個性派JK☆勢揃いっ!【完結済み】

M・A・J・O

文字の大きさ
237 / 239
最終章 みんなのキズナ

それぞれのさきへ(美久里)

しおりを挟む
 雨が降って、より一層地が固まった美久里たちの卒業式がやってきた。
 長かったような、短かったような三年間。
 様々なことがあった。

 その多くは、美しい思い出として記憶に残り続けることだろう。
 いや、逆に記憶に残らないかもしれない。
 だってこれからも、みんなと一緒に同じ道を歩き続けるのだから。

「おーい、美久里ー!」

 朔良が校門前で美久里のことを呼んでいる。
 思えば、朔良に声をかけてもらえたことで楽しい日々が始まったのだった。
 そう思うと、なんだか感慨深い。

「もうみんな待ってますよー!」

 萌花は小さな身体で、大きく手を振る。
 最初は頭のいい優等生としか知らなかったが、色々と面白い子だった。
 これからも変わらず、小さな身体のままでいてほしい。

「美久里ちゃんやっと来たんだ~。遅いよ~」

 紫乃はあくびをしながら、急いできた美久里を見る。
 紫乃を見ていると、なんだかとても懐かしい気持ちになる。
 あの忌々しい記憶に優しい光が差すような。

「美久里もついにここでマイペースキャラになるんすかぁ?」

 葉奈は、息を切らす美久里にペットボトルのお茶を渡しながらからかう。
 掴みどころのない感じの印象だが、根は優しい子だ。
 渡されたペットボトルは飲みかけだけど。

「みくにゃんってば、はなにゃんにそう言われるほどの子だったんだにゃぁ」

 瑠衣は面白そうに微笑む。
 妖艶な出で立ちと幼い中身は、相反しているように見えても相性がいい。
 それにトリコになる子も結構いただろう。

「まあ、少しくらいなら神も許してくれるんじゃないかな」

 柚は優しげな表情で、よくわからないことを口にする。
 柚との出会いは二年生からだったが、キャラが濃くて第一印象が強い。
 美久里は未だにあれを思い出すと赤面してしまう。

「……ここにツッコミ役はいないのね」

 ……そして、いつものメンバーの中に愛杏がいる。
 なんだか複雑な気持ちはあるが、今まで過ごしてきて根っからの悪い人ではないことはわかった。
 愛杏が口を開くたびに身構えてしまうようになったけど。

「この校舎と、みんなと、もうお別れなんだね……」
「なに言ってんだ。あたしらの進路が変わろうと、あたしたちの関係はずっと変わらねぇだろ?」
「そうですそうです! まだみんなと一緒にしたいこと、たくさんあるんですから!」

 桜の花はまだ遠く。だけど、それが芽吹き始めていることは実感できた。

「花火大会行きたいし~、スイパラとかもいいよね~。あと遊園地とか動物園とか~」
「みんな大学進学なのは同じっすし、夏休みとか春休みとか利用して行きたいっすよね!」
「ボクは専門学校行くんだけど」
「そんなことはどうでもいいでしょ!?」

 みんなバラバラになったとしても、美久里たちの関係は形を変えつつ、これからも結びついていくだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地! 恋に仕事に事件に忙しい! カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m

宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です!~次期伯爵公の溺愛戦略~

白妙スイ@1/9新刊発売
恋愛
男爵令嬢、アマリア・エヴァーレは絵を描くのが趣味の16歳。 あるとき次期伯爵公、フレイディ・レノスブルの飼い犬、レオンに大事なアトリエを荒らされてしまった。 平謝りしたフレイディにより、お詫びにレノスブル家に招かれたアマリアはそこで、フレイディが肖像画を求めていると知る。 フレイディはアマリアに肖像画を描いてくれないかと打診してきて、アマリアはそれを請けることに。 だが絵を描く利便性から、肖像画のために契約結婚をしようとフレイディが提案してきて……。 ●アマリア・エヴァーレ 男爵令嬢、16歳 絵画が趣味の、少々ドライな性格 ●フレイディ・レノスブル 次期伯爵公、25歳 穏やかで丁寧な性格……だが、時々大胆な思考を垣間見せることがある 年頃なのに、なぜか浮いた噂もないようで……? ●レオン フレイディの飼い犬 白い毛並みの大型犬

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」 高らかに宣言された婚約破棄の言葉。 ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。 でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか? ********* 以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。 内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。

婚約者はこの世界のヒロインで、どうやら僕は悪役で追放される運命らしい

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
僕の前世は日本人で25歳の営業マン。社畜のように働き、過労死。目が覚めれば妹が大好きだった少女漫画のヒロインを苦しめる悪役令息アドルフ・ヴァレンシュタインとして転生していた。しかも彼はヒロインの婚約者で、最終的にメインヒーローによって国を追放されてしまう運命。そこで僕は運命を回避する為に近い将来彼女に婚約解消を告げ、ヒロインとヒーローの仲を取り持つことに決めた――。 ※他サイトでも投稿中

王弟が愛した娘 —音に響く運命—

Aster22
恋愛
弟を探す旅の途中、身分を隠して村で薬師として生きていたセラは、 ハープの音に宿る才を、名も知らぬ貴族の青年――王弟レオに見初められる。 互いの立場を知らぬまま距離を縮めていく二人。 だが、ある事件をきっかけに、セラは彼の屋敷で侍女として働くことになり、 知らず知らずのうちに国を巻き込む陰謀へと引き寄せられていく。 人の生まれは変えられない。 それでも、何を望み、何を選ぶのかは、自分で決められる。 セラが守ろうとするものは、弟か、才か、それとも―― キャラ設定・世界観などはこちら       ↓ https://kakuyomu.jp/my/news/822139840619212578

幼き改革者、皇孫降臨 〜三歳にして朝廷を震わせる〜

由香
キャラ文芸
瑞栄王朝の皇孫・凌曜は、わずか三歳。 泣かず、騒がず、ただ静かに周囲を見つめる幼子だった。 しかしその「無邪気な疑問」は、後宮の不正を暴き、腐敗した朝廷を揺るがしていく。 皇帝である祖父の絶対的な溺愛と後ろ盾のもと、血を流すことなく失脚者を生み、国の歪みを正していく凌曜。 やがて反改革派の最後の抵抗を越え、彼は“決める者”ではなく、“問い続ける存在”として朝廷に立つ。 これは、剣も権謀も持たぬ幼き改革者が、「なぜ?」という一言で国を変えていく物語。

処理中です...