2 / 4
恋人のオオカミくんとレストランに行く話
しおりを挟む
恋人のオオカミくんとレストランに行く話
獣人という存在は珍しく、人間よりも劣っていて野蛮だと言われている世界。
僕の恋人はオオカミ獣人だ。歳下の彼は、わがままでガサツだけど甘えん坊な所もあってどこか憎めない。そんな彼の誕生日、奮発して夜景の綺麗な高級レストランを予約した。
「すげぇウマそうだな!」
目を輝かせて尻尾をふりふりするオオカミくん。目の前の骨付き肉に手づかみでかぶりついてご満悦だ。出費は痛かったけど、こうして愛しい彼の喜ぶ顔が見られるなら安いものだ。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね」
そういって僕は席を立った。
「やだ、犬がいるわよ」
「なんかこの辺り獣クセェなぁ!」
「動物だからフォークの使い方も知らないのかしら」
僕がいる前では何も言わなかった周囲の客たちは、彼が一人になった途端に獣人差別を始める。
「おまたせ。ん?どうしたの?」
僕が戻って来ると、彼はしょぼくれた様子で肩を落としている。
「ごめん……おれ……」
事情を察した僕は、手に持っていたナイフとフォークを置いて、手づかみで肉を頬張る。
「肉は手づかみに限るよね」
嘲笑と非難の視線が刺さるが気にしない。上目遣いにオロオロとしていた彼も、僕が笑顔で促すと、恐る恐る肉を齧って笑顔を向けてくれた。
君が喜んでくれるなら、周りのどんな声も聞こえない。
別バリエーションとしては、同じような世界観で、オオカミくんは喫茶店に勤めている。
ある時、何気なく入った喫茶店で働いていたオオカミくん。大きい身体で不器用ながらも頑張って仕事をこなす姿が微笑ましくて、足繁く通うことにした。
「こんにちは、オオカミさん」
「いつもありがとうございます!いつものやつですね?」
そんな会話が出来るくらいに仲も深まってきた頃……
「おいおい、イヌっころが作ったメシなんか食えるかよ!」
「これ毛とか入ってんじゃねーかぁ?」
ガラの悪い、差別的な客に絡まれるオオカミくん。店の裏でしくしく泣いている所を偶然見かける僕。
「どうしたの!?何かあったの?」
「なんで僕、オオカミなんかに生まれてきちゃったんだろう……」
そんなオオカミくんを慰めて、紆余曲折の末にいちゃいちゃエッチする話。
獣人という存在は珍しく、人間よりも劣っていて野蛮だと言われている世界。
僕の恋人はオオカミ獣人だ。歳下の彼は、わがままでガサツだけど甘えん坊な所もあってどこか憎めない。そんな彼の誕生日、奮発して夜景の綺麗な高級レストランを予約した。
「すげぇウマそうだな!」
目を輝かせて尻尾をふりふりするオオカミくん。目の前の骨付き肉に手づかみでかぶりついてご満悦だ。出費は痛かったけど、こうして愛しい彼の喜ぶ顔が見られるなら安いものだ。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね」
そういって僕は席を立った。
「やだ、犬がいるわよ」
「なんかこの辺り獣クセェなぁ!」
「動物だからフォークの使い方も知らないのかしら」
僕がいる前では何も言わなかった周囲の客たちは、彼が一人になった途端に獣人差別を始める。
「おまたせ。ん?どうしたの?」
僕が戻って来ると、彼はしょぼくれた様子で肩を落としている。
「ごめん……おれ……」
事情を察した僕は、手に持っていたナイフとフォークを置いて、手づかみで肉を頬張る。
「肉は手づかみに限るよね」
嘲笑と非難の視線が刺さるが気にしない。上目遣いにオロオロとしていた彼も、僕が笑顔で促すと、恐る恐る肉を齧って笑顔を向けてくれた。
君が喜んでくれるなら、周りのどんな声も聞こえない。
別バリエーションとしては、同じような世界観で、オオカミくんは喫茶店に勤めている。
ある時、何気なく入った喫茶店で働いていたオオカミくん。大きい身体で不器用ながらも頑張って仕事をこなす姿が微笑ましくて、足繁く通うことにした。
「こんにちは、オオカミさん」
「いつもありがとうございます!いつものやつですね?」
そんな会話が出来るくらいに仲も深まってきた頃……
「おいおい、イヌっころが作ったメシなんか食えるかよ!」
「これ毛とか入ってんじゃねーかぁ?」
ガラの悪い、差別的な客に絡まれるオオカミくん。店の裏でしくしく泣いている所を偶然見かける僕。
「どうしたの!?何かあったの?」
「なんで僕、オオカミなんかに生まれてきちゃったんだろう……」
そんなオオカミくんを慰めて、紆余曲折の末にいちゃいちゃエッチする話。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる