ゆうみお R18 お休み中

あまみや。

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雪島真冬

底辺

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東くんいます、東side 
クズ李世



ーーー



3年生になって高校と高校が合併して、俺も真冬と同じ校舎に通える事になった。



「真冬ー、次移動教室だよ」



でもやっぱり中学の時のことがチラついて面と向かって話しかけられない。

廊下で見かけたから声をかけようか考えていたら、真冬の友達が真冬を連れて行った。



(高山李世………やっぱり、怖いな)



今だってあいつは俺を見てた。




「………」






………どうにかしてまた、昔みたいに戻れないだろうか。






ーーー


………最近……真冬の様子がおかしい。



(………まただ)



今日も真冬を見かけたけど、真冬は休み時間李世以外の同級生にどこかに連れてかれていた。



その次の休み時間も、その次も。




段々、おかしいと思い始めていた。






ーーー



それが何なのか分かったのはそれから1週間後のこと。




「な………」




用事があって東高の生徒がいる方に行ってみたら、真冬を見つけた。




遠巻きだったから、真冬は姿しか見えなかったけど………





「なぁ雪島、早く御奉仕してよ?」
「はー?おい、なんでこいつ抵抗してんの?」



自分より背の高い男に囲まれて、抵抗したのか手首を掴まれている。

見えたのは横からの姿で、髪が乱れて触覚で顔は見えなかったけど、嫌がっているのは見ただけで分かる。



「はぁ?やだじゃねぇよ殺すぞ!!」
「……ッ」



嫌だと言ったのか、男が真冬の頭を殴った。




その場に倒れて、立てずにただ俯いている。




「容赦なくやっていいんだよな?おらっ、早く脱がせ!!」



そう言って男達はニヤニヤしながら真冬のカーディガンを引っ張った。


さすがにまずいと思って、体が動いていた。








「……ッおい!!何してんだよ!!」




正直他人なんてどうでもいい。けど、この人は昔傷付けてしまった罪滅ぼしがしたい、という自分勝手な理由がある。




………早くこの人にした酷い事を償って、自由になりたい。





「は?何だよ居候が」
「……確かに校舎はそっちのだけど、そんなの関係ないだろ?」




しばらく男達とは言い争いをして、相手が面倒くさがって帰っていった。




「………真冬、大丈夫…、か」


それが終わると真冬は、立ち上がって着崩れた服を直して、



「……ありがと」




それだけ言って、走って逃げた。





「あ……っ、おい!!」





なんて、止まってくれるわけないのに。





(また逃げるんだ………俺から)







あの人は昔から俺が怖いのか逃げてばかりで、一度も向き合ってなんかくれなかった。







ーーー




………そういえば、高山李世は、




(李世は、どうして真冬を助けないんだ)




あんなにいつも近くにいるなら、気付いてるはずなのに。




なんて思っていたら、またもや真冬を見つけてしまった。



あの襲われていたところを見た日から3日経ったくらいのこと。



今度は体育館の裏で、1人でいるのを見た。







「………」





それを物陰から見ていたら、





(……あれ…李世は、一緒じゃないのか)






それに気付いた。






服も髪も乱れて、周りには血、それに何か白い液体もあるように見える。



目は虚ろで、地べたに座って何もしていない。





それに俺がここに来たのも、さっき東高の男達がこっちから出てきたから気になって。




(まさか………レイプ、)






それならこの状況も理解が出来る。




理由に、真冬は最近よく男達にどこかに連れて行かれていたし、この前も襲われかけていた。






………けど、どうして、







(……………まさか)









ーーー



「なあ、李世」




教室から他の友達と出てきた李世に声をかけた。



「あ、東!ここは東高の教室だよ?」



何も知らないかのようににこにこ笑って話すその態度が恐ろしい。




「お前………真冬はどうした」
「真冬?…あぁ……今ちょっと喧嘩中なんだよねぇ」

「喧嘩中って………今あいつがどうなってるか分かって、」
「……なぁに?なんか怒ってる?」

「……俺は、あいつを心配なんてしたくない、そういうのは友達のお前がしてやるべき事だろ?」
「あのねぇ………今喧嘩中だって聞いてなかった?」

「ッ……お前が何かあいつらに吹き込んだんだろ!!?だからあいつらが真冬を………」
「……なに?なんかこわぁい」








「ッ……………」









真冬の周りには俺も含めて、どうしてこうクズしか現れないんだろう。










ーーー

(李世side)



………面倒臭い。





(適当に学校中の奴らに噂流して襲わせて、参ってるところにつけ込めばいいと思ってたのに)











(岩倉東が来てから面倒になったなぁ………、……どうしよ、あいつの噂も流せば真冬に近付けなくなるかな、…うん……でも、)





どうせならあいつも消して真冬もさらにショックを受けさせられるようにしたい。






「………そうだ」






それならこうしよう、





(うん、それがいい。真冬はもっとボクを見てくれないと困るもんね、……真冬がボク以外の人間を見ちゃ駄目なんだから。)







ーーー

(真冬side)



下駄箱に手紙が入っていた。


指定された場所に来い、来ないなら明日からもっと酷い目に遭わせる、という内容。




(……怖い、ねぇ、もう許して)




李世と喧嘩すると誰も守ってくれる人はいなくなる。



だって李世は学校中の人間を手懐けてるし、僕はそんな李世の助けが無いと孤立してしまうから。





『真冬……真冬ってさ、ボクと東、どっちの方が好き?』
『それは……、……李世…だよ』


『本当?ボクが真冬に東の事裏切れって言ったら裏切ってくれるの?』
『……!…それは………』


『……嘘、ボクの為に生きてくれないの?』
『………李世、違う、李世の言う事裏切ったりしない、お願いだから嫌いにならないで、』


『でも、東の事嫌いになれないんでしょ?』
『……それは、』


『酷いよ真冬、ボクのこと嫌いなんだ?』
『ちが、ごめんなさい、ごめんなさい、お願い、1人にしないで…!!』





………




(行かなきゃ………)








ーーー



案内された部屋に行くと、そこにはクラスメイト数名と………東がいた。




「東………?」




頬が赤く腫れて、髪は掴まれたのかボサボサで、もう立てないくらい痛めつけられた東。





………これから、何が始まるんだろう。







「はい真冬ちゃん逃げないでねぇ」




後ろから他の男に体を拘束されて、身動きが取れずただ東を見ているだけだった。





「こいつ何気に顔可愛いしさ、この前邪魔された腹いせに犯してやろうと思ったんだ」




………うそ、





「………やめて、」
「声震えてんじゃん!まじ真冬ちゃん可哀想w」





やだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ、



東には手を出さないで、もう殴らないで、酷い事しないで







「や”……ッ、」








その後はもう、酷かった。





いくらやめてと泣いて頼んでも、叫んでも変わらない。



喉が痛くて、でも東は容赦なく犯されて殴られて、





「たすけて…………李世、たすけて、」






いくらあの人の名前を呼んでも、助けになんて来てくれなかった。









ーーー



………外が暗くなってきた。



「はー、満足満足、あ、でも今度は雪島犯すんだっけか?」
「おう、御奉仕してくれよ?真冬ちゃん」




もう限界








……………もう……やだ












ーーー



(そろそろ分かったかなぁ、)




「ねぇ真冬、真冬はボクだけ見てればいいんだよ?」





あの日の事が頭から離れない。



東は不登校になった。






「……………うん………」
「いい子いい子♪じゃあ今日は一緒にご飯食べよ?」





………お見舞いにでも行ってあげたかったけど、出来なかった。






(………こうやって、また逃げるんだ。…あの人から)











もう何も考えたくない。










大人しく隣にいるこの人に依存してしまった方が、きっと楽なんだと思う。










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