捨てられ爆薬令嬢は敵総長の溺愛を受ける

由汰のらん

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5-6.

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「…そうだレオ。宮殿の湖のほとりに赤い翼の使い魔が死んでいるのが見つかった。」

「赤い翼の使い魔?!」

「足首には"2"のタグがついていた。…第2騎士団の使い魔だよな?」


 火竜事件で、第2騎士団員が近衛騎士宛に宮殿に飛ばしたと言っていた使い魔だ。

 飛ばしたのに近衛騎士の応援が来なかったのは、使い魔が湖に落ち、溺れて死んでしまったからなのからだろう。


「しかし使い魔の健康管理は専門医が常に行っているはずだ。突然墜落するなんて聞いたことがない。」

「…もしかして、宮殿の外壁にぶつかって湖に落ちたのかもしれない。」


 レオはしばらくその使い魔の様子を詳しくモーゼスに聞いていた。私は席にもつけず、立ったまま運ばれてくるご馳走を目で追っていた。


 でもレオとの話が終わったモーゼスが、キョロキョロと辺りを見渡す。


 「ところで、ロザンナは元気か?」

「…ロザンナ?ロザンナなら、あそこに。」


 見ればちゃっかりレオの隣の席をキープしている。でもモーゼスがその空いているレオの席に座りに行った。


「···実はロザンナは、まだ騎士じゃない頃、無理矢理戦争に派遣されてな。」

「え···?」


 モーゼスとロザンナを見つめるレオが話してくれた。


「王族のお触れだか何だか知らないが、魔力が高いからと親元から引き離されたんだ。」

「そ、そんな···。」

「でも怯えるロザンナをモーゼスが戦時下で守り続けたらしい。それからモーゼスがロザンナを騎士にスカウトしたんだ。」

「そうだったんだ···。」

「そのせいかモーゼスはロザンナのことばかり気にかけてるんだよ。」


 ロザンナにそんな過去があったなんて知らなかった。今では高飛車で辛い過去なんて微塵も感じさせない彼女の姿に、私は少しだけ尊敬の念を抱いた。


 無表情のモーゼスがロザンナを見る目はどことなく柔らかい。もしかして気にかけているというよりも、好きなのかも。




 散々食べた私は、皆にお酒を注がれた。この国でも学園を卒業する20歳からアルコールの摂取が許されている。

 私がせっかく皆に歓迎してもらっているのだからと全てのお酒を飲むと、目を回し倒れた。


 修道院じゃ絶対にできない経験だ。


 気付けば私は医務室のベッドに寝かされていた。


「起きたか。」

「…レオ。」


 揺れるカーテンの外は真っ暗だ。


「せっかくの歓迎会なのに皆に悪いことをしてしまったわ。」

「皆飲み食いしたいだけだから気にしちゃいない。」


 さっきまでの騒がしさが嘘のように静かで、虫の音が聞こえてくる。


「…明日は休みだがどうするんだ?実家に帰るのか?」

「今帰れば、アンドリューにまた学園でのことを問い詰められるわ。明日は1人でゆっくりしようかと思って。」


 騎士団の休日は交代制で、週2日与えられる。休みの日は実家に帰ってもいいし、宿舎で過ごしてもいいことになっている。


「俺も明日は休みにした。…良ければ、その、また俺の屋敷に来ないか?」

「え?」

「アイリーンも会いたがってるし。」


 確かにレオの屋敷は豪華な暮らしだった。でも私はもう騎士団の団員だ。団長の家に行くというのは大丈夫なのだろうか?それにロザンナに知られれば、また目をつけられる。


「でも…」

「アイリーンが、シシルの好きなクッキーを焼くって張り切ってたし。」


 お言葉に甘えて行かせて頂きます。

 アイリーンの焼くクッキーは絶品だ。



 



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