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第7話 力の行方
帰還 Episode:01
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◇Rufeir
「よ。どだったんだ?」
「あ、イマド」
あの大騒動から一週間ほどして、あたしたちはようやく、学院へと戻ってきた。
ちなみにいきなりテロで始まった建国祭のほうは、殿下の誘拐事件に絡んで速攻で首謀者が捕らえられた――ただし重体――こともあって、警備は強化したもののそのまま続行された。
さすがに追悼のセレモニーが追加されたけど、それだけだ。
むしろそれを、テロリストを非難したうえで、亡くなった方々を称える方向で使っている。
ふつうの国なら中止しそうなものだけど、この辺は古い国のメンツなんだろうか?
それとも単に、こういったクーデター騒ぎに慣れてるだけなんだろうか。
なんだかな、と思う。
被害を受けた人にしてみたら、どれだけ称えられても意味なんてない。
なのにそれをやるのは政治、つまりは被害者よりよほど多い、「それ以外の人たち」の都合なんだろう。
式典自体は伝統ある国なだけあって、雅やかな式典のオンパレードだった。
というか、あれでも犠牲者に配慮して、少し抑え気味だったっていう。だとすると、例年はもっと華やかなんだろう。
――そういえば殿下、どうしてるかな?
救出後、どうしたわけか殿下のあたしたちへの対応は完全に変わった。
見下すようなこともなくなったし、警備を兼ねながら、あちこち連れて行ってくれたくらいだ。
別れぎわに来年の建国祭にもみんなで来るよう、ずいぶん説得されたし。
けど肝心の学院の方は、授業のレポートがたまっていたりと、楽しんできたツケが回ってきている。
――みんなで手分けしてやれば、早いかな?
ただそうすると、どういうわけか、あたしの分が多くなるのが……。
「数学と物理、まとめといてやったぜ」
「ほんと? ありがと」
何事も手回しのいいイマドが、ノートを差し出した。
開いてみると確かに、休んでいた間のの授業が、わかりやすくまとめてある。
でもざっと最後まで見てみて、敵地で包囲された気分になった。
「こんなに、進んじゃったの……」
追いつけるかどうか自信がない。
ふだんだってついていくのに必死なのに、引き離されてしまったら、追いつけなくて落第するんじゃないだろうか?
「よ。どだったんだ?」
「あ、イマド」
あの大騒動から一週間ほどして、あたしたちはようやく、学院へと戻ってきた。
ちなみにいきなりテロで始まった建国祭のほうは、殿下の誘拐事件に絡んで速攻で首謀者が捕らえられた――ただし重体――こともあって、警備は強化したもののそのまま続行された。
さすがに追悼のセレモニーが追加されたけど、それだけだ。
むしろそれを、テロリストを非難したうえで、亡くなった方々を称える方向で使っている。
ふつうの国なら中止しそうなものだけど、この辺は古い国のメンツなんだろうか?
それとも単に、こういったクーデター騒ぎに慣れてるだけなんだろうか。
なんだかな、と思う。
被害を受けた人にしてみたら、どれだけ称えられても意味なんてない。
なのにそれをやるのは政治、つまりは被害者よりよほど多い、「それ以外の人たち」の都合なんだろう。
式典自体は伝統ある国なだけあって、雅やかな式典のオンパレードだった。
というか、あれでも犠牲者に配慮して、少し抑え気味だったっていう。だとすると、例年はもっと華やかなんだろう。
――そういえば殿下、どうしてるかな?
救出後、どうしたわけか殿下のあたしたちへの対応は完全に変わった。
見下すようなこともなくなったし、警備を兼ねながら、あちこち連れて行ってくれたくらいだ。
別れぎわに来年の建国祭にもみんなで来るよう、ずいぶん説得されたし。
けど肝心の学院の方は、授業のレポートがたまっていたりと、楽しんできたツケが回ってきている。
――みんなで手分けしてやれば、早いかな?
ただそうすると、どういうわけか、あたしの分が多くなるのが……。
「数学と物理、まとめといてやったぜ」
「ほんと? ありがと」
何事も手回しのいいイマドが、ノートを差し出した。
開いてみると確かに、休んでいた間のの授業が、わかりやすくまとめてある。
でもざっと最後まで見てみて、敵地で包囲された気分になった。
「こんなに、進んじゃったの……」
追いつけるかどうか自信がない。
ふだんだってついていくのに必死なのに、引き離されてしまったら、追いつけなくて落第するんじゃないだろうか?
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