「脇役」令嬢は、「悪役令嬢」として、ヒロインざまぁからのハッピーエンドを目指します。

三歩ミチ

文字の大きさ
23 / 49

23 生徒会長は猫王子

しおりを挟む
「また桂一くんは、藤乃ちゃんとお友達のお出かけについて行ったのね? 駄目よ、邪魔したら」
「水着を買いに行くなんて言うから、心配でさ」

 夕飯を食べ終え、私と兄、母で囲む食卓。母は兄の答えに、微妙な表情を返す。

「相手の子からしてみたら、あまり知らない男の人である、桂一くんが付いてくるのも心配だったんじゃないかしら」

 母は慧のことを、「ケイ」という名前の響きから、女生徒だと思っている。勘違いから生まれる心配を、「慧は男性」と言って否定する勇気がない。

 もし万が一、「男性なら出かけるのは駄目」と言われたら?

 今の私にとって、彼との時間はとても大切なものなのに、困る。

「大丈夫だよ。今日はその子の妹さんも来たから、僕が相手できてちょうど良かったんだ」

 たしかに、兄は凛の面倒をよく見てくれた。私と彼女が打ち解けられたのも、その前に兄が親しくなり、凛の警戒を解いていたからだと思う。

「そうなの」
「そう……なら、いいんだけど」

 私が兄の言葉を肯定すると、母は、渋々といった雰囲気で頷いた。

 夜になると、ベッドの中で、本を読む。実のところこれは、私の日課と化していた。

 悪役令嬢ものの本はとても面白くて、知識を活用し、活躍する主人公の生み出す、爽快な展開をつい追ってしまう。
 この世界がゲームと同じだ。そのことに気づいたら、尚更、主人公と自分を重ねてしまう。

 私は、ゲームでは脇役だ。
 だけど、ゲームの知識を得つつある今、「悪役令嬢」みたいな行動ができるかもしれない。

 実際に行動するかどうかはともかく、そんな気持ちによって、物語にいっそう没入できるようになってきた。

「お嬢様、最近楽しそうですね」
「……そうかしら?」
「ええ。学園に向かわれるとき、楽しげなお顔をされていますよ」

 バックミラー越しに、山口と目が合う。
 彼の観察眼は鋭いので、そう言うのなら、きっとそうなのだろう。

「山口にそう見えるのなら、きっと楽しいんだわ」
「おや、違いますか? 決めつけてしまいましたかね」

 山口は柔らかく笑う。指先で、ハンドルを軽く叩く。トントン、という音も、柔らかで心落ち着く。

 山口の観察眼は、鋭い。自分でも気づいていない今の気持ちを、指摘されることがよくある。
 彼が楽しげだと言うのなら、私は楽しいのだ。言われてみれば、たしかに。

 泉という友人もできた。
 会長たちと話せるようになった。
 身だしなみを気をつけるようになり、整える楽しさも知った。
 そして何よりも楽しいのは、放課後、図書室で過ごす時間。

 その全てが、慧との出会いをきっかけに生まれたもの。
 ゲームの「私」と現実の私の決定的な違いを作った慧は、大きな存在だ。

「いいえ……山口の言う通り。最近、私、毎日が楽しいわ」

 慧のおかげで。
 山口は目を細め、「左様ですか」と微笑んだ。

「あ、おはよう、藤乃さん」
「アリサさん。……おはよう」

 教室に入るなり声をかけられ、たじろいでしまう。アリサは、ただ挨拶をしただけのようで、にこっとすると私から視線を逸らした。

 不思議だわ。

 今まで、挨拶を交わす相手だって、いなかったのに。

「おはよう、藤乃さん」
「泉さん、おはよう」

 不思議な気持ちを抱えたまま、すれ違いざまに、泉とも挨拶を交わす。

 自分の席につき、鞄から荷物を取り出す。いつものルーティンだけれど、どこか心は穏やかだ。
 話せる相手ができて初めて、私は思いの外、教室で肩身の狭い思いをしていたのだとわかった。
 今はこうしていても、ずいぶんと肩が楽だ。

 授業を落ち着いて受け、昼は屋上で食べる。
 空に浮かぶ雲は、ずいぶんとふかふかしてきた。空は、抜けるような青。季節は春から、夏に移ろっている。

 教室に戻り、午後の授業の予習をしていると、不意に廊下がざわめいた。教室に海斗たちが戻ってきたときのような、妙に浮ついた類のざわめきだ。

 誰か来たのかな。

 そんなことを思いながら、教科書の字を追う。その紙面に、急に影がかぶさった。

「……?」
「やあ、藤乃ちゃん」

 見覚えのある顔。最近見たのは、ゲームの中で。

「……生徒会長さんじゃないですか」

 どう呼んだらいいのか迷った挙句、そう口に出す。兄と一緒に生徒会に所属していた彼とは、中等部時代、何度か会話したことがある。
 高等部に入ってからは、まともに話したことはなかったので、どんな調子で話したらいいのか、よくわからない。

「やめてよ、なにその、生徒会長さんって。他人行儀な」

 一方彼は、ずいぶんと、くだけた調子で話しかけてくる。

「寂しいなあ。昔みたいに、樹くんって呼んでよ」
「いや……それは、さすがに。私も、高等部に入ったので」
「なにそれ、関係ないよね」

 去る気のない彼は、私の側の机に寄りかかり、くしゃっとした笑みを浮かべた。
 笑うと彼は、目がくしゃっと細くなる。その甘い笑顔が、なんとも猫に似て愛らしいのだ。その可愛らしさと、頭のキレのギャップで、彼は昔から、絶大な人気を誇っている。

 生徒会長、神崎樹。ふわっとした癖っ毛と、その切れ長の目から、「猫王子」と一部から呼ばれている。
 そんな彼は、例のゲームの、攻略対象のひとりである。

「それより、どうしたんですか?」
「え? 藤乃ちゃんさ、桂一先輩……お兄さんから、何も聞いてない?」
「兄から……?」

 心当たりは何もない。私が首を横に振ると、樹は「そうなのかあ」とあからさまに肩を落とした。

「おれのところに、連絡が入ったんだよね。桂一先輩、今年の学外活動の様子を見たいって……このクラスの」
「ええ?」

 兄が学外活動に同行するなんて、そんな話、ひと言も聞いていない。

「どういうことですか?」
「急な話だから、事情を聞きに来たんだけど、知らないんだね」
「……すみません。兄のわがままで」

 兄のわがままが、樹を振り回す形になってしまったようだ。謝ると、樹は「いいんだ」と言って笑った。

「卒業生が行事を見にくること自体は、よくあるんだよ。伝統を守るためにね。ただ、急な話だったから」
「……すみません」

 樹のフォローに、かえって胸が痛くなる。

「いいんだって。当日はおれも行くから、学級会長に言っといて」

 会長が来るんだ。
 私が思ったその瞬間、教室の喧騒がすっ、と一瞬引いた。皆、樹の言葉を聞いていたのだ。

「いらっしゃるんですか?」
「うん。誰かが案内しないといけないでしょ。最近、桂一先輩にも会えてないからさ。寂しいし、おれが行くよ」

 兄のわがままで、休日に、生徒会長が出てくることになるなんて。
 謝りの言葉ももう出なくて、私は俯く。

「なに、藤乃ちゃん、気にしてる? いいんだよ、気にしないで」
「……ありがとうございます」

 申し訳なくて、御礼を絞り出す。樹はまたくしゃっと笑って、寄りかかっていた机から離れた。

「あ、でも呼び方は気にして。生徒会長さんじゃなくて、昔みたいに、樹くんって呼んでよ」
「昔って……初等部の頃ですよね」

 彼を、そんな親しげに呼ぶことはできない。先ほどから教室は静かで、私たちの会話に注目が集まっているのがわかる。
 海斗同様、樹も、かなりの人気者なのだ。

 樹は「参ったなあ」とその癖毛をくしゃり、無造作に乱す。

「でも、会長さんは、さすがによしてよ。俺、夏休みが明けたら、会長の任期も終わるんだから」

 樹は今、高等部の3年に属している。私の2つ上、慧の1つ上だ。
 会長の任期は、年度半ばからの1年間。そろそろ終わる、という訳である。

「……なら、神崎先輩で」
「やだ。せめて、樹先輩って呼んで」
「……樹先輩」

 私が呼ぶと、樹は嬉しそうに目を細めた。その表情の作り方が、やっぱり、猫的だ。

「じゃあ、言っといて、藤乃ちゃん」
「わかりました」

 樹は片手を挙げ、ウインクを残して教室を出る。

「やあ、海斗くんたち」
「あれ、樹さん」

 廊下に出たところで、戻ってきた海斗たちと会ったようだ。海斗と早苗、樹の声だけが聞こえてくる。

「どうされたんですか?」
「いや、ちょっとね」

 海斗は生徒会の手伝いをしているし、海斗に誘われた早苗も同様だ。だから、樹とふたりは、親しいのだろう。

 何やら盛り上がっている廊下の会話を聞き流しながら、私は辺りを見回した。
 教室内に漂う、微妙な空気。間違いなくその原因は、先ほどの私と樹の会話だ。

 高等部1年の、ごく普通の学外活動に、前生徒会長と、現生徒会長が来てしまう。とんでもない来賓に、どう対応していいのかわからないのだ。

 ちょうど、教室に入ってきたアリサと目が合った。

「……あ」
「ん? 藤乃さん、どうしたの?」

 私が何か言う前に、察してこちらへ来てくれる。こうした気配りが、彼女の人望の所以だ。
 私はひと息つき、「樹先輩……生徒会長が、今度の学外活動を、見に来るって」と申し出る。

 周囲からの視線を感じる。ここまでの流れを見ていた人たちが、アリサの反応に注目しているのだ。
 アリサの表情は、一瞬硬直し、「ん?」と独り言のように声を上げる。そして、目を丸くし、「え?」と言った。

「あと、私の兄も」
「藤乃さんのお兄さん……って、桂一会長よね? 来る? 学外活動に?」

 混乱している彼女は、額に指を押し当てて俯いた。

「そう……」
「そもそもの話は、私の兄から出たみたいで……」

 樹から聞いた話を順を追って話すうち、アリサは顔を上げ、頷きながら聞き始めた。

「……ということで、兄の案内のために、樹先輩が来るそうよ」
「なるほどね」

 冷静さを取り戻し、アリサは「決まったなら仕方がないか」と締めくくった。

「ちょうど良かったわ、藤乃さんに買い出しを手伝ってもらうことになってて。一応、不備がないか見てくれると助かるもの」
「力になれるかはわからないけれど」
「大丈夫よ」

 アリサが笑うと、唇の間から、綺麗に並んだ歯が覗く。爽やかな笑顔が、心強い。

「ありがとう」
「こちらこそ。今週末は、よろしくね」

 買い出しの予定は、今週末。アリサと改めて予定を確認し終えたところで、昼休みは終わった。

「桂一先輩が、学外活動に来るって?」
「そうなんです」

 図書室で早速、慧に、兄のわがままを報告する。慧は、ふっと頬を緩めた。薄く浮かぶ、まるいえくぼ。

「それなら、俺も安心だ」
「え?」

 意外な反応に聞き返すと、慧は「こっちの話だよ」と流した。

「続き、しようか」

 カウンターの奥へ向かおうとする慧に、「待って」と声をかける。
 実は私には、考えていたことがあるのだ。

「今日は、いいです」
「いいの? どうして?」
「この間凛ちゃんが、慧先輩は家で勉強している時間が増えたって、言っていたじゃないですか」

 私といる時間が長いせいで、いつもなら学園内でしていた自習を、家に持ち越している。結果として、凛と過ごす時間が減っていて、彼女は腹を立てていた。

「そういえば、言っていたね」
「夏休み前には、テストもありますし……学外活動までのストーリーは把握したので、慧先輩と、一緒に勉強できたらと思って」

 この提案は、凛のためでもあり。テスト前に勉強できるのは、慧のためでも、私のためでもある。

 慧は、奥の部屋のドアノブに手をかけたまま、「そっか」と相槌を打った。

「俺はどっちでもいいけど、藤乃さんが言うなら、そうしようか」
「はい!」

 それに、勉強時間が圧迫されたせいで、慧の成績に支障が出たら困る。
 私は鞄から書類を取り出し、慧とカウンターに並んだ。

「こうして勉強するのも、久しぶりですね」

 こうして並んで勉強するのは、ゲームをし始める前以来だ。
 肘の触れ合う距離。慧の、いつもの甘く爽やかな香りがする。距離の近さを感じて、胸がせまくなる。

「そうだね。わからないことがあったら、聞いて」

 慧はそう言うと、自分のノートに目を落とした。

 静かな図書室に、ペンの走る音、ページをめくる音が響く。

 どのくらい、集中していただろうか。気持ちが途切れた私は、ふと慧の方を見る。

 ノートに並んだ、清潔そうな字。
 意外と大きくて、ごつごつとした手が、滑らかにペンを操る。
 真剣な横顔。
 慧の目が、ノートから、こちらに向いた。至近距離で、目が合う。

「……っ」

 私は、息を呑む。
 見つめていたことが、ばれたこと。こんなに近くで、目が合ったこと。何が原因かわからないが、妙に胸がざわめく。

「……ど、どうしたの、藤乃さん」

 慧も驚いたようで、一瞬視線を揺らしてから、そう問いかけてくる。

「いや、何でも……」
「そう? ……なら、いいけど。わからないところはある?」
「いえ、今のところは……」

 慧が今まで教えてくれたやり方のおかげで、授業は、だいぶ理解できるようになってきた。
 私が首を横に振ると、慧は柔らかく微笑み、またノートに視線を戻す。

 何で今、変にどきどきしたんだろう。

 私もまたノートに目を落とし、勉強に気持ちを戻す。集中していても、さっきの変な感覚が、ふとした瞬間に頭の片隅に顔を出す。

 おかしいわ。

 こめかみを軽く叩き、余計な思考を追い出す。その日は、閉館時間まで、互いに静かに勉強をしていた。
 隣で、それぞれの勉強をする。
 長い会話がなくても、慧が「またあした」と言ってくれるだけで、私の心には温かいものが宿った。
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

死にたがりの黒豹王子は、婚約破棄されて捨てられた令嬢を妻にしたい 【ネコ科王子の手なずけ方】

鷹凪きら
恋愛
婚約破棄されてやっと自由になれたのに、今度は王子の婚約者!? 幼馴染の侯爵から地味で華がない顔だと罵られ、伯爵令嬢スーリアは捨てられる。 彼女にとって、それは好機だった。 「お父さま、お母さま、わたし庭師になります!」 幼いころからの夢を叶え、理想の職場で、理想のスローライフを送り始めたスーリアだったが、ひとりの騎士の青年と知り合う。 身分を隠し平民として働くスーリアのもとに、彼はなぜか頻繁に会いにやってきた。 いつの間にか抱いていた恋心に翻弄されるなか、参加した夜会で出くわしてしまう。 この国の第二王子としてその場にいた、騎士の青年と――  ※シリーズものですが、主人公が変わっているので単体で読めます。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

『婚約破棄された瞬間、前世の記憶が戻ってここが「推し」のいる世界だと気づきました。恋愛はもう結構ですので、推しに全力で貢ぎます。

放浪人
恋愛
「エリザベート、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーで突きつけられた婚約破棄。その瞬間、公爵令嬢エリザベートは前世の記憶を取り戻した。 ここは前世で廃課金するほど愛したソシャゲの世界。 そして、会場の隅で誰にも相手にされず佇む第三王子レオンハルトは、不遇な設定のせいで装備が買えず、序盤で死亡確定の「最愛の推し」だった!? 「恋愛? 復縁? そんなものはどうでもいいですわ。私がしたいのは、推しの生存ルートを確保するための『推し活(物理)』だけ!」 エリザベートは元婚約者から慰謝料を容赦なく毟り取り、現代知識でコスメ事業を立ち上げ、莫大な富を築く。 全ては、薄幸の推しに国宝級の最強装備を貢ぐため! 「殿下、新しい聖剣です。使い捨ててください」 「待て、これは国家予算レベルだぞ!?」 自称・ATMの悪役令嬢×不遇の隠れ最強王子。 圧倒的な「財力」と「愛」で死亡フラグをねじ伏せ、無能な元婚約者たちをざまぁしながら国を救う、爽快異世界マネー・ラブファンタジー! 「貴方の命も人生も、私が全て買い取らせていただきます!」

辺境の侯爵令嬢、婚約破棄された夜に最強薬師スキルでざまぁします。

コテット
恋愛
侯爵令嬢リーナは、王子からの婚約破棄と義妹の策略により、社交界での地位も誇りも奪われた。 だが、彼女には誰も知らない“前世の記憶”がある。現代薬剤師として培った知識と、辺境で拾った“魔草”の力。 それらを駆使して、貴族社会の裏を暴き、裏切った者たちに“真実の薬”を処方する。 ざまぁの宴の先に待つのは、異国の王子との出会い、平穏な薬草庵の日々、そして新たな愛。 これは、捨てられた令嬢が世界を変える、痛快で甘くてスカッとする逆転恋愛譚。

【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした

Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。 同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。 さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、 婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった…… とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。 それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、 婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく…… ※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』 に出てくる主人公の友人の話です。 そちらを読んでいなくても問題ありません。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

処理中です...