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第二章 高校二年生(一学期)
おうじさま(美久里)
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四時限目が終了した後のこと。
「美久里、葉奈。今日は弁当、みんなで食べねーか?」
突然朔良が声をかけてきた。
みんな……というと、他のクラスにいる萌花や紫乃や瑠衣も一緒に、ということだろうか。
「おー、いいっすね!」
「私も賛成だけど……なにかあるの?」
いつも基本的に、朔良は他のクラスにいるみんなを誘ったことがなかった。
みんなから来てくれる時もあれば、美久里か葉奈がみんなを誘って食べることが多かったのだ。
そういうのはあまり積極的ではない朔良が、なぜ今日に限って「みんなで食べよう」と言い出したのだろうか。
「まー、いいからいいから。もうみんな誘っといたから」
「え、わ、わかった……」
まあ、それほど深い意味はないだろう。
美久里もみんなを誘う時に深い意味なんて持っていないし。
なるべく気にしないようにして、葉奈と一緒に朔良に続いた。
「着いたぜー」
朔良はそう言って扉を開けた。
ここは屋上。前にも朔良と、そしてみんなと来たことがある。
だが、そこに一人だけ知らない人が混じっていた。
「ふえぇ……? だ、だれ……?」
美久里は久しぶりにコミュ障を発揮した。
その赤髪赤目の、青年にも見える少女に対して少しおびえる。
「え、ボクもしかして速攻嫌われた?」
「あー、美久里ちゃんは最初はあんな感じなので気にしなくてもいいですよ」
「とりあえず挨拶とか自己紹介とかしたら~? まずはそれからだよ~」
「そ、それもそうだね。では失礼して……」
その赤髪少女が、戸惑っている美久里と葉奈の前に立つ。
そして、王子様のように敬礼する。
「はじめまして、ボクは柚。えっと、美久里さんに葉奈さんだよね。話は聞いてるよ。二人ともよろしくね」
見事な爽やか王子様スマイルだ。
どこかのおとぎ話からそのまま飛び出してきたように見える。
だがそれに億さず、葉奈はいつものお調子者っぽい感じで応える。
「はじめまして、うちは葉奈っす。柚はかっこいいっすね~」
もう呼び捨てにしている!
自分もあれくらいやった方がいいのかと、美久里の自己紹介のハードルが上がってしまった。
「あ、えと、私は美久里……ですっ。ふつつか者ですがっ、よろしくお願いしますっ!」
「あはは、なんだか結婚するみたいだね」
「け、けっこ……!?」
さらっと柚が放った言葉に、美久里の頭はオーバーヒートしてしまった。
「ぷしゅぅ……」
「お、おい、大丈夫か!?」
「ぷしゅぅって自分から言って倒れる人初めて見たっす」
倒れてしまった美久里に朔良は心配そうに駆け寄り、葉奈は面白そうに見物している。
萌花と紫乃と瑠衣は、我関せずという感じで黙々と三人だけでお弁当を食べている。
こんなカオスな状況にツッコミを入れるものはいなかった。
「さてと、ボクはもう行こうかな。木々が騒がしいから、少し様子を見てくるよ」
「お、これは厨二病ってやつっすかね……」
「じゃあね、みんな! アデュー!」
葉奈のつぶやきは柚には聞こえていなかったようで、柚は風のように去っていった。
「お、おい、美久里! しっかりしろ!」
「うぁぁ……王子様……?」
「しっかりしろ、あたしは王子なんかじゃねぇ!」
「……なにやらこっちも面白いことになってるっぽいっすね」
美久里は目を薄く開け、朔良のことを「王子様」と呼ぶ。
それを近くで見ていた葉奈は、なにやらメモを取っている。
おそらく、小説のネタにでもする気だろう。
「ん、このたこさんウィンナー美味しい~……!」
「えへへ、瑠衣の手作りなのにゃ。もえにゃんもはい。あーんにゃ」
「え、あ、はい。あー……ん」
そんな美久里たちを無視して、紫乃と瑠衣と萌花は三人だけでイチャイチャしていた。
「美久里、葉奈。今日は弁当、みんなで食べねーか?」
突然朔良が声をかけてきた。
みんな……というと、他のクラスにいる萌花や紫乃や瑠衣も一緒に、ということだろうか。
「おー、いいっすね!」
「私も賛成だけど……なにかあるの?」
いつも基本的に、朔良は他のクラスにいるみんなを誘ったことがなかった。
みんなから来てくれる時もあれば、美久里か葉奈がみんなを誘って食べることが多かったのだ。
そういうのはあまり積極的ではない朔良が、なぜ今日に限って「みんなで食べよう」と言い出したのだろうか。
「まー、いいからいいから。もうみんな誘っといたから」
「え、わ、わかった……」
まあ、それほど深い意味はないだろう。
美久里もみんなを誘う時に深い意味なんて持っていないし。
なるべく気にしないようにして、葉奈と一緒に朔良に続いた。
「着いたぜー」
朔良はそう言って扉を開けた。
ここは屋上。前にも朔良と、そしてみんなと来たことがある。
だが、そこに一人だけ知らない人が混じっていた。
「ふえぇ……? だ、だれ……?」
美久里は久しぶりにコミュ障を発揮した。
その赤髪赤目の、青年にも見える少女に対して少しおびえる。
「え、ボクもしかして速攻嫌われた?」
「あー、美久里ちゃんは最初はあんな感じなので気にしなくてもいいですよ」
「とりあえず挨拶とか自己紹介とかしたら~? まずはそれからだよ~」
「そ、それもそうだね。では失礼して……」
その赤髪少女が、戸惑っている美久里と葉奈の前に立つ。
そして、王子様のように敬礼する。
「はじめまして、ボクは柚。えっと、美久里さんに葉奈さんだよね。話は聞いてるよ。二人ともよろしくね」
見事な爽やか王子様スマイルだ。
どこかのおとぎ話からそのまま飛び出してきたように見える。
だがそれに億さず、葉奈はいつものお調子者っぽい感じで応える。
「はじめまして、うちは葉奈っす。柚はかっこいいっすね~」
もう呼び捨てにしている!
自分もあれくらいやった方がいいのかと、美久里の自己紹介のハードルが上がってしまった。
「あ、えと、私は美久里……ですっ。ふつつか者ですがっ、よろしくお願いしますっ!」
「あはは、なんだか結婚するみたいだね」
「け、けっこ……!?」
さらっと柚が放った言葉に、美久里の頭はオーバーヒートしてしまった。
「ぷしゅぅ……」
「お、おい、大丈夫か!?」
「ぷしゅぅって自分から言って倒れる人初めて見たっす」
倒れてしまった美久里に朔良は心配そうに駆け寄り、葉奈は面白そうに見物している。
萌花と紫乃と瑠衣は、我関せずという感じで黙々と三人だけでお弁当を食べている。
こんなカオスな状況にツッコミを入れるものはいなかった。
「さてと、ボクはもう行こうかな。木々が騒がしいから、少し様子を見てくるよ」
「お、これは厨二病ってやつっすかね……」
「じゃあね、みんな! アデュー!」
葉奈のつぶやきは柚には聞こえていなかったようで、柚は風のように去っていった。
「お、おい、美久里! しっかりしろ!」
「うぁぁ……王子様……?」
「しっかりしろ、あたしは王子なんかじゃねぇ!」
「……なにやらこっちも面白いことになってるっぽいっすね」
美久里は目を薄く開け、朔良のことを「王子様」と呼ぶ。
それを近くで見ていた葉奈は、なにやらメモを取っている。
おそらく、小説のネタにでもする気だろう。
「ん、このたこさんウィンナー美味しい~……!」
「えへへ、瑠衣の手作りなのにゃ。もえにゃんもはい。あーんにゃ」
「え、あ、はい。あー……ん」
そんな美久里たちを無視して、紫乃と瑠衣と萌花は三人だけでイチャイチャしていた。
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