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本日は週に1回のお弁当の日。
私とジークハルト様は、庭園のベンチがある所に4人で座っていた。
「何でこいつらがいんだよ」
「たまにはいいでしょ。ジークハルト様の好きなおかずいっぱい作って来たから、ね?」
「…なら許す…」
最近のジークハルト様はちょっとだけ素直になった。今日は、2人のお弁当タイムが見てみたい!と言うマリアの要望に応えてみた。他の婚約者とどこが違うか検証するのだ。
「わぁ、すでに甘い」
「想像以上だね」
「は?文句あんならどっか行け」
「ジークハルト様?お弁当要らない?」
「…いる…」
にこり、と笑ってジークハルト様を脅す。
最近ほんとに手が掛からなくなって、笑うだけで取り敢えずは大人しくなる。
「どれから食べる?」
「んー、肉」
「はい、サラダからね」
「じゃあ、聞くなよ」
「自分で食べる?皆そうしてるけど?」
「………サラダで」
「はい、トマト」
「…………」
「じゃあ終わ「食べる!」…よろしい」
トマトを口に持って行くと、しぶしぶ咀嚼している。ジークハルト様は野菜が嫌いだ。
「完全に子育てね…」
「そうだね、俺たちも食べよう」
「そうね」
それぞれにお弁当を食べる。私は、自分も食べつつジークハルト様にも食べさせている。
「はい、お肉」
もぐもぐ…
「サンドウィッチ」
もぐもぐ…
「ブロッコリー」
………もぐもぐ……
「お茶」
ごっくん。
「なぁ?」
「何よ」
「あーん、とか可愛く言えねぇの?」
「必要あるの?」
「あーんがあったらトマトもすんなり食えるかも知れないだろ?」
「あー、そんなもん?」
「うん」
あーん、だけでそんなに変わるか?トマトはトマトでしょうに。私は疑問に思いながらも、取り敢えず一度はやってみようと思った。
「ほら、あーん」
「っ!!!」
「口開けろ、こら」
「待っ…破壊力…」
「トマトに破壊力はない!あるのは酸味と栄養だ!」
「ちょ…待っ…」
真っ赤になったジークハルト様が手で顔を覆ってしまったので、結局あーんをしても意味はなかった事が判明した。
「ねぇ、ヒュー。おかずが全部甘いわ」
「奇遇だな、俺もだ」
2人がぼそぼそと何かを言っているが、私はジークハルト様にトマトを食べさせる事に集中している。
「ほら。あーん」
「ん」
もぐもぐ…。
「次はオムレツ」
もぐもぐ…。
食事も終盤になり、ジークハルト様の好きなチーズケーキの時間がやってきた。
「はい、これ好きでしょ」
「好き」
もぐもぐ…
「もっと」
「はいはい」
チーズケーキも食べ終わり、いつものお昼寝の時間。ジークハルト様は慣れた仕草でころりと横になり、私の太ももに、頭を乗せてすうすうと寝てしまった。
「やっと落ち着いた」
「ちょ…ヴィオ、これ…いつも?」
「いつも。お昼寝すると午後から調子がいいらしい」
さらさらの髪をすくように撫でる。こうするとジークハルト様は幸せそうに眠る事が多い。
「想像を遥かに超えたわ…」
「そう?もう慣れたよ」
「マリア、いつか俺もアレしたい」
「え!?じゃあ、どうぞ?」
「いいのか?」
物凄い満面の笑みでヒューバート様がマリアの太ももでゴロゴロしている。まるで猫のようだ。デカいけど。
マリアは真っ赤になっていたけど、幸せそうに笑っていた。
「のどかだねぇ…」
「そうねぇ…」
そんな会話をしながら15分が経過したので、ジークハルト様を起こす。起こす時だけは優しい声でないと、寝起きが非常に悪い。
「ジークハルト様、起きて?」
「ん…んー…。もうちょっと…」
「だぁめ。ほら、起きて?」
「うー…」
さわさわと頬を撫でると、指にちゅっとキスされた。
まぁ、指くらいなら減るもんでもなしいいだろうと思っていると、マリアが、唖然として真っ赤になっている。
「ヴィオレット…」
ジークハルト様が掠れた声で名前を呼ぶのでそっと濃いめのお茶を出す。
「あー…スッキリした…」
「おはよう、髪が乱れてる」
手櫛でさらさらの髪を整えたら、今日のミッションクリアである。
私とジークハルト様は、庭園のベンチがある所に4人で座っていた。
「何でこいつらがいんだよ」
「たまにはいいでしょ。ジークハルト様の好きなおかずいっぱい作って来たから、ね?」
「…なら許す…」
最近のジークハルト様はちょっとだけ素直になった。今日は、2人のお弁当タイムが見てみたい!と言うマリアの要望に応えてみた。他の婚約者とどこが違うか検証するのだ。
「わぁ、すでに甘い」
「想像以上だね」
「は?文句あんならどっか行け」
「ジークハルト様?お弁当要らない?」
「…いる…」
にこり、と笑ってジークハルト様を脅す。
最近ほんとに手が掛からなくなって、笑うだけで取り敢えずは大人しくなる。
「どれから食べる?」
「んー、肉」
「はい、サラダからね」
「じゃあ、聞くなよ」
「自分で食べる?皆そうしてるけど?」
「………サラダで」
「はい、トマト」
「…………」
「じゃあ終わ「食べる!」…よろしい」
トマトを口に持って行くと、しぶしぶ咀嚼している。ジークハルト様は野菜が嫌いだ。
「完全に子育てね…」
「そうだね、俺たちも食べよう」
「そうね」
それぞれにお弁当を食べる。私は、自分も食べつつジークハルト様にも食べさせている。
「はい、お肉」
もぐもぐ…
「サンドウィッチ」
もぐもぐ…
「ブロッコリー」
………もぐもぐ……
「お茶」
ごっくん。
「なぁ?」
「何よ」
「あーん、とか可愛く言えねぇの?」
「必要あるの?」
「あーんがあったらトマトもすんなり食えるかも知れないだろ?」
「あー、そんなもん?」
「うん」
あーん、だけでそんなに変わるか?トマトはトマトでしょうに。私は疑問に思いながらも、取り敢えず一度はやってみようと思った。
「ほら、あーん」
「っ!!!」
「口開けろ、こら」
「待っ…破壊力…」
「トマトに破壊力はない!あるのは酸味と栄養だ!」
「ちょ…待っ…」
真っ赤になったジークハルト様が手で顔を覆ってしまったので、結局あーんをしても意味はなかった事が判明した。
「ねぇ、ヒュー。おかずが全部甘いわ」
「奇遇だな、俺もだ」
2人がぼそぼそと何かを言っているが、私はジークハルト様にトマトを食べさせる事に集中している。
「ほら。あーん」
「ん」
もぐもぐ…。
「次はオムレツ」
もぐもぐ…。
食事も終盤になり、ジークハルト様の好きなチーズケーキの時間がやってきた。
「はい、これ好きでしょ」
「好き」
もぐもぐ…
「もっと」
「はいはい」
チーズケーキも食べ終わり、いつものお昼寝の時間。ジークハルト様は慣れた仕草でころりと横になり、私の太ももに、頭を乗せてすうすうと寝てしまった。
「やっと落ち着いた」
「ちょ…ヴィオ、これ…いつも?」
「いつも。お昼寝すると午後から調子がいいらしい」
さらさらの髪をすくように撫でる。こうするとジークハルト様は幸せそうに眠る事が多い。
「想像を遥かに超えたわ…」
「そう?もう慣れたよ」
「マリア、いつか俺もアレしたい」
「え!?じゃあ、どうぞ?」
「いいのか?」
物凄い満面の笑みでヒューバート様がマリアの太ももでゴロゴロしている。まるで猫のようだ。デカいけど。
マリアは真っ赤になっていたけど、幸せそうに笑っていた。
「のどかだねぇ…」
「そうねぇ…」
そんな会話をしながら15分が経過したので、ジークハルト様を起こす。起こす時だけは優しい声でないと、寝起きが非常に悪い。
「ジークハルト様、起きて?」
「ん…んー…。もうちょっと…」
「だぁめ。ほら、起きて?」
「うー…」
さわさわと頬を撫でると、指にちゅっとキスされた。
まぁ、指くらいなら減るもんでもなしいいだろうと思っていると、マリアが、唖然として真っ赤になっている。
「ヴィオレット…」
ジークハルト様が掠れた声で名前を呼ぶのでそっと濃いめのお茶を出す。
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