燦々と青がいた 〜3人のオメガが幸せな運命と出会うまで〜

鳴き砂

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第五章

優しい腕の中で 2

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「て、つめたいね・・・・」

 蜂蜜色の瞳が蕩けかせながら、嘉月は言った。既に前のボタンを全て外しワイシャツを羽織っただけの彼は、自身の中に溜まる熱を冷まそうと青木の手のひらに身体を押し付けていた。そんな痴態に煽られて、深く口付けをすれば、拙く舌が絡め取られた。青木の口の中で小さな舌が懸命にちろちろと動いていた。

「フフッ。可愛い。」

 一度離れて嘉月の頬を撫でると、嘉月はもっとと言うように控え目に口を開き少しだけ舌の先を覗かせた。

「フッ、ん、んっ・・・・」

 彼の確かな期待に応えるため、青木は覗いた舌先を軽く吸い上げて、そのまま温かい口内へと侵入する。裏筋を柔らかく擽れば、あえかな喘ぎを漏らして身体を震わせた。舌を絡めたまま、冷たいと言われた自身の手を、彼の真っ白な肌の上を滑らせる。特に脇腹や内股をゆっくり愛撫すると背をのけざらせる程、嘉月は感じるようだった。

「ハァ、あぁ、も、もう、イっちゃう」

「ん、一度出しておきましょう。」

 まだ一度も触れたことのなかった彼の小さなペニスを、ゆるゆると擦って射精を促す。どうしても、目の前に広がる華奢な躯体は、激しくするとすぐに壊れてしまいそうな儚さがあったので、なるべく優しく丁寧にを心がけた。

「ん、ん、やぁ・・・・もっと、つよく、してぇ・・・・」

 けれどもペニスへの直接的な刺激が弱かった分、内側の熱は余計に溜まってしまったのか、泣きながら腰を揺する彼に心がひりついた。青木には、嘉月を泣かせるほど焦らすつもりはなかったからだ。

「ごめんなさい。」

「ううん、だい、じょぶ、だから・・・・もっとシて?」

 嘉月は顔を真っ赤にさせて微笑んだ。青木が期待に応えるように彼のペニスを握る力を強くして扱けば、嘉月はひときわ大きな声をあげてプシャっと精液をとばして、彼の下腹部を濡らした。確かめるようにそこを撫でれば、薄い色の精液が指に絡んだ。

「やぁ・・・・は、はずかしいからぁ・・・・」

「どうして?・・・・俺も、もうこんなです。」

 硬く上を向いた自身のものを、グッと嘉月の腹に押しつける。ピチャッと少し滲んだ自身の先走りと、嘉月が先ほど吐き出した欲が混ざり合う卑猥な音が聞こえる。荒く呼吸をする彼を落ち着かせたくて、青木は背中に腕を回して嘉月を抱き寄せる。ハアッと深くため息を吐いた彼は、青木の肩口に顔を埋めた。

「それ、好きですよね。」

「へっ?」

「いつも、そうするから。」

「だって、におい、おちつくから・・・・」

 肩に顔を埋める理由が自身の匂い嗅ぐ為のものだとは知らなくて、青木は思わず目を細めて笑ってしまった。彼は相変わらずぐりぐりと顔を押しつけているので、青木の緩みきった顔は見えていないのだろうが、何となく恥ずかしく感じて抱きしめる力を強くした。

◇◇◇

 暫く背中を撫でていると、嘉月の呼吸が少しだけ穏やかになった。それでも青木のワイシャツを強く握り締めて、時折激しく押し寄せてくるヒートの波を耐えていた。

「落ちついた?」

「うん」

「後ろ、触ってもいいですか?」

「うん」

 このままではつらいだろうから、切なそうにヒクつく後孔に薬指を一本挿入する。しかし、中はあまり潤ってはいなかった。それもそうだろう。青木は原因となったあの男を思い浮かべて腹が立ってきたので、頭の中から無理矢理追い出した。それからベッド脇のチェストの中に入っているローションを取り出す。

「・・・・ごめんね、あんまりぬれなくって」

「あなたが、謝ることなんて何一つありませんから。だから、安心して俺に委ねて。」

「そうだね・・・・ありがとう。」

 ゆっくりと、小さな身体を再び押し倒して言えば、安心しきった顔でふにゃりと嘉月は笑った。その笑顔を合図に、青木はローションを満遍なく指に絡めて、嘉月の中へと慎重に指を挿入し直した。

「んぅ、ん、あ、あ、ぁあ、ん・・・・」

 入り口の所を浅く摩っただけでも、ヒートの身体は敏感に反応して青木の指を深く深く受け入れようと収縮する。その動きに合わせて、奥に指を挿し込むと少しだけ手触りの違う部分に辿り着いた。そこを入念に撫でると、嘉月の嬌声はより大きくなった。

「アッ、いやぁ・・・・いや、フッ、ん、んんっ」

「気持ち良くないですか?」

 いやいやと首を振る嘉月に、意地悪をして訊ねれる。

「ん、ううん、ううん・・・・きもちぃ、きもちいよぉ・・・・」

 普段より格段に素直になっている彼は、すぐにその快楽を認めた。

「あと一回、出しましょう。まだ、身体、落ち着かないでしょう?」

「うん、わかったぁ、あぁ、アッ、イく、イっちゃう・・・・」

 その時、一瞬だけ怯えたように揺らいだ嘉月の瞳を、青木は見逃せるはずもなかった。彼を左腕で抱っこして耳元で囁く。

 あなたは、もう一人ではないから。一人きりで暗闇にいるような人ではないから。

「怖かったら、掴まって。俺は、ここにいます。」

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