ノーストレスライフ!~魔王を倒した勇者、スライムに屈する!?~

write

文字の大きさ
11 / 21

魔法瓶

しおりを挟む
ラーナは二日に一度、昼間に一時間の教室を開いた。
本当ならその一時間さえも、蜃気楼箱に費やしたいと思ってたので不満だったが、

スライム倒しのためにはこれぐらいはやるかと思った。

そのラーナの教えのおかげなのか、スライムをすぐに倒せる人が増え、


その結果、スライムの合唱も2~3日に一度ぐらいになった。

しかし、スライム教室を開始して2週間がたつと

「スライムしか出ないのかよ」

と、だんだんスライム倒しがつまらなく感じる人が増えてきて。
入場者は減っていった。


そのためラーナはユーリに相談のために蜃気楼箱にはいり、コミュニティー広場に行った。

「あっいたいた! ユーリ」
ユーリに向けてラーナは手を振った。ユーリは広場にあるテーブルのあるベンチに座っていた。
「何よ急に? もしかして、鍛えることにしたの?」
そのテーブルにユ-リは頬杖をついていた。ラーナはその隣の椅子に座った。」
「いや、そうじゃないけど、ねぇ蜃気楼箱みたいに、架空の魔物を現実世界に登場させることはできないのかしら。」
「は? どういうこと?」
ユーリは首をかしげた。
「ゴブリンとか登場させたいの!」
ラーナは頭を下げる。
「……意味が分からないんだけど」
「と、とにかくお願い!何かない?」
ラーナは頭をあげ、今度は両手をあわせて、ユーリに懇願した。
「……じゃあ魔法瓶でどうかしら」
ユーリは腕を組んだ。
「何それ?」
「煙の魔法瓶よ。これを開けると想像した魔物が煙で作られて出てくるわよ」
「え、煙なの?」
「そうだけど?」
「いや、まぁ良いわ、そのびんから何匹出すことが出来る?」

「何を出すかにも寄るけど、ゴブリンなら最大10体ほどだせるじゃない?」
「その魔法瓶、何個あるの?」
「たくさんあるわよ。別に使わないからね」
「よし! 全部もらった!」
ラーナはパチン、と指を鳴らした。
「全部? あなた、いったい何を企んでいるわけ?」
「企む? 何も企んでいませんよー。で、それを私の屋敷に送ってくれない?」
蜃気楼箱に基本的に自分の持ち物を持ち込むことはできない。

「分かったわ……」
「ありがとうございます!」
ラーナはまた頭を下げた。
「たく、こう言うときだけ調子が良いんだから……あっそれとラーナ」
「何?」
「師匠から手紙がきたわ」
「師匠? ああ、エリーさんのことね」

ラーナの冒険仲間のもう一人、エリーさんは幼少期のラーナに剣術を教えた人だ。
エリーさんは他にも教え子がいたが、その中からラーナを選び、魔王退治の旅に誘った。
魔王を倒した今は、世界を旅しながら、子供達に弓術を教えているらしい。

「で、実はスライムのことで研究所の方がエリーさんの意見が聞きたいって言っててね。それで私が間を取り持つことになってね」

エリーさんは世界一の弓術者と言われているが同時に世界最高峰の魔物研究者でもあった。

「で今日手紙の返答が私のところにやってきたのよ」

そう言ってからユーリは手紙に書かれた内容を話しはじめた。


手紙によると現在、エリーがスライムにかけられた魔王の魔法の解析をしている。完全にはまだ分かってないけど、一部はとけ、分かったそうだ。
魔王はラーナに倒された。ただ、最後の攻撃を受けてから、倒れるまでの間にほんのわずかなタイムラグがあり、そのわずかな時間の間に魔王は、極小のスライムを作った。

「極小のスライム? なんでそんなものを作ったの?」
「話は最後まで聞いて、ラーナ。で、その極小スライムはね――」

その極小スライムはラーナの背中にくっつき、今の土地に来たとき、ラーナから離れ、密かにその土地で暮らした。
それで、そこから、長い時を経て、分裂機能を身につけ、小さいスライムを次々に生み出していった。

ラーナはこの時点でまた一つ疑問を持った。通常なら、スライムは成長して、それから分裂するからだ。
その点をユーリに聞くと、これも魔王の魔法によるものだとという。

なぜ、そんな魔法をかけたのかははっきりとは分からない。だが、師匠の見解によると、スライム一個が先に大きく成長してしまったらラーナに見つかって倒されてしまう。だからそれを防ぐために小さいまま、分裂して、ある程度の数になるとそこで一気に成長するように魔法がかかっていたという。

「スライムが絶対に倒しきられないようにしたい、そんな魔王の意図がひしひしと感じるわね。1匹でもいれば、あなた、夜寝れないもんね」

「どこまで執念深いのよ! 私にそんなにも嫌がらせをしたいわけ?」
ばん、ラーナはテーブルをたたいた。
「そりゃ、自分を倒した相手だからね」
ユーリはそう言って立ち上がった。
「じゃあ魔法瓶は送るから蜃気楼箱から出るわ」
そう言ってユーリはラーナの目の前から消えた。
その後、ラーナは蜃気楼箱のボス戦をした。B級のボス戦をした。
いつもならSクラスのボスを倒し、賞金稼ぎをするところだが、この魔物を選んだ。その理由は

「この魔王め! ギッタギタにしてやる!」

顔が魔王に少し似ていたことであった。




その後蜃気楼箱からでてダイニングルームに行くとジイが「お届け物です」と
段ボールをラーナに見せた。宛名はユーリだった。

「あっもう届いたのね。さすがユーリ!」

今日の昼間に言っていた魔法瓶がもう届いていた。

ラーナは早速、その魔法瓶を使ってみた。

ユーリに言われたとおり、頭の中で想像して中身を開けた。
すると、白い煙が出て、それからゴーレムが現れた

「わーすごい! だけど……」

ユーリはゴーレムの全体を見渡した。

「蜃気楼箱に出てくるものより、リアリティはないよね……どうしよう」
ラーナは悩みはじめた。そして数分後ひとつの解決策を見つけた。

「じゃあ弓矢コースを作ったら良いかもしれないね。遠目からだと偽物とはばれないしね」

次の日、

「弓矢コースができました! スライム以外にもたくさん魔物がいますよ!」
ジイは参加者に向かって叫んだ。


弓矢コースのバックヤードにて、ラーナは魔物をつくってはすぐに出動させていた。

剣で切れないことに皆不満をジイにぶつけていたが、スライムと違い、こちらは危険だから遠目から倒すコーナーしか設けられないというていの言い理由をラーナは思いつき、弓矢コースの看板に注意書きとして書き加えた。

「見て本物のゴーレムよ」
「うわ、変な蛇もいる!」
「あれはスネークよ」
戦わずただ見るだけの観客もいた。

「スライムより、賞金たかいだろうな」

参加者のその声を聞きラーナははっとした。


自分で作った魔物を倒してもらってその賞金を出さないといけないなんてありえないでしょ!


ラーナは頭を抱えたが仕方なく、さらなる報奨金の用意をした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

無能と追放された鑑定士の俺、実は未来まで見通す超チートスキル持ちでした。のんびりスローライフのはずが、気づけば伝説の英雄に!?

黒崎隼人
ファンタジー
Sランクパーティの鑑定士アルノは、地味なスキルを理由にリーダーの勇者から追放宣告を受ける。 古代迷宮の深層に置き去りにされ、絶望的な状況――しかし、それは彼にとって新たな人生の始まりだった。 これまでパーティのために抑制していたスキル【万物鑑定】。 その真の力は、あらゆるものの真価、未来、最適解までも見抜く神の眼だった。 隠された脱出路、道端の石に眠る価値、呪われたエルフの少女を救う方法。 彼は、追放をきっかけに手に入れた自由と力で、心優しい仲間たちと共に、誰もが笑って暮らせる理想郷『アルカディア』を創り上げていく。 一方、アルノを失った勇者パーティは、坂道を転がるように凋落していき……。 痛快な逆転成り上がりファンタジーが、ここに開幕する。

処理中です...