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忍び寄る音
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シンは自身が戦場で各ポイントを巡り、それぞれの場所の大きな影へと赴き、とある仕掛けを施して来るとツバキと紅葉に伝える。その間、残された一行のことを任せ、来る時に紅葉には全力で炎の風を巻き起こせるだけの体力を残しておくように伝える。
「ツバキ、出来るだけお前が主力となってみんなを守るんだ。どうしても手が行き届かない時は紅葉にも協力してもらって、何とか持ち堪えてくれ」
「だとよ、分かったか?紅葉さんよ」
「キィー!」
アカリの説得もあり、紅葉の反応は悪くない。ツバキのモチベーションも、シンから頼りにされていると感じているようで、満更でもない様子だった。
実際にツバキ達が狙われるかどうかは分からない。ただ可能性としては低いだろう。戦場となる宮殿入り口の広場にて、怪しい動きをする何者かがいればそちらに敵の注意は向かう筈。
例え謎の人物達を召喚されツバキらの元へ差し向けられても、今の二人なら退けるのみ難しくはないだろう。どちらにせよ、シンが最悪の事態になる前に事を済ませれば良いだけの事。
早速シンは近場の柱の影に移動する為の影の力を近場から集め、お目当ての影に向けてまるで床に線を引くかのように影を伸ばして繋げる。一度自身の魔力が込められた影を繋げられれば、いつでも繋げた影にゲートを作り安全に移動する事が出来る。
地上や空中を進めぬ以上、シンの影の中を移動できるスキルは最も安全に行動する事が出来る移動スキルとなっていた。ただひとつだけ、影から出る時にだけ周囲への警戒と近くに漂っているかも知れない、アンナのシャボン玉に気を配らねばならない。
安全な影の中からワイヤーを括り付けたナイフを投擲し、自分が姿を晒す範囲を少しだけ舞わせる。すると早速シンの投げたナイフは、近くを漂っていたシャボン玉に触れ爆発を引き起こした。
「なッ何だぁ!?シンの奴、しくじったのか!?」
急な爆発に肩を窄めて驚くツバキ。まだ彼らの方には敵の魔の手は迫っていないようだ。だがここでシャボン玉以外の攻撃を見せなかった相手に動きがあった。それは影の中にいるシンには見えず、それを俯瞰して見ていたツバキと紅葉にだけ見えていた。
シャボン玉の時には見えなかった空間の歪みが、シンの移動した影の側に見えたと思ったら、その歪みは移動しながら別に遮蔽物の方へと移動し、新たな空間の歪みへと分裂し、シンの方へと移動し始めたのだ。
「何だあれ・・・?」
「キィーー!」
「あ?何だって?・・・まさか、アレが話に出てたアンナだってのか!?」
紅葉には人にはない特別な感知能力でも備わっているのだろうか。常時見えている訳ではないようだが、その歪みが何かを生み出す瞬間に集まる魔力反応を見て、それがアンナ・マグダレーナの魔力であると見抜いたのだ。
「やべぇぞ・・・!シンの奴、気づいてねぇ!あのまま影から出てきたら狙い撃ちされちまうぞ!おい紅葉!しのごの言ってる場合じゃねぇ!お前の力であそこにさっきの風を送れねぇか!?」
このままでは、影のゲートに危険が迫っていることを知らずに、安全を確保したと思い込んだシンが影から姿を現したところへ、何かを送り込んだアンナによって計画は破綻させられてしまう。それどころかシンの命すら危ない。
シンに言われたことを思い出しアカリの方を振り返る紅葉。彼女が一生懸命に治療を施している姿を見て、自分が守るものをその瞳に焼き付けた紅葉は、ツバキの言うように宙へと舞い、赤く光る翼を羽ばたかせ火の粉の舞う風をシンのいる影の元へ放つ。
距離的にそれほど離れていないとはいえ、風がその場所に辿り着くまでにその威力や追加効果は薄れてしまう。その状態でシンに迫る脅威を取り除けるのだろうか。
風に乗ってやって来た火の粉が、空間の歪みに命中するとその場に球体を作り出し、火の玉が浮かび上がる。これで誰の目にも視認出来るようになった。その場にはやはり複数のシャボン玉が浮遊しており、シンの影の側だけ彼のナイフによって破られたこともあり、数が少なくなっている。
「よっしゃ!これで一先ず状況が分かった。だがアンナが生み出した歪みは?何処へ行った!?」
紅葉の炎の風が敵の攻撃の姿を炙り出していくと、その中にシャボン玉とは違うシルエットに炎上するものが現れる。
「ォォ・・・オオオォォォ・・・」
燃え上がっていたのは、どういう訳か姿の見えなくなっていた謎の人物達だった。そして彼らの手には、アンナの歌声を砲弾に変えるスピーカーが握られていた。
文字通りアンナはシンを狙い撃ちさせる為に彼らを生み出し、シャボン玉に隠れて狙撃させようとしていたのだろう。
「ツバキ、出来るだけお前が主力となってみんなを守るんだ。どうしても手が行き届かない時は紅葉にも協力してもらって、何とか持ち堪えてくれ」
「だとよ、分かったか?紅葉さんよ」
「キィー!」
アカリの説得もあり、紅葉の反応は悪くない。ツバキのモチベーションも、シンから頼りにされていると感じているようで、満更でもない様子だった。
実際にツバキ達が狙われるかどうかは分からない。ただ可能性としては低いだろう。戦場となる宮殿入り口の広場にて、怪しい動きをする何者かがいればそちらに敵の注意は向かう筈。
例え謎の人物達を召喚されツバキらの元へ差し向けられても、今の二人なら退けるのみ難しくはないだろう。どちらにせよ、シンが最悪の事態になる前に事を済ませれば良いだけの事。
早速シンは近場の柱の影に移動する為の影の力を近場から集め、お目当ての影に向けてまるで床に線を引くかのように影を伸ばして繋げる。一度自身の魔力が込められた影を繋げられれば、いつでも繋げた影にゲートを作り安全に移動する事が出来る。
地上や空中を進めぬ以上、シンの影の中を移動できるスキルは最も安全に行動する事が出来る移動スキルとなっていた。ただひとつだけ、影から出る時にだけ周囲への警戒と近くに漂っているかも知れない、アンナのシャボン玉に気を配らねばならない。
安全な影の中からワイヤーを括り付けたナイフを投擲し、自分が姿を晒す範囲を少しだけ舞わせる。すると早速シンの投げたナイフは、近くを漂っていたシャボン玉に触れ爆発を引き起こした。
「なッ何だぁ!?シンの奴、しくじったのか!?」
急な爆発に肩を窄めて驚くツバキ。まだ彼らの方には敵の魔の手は迫っていないようだ。だがここでシャボン玉以外の攻撃を見せなかった相手に動きがあった。それは影の中にいるシンには見えず、それを俯瞰して見ていたツバキと紅葉にだけ見えていた。
シャボン玉の時には見えなかった空間の歪みが、シンの移動した影の側に見えたと思ったら、その歪みは移動しながら別に遮蔽物の方へと移動し、新たな空間の歪みへと分裂し、シンの方へと移動し始めたのだ。
「何だあれ・・・?」
「キィーー!」
「あ?何だって?・・・まさか、アレが話に出てたアンナだってのか!?」
紅葉には人にはない特別な感知能力でも備わっているのだろうか。常時見えている訳ではないようだが、その歪みが何かを生み出す瞬間に集まる魔力反応を見て、それがアンナ・マグダレーナの魔力であると見抜いたのだ。
「やべぇぞ・・・!シンの奴、気づいてねぇ!あのまま影から出てきたら狙い撃ちされちまうぞ!おい紅葉!しのごの言ってる場合じゃねぇ!お前の力であそこにさっきの風を送れねぇか!?」
このままでは、影のゲートに危険が迫っていることを知らずに、安全を確保したと思い込んだシンが影から姿を現したところへ、何かを送り込んだアンナによって計画は破綻させられてしまう。それどころかシンの命すら危ない。
シンに言われたことを思い出しアカリの方を振り返る紅葉。彼女が一生懸命に治療を施している姿を見て、自分が守るものをその瞳に焼き付けた紅葉は、ツバキの言うように宙へと舞い、赤く光る翼を羽ばたかせ火の粉の舞う風をシンのいる影の元へ放つ。
距離的にそれほど離れていないとはいえ、風がその場所に辿り着くまでにその威力や追加効果は薄れてしまう。その状態でシンに迫る脅威を取り除けるのだろうか。
風に乗ってやって来た火の粉が、空間の歪みに命中するとその場に球体を作り出し、火の玉が浮かび上がる。これで誰の目にも視認出来るようになった。その場にはやはり複数のシャボン玉が浮遊しており、シンの影の側だけ彼のナイフによって破られたこともあり、数が少なくなっている。
「よっしゃ!これで一先ず状況が分かった。だがアンナが生み出した歪みは?何処へ行った!?」
紅葉の炎の風が敵の攻撃の姿を炙り出していくと、その中にシャボン玉とは違うシルエットに炎上するものが現れる。
「ォォ・・・オオオォォォ・・・」
燃え上がっていたのは、どういう訳か姿の見えなくなっていた謎の人物達だった。そして彼らの手には、アンナの歌声を砲弾に変えるスピーカーが握られていた。
文字通りアンナはシンを狙い撃ちさせる為に彼らを生み出し、シャボン玉に隠れて狙撃させようとしていたのだろう。
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