僕はいかにしてオオカミくんとイチャイチャしたのか。(アイデアメモ)

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恋人のオオカミくんとレストランに行く話

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 恋人のオオカミくんとレストランに行く話

 獣人という存在は珍しく、人間よりも劣っていて野蛮だと言われている世界。
 僕の恋人はオオカミ獣人だ。歳下の彼は、わがままでガサツだけど甘えん坊な所もあってどこか憎めない。そんな彼の誕生日、奮発して夜景の綺麗な高級レストランを予約した。

「すげぇウマそうだな!」
 目を輝かせて尻尾をふりふりするオオカミくん。目の前の骨付き肉に手づかみでかぶりついてご満悦だ。出費は痛かったけど、こうして愛しい彼の喜ぶ顔が見られるなら安いものだ。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね」
 そういって僕は席を立った。

「やだ、犬がいるわよ」
「なんかこの辺り獣クセェなぁ!」
「動物だからフォークの使い方も知らないのかしら」
 僕がいる前では何も言わなかった周囲の客たちは、彼が一人になった途端に獣人差別を始める。

「おまたせ。ん?どうしたの?」
 僕が戻って来ると、彼はしょぼくれた様子で肩を落としている。
「ごめん……おれ……」
 事情を察した僕は、手に持っていたナイフとフォークを置いて、手づかみで肉を頬張る。
「肉は手づかみに限るよね」
 嘲笑と非難の視線が刺さるが気にしない。上目遣いにオロオロとしていた彼も、僕が笑顔で促すと、恐る恐る肉を齧って笑顔を向けてくれた。
 君が喜んでくれるなら、周りのどんな声も聞こえない。



 別バリエーションとしては、同じような世界観で、オオカミくんは喫茶店に勤めている。
 ある時、何気なく入った喫茶店で働いていたオオカミくん。大きい身体で不器用ながらも頑張って仕事をこなす姿が微笑ましくて、足繁く通うことにした。
「こんにちは、オオカミさん」
「いつもありがとうございます!いつものやつですね?」
 そんな会話が出来るくらいに仲も深まってきた頃……
「おいおい、イヌっころが作ったメシなんか食えるかよ!」
「これ毛とか入ってんじゃねーかぁ?」
 ガラの悪い、差別的な客に絡まれるオオカミくん。店の裏でしくしく泣いている所を偶然見かける僕。
「どうしたの!?何かあったの?」
「なんで僕、オオカミなんかに生まれてきちゃったんだろう……」
 そんなオオカミくんを慰めて、紆余曲折の末にいちゃいちゃエッチする話。
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