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19.04.30
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施設ではアサーションという考え方が大切だと言われている。ざっくり言うと、相手のことを考えて、否定せずに自分の主張をしましょう、という感じだ。この考え方は施設全体で守られなければならないルールとして、通所者全員に共有され、強要されている。施設ではグループワークを度々行うが、かこのルールに従っている為、とても温いワークになる。争いは起こらない。意見が合わなくても、そういうこともあるんですね、となあなあで終わる。これはリハビリだから、それで良いというのもわかる。しかし、一度駄目になっている私は、会社がこんなものではない、と知っているのではないか。どれだけ歩み寄ろうとしても、理解を得られない。明らかに向こうに非があっても、通らない。理不尽が幅をきかせている。その時、この施設で学んだ技法を使ったところで、それは私の中の認識を変えるだけで、理不尽には対抗出来ない。私は抑圧されて終わる。力不足なだけだと思うが、私はここで闘う方法を学びたい。闘って負けても、再び闘える技法を知りたい。明らかに相手が強くても、抵抗出来る力を。講座を受けながら、ずっとそんなことを考えている。
昨日からの続き。ひまチャットというアプリで、私は承認欲求や性への欠乏を歪んだ形で癒していた。昨日書いたように、そこでのコミュニケーションの取り方は、いきなり卑猥な言葉をぶつけるという、如何にも匿名を傘にした常套手段を用いていた。
ある時、いつも通り「やらせてください!」と送っていると、「いいよ」と返してくれた人がいた。別にこの反応はそこまで珍しいものではなく、1日やっていれば何回か当たるタイプだ。大抵本気にしていないか、遠方に住んでいるかで、しつこく住んでいる場所を聞いたり、遠方に乗り込みにいくぞ、みたいなことを言っている間に返答がなくなるのが常だ。
しかし、その相手は逆にしつこい人だった。住んでいる場所は近かった。相手は何故か乗り気だった。ブサイクとするのは嫌だから、顔写真を送って欲しいと言われた。臆したのは私の方だった。
「容姿に自信がないから、やっぱりごめん」
「結構ブサイクともやっているから、大丈夫だよ」
「ごめんなさい」
「ビビるなってw」
こんなやり取りのあと、ブロックをした。相手を苛めるつもりが、こっぴどくやり返されてしまった。相手が本当に女性だったのか、やらせてくれる人だったのかは関係ない、ただ押し負けた気分が嫌だった。匿名の場所に逃げ込んで、醜い自分を見せてまで負けることは、顕名で敗北するよりもずっと不快だった。
他にも「いいよ」、「写真くれ」パターンにあったことがある。そのアカウントの場合は、プロフィール写真を丁寧に本人画像にしていたこともあり、自分も公開しているのだから、あなたのも見せてくれ、みたいな話をしてきた。確かに写真であったし、それは可愛かったのだが、私は本当にやりたかった訳ではなく、写真を見せるのは絶対に嫌だったので、それを断り、更に彼女のプロフィール写真をスクショして画像検索を行った。すると見事にTwitterとInstagramが発見され、所属している大学名や他の写真まで見つかったので、その写真を送ってやった。
「は?どしたのこれ?」
相手の明らかな動揺が愉快で、あなたのことを私は知っているよ、とか返した。
「冷めたからいいわ」
それで終わりだった。これには勝った感じがした。恐らく本人ではないだろうが、自身の失策を指摘されて動揺するところは楽しかったし、万が一、本人若しくはその友人であれば、連絡を絶った後も怯えているかもしれない。今でも時々そのアカウントを見直している。ついこの前に大学を卒業していた。
こんな風にひまチャットを楽しんでいた、と言っても結局これでは何にもならない。ここではもう少し意味のある関わりがあった、と言ったはずだが、こんな端のことを書いていたら、かなりの文量になってしまった。
細かい話は明日以降に続ける。
昨日からの続き。ひまチャットというアプリで、私は承認欲求や性への欠乏を歪んだ形で癒していた。昨日書いたように、そこでのコミュニケーションの取り方は、いきなり卑猥な言葉をぶつけるという、如何にも匿名を傘にした常套手段を用いていた。
ある時、いつも通り「やらせてください!」と送っていると、「いいよ」と返してくれた人がいた。別にこの反応はそこまで珍しいものではなく、1日やっていれば何回か当たるタイプだ。大抵本気にしていないか、遠方に住んでいるかで、しつこく住んでいる場所を聞いたり、遠方に乗り込みにいくぞ、みたいなことを言っている間に返答がなくなるのが常だ。
しかし、その相手は逆にしつこい人だった。住んでいる場所は近かった。相手は何故か乗り気だった。ブサイクとするのは嫌だから、顔写真を送って欲しいと言われた。臆したのは私の方だった。
「容姿に自信がないから、やっぱりごめん」
「結構ブサイクともやっているから、大丈夫だよ」
「ごめんなさい」
「ビビるなってw」
こんなやり取りのあと、ブロックをした。相手を苛めるつもりが、こっぴどくやり返されてしまった。相手が本当に女性だったのか、やらせてくれる人だったのかは関係ない、ただ押し負けた気分が嫌だった。匿名の場所に逃げ込んで、醜い自分を見せてまで負けることは、顕名で敗北するよりもずっと不快だった。
他にも「いいよ」、「写真くれ」パターンにあったことがある。そのアカウントの場合は、プロフィール写真を丁寧に本人画像にしていたこともあり、自分も公開しているのだから、あなたのも見せてくれ、みたいな話をしてきた。確かに写真であったし、それは可愛かったのだが、私は本当にやりたかった訳ではなく、写真を見せるのは絶対に嫌だったので、それを断り、更に彼女のプロフィール写真をスクショして画像検索を行った。すると見事にTwitterとInstagramが発見され、所属している大学名や他の写真まで見つかったので、その写真を送ってやった。
「は?どしたのこれ?」
相手の明らかな動揺が愉快で、あなたのことを私は知っているよ、とか返した。
「冷めたからいいわ」
それで終わりだった。これには勝った感じがした。恐らく本人ではないだろうが、自身の失策を指摘されて動揺するところは楽しかったし、万が一、本人若しくはその友人であれば、連絡を絶った後も怯えているかもしれない。今でも時々そのアカウントを見直している。ついこの前に大学を卒業していた。
こんな風にひまチャットを楽しんでいた、と言っても結局これでは何にもならない。ここではもう少し意味のある関わりがあった、と言ったはずだが、こんな端のことを書いていたら、かなりの文量になってしまった。
細かい話は明日以降に続ける。
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