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第一章
第3話 ピンチは、チャンス?
しおりを挟むまずは、ゆっくり息を吸い何処か身体の異常が無いか、探る。
よし、行ける!
このピンチに、俺のオラクルが、もしかしたら発現するかもしれないと一つの希望で今は、動く!
「ロルト! お前のオラクルで、なんとかしてくれ! 俺は、ヤツの注意を引くから!」
よく観察しろ、よく観察しろ、上から下まで、何か絶対にあるはずだ!
…………無い。
そんな上手くいかないか。
俺が前、後ろにロルト、ヤツを挟んで、円を描く様にゆっくりと廻る。
爬虫類の目で、交互に前、後と、注意を配ってる。
あれだ!
あの目だ!
幸いここは、森、色々な物がある。
周囲に目を向ける。
ヤツも、挟まれてる事に経験が無いらしく
警戒している。
ロルトの方を見る。
目が会うと、頷く。
何の頷ずきだか、よく分からないけど、
取りあえず頷き返す。
ゆっくりと、ゆっくりと、目当ての物に近づいて行く。
そして右脚の爪先を少し掘れた土に引っ掛け
準備する。
よし!
またロルトの方を見る。
また頷く。
またロルトの方を見る。
また頷く。
笑いが、込み上げてきたのをグッと堪え。
大きな声で!
「いくぞー!」
その瞬間、ヤツが、こちらを向いてくる。
右脚を高くつきあげ、ヤツの目に向け土を被せる。
そしてヤツ目掛けて、ダッシュをする。
だが、その瞬間ヤツは、首をクイッと下に逸らす。
土は、空に舞った。
残念~!
実は、二段構えなのよー。
右手に握ってるお目当てを、その下がった
目に擦りつける。
そして
「イギャーー」と叫びを発する!
目当てはヤケド草になる実だった。
こいつは、外敵から身を守る為に実が潰れると、ヤケドをするぐらい高温を出す実で、そいつを、目にみやったまで。
「ロルトー!」
今が、チャンスと思って見ると、ロルトの
顔に土が!
そこまで、計算に入れてなかった……
自分の足を見る。
オラクルが発現する気配もまったく無い。
「目見えなくてもいいから、能力使って思っきり目の前を攻撃してくれ!」
その声に反応して、1度動作が、止まる。
覚悟決めたのか、また動作に入る。
ロルトは、ゆっくり腰を落とした。
さっきの体勢だ。
そうすると、いきなりロルトの靴が、今まで一番の灰色のオーラを纏いだす。
まだヤツは、叫びをあげ槍も放り出し顔を、押さえてる。
「2歩前! 思っ切り決めろーー!」
1歩!
2歩!
………?
ロルトは、思っ切り踏み込んだ。
右足が、綺麗な水平を描いて、
ヤツの脇腹に入る!
その瞬間ヤツの身体が、一瞬弓のようにしなったかと思うと力なく、ドサッと、崩れた。
いい所にはいったとは、いえ一撃。
十分な能力試しになった。
リザードマンは、完全に絶命している。
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