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19.06.10
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慣らしの労働をする総務課に入った。緊張はしたけれど、問題なく出社をすることが出来た。朝礼があり一応復帰しましたと全員の前で述べるものの、関係がある人は殆どおらず、私が復帰しようがしまいがどうでも良さそうで、強いて言うなら不労所得で生き長らえていた奴とでも思われているのだろう。しかし、この部署はそういう経験を経た人が多くいるので、そこまで気に病むことはないはずだ。特にするべきこともなく、久し振りにパソコンでExcelを開いて画面を見続けたり、封筒に紙を入れて発送する内職みたいなことをした。当たり前に全体として暇だったが、今週は午前中だけなのですぐに帰ることが出来てよかった。半日だけならば、やはり疲れない。しかし、これが明日も明後日も続くと思うと懐かしくも嫌になってしまう。これは当たり前のことのようで、長く休んでいただけに奇妙なことに思えてしまう。何はともあれ、また労働が始まってしまった。
昨日からの続き。同期が転職すると聞いて、そういう手もあるのだなという気になってきた。会社への戻りたくなさは決して労働のしたくなさと結び付いている訳ではなかった。労働がしたくないことは事実以外の何物でもなかったが、それは別の次元というか順番が違った。そもそも父の浮気を発端にやる気が失せていたわけだが、何にも相談せずに自分で別の場所へ行くことを選択すれば築かれた規範とか古い価値観に勝てる気もした。何を言っているかわからないと思うが、私は私で私のいる場所を決める必要があると思ったということだ。
当時はそんなことを考えていたけれど、つい先日思想家で批評家の東浩紀さんがTwitterで「自分が決めたのではないと思ったほうが長続きする」と書いていて、それは哲学では散々語られた話らしく、私は何周も遅れているのだなと感じた。車輪の再発明的だ。車輪の再発明という言葉は好きだ。意味はネガティブなものなのだけれど。
時系列が混乱してくるが、1年前に戻ると、その哲学の歴史は知らずに私は自分で選択をしないといけないと考えたのだが、その同期会の翌週に前の部署の上司との会が開かれた。
私が入社をしてから4年間世話になった人でかなりよくしてくれて、この人の下だったから私は前の部署では病まなかったのだと思う。わざわざ私のアパートの最寄り駅まで来てくれた。これも久しぶりの再開で、取り敢えずは無事で何よりという会話をして、駅前のチェーンの居酒屋に入った。
大変だったな、みたいな話をしてもらい、最近の部署周辺の話題を聞いて、これからをどうしていくのかみたいな話をした。先のことなんて殆ど考えていなかったが、その上司が転職組であることを思いだし、どうして転職したのかを聞いてみるとそこには大した理由もなく、なんとなく仕事が辛かったからだと答えた。その質問の意図を察してか、上司は私に会社へ残って欲しいとは思いつつも、それは私の自由だと言った。言われなくても、当たり前のことだった。
この2週続けての飲み会で、私は急に環境を変えたくなってきた。今まで流れてきただけに思える自分を断ってやり直したいという気持ちに。会社での失敗も後輩の女子との不和も父の不貞も、嫌なもの全てに別れを告げよう。私は転職をしようと決めた。
細かい話は明日以降に続ける。
昨日からの続き。同期が転職すると聞いて、そういう手もあるのだなという気になってきた。会社への戻りたくなさは決して労働のしたくなさと結び付いている訳ではなかった。労働がしたくないことは事実以外の何物でもなかったが、それは別の次元というか順番が違った。そもそも父の浮気を発端にやる気が失せていたわけだが、何にも相談せずに自分で別の場所へ行くことを選択すれば築かれた規範とか古い価値観に勝てる気もした。何を言っているかわからないと思うが、私は私で私のいる場所を決める必要があると思ったということだ。
当時はそんなことを考えていたけれど、つい先日思想家で批評家の東浩紀さんがTwitterで「自分が決めたのではないと思ったほうが長続きする」と書いていて、それは哲学では散々語られた話らしく、私は何周も遅れているのだなと感じた。車輪の再発明的だ。車輪の再発明という言葉は好きだ。意味はネガティブなものなのだけれど。
時系列が混乱してくるが、1年前に戻ると、その哲学の歴史は知らずに私は自分で選択をしないといけないと考えたのだが、その同期会の翌週に前の部署の上司との会が開かれた。
私が入社をしてから4年間世話になった人でかなりよくしてくれて、この人の下だったから私は前の部署では病まなかったのだと思う。わざわざ私のアパートの最寄り駅まで来てくれた。これも久しぶりの再開で、取り敢えずは無事で何よりという会話をして、駅前のチェーンの居酒屋に入った。
大変だったな、みたいな話をしてもらい、最近の部署周辺の話題を聞いて、これからをどうしていくのかみたいな話をした。先のことなんて殆ど考えていなかったが、その上司が転職組であることを思いだし、どうして転職したのかを聞いてみるとそこには大した理由もなく、なんとなく仕事が辛かったからだと答えた。その質問の意図を察してか、上司は私に会社へ残って欲しいとは思いつつも、それは私の自由だと言った。言われなくても、当たり前のことだった。
この2週続けての飲み会で、私は急に環境を変えたくなってきた。今まで流れてきただけに思える自分を断ってやり直したいという気持ちに。会社での失敗も後輩の女子との不和も父の不貞も、嫌なもの全てに別れを告げよう。私は転職をしようと決めた。
細かい話は明日以降に続ける。
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