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しおりを挟むわたしの立てた計画は、二段構成で出来ている。
瑣末な嫌がらせと、わたしへの殺害未遂。それはただの第一段階に過ぎない。本質は、わたしの仕業だと暴かれた後だ。国の人間は愚かだけれど、お姉さまはそこまで愚かではないから、きっと、無実を証明できるだろうと思っていたの。
だから、わたしの罪が白日の元に晒されて。
その後で、わたしは、この16年の生涯をかけてようやく編み出した、「瞳の色を変える魔法」で、わたしとお姉さまを入れ替える。わたしはお姉さまに、お姉さまはわたしになる。
お姉さまは、真実を証明したのなら、わたしの罪で、国外に追放される。どう足掻いても、お姉さまは追放から逃れられない。本当なら、レオンハルト様がお姉さまの醜聞が立った所で、婚約を破棄してくれればよかったのだけど、そうはいかなかった。だから、お姉さまにはわたしになってもらうことにしたの。
マリアベルとしてお姉さまが連れて行かれた後の大広間で、わたしは、小さく息をひとつ吐いた。お父さまが、わたしの肩をそっと抱いた。
「……アナスタシア。気持ちは痛いほどわかる。儂も、実の娘が、あのようなことをするとは思わなかった。マリアベルとの別れは、胸に突き刺さるようだ」
「お父さま…………」
よく言いますわね、お父さま。
あなた、わたしに関心など無かったじゃないの。
そうは思ったが、そこは上手く隠して、儚げな姉の表情を浮かべた。目を擦って涙を拭いて、父に向き直る。
「お父さま、レオンハルト様には正式にお断りを入れてください。私は、この国に唯一残る王族になってしまいました。レオンハルト様が私を望んでくださっているのは、光栄なことですが……。私は、女王として、この国を守りたいのです。……いつか、マリアベルが帰って来れるように……」
「……アナスタシア……」
エメラルドの瞳から涙を溢しながら気丈に笑うわたしは、さぞ美しかったことだろう。王も、騎士も、貴族たちも、皆、わたしの演技に騙された。
ああ、本当に全てが、上手く行った。
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