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帰宅・電車・中
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愛してるというのは簡単なことだろうか。
分からない。
誰かに愛してると言えるほど、誰かと深い仲になったことがないから。
大好きだとかはなんとなく分かる。
そういった仲でさえ、多分俺は誰とも築けてはいないのだろうが、それくらいは周囲を見ていて何となく分かる。
側から見ていれば彼、または彼女が自身のパートナーのことを大好きなのだと想像できる光景は日常生活の中で度々目にするからだ。
でも、やっぱり、愛してる、は分からない。
もしかしたら愛してるといえるような仲のカップルを目撃しているのかもしれないが、でもその場面を目撃し、なおかつ
あぁ、このカップルは愛してる
と言い合える仲なのだろうなと、確信していえるような光景をしっかりと認識し、見たことは22年生きてきて一瞬たりとて無いと思う。
だから俺は愛してるというのがある意味一つの幻想のように感じる。
何度もいうように、漫画やドラマではよく目に、耳にするものの、現実ではそういった場面に遭遇したことも側から見たこともないから。
海を見たことがない内陸地方の農民生まれの者が海の存在を実感出来ないように、
江戸時代の人間が、小さい全長10センチ未満の物体を通じて海外の人々と連絡がとれることを認識出来ないように、
21世紀に生きる我々が、どこでもドアを現実のものであると微塵も思わないように、
俺は愛してるという感情を認識できない。
これが寂しいことなのか、ある意味幸せなことなのか、そんなこと俺は分かるはずもないのだが、きっと世間一般の人々から見れば、少しずれている、または遅れていると感じるのであろう。
そんなのは余計なお世話だと思うし、心底どうでもいいと感じるのだが、たまに何で自分は他人と同じように生きれないのだろうと疑問を抱く。
愛してるを認識出来るようになったら、愛してると思えるようになったのなら、何かが変わるのだろうか。
辛いだとか怠いだとか、儚いとか、そんな後ろ向きな感情しか抱けない今現在の自身の人生を劇的に変えることができるのだろうか。
答えの出ない自問に、仕事帰りの電車に揺られながらぼーっと考える。
ガタンゴトン。ガタンゴトン。
電車が揺れる。
12月になり、世間はクリスマスや年末年始で盛り上がる今日この頃。
今現在日本を担当している神様は、12月1日だから気合いを入れているのか、ぐーんと気温は低くなり、秋から冬になったのだと確信できる外気を肌に感じる。
雪がコンコン、あられやコンコン、降っては降ってはまだ降り止まぬ、犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる……。
いつだったか、雪が降った時に、妹と高揚した気分を発散するため、歌ってはくるくると回りながら踊り、歌っては踊りを繰り返した日を思い出す。
あの頃と今では何もかもが違いすぎて比較の対象にもならないが、あの頃と今で何でこんなに変わってしまったのかなと感じる。
明日も仕事だ。
小学校時代の塾の同級生に年始暇?とラインできかれて、暇なわけないだろ、というコメントがすぐ脳裏に浮かんでしまう。
自身の仕事を考えると虚しくなる。
仕事が嫌だと感じるのは、若いからなのかもしれない。まだ仕事に慣れていないからなのかもしれない。
それでも、愛してるの意味さえ理解できず、寒さにただただ震え、旧知の仲の同級生からのラインでさえ億劫に感じる22の冬は、今までの人生の中でも最も虚しく、簡素で、寂しく感じる。
こんな日々に慣れていくのが大人になることなのだろうか。
それが大人だというのなら、大人になりたくない。そんなのわがままだという連中など無視してしまおう。
仕事先へと向かうには短く感じるが、仕事先から帰るには酷く長く感じる2時間弱の道のりに日々強くなる感情をそっとしたためる。
分からない。
誰かに愛してると言えるほど、誰かと深い仲になったことがないから。
大好きだとかはなんとなく分かる。
そういった仲でさえ、多分俺は誰とも築けてはいないのだろうが、それくらいは周囲を見ていて何となく分かる。
側から見ていれば彼、または彼女が自身のパートナーのことを大好きなのだと想像できる光景は日常生活の中で度々目にするからだ。
でも、やっぱり、愛してる、は分からない。
もしかしたら愛してるといえるような仲のカップルを目撃しているのかもしれないが、でもその場面を目撃し、なおかつ
あぁ、このカップルは愛してる
と言い合える仲なのだろうなと、確信していえるような光景をしっかりと認識し、見たことは22年生きてきて一瞬たりとて無いと思う。
だから俺は愛してるというのがある意味一つの幻想のように感じる。
何度もいうように、漫画やドラマではよく目に、耳にするものの、現実ではそういった場面に遭遇したことも側から見たこともないから。
海を見たことがない内陸地方の農民生まれの者が海の存在を実感出来ないように、
江戸時代の人間が、小さい全長10センチ未満の物体を通じて海外の人々と連絡がとれることを認識出来ないように、
21世紀に生きる我々が、どこでもドアを現実のものであると微塵も思わないように、
俺は愛してるという感情を認識できない。
これが寂しいことなのか、ある意味幸せなことなのか、そんなこと俺は分かるはずもないのだが、きっと世間一般の人々から見れば、少しずれている、または遅れていると感じるのであろう。
そんなのは余計なお世話だと思うし、心底どうでもいいと感じるのだが、たまに何で自分は他人と同じように生きれないのだろうと疑問を抱く。
愛してるを認識出来るようになったら、愛してると思えるようになったのなら、何かが変わるのだろうか。
辛いだとか怠いだとか、儚いとか、そんな後ろ向きな感情しか抱けない今現在の自身の人生を劇的に変えることができるのだろうか。
答えの出ない自問に、仕事帰りの電車に揺られながらぼーっと考える。
ガタンゴトン。ガタンゴトン。
電車が揺れる。
12月になり、世間はクリスマスや年末年始で盛り上がる今日この頃。
今現在日本を担当している神様は、12月1日だから気合いを入れているのか、ぐーんと気温は低くなり、秋から冬になったのだと確信できる外気を肌に感じる。
雪がコンコン、あられやコンコン、降っては降ってはまだ降り止まぬ、犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる……。
いつだったか、雪が降った時に、妹と高揚した気分を発散するため、歌ってはくるくると回りながら踊り、歌っては踊りを繰り返した日を思い出す。
あの頃と今では何もかもが違いすぎて比較の対象にもならないが、あの頃と今で何でこんなに変わってしまったのかなと感じる。
明日も仕事だ。
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自身の仕事を考えると虚しくなる。
仕事が嫌だと感じるのは、若いからなのかもしれない。まだ仕事に慣れていないからなのかもしれない。
それでも、愛してるの意味さえ理解できず、寒さにただただ震え、旧知の仲の同級生からのラインでさえ億劫に感じる22の冬は、今までの人生の中でも最も虚しく、簡素で、寂しく感じる。
こんな日々に慣れていくのが大人になることなのだろうか。
それが大人だというのなら、大人になりたくない。そんなのわがままだという連中など無視してしまおう。
仕事先へと向かうには短く感じるが、仕事先から帰るには酷く長く感じる2時間弱の道のりに日々強くなる感情をそっとしたためる。
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