宰相家長男が地味系女子と恋に落ちていく5日間(➕アルファ)

相鵜 絵緒

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第4章 プラスアルファ(+アルファ)

エピローグ

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「はぁぁぁ~、涼しい!」

 ワルツを一曲踊った後、2人は美しくライトアップされている庭園へと、広間から抜け出してきた。

 レカは、ダンスで熱くなった身体を涼ませに、イナギは嫌な視線(特にヴィンス先生からの痛いような視線)から逃れるために…。

 レカの左手は、イナギの右肘にちょこんと添えられ、イナギの行くところはどこへでも付いてきてくれるようだ。
 そのことに、イナギは幸福と安堵を覚える。
 そうして、2人は少しだけ庭園内を歩くことにした。

 庭園は、生垣によって道が作られており、中央部分には大きな丸い噴水がある。その噴水へと続く道の所々に、咲き誇る花をよく観ることができるよう、いくつかのベンチが用意されていた。

 赤いシクラメンが綺麗に咲き並んでいる所にある、2人掛けのベンチに、2人は並んで座った。

「ねぇレカ。」

 イナギはニコニコしながら話しかける。

「なぁに?」

 レカも優しく微笑んで返す。

「レカは、僕の恋人ってことで良いんだよね?」

 そのことが、嬉しいからなのか、イナギはもう一度レカに確認をとった。先程、ダンス会場で聞いてきた時よりは、不安そうな顔をしていない。
 レカは、クスッと笑ってから答える。

「うん。私はイナギの恋人だよ。」

 その答えに、イナギは眉尻を下げて、フニャっと笑った。

「…だよねぇ…。」

 その答えに、レカは微笑みで答える。

「じゃぁさぁ、レカ。ここからがとても大事なんだけど…。」

 言いながら、イナギはベンチにしっかりと座り直し、身体ごとレカの方を向く。

「友達と恋人の違いってなに?」

「…えっ?」

 イナギは心なしか、質問を開始した時よりも、前のめりの姿勢でレカに詰め寄っている。

「今までは友達だったでしょう。で、今日からは恋人。その違いはいったい何かな。」

 イナギは、言い直して聞いた。

「…違い…。」

 レカは今までそんなことを一度も考えたことがなかったため、突然のその質問に明確な答えを用意できなかった。
 レカは人差し指でほっぺをトンと突きながら、考える。
 イナギは大人しくレカの答えるのを待っていた。

「えっと…これからも一緒にいるって約束したこと?」

 レカの疑問形に、イナギは即答する。

「一緒にいるのは友達でも同じだよね。」

 イナギの返事から、イナギが納得していないことを感じ取ったレカは、また考える。

「友達よりも、…特別な関係?」

「特別ってどんな風に?」

 イナギの返答は早い。

「んー…理由がなくても一緒にいられる、とか。周りからも認めてもらっている、とか?」

「それも、友達でもできることだよね。」

「…………。」

 イナギの笑顔なのに笑ってない顔から発せられる容赦ない返事に、レカは考え込む。

(恋人、恋人…恋人ならできること…)
 
 レカはふと思い浮かんだことがあり、嬉しそうにパッと顔を上げて、イナギの方を向く。そして、人差し指を立てながら、自信満々にこう言い出した。

「わかった!手を繋いだり、デートしたり、キスした…り…。」

 最後は、言いながら、自分がひどく恥ずかしいことを言ってしまったことに気が付き、レカは語尾をにごらせる。

 それに対して、イナギはにーっこりと笑った。

「手を繋いだり?」

「…………。」

「デートしたり?」

「…………。」

「あとは何だっけ?」

「…………。」

「ねぇ、レカ。何だっけ?」

 下から窺うように、イナギがレカの視線を捕まえる。
 暗がりでも、レカのほっぺがなんとなく赤いのは見えていそうだ。

 ただでさえ、なんだか言わされた感が強いのに、そこも改めて言わせるのか。と、レカは思うものの、しかし、そこで恥ずかしがったら、負けてしまうような気がして、レカは思い切って言う。

「………キ…ス……。」

「していいの?」

 今度は間髪入れずにイナギが問うた。
 イナギの返しに、レカはピャッと肩が上がる。

「しっ…してっ……、して……は…ダメ。」

 レカは、いつの間にか握りしめていた両手を、胸の前まで持ってきていた。

「ダメかぁぁぁぁぁ~~。」

 イナギは、レカへの前のめりの姿勢から一転、身体を噴水側に戻すと、ガックリとこうべを垂れる。開いた膝の上に、両肘をつき、その間に頭を垂れているのだ。

 あまりにもガッカリしているイナギに、レカは首を少し下げてからイナギの顔を窺うように見る。

 すると、イナギはクルッと顔をレカの方に向けて、じっと目を見た。
 そして、ビクッとしたレカを見てから、ふふふと笑う。

 ガッカリしてるかと思ったのに、笑っているイナギを見て、レカは少しホッとする。

「まぁ、レカが恋人がどんなものなのかわかってるってだけで、今日のところは良しとするかぁ。」

 悪戯っぽい顔をして笑うイナギに、レカは一旦はホッとしたものの、その後になって、持ち前の負けず嫌い精神がむくむくと湧き上がるのを感じた。

「…そんな悠長なことを言っていて良いのかしら?」

 レカは軽く目をすがめてイナギを見ると、エイっとばかりに、イナギのほっぺにチュッとリップ音のするキスをした。

「…へっ……!?」

 完璧に不意打ちだったイナギは、最初、何が起こったのか全くわからなかった。そして、そっと自分の右手で右のほっぺをさする。
 そこには、今までレカの唇をキラキラと輝かせていた、口紅が少し残っており、イナギの指先にしっとりとした物を感じさせた。
 軽く拭って、指先を見ると、思った以上にキラキラと輝いている。

「レ…レカ……」

 目を見張って自分の指先を見ているイナギに、レカは少しだけ胸のすく思いを味わう。
 余裕を持って、イナギの慌てる様子を見ながら、ふふん。と鼻で笑う。

「私だって、恋人のすることくら……」

 レカは、最後まで言い切ることができなかった。

 その前に、イナギの顔が近付いてきたかと思うと、距離がゼロになってしまったうえ、言葉を発する器官を塞がれてしまったのだ。

 目を閉じていたイナギに対して、突然のことに、レカは目を見開いたままだった。

 知らない間に、レカの右頬はイナギの大きな手の平に覆われており、顔を反らすことすら許されない。

「……ふっ……」

 2人の唇が少し離れた瞬間に、どちらのものともいえない、空気が漏れる音がした。

 唇は離れても、鼻と鼻がくっつきそうな距離に顔がある。
 ゆっくりと目を開けたイナギは、目を見開いているレカの顔を見ると、

「…目…閉じて…」

 と一言だけアドバイスをすると、自分もまた目を閉じる。
 レカはイナギの言われるままに、急いでギュッと目を閉じると、イナギの柔らかな唇が、またしてもレカのものに押しつけられた。

「……んっ………っっ。」

 レカの鼻から抜ける声に、イナギはますます唇を押し付けると、少し唇を開いて、レカの唇をなぞるように擦り付ける。

 レカは、イナギにされるがままだった。固く瞑っていた瞼も、イナギが何度も何度も唇を擦り付けているうちに、身体の力が抜けた際に一緒に力が抜けてしまった。

 夢中でキスをしていたイナギは、ふとした瞬間に、目をうっすらと開けて、レカの顔を見るとも無しに見た。

(………っっっっ!!!)

 レカの、脱力したぽやんとした顔は、一瞬でイナギの身体に電気を走らせた。
 つまり、アレがアレしてしまったのである。

 イナギは掴んでいたレカの肩をバッと離すと、先ほどの、足の間に頭を落とす、ガッカリスタイルに戻った。

「……イナギ……?」

 突然に自分を支える腕がなくなったレカは、ポヤポヤした不思議そうな顔をした。
 レカの呼びかけにも、イナギは答える余裕がない。
 足の間に頭を据えたまま、

「……7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47……」

 と、ブツブツと素数を数え続けた。
 頭の中には、邪念ばかりが湧き上がり、そうでもしていないと、レカの貞操が危機に瀕してしまう。

 よくわかってないレカは、ポヤポヤした顔のまま、イナギを見つめていた。


 ※※※

 97までの素数を3回数え直したイナギは、少しだけ冷静さを取り戻すと、レカの顔を見上げる。

 やっぱりすごく可愛くて、なかなか劣情は去ってはくれないが、このままレカを放っておくわけにはいかない。

「…レカ…ちょっと冷静さを欠いたことに関しては、謝るよ。了承を得ずにキスしたことも…。」

 レカの顔を見ながら、イナギが何とかそう言うと、レカはキスしたことを思い出して、顔をカッと赤くした。
 そして、レカが何かを言おうとするより先に続ける。

「でも!キスしたことは謝らないよ。だって、ずっとずっと、僕はレカとキスしたかったんだ!」

 イナギの真剣な告白に、レカは言おうとしていた言葉を飲み込み、開きかけていた口も閉じた。
 そして、もう一度自分の想いを確認すると、

「…謝ってもらわなくって良いよ。だって…私もイナギのことが好きだから…。」

 と少し小さな声で告げた。

 恥ずかしそうなそのレカの様子に、イナギはたまらなくなって、レカに抱きつきたかったけれど、付き合ってすぐにキスしたり、抱きついたりするのは、ガッついているようで憚られた。
 両手をグッと握り締めることで、嬉しい気持ちをやり過ごす。

「じゃあ、キスは認可されたということで。」

 イナギが改めてそう言うと、レカはギョッとして右手を顔の前で大きく振る。

「ちょっと待って!キ…キスは…嫌じゃないけど、時と場所を考えてね!いつでもどこでも良いわけじゃないから!」

 そんなレカの必死な様子に、イナギは可愛いなぁ、と思う。そして、

「時と場所って…いつなら良いわけ?」

 と真剣に尋ねる。
 レカはそう言われると…と自分の考えを纏めながら話し出す。

「2人だけの時…とか?」

「2人だけならどこでも良いの?」

「…んー…外はダメ。」

「こうした暗闇でも、外はダメなの?」

「外は…落ち着かないから…」

「落ち着くなら、外でも良いの?」

「ええっ?…そう言われると…」

「基準は何なの?」

 レカよりも、イナギの方が真剣だ。

「思い切って許可制ってのはどう?」

 レカの提案に、イナギは断固反対する。

「すっごく良い雰囲気の時に、僕は毎回『キスして良いですか?』って聞くの?雰囲気ぶち壊しじゃない?」

「雰囲気って…。でも、『キスしよ』とかで良いんじゃない?」

「聞き方の問題?うわ、難しいな…」

 イナギが考え込む。
 真剣というよりも必死そうな顔に、レカは笑えてきてしまう。

「…ふふっ」

 実際に笑ってしまったレカに、イナギは目を吊り上げる。

「笑いごとじゃないよ!僕が今後どんな時にレカへキスできるかどうかは、死活問題なんだよ?」

 そんな言い方にも笑えてしまう。

「まぁまぁ…」

 宥めるレカに、またしても文句を言おうとしたイナギは、レカに黙らされてしまう。
 文句を言う器官を塞がれてしまったからだ。

 今度は、レカが目を閉じており、イナギは目を開けたままだった。
 しかし、なかなか離れない唇に、イナギの瞼も閉じてくる。
 最初に仕掛けたのは、レカのはずなのに、いつの間にか両頬を挟まれ、唇で唇を食べられているのはレカの方だった。

「…はぁっっ……」

 またしても、トロンとしてしまったレカの顔を、イナギは反対側を向くことで直視することを避けた。

「あ…私もキスの許可取らなかった…。ごめんね、イナギ…。」

 ぽやんとした顔のまま、そう呟いたレカに、イナギは

「…レカはいつでも僕にキスして良いから。許可とか要らないから。」

 と力のない声で返した。
 そして、その後にまた素数を呟く声が聞こえてきたのだった。


※  ※  ※  ※


 第23代エイギ国王の時代に、3つの国の歴史が大きく動いた。

 その後、エイギ国だけでなく、他の2国も交えて、永い時を平和に円満に過ごすことができたため、その変革はどこの国からも歓迎された。

 歴史を動かした仕掛け人は、当時のエイギ国の宰相と、1人の女性外交官である。その当時、女性の外交官はとても珍しく、それだけでもとても話題になったのだが、驚くべきことに、彼女はその宰相の妻でもあった。

 歴史を動かした夫婦は、とても仲睦まじく、お互いを常に尊敬していた。そして、特に、宰相が妻の外交官を溺愛していたというのは、エイギ国ではとても有名な話である。

【出典『ミツカによる3国の歴史図鑑』より】


 

 
 

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