右に振り
「いいえ。ありがとうございます。気持ちいいです。」
私はもう一枚同じことをして布を反対側の頬に当てた。
ネネにその布を持っていてもらい、次は切れている唇に薬を塗っていった。ネネはとても痛そうにしていたけど、声もあげずに我慢していた。
ネネのことをしている時にキース隊長はこれまでのいきさつを話してくれた。
「山道に入ると、やはりかなりの魔物が出てくるようになりましたので、ランクス殿と話し合いをして二手に別れることにしました。やっと追い付いた時はすでにアリア様とネネ殿が連れ去られた後でした。ほんの一足遅かったとのことだったので、すぐにアリア様達を追いかけることにしました。まだ戦闘中だった為、とりあえず10人ほど連れて森入りましたが、何分暗闇ですので魔物会えど、人の姿は見当たりませんでした。闇雲に動くのも危険と判断し、捕らえた盗賊を尋問してアジトを聞き出すつもりで一度元の場所へと戻りました。戻ったらすでに戦闘が終わってました。」
キース隊長はそこで一旦間を空けため息をついた。
「ランクス殿が盗賊を全て殺してました。」
え?
あのランクス副隊長が?
「おかげ様で尋問もできなくなり途方にくれてましたが、アリア様達が乗っていた馬車が激しく揺れていることに気づいて、馬車に入ったらソファーの下がガタガタと何かが暴れている音がしたので、引き出しを開けてみるとピューマが入ってたんですよ。」
キース隊長はその時のことを思い出しているのか、苦笑いをした。
「その時にピューマは獣の中でも物凄く嗅覚がいいのを思い出してまして。とりあえず大量の盗賊の遺体をどうにかしなければと思い、遺体を焼くことにして、それにも人手がいるので私達10人がアジトに向かうことにしました。そしてピューマがアリア様の匂いをたどり、無事にアジトのたどり着いたわけです。ピューマは大活躍しましたよ。魔物も感知して教えてくれましたしね。」
キース隊長は私の膝の上で寝てたピューマの頭を撫でながら笑った。
ピューマ·····あなたは凄いわね!後でう~んと褒めてあげないと!
「でもなぜ遺体を燃やしたの?遺族とかに渡した方が良かったのでは?」
私はふと思った疑問を聞いた。
「まずは30~40人の遺体を運ぶのは不可能ってことですね。しかも腐敗したら凄い臭いますし、魔物にここに獲物がいますよっと言っているようなものです。勿論遺体をそのままにしていても一緒です。手っ取り早く遺体を焼いた方が効果的でなんですよ。それに死んだやつらも魔物に食べられるよりはいいでしょう。」
「でもアジトでも死んだ方がいるって···」
「ええ。血の臭いを消すため一応土に埋めてきました。夜明けだったので魔物が火を目当てにくる場合がありましたから遺体は焼かなかったんです。」
キース隊長は一通り言ったあと、ネネを見てピューマをもう一度撫でて馬車から出ていった。
私もとても疲れていたようでそのままコテリと寝てしまいました。
私が起きたころにはすでに夕方になっていた。
私が寝ている間に、今度はランクス副隊長がアジトへ行き、水の確保やら盗賊が盗んだものを持って帰ってきていた。
ネネの顔も、何回も水で冷やしていると腫れもちょっとずつ引いてきていた。
ネネは思ったより立ち直りが早く
「アリア様!キース隊長の筋肉見ました!?もう腹筋バキバキでしたよね!」
ネネ·····。
ネネは起きたらキース隊長の筋肉について、硬さがどうだった、筋肉の厚みがどうだったなど興奮しながら語り始めた。
「もう、おんぶやお姫様抱っこされて最高でした!じかに触れて幸せでしたわ!あまりに嬉しすぎて鼻血が出ないかと冷や冷やしました!」
ネネ·····良かったわね····。
私は少し遠い目をしてしまいました。
私はネネの立ち直りの早さに驚きながらも、いつものネネに戻って良かったと安堵した。
そしてそこの場所でもう一泊をして、サブライマ街を目指し出発した。
盗賊はサブライマ街で警備隊に引き渡すとランクス副隊長と説明をしてくれた。
盗賊は歩きの為、当初より時間がかかり何回か野宿をした。
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ネネの顔が元に戻るまではかなりかかり、サブライマ街に着くころにやっと完治をしたのだった。
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