登録者0人の底辺配信者だった俺が、魔界で配信を始めてみたら人気者になった件

タバスコ

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到着と茶番

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 あれから数分走り続けると、ようやくダンジョン都市に到着。

 血の匂いは無し、戦闘時に感じる独特の雰囲気もなければ、戦闘音なども聞こえてこない。どうやら、まだ戦闘は始まっていないようで安心した。

「ほら、街についたからもう大丈夫だ。通らせてくれ」

 今俺は狼達に包囲されている。流石にこのまま街に入るわけにはいかないので、包囲陣形を解いてもらえるように声をかけた。

 ちなみに包囲されている理由だが。

「お前が無茶しないように、俺たちが見張ってやるんだ!」
「変身して俺たちを置いてくかもしれないしな! いつでも捕まえられるようにしておくんだ!」
「敗亡者は黙って守られておけばいいのよ!」 

 とのことだ。狼達に敗北したのは事実なので、素直に包囲されながら移動していた。

 素直に包囲を解いてくれた狼達の間をくぐり抜けると、大量の魔族が集まっているのが見えた。皆武器や防具を装備しているし、戦いに備える冒険者達だろう。 

 大量の魔物を引き連れてやってきたわけだが、混乱などは起こっていないようで安心した。

「ヴァリアン! 来てくれたんだな!」

 南口を通過すると、大量の冒険者に囲まれた。1年も冒険者をしていたら顔見知りも増えるし、狼の貸し出しサービスを通じて知り合いも増えた。

 それからSランクということもあり、1部の冒険者には俺を慕ってくれるやつもいて、結構仲良くさせてもらっている。

「そりゃ、この街は大切な場所だからね。何かあったらすぐに駆けつけるよ。」

「とか言って、時間ギリギリだけどな。高ランクの連中はもう作戦会議を終えたようだぞ」

 仮面の中でキリッと表情を作り、カッコつけて発言したつもりだったのだが……やはり遅刻か。

 落ち着いた中年のベテラン冒険者からの指摘は、なかなか効くものがあるな。

「いやぁ、危ないから置いて行こうとしたんだが、こいつらが付いてくるって聞かなくてさ。それで遅くなった」

「ははは! 狼ちゃん達のことになると過保護なお前が、今回は珍しく折れたんだな?」

 ぽんぽんと金狼の頭を撫でながら話していると、その金狼が意思を伝えてくる。

「僕たちが勝ったんだ! ちゃんと伝えてよ!」

 ……わかってるって。正直に話すよ。

「いやぁ、それがな……こいつらにボコられちまってさ」

「ははは! おい! 聞いたかよ! ヴァリアンのやつ、従魔にボコられちまったらしいぞ!」

「あひゃひゃひゃひゃ!」

「草wwwwwwwwww」

「馬鹿にしやがって! お前らも絶対勝てねえからな!?」

 狼達を連れてきた理由を正直に話すと、その場がどっと笑いに包まれた。くそ! これだから話したくなかったんだ!

 普通は従魔のほうが上下関係において下のことが多いため、従魔にボコられる主とはなかなか聞かない話である。

 しかし、それにしても笑いすぎだろ。クソ野郎どもめ!

「お前を小馬鹿にして楽しむのもいいが……ヴァリアン。ギルドに向かわなくていいのか?」

「あ……ま、まあスタンピートって聞いてみんな緊張してるかなと思ってさ! 別に忘れてたわけじゃないけど、そろそろいくわ!」

 ただでさえ遅刻したというのに、すっかり忘れて話し込んでしまっていた。まあ、緊張をほぐすという意味ではいいコミュニケーションだったよな。

【一角風獣】

 狼達はその場の冒険者達に預け、全力でギルドに向かった。

 

 
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