【完】愛が重いNo.1ホストに追いかけられています

由汰のらん

文字の大きさ
30 / 34

私には重すぎる現実

しおりを挟む



キラ君とサクラ君が出ていって数分ほど。ようやく自分の鼓動が落ち着いてきた。

シュンヤさんが、ずれたテーブルの位置を整えて、お水を置いてくれた。


「大丈夫?落ち着いた?」

「……はい。たぶん。」

自分でも何に動揺しているのか分からない。   

さっきの出来事は本当に現実に起きたことなのか、頭の中身が整理できない。

「あのさあ。晚とミウちゃんって、付き合ってるの?」

シュンヤさんが間を空けて、そっと私の隣に座った。

「わかりません。」

「でも、晚は完全にミウちゃんに入れ込んでるよね。」

「……」

「ミウちゃんは?晚のこと、好き?」

シュンヤさんに、じっと見つめられる。

返事を返さない私をみてか、シュンヤさんがため息を吐いた。

「わかってると思うけど、俺も、晚も、それに紗耶乃も、はっきり言ってミウちゃんとは違う世界の人間なんだよ。」

「シュンヤさんも?」

「俺の実家はそれなりの家柄でね、俺も昔は実家で豊かな生活をしていたんだ。」

なんとなくサヤ姉からその話は聞いている。

昔、シュンヤさんは割といい家で育ってきたのだと。小さい頃から剣道をやってきていて、実力は全国レベルだったとも。でもシュンヤさんは本妻の子供じゃなかった、という話も。 
 
「剣道界では名のしれた厳格な名家でね、俺もけっこういい成績を収めていたんだけど、ある時試合で靭帯を切っちゃって。」

「え……」      

「剣道の出来ない身体になっちゃったんだよ。」  

「そう、だったんですね」

「うん。それで本妻の子供じゃない俺は、家名を汚すだけたって言われて家を追い出されたってわけ。」 
 
「そんな。非道い…⋯。」

そんな世界があることすら知らなかった。

自分がどれだけまともな世界で育ってきたのか。でもその無知さが惨めでもあり、自分の育ちを肯定するには至らず。   

柔らかい笑みを携えながら自分の過去を話してくれるシュンヤさんは、どれだけ心の傷を負ってきたのだろう。考えるだけで胸が痛くなる。

「そんな時に出会ったのが前のバイト先なんだけど、実はそこには晚もいて、」

「え……?それって、もしかして、本浪さんも一緒だったっていうバイトですか?」

一斗いっとのこと、知ってるんだ。」

「はい、会社絡みで、色々ありまして。」

「へえ。そっか。一斗ね、正統派のイケメンだよね。」

シュンヤさんも2人と同じバイトだったんだ。

それならもしかして、2人の過去も知っているんじゃ……
 
「あのっ、実は。七三倉と本浪さんが昔取り合った女の人がいるって聞いたんですけど。シュンヤさん、知っていますか?」

私がこの話をぶり返すのは、嫉妬だとかそういう気持ちから生まれたものじゃない。と思う。

なぜだか分からないけれど、知らなきゃいけないことのような気がした。

      
「ああ。もしかして、涼羽すずはのこと?」

「す、涼羽さん……?」

「前のバイトのこと、晚や一斗から聞いてる?」

「い、いえ。なにも。」

  
シュンヤさんが私にふわりと笑いかける。そしてひと言、「後悔しないでね。」と呟いた。

 
「実は、俺たち前は会員制のコンカフェみたいなとこで働いててね、」

「こ、こんかふぇ?」

「女の子でいうところのメイド喫茶とかアイドル喫茶みたいなもんだよ。」

「って、本浪さんが?男版メイド喫茶??」

「はは。プリンスカフェ、通称プリカフェって呼ばれてたかな。」

「本浪さんが?プリカフェ?!」     
     
シュンヤさんが言うに、本浪さんは兄妹が多いため、高校生の頃から一人暮らしを強いられていたらしい。

それで時給のいいバイトということで入ってきたのだそう。

「見ての通り、一斗って顔面が整ってて本当に王子みたいな風貌なんだよね。それであの純粋な性格なもんだから、本気で一斗に恋愛感情を抱く女の子が後を絶たなくって。」

「そ、そうなんですね。」

「でもその中で一際執着心が強かったのが、涼羽っていう子だったんだよ。」

「つ、つまり。そのプリカフェのお客さんってことですか?」

「うん、そうだよ。」

 
プリンスカフェの実態はよく知らないけれど、会員制というだけでホストよりはずっと清白に感じられる。

でもお客さんが抱く推し欲が恋愛感情になるのはホストもプリカフェも一緒のようだ。

「その涼羽が一斗の一人暮らしの家まで押しかけたり、一斗の下着を盗んだり、非道い時は他のお客さんに八つ当たりしたりで大変だったんだから。」 
 
「こ、こわ。」

「でもある時一斗がキレて、涼羽に怒ったんだよ。」

「ですよね。さすがに他のお客さんへの迷惑になるのは、」

「そしたら涼羽が、わけわかんないこと言い出して、」

『私と付き合ってくれなきゃ自殺する。』って

 
とんでもないメンヘラ女だったってわけね。本浪さんもけっこう苦労してたんだ。 


「そしたら晚が、涼羽に言ったんだよ。
 『俺が涼羽の恋人じゃ駄目?』って。」

「……え。」

「最初は一斗を助けるために言った言葉だと思ったんだけどね。でも晚は、」  
  
『俺なら月10万で付き合ってやれるけど、どうする?』

「……」

「あの頃の晚は、女性を金としてしかみてなかったから。」 
     
ああ。コキンちゃんをウザいと言っていた時の顔が目に浮かぶよう。

母親という女性に裏切られて、女性を見下している感じがどこかにある。でもそれって、“仕方ない”で片付けられるような問題じゃない。     

「晚もあの通りの見てくれだから。涼羽は本当に金で晚の恋人になったんだよ。」
 
「うそ……。」 

「でも金さえ払えば晚と寝れるって噂が店で広がって、涼羽以上に金を出すやつが現れて、気付けば売春みたいになってて。ついに店長にバレてプリカフェをクビになったって話。」

喉が乾いているのに、シュンヤさんが出してくれたお水が、飲めない。目の前のテーブルに手を伸ばすことも出来ない。

七三倉が本浪さんと仲が悪い理由は、きっとこのことが原因なのだろう。

本浪さんを助けた言葉だったとしても、売春にまで発展してしまった事実は誰に咎められてもおかしくない。

そして七三倉が私に話したがらなかったのは、本浪さんとの間にある溝を思い出したくなかったからじゃない。 

きっと、―――私に知られたくなかったのだ。  

  
「晚がどれだけ常識外れか、ミウちゃんはまだ知らないんだよ。」

「……」

「だから、早いとこ振ってやってよ。」  

「え、」

「ミウちゃんみたいなまともな子が相手にしていい男じゃない。それに、これ以上深みにハマって晩が傷つくのもみたくないんだ。」
 
本浪さんにも言われた、“不釣り合い”という言葉。

それは言われる以前からずっと心にひかかっていたことで、今だってずっとひっかかっている。

(私、七三倉にとってどういう女に映ってるのかな。)

305万も払ってキラの身体を買った女で、たった200万で七三倉に堕ちた女、なのかもしれない。 

 
サヤ姉は母親がスナックやバーを経営しているらしく、昔から風俗営業には理解があるらしい。だからホストであるシュンヤさんとも上手くやれているのだとか。

シュンヤさんに言われた“まともな子”というのは、つまり私は七三倉やシュンヤさんやサヤ姉とは“別”という意味。

急に壁を作られてしまったようで寂しい。でもこれは私の身勝手だ。だって私が何も言わずにQUONを辞めたのは、もうこの世界と縁を切りたいと思ったから。

 
さっきサクラ君を殴っていた現実と、七三倉晚という男の過去は私の中で一生記憶として残る。

「なんとかなる」よりも、「やっぱり無理かもしれない」という気持ちが大きく膨らんでいく。

その日、QUONに戻った私は、体調が悪いと適当な理由をつけて早退した。

七三倉からも連絡はなく、3連休が明けてしまった。


私達の関係は不透明だ。
 


◇◆◆ 

 
    
「おっはよーん成世ちゃん!」

駅から会社に向かう途中、偶然マリア先輩に出くわした。今日も熱いせいか、ポニーテールに白シャツがとても涼しげだ。

「おはようございますマリア先輩。先輩、せめて下にキャミを着るべきだと思います。」

「へ?なんでー?」
 
「下の下着が透けています。」

「うっそー!ヤダぁもうぅ。ま、いっか。」

マリア先輩が堂々と男性社員たちの前を横切っていく。後からロッカーにあるカーディガンでも渡しておこう。

「あ、あれって西條くんと野口くんと……ヴァンくんじゃない?」 
      
「え?」

マリア先輩の視線の先には、オフィスの外に設置された喫煙所がある。そこには3人の姿があった。


「なんか、仕事の話かなあ?西條くんと野口くんのあんな真顔、久々に見た気がする。」

「え?真顔?」

「ほら、なんか“ただならぬ雰囲気”って感じじゃない?」    

「ええ。まさかあの3人に限ってそんなことないですよ。」

それよりもマリア先輩、パープルのブラが透けていることを気にすべきです。

喫煙所の方に目を向ければ、確かに七三倉たち3人共神妙な面持ちだ。何を話しているのか、確かに気になるところではある。

 
「あ、コキンちゃーん!おっはよーん!」

大きく手を振るマリア先輩。向こうからコキンちゃんが来るのが見えた。フリルのシャツとミモレ丈のスカートがコキンちゃんの雰囲気によく似合っている。

「おはようございます。」

「おはようございます古今さん。体調はどうですか?熱射病とかになってませんでした?」

「はい、ご心配おかけしましてすみませんでした。」 

 
オフィスに入れば、マリア先輩が他の男性社員に話しかけられていた。

コキンちゃんが気落ちした様子で、再び気まずそうに私を見た。

「あの、この間は本当にすみません。。」

「いえ、古今さんが無事でなによりですよ。」

しん、と2人の間に沈黙が流れる。

そこまで深刻なことでもないのに、律儀に2度も謝られた。

むしろ謝るのは私の方では?七三倉を狙っているコキンちゃんを差し置いて、結局七三倉といちゃこらしていたのだから。

(空気が重いな。でもわざわざ報告することでもないし。)

混雑しているエレベーター前は、3連休明けとあってか重苦しい空気が漂っている。このまま待っていても何番目の箱に乗れるか分からないため、階段で行くことにした。

コキンちゃんもついてくるため、階段の扉を開けてコキンちゃんを先に通す。
 
「あの、成世さん。この間は、本当に。ごめんなさい!」

扉が閉まったところで、コキンちゃんが私に深々と頭を下げた。3度目の謝罪にただならぬ空気を感じ、私は足を止めた。

「実は、私が七三倉さんに気があるようなことをしてしまったの、全部嘘なんです!」   

「え、ええ?!」

てっきり体調が悪くて早めに帰ったことを謝られるのだと思っていたので、思わず声が出てしまう。 
    
「前にお昼を食べた帰りに、七三倉さん、私に協力してほしいって言ってきたんです。」

「な、なに?どういうこと?!」

「実は、牧場で私に成世さんの嫉妬を煽ってほしいと言われまして―――」 
 
つまり、コキンちゃんの話はこうだ。

ヨヨヨ総本店からの帰り道、七三倉とコキンちゃんでオフィスに帰る途中に話を持ちかけられたらしい。 

『成世を煽ってよ。あれは勝ち気だから、コキンちゃんが俺にちょっかいかけてくれれば絶対に成世は俺を奪いに来るし。』

『ええ!ほんとですか?その自信はどこからくるんですか?!』

『今けっこういい感じなんだけどね。もうひと押しって感じでさ。代わりに野口さんとの飲み会セッティングしてあげるから、お願いコキンちゃんー。』

 
なんだそれ。女子か。
 

「七三倉さんの言う通り、牧場で成世さんを挑発するようなことを言っちゃって……。本当にすみませんでした。」

「い、いやそんな。私は別に、」

「だから私、なるべく七三倉さんに話しかけて仲良しアピールをしてたのに。急に七三倉さんの態度が豹変して―――」


『コキンちゃんさあ。やり過ぎじゃない?さすがに俺にベタベタしすぎだわ。ちょっとウザいって。』


――――なにそれ。


「会社ではいつも明るく喋りかけてくれてたのに、あの時はなんだか、七三倉さんのことが怖くなっちゃって。」

「もしかして、それで体調悪いフリをしたとか?」

「じつは、そうなんです。もう七三倉さんとは一緒にいられないと思って。」

「そう、だったんですね。」

「本当に、ごめんなさい。」

何度もコキンちゃんが私に頭を下げるも、私の方が申し訳ない気持ちになった。

なんていい子なのだろう。七三倉の身勝手なお願いにも従って、私にこうして何度も謝ってくれるなんて。

だから尚更、七三倉が信じられない。 

「本当は私、まだ全然野口さんのことが好きで。簡単には諦めきれないんです。」 
      
「ちょっと、それについては信じられませんが。応援しています。」

「ありがとうございます!」

コキンちゃんが笑顔を見せてくれて、少しだけ気が和らぐ。きっとこの連休中、コキンちゃんの胸の内はもやもやしていたことだろう。

コキンちゃんを悪く言う必要がどこにあるというのか。

なんで私、あんな男を好きになってしまったのだろう。

どう考えても最低だ。


 
自分の中でわだかまりが抑えきれず、朝礼前にすぐ七三倉にラインを入れた。
  
《話があるんだけど。お昼空いてる?》

〈空いてない。〉

《なら夜は?》

〈ホスあるから無理。〉

今までとは打って変わって私を避けるようなメッセージが返ってくる。

朝礼が終わって、外回りに行こうと外へ出た時だった。

腕を掴まれて、オフィスの裏へと連行された。七三倉晚に。

「ちょっと!痛いんですけど!」

無理に掴まれた腕を払い、七三倉を威嚇する。

でも七三倉は何喰わぬ顔で首を傾げた。

「なんなの皆して。俺が悪もんだとでも言いたいの?」

「……はあ?」 

「一斗からは成世サンに手を出すなって電話かかってくるし、シュンヤにはミウチャンはやめとけって言われるし、西條さんと野口さんには成世を傷つけるなって言われるしよ。」

「ナニソレ。」

「なんなの。」    

「いやこっちが聞きたい!」 
  
本浪さんとシュンヤさんが言うのはまあ分かるよ?

でも西條さんと野口さんが私を庇う発言をするのは絶対にあり得ない。ないない。そもそも私が傷ついた前提で話が進んでいるのはなぜ?  
 
いやそれよりも。今はどう考えてもコキンちゃんの件だ。七三倉に対する怒りをぶつけなければ私の気が収まらない。

「七三倉、コキンちゃんに協力してって頼んだの?」

「え?なんの話?」

「とぼけないでよ!牧場で、私に嫉妬させろって、」 

「ああー。頼んだ。」

「それでなんでコキンちゃんにウザいとか言うの?頭おかしいんじゃない?!」

「え?だって、ほんとにウザかったんだもん。」

「でも協力してって言ったのはあんたなんでしょ?さすがにその言い方は非道くない?!」

「は?ウザいって思うことをウザいって言っちゃ駄目なの?なんで?」

「自分の頭でよく考えてみなさいよこの身体だけ27歳のクズ!」  


私の声が暑さの蜃気楼に吸い込まれていく。
  
クールビズになったのはまだ先月のこと。

七三倉が自分の首元のシャツのボタンを、さらに2つ開けて前をはだけさせた。手で仰ぎながら、私を見下ろす。

「てか、別に秋奈以外の女なんてどうでもよくね?」

――――最低

私は反射的に七三倉の頬を思いっきり叩いた。

「わっかんないよ!そうやって簡単に人を突き放せるのも、なんでもお金でどうにかなると思ってる神経も!!」

分かるわけがない。

そもそも家庭環境が違いすぎるのだから。頑張って理解しようと思ったところで、無理なものは無理なのだ。

やっぱり、無理なんだよ。

私が軌道修正しようと思っていたその性格も、根性も神経も、もうきっとずっと前から手遅れなのだ。

母親に捨てられて女性を見下したい気持ちは分かるよ?散々女性を利用してお金をむしり取ってきた過去だって、ちょっとは仕方ないのかなって思う。

でも、もういい大人じゃない?少しでも改善しようとも思わないその神経は、まるで理解できないんだよ。

「ばか……この、馬鹿っ……っ」 

握りしめた拳と声帯が震える。

好きなのに。本当は私、七三倉晩のことが大好きなのに。 
 
「あんな、気が狂ったように人を殴れる根性も、信じられない……。」       

理解しようとすればするほど、辛い。全然胸のつかえが取れなくて苦しいんだよ。
   
涙が止まらない。

馬鹿みたいに喉が引きつって、嗚咽が止められない。 

「……秋奈」

七三倉の小さな声が聞こえた。 
  
「なんで。秋奈は、俺にどうしてほしいの。」

「……」 

「他の女といちゃこらしてほしくないんじゃねえの?分かんねえのは秋奈の方だよ。」

「……っ」  
 
「俺って、秋奈にとってのなに?」

「きっと、恋人以外のなにかだよ。」

もっと突き放す言葉を言えばよかった。

曖昧なものにしか例えられない自分が、とても弱くてちっぽけな人間なのだと思い知る。

七三倉が顔を覗き込んできて、唇が触れそうな距離まで詰めてくる。    

でも私はそれに応えることが出来なかった。

「秋奈まで俺を捨てるんだ。」

その言葉に、つい手を差し伸べてしまいそうになった。 

でもごめんね。

私には、七三倉晩を上手く愛せる自信がない。


最後に、頭を軽く撫でられた。私は平手打ちをしてしまったのに、とても優しい手つきだった。

悔しい。

私はこんなに苦しいのに。七三倉の余裕そうな仕草に嫉妬してしまう。  
 



     
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

恋は襟を正してから-鬼上司の不器用な愛-

プリオネ
恋愛
 せっかくホワイト企業に転職したのに、配属先は「漆黒」と噂される第一営業所だった芦尾梨子。待ち受けていたのは、大勢の前で怒鳴りつけてくるような鬼上司、獄谷衿。だが梨子には、前職で培ったパワハラ耐性と、ある"処世術"があった。2つの武器を手に、梨子は彼の厳しい指導にもたくましく食らいついていった。  ある日、梨子は獄谷に叱責された直後に彼自身のミスに気付く。助け舟を出すも、まさかのダブルミスで恥の上塗りをさせてしまう。責任を感じる梨子だったが、獄谷は意外な反応を見せた。そしてそれを境に、彼の態度が柔らかくなり始める。その不器用すぎるアプローチに、梨子も次第に惹かれていくのであった──。  恋心を隠してるけど全部滲み出ちゃってる系鬼上司と、全部気付いてるけど部下として接する新入社員が織りなす、じれじれオフィスラブ。

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

【完結】泡になった約束

山田森湖
恋愛
三十九歳、専業主婦。 夫と娘を送り出し、静まり返ったキッチンで食器を洗う朝。 洗剤の泡が立っては消えるその繰り返しに、自分の人生を重ねながら、彼女は「ごく普通」の日常を受け入れている。 愛がないわけではない。けれど、満たされているとも言い切れない。 そんな午前中、何気なく出かけたスーパーで、背後から名前を呼ばれる。 振り返った先にいたのは、かつて確かに愛した男――元恋人・佐々木拓也。 平穏だったはずの毎日に、静かな波紋が広がり始める。

処理中です...