登録者0人の底辺配信者だった俺が、魔界で配信を始めてみたら人気者になった件

タバスコ

文字の大きさ
18 / 111

ツンデレと悩み

しおりを挟む
『すげえええ』
『つええええ』
『やべえええ』
『ガチでビビアンに勝ちやがった!』
『アレナ:全財産かけてよかった!信じてました!』
『まじかよ……相手は1000勝以上の猛者だぜ?』

 アレナさん……ガチで全財産賭けてたのか?そこの真偽はおいておいて、今回の報酬を確認しよう。

 格上ボーナスでポイント10ポイントアップ。そこに10連勝ボーナスでさらに10ポイント。賭け金もがっぽり、ファンもみるみる増えていく。

『名声値が800になりました。
 名声値が801になりました……』

 830で止まったか。今日1日で700人くらいファンが増えた。ただの配信とは違い、色々な人に見てらもらえる闘技場の効果は絶大だ。

 報酬を確認していると、視界に誰がが近づいてくる姿が映った。そちらに目を向けると、先ほどまで戦っていた相手のビビアンだった。

「まさか、この私が闘技場初心者に負けるとはね」

 少し警戒していたが、普通に話しかけに来ただけのようだ。

「対戦ありがとうございました。そちらにはメリットもないのに、受けてくれて本当にありがとう」

 これは本心だ。あちらには本当にメリットがないのにリスクだけが大きい戦いだったし、貴重な時間も奪ってしまった。なので、せめてもの感謝を笑顔と共に伝えられてよかったと思う。まあ、被り物で笑顔は見えていないだろうけど。

「う……は、配信名は……?」

「え?」

 少しどもった様子で、いきなり配信名を聞き出された。やはり何か恨みでも買ったのだろうか。しかし、やけに顔が赤いな。

「配信名は何かって聞いてるの!」

 戸惑っていると、今度は怒鳴られた。やっぱり怒っているのだろうか。よくわからない人だなあ。
 
「ヴァリアンです。でも、それがどうかしたんですか?」

『名声値が831になりました』

「え……」

 何か画面を操作し出したと思ったら、名声値が一つ上がった。これはまさか……。

「この私がファン登録してあげるんだから感謝しなさい!この私に勝ったDランクが、名声値が足りなくて他のやつに負けるなんて許さないんだからね!」

 ビビアンはそう言い残し、スタスタと足早にさっていった。ツンデレってやつ?本当に何だったんだ……。

『ツンデレやん』
『萌えた』
『萌えた』
『ビビアン可愛い』
『くぅ~~たまらん』

 俺も正直グッときたが、コメントでも大人気だな。名声値あげろとかいいつつ、ファンを奪う気かよ。

 「今日の配信はこれまでにしたいと思います。ファン登録、高評価お願いします! また明日も配信するのでぜひ来てください! さよならー」

 ふぅ、今日も配信終わったな。ロビーから現実世界に戻ると、いつもの簡易住居の臭いが香った。なんだか、この匂いに安心感を覚えつつある。

 今日のビビアンとの戦いで、すこし課題が見えた気がする。食べながら頭を整理しようか。

 今日のご飯は水属性エリアで倒した魔物たち。もちろん有毒な魔物も多く含まれているので、右手をスライムにすることで、食べられない部位や毒のある部位を消化していく。

 さらに、Dランク魔物の下級天使の能力で魚を浄化し、己の体に悪となる生物を消滅させる。これだけ清潔にしたんだし、今日は生でいただくことにしよう。

 ショップで調味料を見てみるか。醤油、わさび、がりというのが刺身と食べるにはおすすめらしい。どれも即配送の業者がいたので、頼んでみるか。

【斬鉄人間の腕】

 届くまでの間に魚たち捌いておく。この辺は得意分野だ。人間界にいた頃は人との関わりを最小限にしたくて、衣食住全て自分の力で賄っていたからな。
 この斬鉄人間の能力も、獲物を調理するために欲しくなった能力の一つで、わざわざ探し回って討伐しに行ったなぁ。懐かしい。

 
「よし、食うか」

 結構上手く捌けたんじゃないか?醤油につけて、早速好きなサーモンをいただく。

「うん、うめぇな」

 
 ぱくぱくと刺身を食べながら、自分の弱点について考える。
 自分の強みは、相手の能力に対して有利な能力で対抗できることだ。しかし、同時に相手できる数には限りがある。

 つまり、集団戦では自らの強みが活かしにくいと言うことが弱点だと俺は思う。ちなみに、今の同時変化可能数は3つだ。もっと同時に使っているように見えんかもしれないが、わざわざ毎回変化を解いてから使っているんだ。


しかしこの問題、どうしたものか……名声値ランクが上がればそこそこ解決には繋がるが、それじゃ今すぐの解決にはならない。仲間を作るべきか?いや、魔族の仲間か……。

「くっ」

 は、鼻が、鼻が痛い。なんだこのワサビとかいうの。本当に食べれるのか?一応、下級天使で浄化と回復を自分にかけておこう。

 わさびについて調べると、こう言うものらしい。鼻にツーンとくるのが普通で、その辛みを楽しむものなんだとか。

 なんだか悩んでいるのがおかしくなってきたな。こっちは真剣に悩んでいたのに、ワサビのせいですっかり気が抜けてしまった。

 ひとまずは名声値Sを目指す。それまでに仲間ができそうなら作ればいい。魔族にもいいやつはきっといると思う。もしいないなら、自分1人でできるところまでやってみればいいか。

 
















しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...