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種族の違い
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エルフ達の準備が整い、ポータルが開く。移動先が安全であるかを確かめる為にも、最初に身を投じるのはエイリルだった。彼自身、恐怖がなかった訳ではないが、行動を共にする面子を見えれば彼以外に適任者がいないのも事実。
エイリルは目を閉じ大きく深呼吸すると、意を決してポータルの中へと飛び込んでいく。転移や移動を目的としたポータルは、基本的には向こう側の情報は入ってこない。
どんな光景で音が聞こえてくるのか。エルフ達は術を発動する全員が同じ光景を目にしている事を条件に、一斉に同じ場所をイメージして転移先、移動先へとポータルを繋げる。
または、壁や物体をすり抜けるような場合はその例に当てはまらない。あくまで物体をすり抜け向こう側へ行くのが目的であるため、単純に向こう側の状況を知ることは不可能である。
透過する物体の性質や厚みを、エルフ特有の魔力や探知能力で探り、向こう側に出るだけのものなのだ。ましてや今回の透過は、大穴に通じている筈。行く先がどこへ通じるのか分からぬまま、エイリルが飛び出したのは、足場のない底なしの大穴の中だった。
これまでうっすらと聞こえていたリフトがレールの上を擦るような音が、より鮮明に巨大な生き物が壁を這いずりながら降っていく音に聞こえてくる。土煙と瓦礫を降らせながら移動する巨大生物に巻き込まれぬよう、すぐに周囲を確認して壁の窪みを見つけると、エルフ達に合図を出し、ポータルを通るように指示する。
一行は駆け抜けるように壁まで直進する。しかしその途中、壁を這いずる巨大生物の影響で降ってきた瓦礫の一部が、妖精のエルフの一人に命中してしまう。
「お前達はそのまま真っ直ぐ進め!俺が助ける!」
巨大な生物は動くだけで周りに影響を及ぼす。大穴の中を巨大生物が下へ向かうだけで、大穴の中には地下へ向けた風が吹き始める。意識を失ってしまったエルフは、そのまま風に流されるまま下へ下へと落下していく。
そして一番危険なのは、風を巻き起こしている巨大生物に接触してしまう事だ。その巨体に比べればちっぽけな存在に過ぎない彼らが巨体に触れて仕舞えば、それだけで命に関わる。
無駄な動きを止め、空気抵抗を限りなく減らしたエイリルは急降下し、怪我をしたエルフを捕まえる。巨大生物との距離は二、三メートルもなかっただろう。
間一髪のところで救出に成功したエイリルは、他のエルフ達を避難させた壁の窪みを目指し浮上していく。風に押し戻され時間は掛かってしまったが、無事に合流を果たす。
「よかった・・・命に別状はないようですね」
「治癒魔法ですぐに意識も取り戻すだろう」
気を失ったエルフの治療を進めている間に、エリリルは身を乗り出し大穴の上を見上げる。地上へ向かうのも骨が折れそうだった。ただでさえ何処まで飛んでいけば地上に辿り着くのかも想像ができず、巨大生物が動いている以上、風も止まない。
「さて、どうしたものかな・・・」
「風が無ければ・・・私達を連れて行けますか?」
提案してきたのは、妖精のエルフの中でも最も大人しそうなエルフだった。彼女の言うように、風さえなければエイリルが他のエルフ達を連れ、登っていくことが可能だった。
「あぁ・・・それは可能だが。何か手段があるのか?」
何か手段があるかのような匂わせ事を言うエルフの一人。どうやら彼らは風の属性とは密接な関わりがあるようで、ポータルの時と同様に数にはよるものの、彼らに対する風の影響をある程度コントロールできるのだという。
一応同じエルフ族でありながら、エイリルのような人間に近いサイズのエルフの間には、そのような事ができるなどと言うことは知られていなかった。あくまで戦闘における風に特化した魔法であったり、受ける魔法の耐性や状態異常の耐性などといったものしかないと思っていたエイリルだが、彼女の話を聞く限りどうやらエルフ族と言うものが何故大きさの違いや特性の違いがあるのかには謎があるようだった。
一方、リフトに残ったシン達は依然として百足男との戦闘を繰り広げていた。戦いの中で分かった百足男と彼の使役する百足達の特性。それは、打撃に強く斬撃に弱いと言うこと。
しかしながら、斬撃により身体を分断されると、その切り離された身体の一部は新たな意志を持ち動き始めると言うことだった。つまり、弱点であるはずの斬撃で戦うと、相手の数が増えていくという仕掛けが隠されていた。
「コイツらッ・・・!クソっ切りがねぇッ・・・!!」
「斬撃は有効だが、これ以上斬撃に頼るのは駄目そうだな・・・。分裂が無制限であるとは考えづらいが、二人でそれを試す気にもなれないし、恐らく対処もできない・・・」
「ハハハハハッ!無駄なんだよッ!お前らは既に俺の掌の上だ。どうやったか知らねぇが、俺の正体に気づいたところで何をしても無駄だ!あのエルフ達も逃げられねぇよ!?」
形勢はかなり不利になっていた。百足男の策にハマり、斬撃による攻撃を繰り返し分裂した百足の妨害を受け、想定以上の消耗を強いられていた。
エイリルは目を閉じ大きく深呼吸すると、意を決してポータルの中へと飛び込んでいく。転移や移動を目的としたポータルは、基本的には向こう側の情報は入ってこない。
どんな光景で音が聞こえてくるのか。エルフ達は術を発動する全員が同じ光景を目にしている事を条件に、一斉に同じ場所をイメージして転移先、移動先へとポータルを繋げる。
または、壁や物体をすり抜けるような場合はその例に当てはまらない。あくまで物体をすり抜け向こう側へ行くのが目的であるため、単純に向こう側の状況を知ることは不可能である。
透過する物体の性質や厚みを、エルフ特有の魔力や探知能力で探り、向こう側に出るだけのものなのだ。ましてや今回の透過は、大穴に通じている筈。行く先がどこへ通じるのか分からぬまま、エイリルが飛び出したのは、足場のない底なしの大穴の中だった。
これまでうっすらと聞こえていたリフトがレールの上を擦るような音が、より鮮明に巨大な生き物が壁を這いずりながら降っていく音に聞こえてくる。土煙と瓦礫を降らせながら移動する巨大生物に巻き込まれぬよう、すぐに周囲を確認して壁の窪みを見つけると、エルフ達に合図を出し、ポータルを通るように指示する。
一行は駆け抜けるように壁まで直進する。しかしその途中、壁を這いずる巨大生物の影響で降ってきた瓦礫の一部が、妖精のエルフの一人に命中してしまう。
「お前達はそのまま真っ直ぐ進め!俺が助ける!」
巨大な生物は動くだけで周りに影響を及ぼす。大穴の中を巨大生物が下へ向かうだけで、大穴の中には地下へ向けた風が吹き始める。意識を失ってしまったエルフは、そのまま風に流されるまま下へ下へと落下していく。
そして一番危険なのは、風を巻き起こしている巨大生物に接触してしまう事だ。その巨体に比べればちっぽけな存在に過ぎない彼らが巨体に触れて仕舞えば、それだけで命に関わる。
無駄な動きを止め、空気抵抗を限りなく減らしたエイリルは急降下し、怪我をしたエルフを捕まえる。巨大生物との距離は二、三メートルもなかっただろう。
間一髪のところで救出に成功したエイリルは、他のエルフ達を避難させた壁の窪みを目指し浮上していく。風に押し戻され時間は掛かってしまったが、無事に合流を果たす。
「よかった・・・命に別状はないようですね」
「治癒魔法ですぐに意識も取り戻すだろう」
気を失ったエルフの治療を進めている間に、エリリルは身を乗り出し大穴の上を見上げる。地上へ向かうのも骨が折れそうだった。ただでさえ何処まで飛んでいけば地上に辿り着くのかも想像ができず、巨大生物が動いている以上、風も止まない。
「さて、どうしたものかな・・・」
「風が無ければ・・・私達を連れて行けますか?」
提案してきたのは、妖精のエルフの中でも最も大人しそうなエルフだった。彼女の言うように、風さえなければエイリルが他のエルフ達を連れ、登っていくことが可能だった。
「あぁ・・・それは可能だが。何か手段があるのか?」
何か手段があるかのような匂わせ事を言うエルフの一人。どうやら彼らは風の属性とは密接な関わりがあるようで、ポータルの時と同様に数にはよるものの、彼らに対する風の影響をある程度コントロールできるのだという。
一応同じエルフ族でありながら、エイリルのような人間に近いサイズのエルフの間には、そのような事ができるなどと言うことは知られていなかった。あくまで戦闘における風に特化した魔法であったり、受ける魔法の耐性や状態異常の耐性などといったものしかないと思っていたエイリルだが、彼女の話を聞く限りどうやらエルフ族と言うものが何故大きさの違いや特性の違いがあるのかには謎があるようだった。
一方、リフトに残ったシン達は依然として百足男との戦闘を繰り広げていた。戦いの中で分かった百足男と彼の使役する百足達の特性。それは、打撃に強く斬撃に弱いと言うこと。
しかしながら、斬撃により身体を分断されると、その切り離された身体の一部は新たな意志を持ち動き始めると言うことだった。つまり、弱点であるはずの斬撃で戦うと、相手の数が増えていくという仕掛けが隠されていた。
「コイツらッ・・・!クソっ切りがねぇッ・・・!!」
「斬撃は有効だが、これ以上斬撃に頼るのは駄目そうだな・・・。分裂が無制限であるとは考えづらいが、二人でそれを試す気にもなれないし、恐らく対処もできない・・・」
「ハハハハハッ!無駄なんだよッ!お前らは既に俺の掌の上だ。どうやったか知らねぇが、俺の正体に気づいたところで何をしても無駄だ!あのエルフ達も逃げられねぇよ!?」
形勢はかなり不利になっていた。百足男の策にハマり、斬撃による攻撃を繰り返し分裂した百足の妨害を受け、想定以上の消耗を強いられていた。
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