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case4. 略奪◇20
しおりを挟むこの約一月、幾度となくエルミーユは彼らに精液を注がれてきた。しかしヴァンパイアとハンターという種族の間に子を成すことはできない。
その祖先は血縁関係にあったという言い伝えもあり、子を成せない理由はその血の濃さにあるのではとも云われている。
ある伝承には、とある仲の良い兄弟がある日森で獣に襲われ兄だけが助かったという話がある。弟の死にうちひしがれた兄は禁書にある"死人を甦らせる魔術"に手を出した。
魔術により弟を無事甦えらせることに成功したのものの、弟は人々を襲うヴァンパイアとして甦り、そこから弟であるヴァンパイアと兄のヴァンパイアハンターが生まれたとされている。
新たに監獄塔にやって来た囚人、アーサが厄介だと洩らした獣は獣人だった。その獣人は真っ白な毛を纏った豹の姿をしており、二足歩行以外見た目は完全に獣であった。
ヴァンパイアよりも逞しい豹の身体を持つ囚人の名はレオベルド。
レオベルドが捕まった理由はヴァンパイア国への不法侵入と乱闘罪で、彼がわざわざこの国で騒ぎを起こした理由を聞き、アーサは焦燥感に駆られていた。
アーサは目の前でエルミーユとアーチが繋がりよがり狂う姿に本気で嫉妬していたわけではない。それよりももっとアーサを駆り立てるものがあったのだ。
レオベルドという獣人はヴァンパイアに取り抑えられる中でこう叫んだ。「私のエルミーユを返せ」と。
監獄塔での尋問の際、レオベルドはエルミーユと婚姻関係にあると豪語した。アーサにはこれまでインハルトとの仲しかみえていなかったが、エルミーユは一国の王女ともいえる地位で婚約者がいるのは至極当然のこと。
しかしアーサの懸念はそこではない。
ハンターと獣人との間には子供ができる可能性があった。
実際半獣と呼ばれる種族もおり、強靭な肉体と素早さを併せ持つ半獣は部隊の兵士として扱われる場合が多い。
万が一婚約者だと名乗るレオベルドがエルミーユと子を成してしまえばエルミーユの心を手に入れることは出来ない。
まだヴァンパイアであるインハルトだけであれば勝ち目はあったかもしれない。しかし獣人が出てきたとなれば話は変わってくる。
「.....エルミーユ、どこにも行かせない!ずっと俺らの巣に閉じ込めておくからね?」
「.....なっ....」
「ほら、俺の名前を呼んで、ちゃんと返事して?」
「あっ.....ふぁっ」
やはりアーサがエルミーユの口内を長い舌で掻き回し、声を圧し殺させるほど存分に彼女の唇を犯した。
「ちょっとアーサ~!まだ僕たち終わってないんだけど??」
「いい加減ソレしまえよアーチ!」
エルミーユの唇を塞ぎながらエルミーユを抱っこするように持ち上げ、アーチのモノから引き抜くアーサ。
「ちぇっ、アーサが独占的になるなんて珍しい~。」
アーチが座ったままベルトを締めると、アーサがまたアーチの膝の上にエルミーユを乗せた。
「アーチ、そのままエルミーユの股を開かせといてよ?」
「エルミーユは今僕にいかされて疲れてんだよ?少し休ませてやりなよ~。」
「だからアーチから休ませてやるんだよ!」
再び大きく開かれたエルミーユの秘部がアーサの顔先に晒される。恥ずかしさに手で顔を覆うエルミーユの頬にアーチが後ろからキスをした。
「ナカからアーチの精液が流れ落ちてきてるね。」
「やぁっっ」
「ムカつくからちゃんと掻き出さないとね?」
アーサが割れ目を二本の指で開くと、傍で"待て"をされていた薔薇たちが一斉にエルミーユの秘部を覗くようにして近付いていく。
「俺が育てた薔薇は監獄塔で拷問具として使おうかと思ってるんだよ。囚人たちの精神をぶっ壊すためにね。」
「っ」
「でも俺とアーチの命令にはちゃんと従うから大丈夫だよ?.....エルミーユが俺たちから逃げない限りは壊さないようにするから。」
アーサが自身の銀色の髪を後ろにやるとフゥっとエルミーユの秘部に息を吹きかける。
アーチにいかされたはずのエルミーユの腰がゾクリと浮くと秘部から白濁液が滴る速度が早まった。
「はあ....甘い匂いが溢れてきた....」
アーサが鼻から彼女の血と愛液を吸い込むよう深呼吸をすると、それに合わせるようにエルミーユの胸が前後に動く。
アーサと薔薇に視姦され、エルミーユは完全に我を失っていた。先程薔薇に吸引された刺激を思い出しては"早く早く"とただ彼らに犯される期待ばかりが膨れ上がる。
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