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あまみや。

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雪島真冬

げんかく

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本編197話とその番外編のR18

岩倉東(いわくら あずま)…真冬の元友達
疎遠になったあとようやく真冬を見つけたけど李世が怖い

李世→(←)真冬→東

真冬と東のイチャイチャ



ーーー

(真冬side)



目が覚めたらそこに恋人がいる。





「!おはよ、真冬」





赤い髪に青い目。大好きな人。




「……おはよう。東。」




一緒に暮らしていくうちに他人、友達、親友、



そこから恋人同士になるまで時間はかからなかった。





「……東」
「…わっ……!……もう、なんだよ急に」




この人とこんな関係になれたことが嬉しくてたまらない。


抱きついても許されて、傷付く言葉も言われない。




「真冬は甘えん坊だなぁ」




なんて、少しだけ弱々しく笑うのが大好き。




「甘えちゃ駄目……?」


そんないつも通りの質問に、決まって「駄目な訳ないだろ」って、呆れたように笑って頭を撫でてくれる東が、






(好きで、好きで好きで仕方ないのに)




 


…………どうして






『……は、…………だよ』







2人だけのこの部屋で、僕達以外の声が聞こえてくるんだろう。





それにこの声はどこか懐かしくて、嫌いになれない。






「……真冬?」
「…!……何?」



その声を聞くと頭がぼーっとする。




「大丈夫か?」
「……うん」





…………せっかく東が心配してくれてるのに、



ようやく東が僕に優しくなってくれたのに、




こんな素っ気ない返事………………






(無愛想で何も出来なくて、喋れなくて…………)





………………あれ?







(…………僕、前までは…喋ると喉が痛くて仕方なかったのに。)





全く痛くならない。




………………






不思議だった。







「今日は何食べたい?」
「…じゃあパンにハムとスクランブルエッグのせたやつ。一緒に作ろ。」




……もしかしたら夢なのかもしれない。




でも、それならそれで幸せだと思った。






体が軽くて、喉が痛くなくて、




隣に大事な人がいて、常に楽しくて、







………………夢を見ていると言われた方が納得出来るくらい、幸せだった。







ーーー


買い物をして、一緒にゲームして、夕飯を食べて、



夜は一緒に眠って、




「……ね、大好きだよ、東。」
「…あぁ、俺も」




大好きな東、僕だけの東、絶対離したくなんかない





「東…………僕から離れないで、1人にしないで」






暖かい、この人がいてくれるから




常に幸せで安心できて、満たされている







……………………でも、








(あれ……?僕は、離れないで欲しかった?)




僕から、東が





離れないで欲しかったんだっけ……?









……途端、脳裏に浮かんだ。



『東…お願い、もう、』




…………もう、




もう、………………?







「ッ……」
「真冬?」




頭が痛い。


この先が思い出せない。






息が切れていて苦しくて、



後ろからあの人が歩いてきて、






(……………………あの人?)






浮かび出された情景にどんどん疑問が湧いてくる。



ここはどこなんだろう、これは何なんだろう





………………思い出すのが怖い。






「真冬…大丈夫か?頭が痛いなら、くす」




自分でも驚く程に体が勝手に動いてた。




「ん…ッ、…は、まふゆ、なんだよ急に」



ベッドに眠る東の口の中に自分の舌をいれた。




「……あ、ごめ………」




たまにこうなってしまう、思い出したくないことを思い出しそうになった時の癖。



「疲れてるんだろ?…ほら、思い詰めてないで俺に相談しろ」




優しい東は僕の背中に腕を回して優しく抱きしめてくれてた。




…………苦しい、苦しくてたまらない




東の優しさに溺れていくのが、辛い。







「真冬は俺だけのものだから、ずっと大事にするから…………だから、」





だから、







『離れないでね』








………………










今の声は、東じゃ無かった。










ーーー


「あずま、あずま……、…ッあ、うぁ”…………」



いつからこんなことをする仲になったのか、それはもう遠い昔のことのような気がする。


「性行為」とも呼ばれるそれは、頭がふわふわして嫌な事がすぅっと消えていく。




「ね……どこにも行かないで?僕から逃げないで…?」




ここから逃げないで




愛して、僕を、もっと、たくさん、





壊れるまで、ずっと、








………………………………………










ーーー


「おやすみ、東」
「おやすみ!真冬。」



そう言って目を閉じて、次に目が覚めたらまた次の1日が始まる。




満たされた幸せな気持ちで、目を閉じた。









………………………………













そして目が覚めたら、真っ暗な部屋の中にいた。







「え………………」






そこでは僕は身動きを取れなくて、ただずっと………暗い天井を見ているだけ。




(やだ、怖い、ここどこ)





あずまはどこ、ぼくのあずま






「東…………」






1人ぼっちの部屋。



怖くて、汗が止まらない。








扉が開く音が聞こえた。








「おはよー……、……真冬。」







その声は東じゃない。






「李世…………」






僕の、友達。





「……李世…これ……はずして、」



勇気を出して出てきた声は小さくて酷く震えていた。




「あれぇ?…何言ってるの真冬、外したいなんて久々に聞いた」




けど李世は笑って、更なる絶望を押し付けてきた。






「……っあ、あぁ”ぁ”ぁ”ッ!!!!」







…………体中に電流が走った。


息が荒れて、汗が流れてくる。






「はぁッ、はぁ、」



呼吸が上手くできない…………





「楽しい夢でも見てたのかな?あずまあずまって、何度も呼んで…………」
「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」




そうだ、





現実はこっちだった。






(監禁されて、身動き取れないよう縛り付けられて、悪い事したら全身に電気を流されて)





李世がどうしてこうなってしまったのか、分からない。





…………日に日に李世はおかしくなっているようだった。






「真冬はボクを1人なんてしないよね………、離れないよね?」



李世がおかしくなったのは、僕のせい。





「ねえ真冬、もっと愛して欲しいよね…?沢山満たされたいよね?

じゃあボクに沢山頂戴?もう空っぽになりそう、だから早く」




…………あの日から李世はどうもおかしくて、




でもその原因は僕にもあるんじゃないかって、





「真冬、このブレスレットあげる。ちゃんと付けてね」




もらったブレスレットを外すことが出来なくて、





「な……なに、これ、なんで」





李世の機嫌を損ねる度にそのブレスレットが強い電流を流した。





「東…お願い、もう」




東と会えた時だって、





「……はッ、はぁ、はぁ……、…ッあ”!!」





後ろから李世が来ていると思うだけで過呼吸がして、東に伝えるより前に電流を流されてしまった。




「…………っ」





それが異常に強くて、気絶してしまった。







「……大丈夫です、少し気を失ってるだけですから。」






薄れていく意識の中で思った。





僕は、李世から逃げられないんだって。









「東…お願い、もう」







……………………もう、











「ねぇ真冬、真冬はボクを1人にしないよね……?ボクから逃げないよね?」










もう、僕達には関わらないで。









「……真冬はボクから逃げられないんだよ。…ねぇ、どこにも行かないでね、真冬。」









早く、ここから逃げて。












…………なんて、もう伝えられないけど。













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