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対リーベ戦 降注ぐ絶望の光
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ツクヨに助けてもらい、何とか外に出ることができたミアは、建物が立ち並ぶ街の路地をリーベに悟られないように移動する。
大通りや上空を確認しながら、音を立てないよう静かに窓から民家へと入る。
宙を浮遊しながら移動してくるリーベにとって、民家に入られるのが最も獲物を見失いやすいと考えての行動だった。
床の軋む音さえ立てないよう、細心の注意を払い移動するミア。
そんな彼女へ、リーベは驚くべきもので攻撃を仕掛けてきた。
ミアが民家の部屋を移動し、窓から出てまた隣の民家へ静かに入りながら移動していると、後方の方から光を放つ何かが近づいてくるのが分かった。
咄嗟に一室の壁に張り付き息を潜めて、その何かが通り過ぎるのを待つことにしたミア。
口に手を当て、息を殺していると、それは壁をすり抜けながら進んできた。
「・・・ッ!? 」
驚きに目を見開いて必死に漏れそうになる声を押し殺しながら、それの通過を見るミア。
光輝くそれは、何と巨大な“光の矢”だったのだ。
ゆっくりと進みながら、巨大な光の矢は壁をすり抜け、まるでミアを探す猟犬のように進んでくる。
額に冷や汗をかきながら、一切の音を立てないように身動き一つしないミア。
そして矢が、ミアのいる部屋を通り過ぎようかとした時、何処からかリーベの声がしだした。
「何処に隠れようと無駄ですのよ?ミアさん。 私には貴方の位置が手に取るようにわかりますの。 それに・・・、狭い民家へ逃げ込んだのは得策では有りませんことよ?」
巨大な光の矢は、ミアのいる部屋の前で止まると、徐々にその光を強めていき、そして・・・爆発した。
「・・・ッ!!」
ナーゲルと戦っていた時に使っていた光の矢くらいの大きさをした矢が、無数に爆散し、有りとあらゆるものに突き刺さっていく。
「ああぁぁッ・・・!!」
実際の矢が足や身体に刺さったかのような激痛が走り、思わず声が漏れる。
しかし、爆発による民家の破損は勿論、ミアに刺さった光の矢も全て小さな光の粒子となって消えていき、ミア自身の身体にも傷一つ付いていない。
飛び散った光の矢達は、何かに当たると反射し軌道を変えて飛んできており、その反射してきた光の矢が更にミアを襲う。
「うぅッ・・・! ぁぁぁあああッ!!」
無数に反射してくる光の矢達の軌道が全く読めず、何発かくらいながらも、ミアは窓ガラスに突っ込み、外へと逃げ出す。
「・・・はぁッ・・・はぁッ! なんて攻撃だッ・・・! こんなものくらい続けてたらッ・・・!」
路地裏に飛び出したミアは、地面に映る人影にゾッとし、上空を見上げる。
「早く逃げなくてよろしいのかしら・・・? そこは危なくてよ?」
宙に浮いたリーベが、上に手を上げると、周囲に無数の光の球が現れはじめ、その手をミアへ振り下ろすと、光の球はその姿を矢に変え、雨のように降り注ぐ。
「・・・クソッ! まだ身体がッ・・・!」
そう言いながらも、痛みに耐えながら無理やり身体を動かして走り出す。
降り注がれた光の矢は、何本か地面に突き刺さり、土煙を上げるが、何本かは反射し、逃げるミアを追うように飛んでいくと、彼女の足に刺さり転んでしまう。
「ぐッ・・・! あああぁぁッ・・・!!」
身体を起こし、後ろを振り返るミアに、更に追い討ちをかけるように光の矢が、数本飛んでくる。
とても逃げ切れないと思い、今度は二丁のハンドガンを取り出すと、飛んでくる光の矢に向けて発砲する。
しかし、銃弾は光の矢に命中するとすり抜けてしまい、その勢いを止めることすら叶わない。
銃を手放し、咄嗟に頭を守るように両腕で覆うと、飛んできた数本の光の矢によって、ミアの身体は壁まで吹き飛ばされ、民家へと叩き込まれる。
朦朧とする意識の中で、ミアの心が折れはじめてしまう。
何処に逃げても場所がバレてしまい、何処に逃げ込んでも物体をすり抜けてくる光の矢からは逃れられない。
ミアから攻撃を仕掛ける余裕など、全くと言っていいほど作れない。
ナーゲルは、こんな相手の攻撃を避けながら反撃していたのかと、そしてそんなナーゲルでさえも、全くと言っていいほどダメージを与えられていないのを考えると、如何に自分が無力であるのかを思い知らされる。
リーベは先ほどの位置のまま、ミアが飛んで行った方を見ると、ゆっくりと手を上げ始める。
「・・・。 あらあら・・・、ミアさんが折れる前に間に合うかしら・・・ね?」
彼女はミアの他に、何かを追うように視線を送る。
そしてリーベは無慈悲にも、ミアへ向けて光の矢を放つ。
球体から形を変えた光が矢となり、ミアの倒れる民家目掛けて飛んでいき、ミアの元で砲撃が着弾したような音と共に壁を破壊し、土煙を上げる。
自分がどうなったのかも、生きているのか死んでいるのかさえ朧げな中、ミアは目をゆっくり開くと、ボヤけた視界を見せる瞳が彼女の前に起きた出来事に、徐々にピントを合わせる。
そこにいたのは、リーベの攻撃で生死が分からなくなっていた、ツクヨの姿だった。
彼は剣を地面に突き刺し、片膝をつきながら肩で息をしていた。
「王子様は間に合ったようね・・・。 でも・・・人は自分が危機に陥った時、本性を見せるもの・・・。 きっと貴方も見捨てられるわ・・・ミアさん。 そうなる前に、せめて私の手で送って差し上げますね・・・」
倒れるミアの元に立つツクヨの姿に、かつて自分の身に起きた悲劇がフラッシュバックするリーベ。
彼女が自分と同じ苦しみや悲しみに心を傷める前に、救済しなければという意志が、リーベの瞳に力を宿す。
「ミアッ・・・! まだ戦えるかい? ・・・しっかりするんだッ!」
「ツクヨ・・・。 アンタ・・・生きて・・・」
ツクヨが生きていたのは吉報ではあったが、それでもミアの中にはリーベを倒せる未来が見えなかった。
そんな彼女に、ツクヨはリーベに攻撃されて分かった事実と、ある可能性について話し出した。
そしてその話は、ミアにもう一度立ち向かう力を与えるものだった。
「いいか? よく聞いてくれミアッ! これは憶測でも予想でもないッ・・・、事実に基づいた“可能性”なんだ」
息を整えたツクヨは、ミアを抱えると建物の中へと逃げ込み、一室に彼女を降ろすと改まって、その可能性について語る。
「リーベが放つ光の矢が反射してくることは知っているかい?」
ツクヨと別れた後、民家の中で散々苦しめられたのをミアは思い出し、頷いた。
「あれはガラスや光沢のある鉄など、所謂光を強く反射する物に当たると跳ね返ってくるんだ。 君が建物から飛び出した後、私の建物に矢の雨が降り注いだ時にそれが見えた。 そして反射した光の矢は、反射を繰り返す度に小さくなる」
光の矢は文字通り、光でできた矢であるため、反射できるもので防ぐことが可能となる。
だが、ミアは一つ疑問に思った。
「だが、反射しない矢もあったぞ・・・?」
「そう・・・。 彼女は光を作り出す時に、反射する矢としない矢を分類しているんだと思う。 より凝縮させれば貫通力のある矢に、淡い光で作れば反射する矢に・・・
。 そして彼女が私達の居場所を何故把握できるのか・・・」
反射する矢についての認識はわかり、そしていよいよツクヨはリーベの索敵の秘密についての可能性、そしてミアも忘れていたある重要なことを思い出させた。
「聖騎士は、民の危険に駆けつける能力がある。 それは人々の中に入れられたある物があるからできることだと言っていた。 ・・・ミア、君が聖都に入る時に何か身体に入れられなかったか?」
そこで初めてミアは、その可能性について思い当たることがあるのを思い出した。
「そうだッ・・・! “光”を入れられた。 つまりッ!」
「そうだ。 その“光”で私達の位置を探知している可能性が高い・・・いや、そうと見て間違いないだろう。 突然距離を詰められるのもそのためだったんだ」
しかし、そこでミアはもう一つ重要なことを思い出す。
「だがこの光は取れない・・・、この国の外に行かなくてはッ・・・。 リーベはそれを許してはくれないぞ・・・」
当然、動乱の内情を知ってしまった二人をリーベが逃す筈もない。
ここで必ず仕留めようとしてくるだろう。
「そこでミアに聞きたいことがある。 もし・・・それが可能であればミア、君にも勝機がある。 だが、覚悟は必要だ・・・。 お互いにね・・・」
ミアは頭を傾げる。
ツクヨの言う勝機があるというのは、一体どういうことなのか。
そして覚悟することとは・・・。
大通りや上空を確認しながら、音を立てないよう静かに窓から民家へと入る。
宙を浮遊しながら移動してくるリーベにとって、民家に入られるのが最も獲物を見失いやすいと考えての行動だった。
床の軋む音さえ立てないよう、細心の注意を払い移動するミア。
そんな彼女へ、リーベは驚くべきもので攻撃を仕掛けてきた。
ミアが民家の部屋を移動し、窓から出てまた隣の民家へ静かに入りながら移動していると、後方の方から光を放つ何かが近づいてくるのが分かった。
咄嗟に一室の壁に張り付き息を潜めて、その何かが通り過ぎるのを待つことにしたミア。
口に手を当て、息を殺していると、それは壁をすり抜けながら進んできた。
「・・・ッ!? 」
驚きに目を見開いて必死に漏れそうになる声を押し殺しながら、それの通過を見るミア。
光輝くそれは、何と巨大な“光の矢”だったのだ。
ゆっくりと進みながら、巨大な光の矢は壁をすり抜け、まるでミアを探す猟犬のように進んでくる。
額に冷や汗をかきながら、一切の音を立てないように身動き一つしないミア。
そして矢が、ミアのいる部屋を通り過ぎようかとした時、何処からかリーベの声がしだした。
「何処に隠れようと無駄ですのよ?ミアさん。 私には貴方の位置が手に取るようにわかりますの。 それに・・・、狭い民家へ逃げ込んだのは得策では有りませんことよ?」
巨大な光の矢は、ミアのいる部屋の前で止まると、徐々にその光を強めていき、そして・・・爆発した。
「・・・ッ!!」
ナーゲルと戦っていた時に使っていた光の矢くらいの大きさをした矢が、無数に爆散し、有りとあらゆるものに突き刺さっていく。
「ああぁぁッ・・・!!」
実際の矢が足や身体に刺さったかのような激痛が走り、思わず声が漏れる。
しかし、爆発による民家の破損は勿論、ミアに刺さった光の矢も全て小さな光の粒子となって消えていき、ミア自身の身体にも傷一つ付いていない。
飛び散った光の矢達は、何かに当たると反射し軌道を変えて飛んできており、その反射してきた光の矢が更にミアを襲う。
「うぅッ・・・! ぁぁぁあああッ!!」
無数に反射してくる光の矢達の軌道が全く読めず、何発かくらいながらも、ミアは窓ガラスに突っ込み、外へと逃げ出す。
「・・・はぁッ・・・はぁッ! なんて攻撃だッ・・・! こんなものくらい続けてたらッ・・・!」
路地裏に飛び出したミアは、地面に映る人影にゾッとし、上空を見上げる。
「早く逃げなくてよろしいのかしら・・・? そこは危なくてよ?」
宙に浮いたリーベが、上に手を上げると、周囲に無数の光の球が現れはじめ、その手をミアへ振り下ろすと、光の球はその姿を矢に変え、雨のように降り注ぐ。
「・・・クソッ! まだ身体がッ・・・!」
そう言いながらも、痛みに耐えながら無理やり身体を動かして走り出す。
降り注がれた光の矢は、何本か地面に突き刺さり、土煙を上げるが、何本かは反射し、逃げるミアを追うように飛んでいくと、彼女の足に刺さり転んでしまう。
「ぐッ・・・! あああぁぁッ・・・!!」
身体を起こし、後ろを振り返るミアに、更に追い討ちをかけるように光の矢が、数本飛んでくる。
とても逃げ切れないと思い、今度は二丁のハンドガンを取り出すと、飛んでくる光の矢に向けて発砲する。
しかし、銃弾は光の矢に命中するとすり抜けてしまい、その勢いを止めることすら叶わない。
銃を手放し、咄嗟に頭を守るように両腕で覆うと、飛んできた数本の光の矢によって、ミアの身体は壁まで吹き飛ばされ、民家へと叩き込まれる。
朦朧とする意識の中で、ミアの心が折れはじめてしまう。
何処に逃げても場所がバレてしまい、何処に逃げ込んでも物体をすり抜けてくる光の矢からは逃れられない。
ミアから攻撃を仕掛ける余裕など、全くと言っていいほど作れない。
ナーゲルは、こんな相手の攻撃を避けながら反撃していたのかと、そしてそんなナーゲルでさえも、全くと言っていいほどダメージを与えられていないのを考えると、如何に自分が無力であるのかを思い知らされる。
リーベは先ほどの位置のまま、ミアが飛んで行った方を見ると、ゆっくりと手を上げ始める。
「・・・。 あらあら・・・、ミアさんが折れる前に間に合うかしら・・・ね?」
彼女はミアの他に、何かを追うように視線を送る。
そしてリーベは無慈悲にも、ミアへ向けて光の矢を放つ。
球体から形を変えた光が矢となり、ミアの倒れる民家目掛けて飛んでいき、ミアの元で砲撃が着弾したような音と共に壁を破壊し、土煙を上げる。
自分がどうなったのかも、生きているのか死んでいるのかさえ朧げな中、ミアは目をゆっくり開くと、ボヤけた視界を見せる瞳が彼女の前に起きた出来事に、徐々にピントを合わせる。
そこにいたのは、リーベの攻撃で生死が分からなくなっていた、ツクヨの姿だった。
彼は剣を地面に突き刺し、片膝をつきながら肩で息をしていた。
「王子様は間に合ったようね・・・。 でも・・・人は自分が危機に陥った時、本性を見せるもの・・・。 きっと貴方も見捨てられるわ・・・ミアさん。 そうなる前に、せめて私の手で送って差し上げますね・・・」
倒れるミアの元に立つツクヨの姿に、かつて自分の身に起きた悲劇がフラッシュバックするリーベ。
彼女が自分と同じ苦しみや悲しみに心を傷める前に、救済しなければという意志が、リーベの瞳に力を宿す。
「ミアッ・・・! まだ戦えるかい? ・・・しっかりするんだッ!」
「ツクヨ・・・。 アンタ・・・生きて・・・」
ツクヨが生きていたのは吉報ではあったが、それでもミアの中にはリーベを倒せる未来が見えなかった。
そんな彼女に、ツクヨはリーベに攻撃されて分かった事実と、ある可能性について話し出した。
そしてその話は、ミアにもう一度立ち向かう力を与えるものだった。
「いいか? よく聞いてくれミアッ! これは憶測でも予想でもないッ・・・、事実に基づいた“可能性”なんだ」
息を整えたツクヨは、ミアを抱えると建物の中へと逃げ込み、一室に彼女を降ろすと改まって、その可能性について語る。
「リーベが放つ光の矢が反射してくることは知っているかい?」
ツクヨと別れた後、民家の中で散々苦しめられたのをミアは思い出し、頷いた。
「あれはガラスや光沢のある鉄など、所謂光を強く反射する物に当たると跳ね返ってくるんだ。 君が建物から飛び出した後、私の建物に矢の雨が降り注いだ時にそれが見えた。 そして反射した光の矢は、反射を繰り返す度に小さくなる」
光の矢は文字通り、光でできた矢であるため、反射できるもので防ぐことが可能となる。
だが、ミアは一つ疑問に思った。
「だが、反射しない矢もあったぞ・・・?」
「そう・・・。 彼女は光を作り出す時に、反射する矢としない矢を分類しているんだと思う。 より凝縮させれば貫通力のある矢に、淡い光で作れば反射する矢に・・・
。 そして彼女が私達の居場所を何故把握できるのか・・・」
反射する矢についての認識はわかり、そしていよいよツクヨはリーベの索敵の秘密についての可能性、そしてミアも忘れていたある重要なことを思い出させた。
「聖騎士は、民の危険に駆けつける能力がある。 それは人々の中に入れられたある物があるからできることだと言っていた。 ・・・ミア、君が聖都に入る時に何か身体に入れられなかったか?」
そこで初めてミアは、その可能性について思い当たることがあるのを思い出した。
「そうだッ・・・! “光”を入れられた。 つまりッ!」
「そうだ。 その“光”で私達の位置を探知している可能性が高い・・・いや、そうと見て間違いないだろう。 突然距離を詰められるのもそのためだったんだ」
しかし、そこでミアはもう一つ重要なことを思い出す。
「だがこの光は取れない・・・、この国の外に行かなくてはッ・・・。 リーベはそれを許してはくれないぞ・・・」
当然、動乱の内情を知ってしまった二人をリーベが逃す筈もない。
ここで必ず仕留めようとしてくるだろう。
「そこでミアに聞きたいことがある。 もし・・・それが可能であればミア、君にも勝機がある。 だが、覚悟は必要だ・・・。 お互いにね・・・」
ミアは頭を傾げる。
ツクヨの言う勝機があるというのは、一体どういうことなのか。
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