1 / 4
Episode#01 私がいる
#01 時間の迷宮
しおりを挟む
『裏垢』それはアカウントを多数持っている事を意味する。
自分以外の誰かであって、言いたいことを匿名で発言できるネット上では便利なもの。
ーーーーーーーーー
チュンチュンと窓の外で鳥の鳴き声がする。
「、、、、あぁ、まだメンテ中。」
三浦遥花18歳はスマホの画面を見ながら呟いていた。
彼女には今年になってから嵌っているスマホのアプリがあった。
(毎日、クマちゃんの呟きで癒やされてたのに~!)
アプリがメンテナンス開始を知らせてから予定時間を過ぎているにも関わらず、この2日間アプリを立ち上げると[メンテナンス中、、、]の文字は出るのに、すぐにスマホのホーム画面に戻ってしまうのだった。
『時間の迷宮~クマのムー』はスマホの呟きアプリで遊園地の中に迷い込んだような可愛らしい世界観で謎解きが出来たり、知らない人とチャットが出来たりするアプリである。
遥花は特にクマの『ムー』というキャラクターが気に入っていて、ログインした際に呟く一言が可愛い中にたまに毒があるような独特な言い回しが好きだったのだ。
そのページを毎朝覗くのが遥花の日課となってしまっていた。
何回か立ち上げを試みて見るがやっぱり
「あーーー、もぉダメかぁ~、、、!」
遥花はベッドにスマホを投げ出して、バフっと自分も仰向けに大の字になった。
暫く大の字のまま、天井を見つめて はぁ~っとため息をつくと、「やりますか」と体を唐突に起こして机に向かった。
今の時代で言うと、いわゆる朝活というやつで、彼女は比較的朝方で、勉強を集中してできる時間も朝が多かった。
高校に入ってからは部活も忙しく、学校から帰るとすぐに眠くなってしまうので、ご飯を食べてお風呂に入るとすぐに寝てしまってから、朝、スッキリした状態で勉強をする、というこの習慣が性にあっているのだ。
さ、サイゾー、、、ソフィニア、、?って何だ?
、、、、、精神分裂病?、、違う違う、これはいいんだ、置いといて、、、
ここじゃなくて、何だっけ?
M分裂、S分裂、?なにそれ、聞いたことはあるけど、、、また、脱線してしまった、、セル、、セル、、、Cell division、、、あった!
細胞分裂、、かぁ、、。
なんてブツブツと頭の中で脱線しながら回答にたどり着くのがとても楽しく感じるのだ。
辞書と以前、母が使っていた契約切れのスマホで意味を調べる合わせ技で、分からないところをクリアしていくのが、Z世代の武器と云わんばかりに駆使していた。
あ、、、そうだ。
後でこっちでクマさん、登録したらいいんだー。
そう遥花は思いつくと益々勉強にもやる気が出て朝のノルマをクリアすると、制服に着替えてパジャマとカバンを持つと一階へと下りて行った。
自分以外の誰かであって、言いたいことを匿名で発言できるネット上では便利なもの。
ーーーーーーーーー
チュンチュンと窓の外で鳥の鳴き声がする。
「、、、、あぁ、まだメンテ中。」
三浦遥花18歳はスマホの画面を見ながら呟いていた。
彼女には今年になってから嵌っているスマホのアプリがあった。
(毎日、クマちゃんの呟きで癒やされてたのに~!)
アプリがメンテナンス開始を知らせてから予定時間を過ぎているにも関わらず、この2日間アプリを立ち上げると[メンテナンス中、、、]の文字は出るのに、すぐにスマホのホーム画面に戻ってしまうのだった。
『時間の迷宮~クマのムー』はスマホの呟きアプリで遊園地の中に迷い込んだような可愛らしい世界観で謎解きが出来たり、知らない人とチャットが出来たりするアプリである。
遥花は特にクマの『ムー』というキャラクターが気に入っていて、ログインした際に呟く一言が可愛い中にたまに毒があるような独特な言い回しが好きだったのだ。
そのページを毎朝覗くのが遥花の日課となってしまっていた。
何回か立ち上げを試みて見るがやっぱり
「あーーー、もぉダメかぁ~、、、!」
遥花はベッドにスマホを投げ出して、バフっと自分も仰向けに大の字になった。
暫く大の字のまま、天井を見つめて はぁ~っとため息をつくと、「やりますか」と体を唐突に起こして机に向かった。
今の時代で言うと、いわゆる朝活というやつで、彼女は比較的朝方で、勉強を集中してできる時間も朝が多かった。
高校に入ってからは部活も忙しく、学校から帰るとすぐに眠くなってしまうので、ご飯を食べてお風呂に入るとすぐに寝てしまってから、朝、スッキリした状態で勉強をする、というこの習慣が性にあっているのだ。
さ、サイゾー、、、ソフィニア、、?って何だ?
、、、、、精神分裂病?、、違う違う、これはいいんだ、置いといて、、、
ここじゃなくて、何だっけ?
M分裂、S分裂、?なにそれ、聞いたことはあるけど、、、また、脱線してしまった、、セル、、セル、、、Cell division、、、あった!
細胞分裂、、かぁ、、。
なんてブツブツと頭の中で脱線しながら回答にたどり着くのがとても楽しく感じるのだ。
辞書と以前、母が使っていた契約切れのスマホで意味を調べる合わせ技で、分からないところをクリアしていくのが、Z世代の武器と云わんばかりに駆使していた。
あ、、、そうだ。
後でこっちでクマさん、登録したらいいんだー。
そう遥花は思いつくと益々勉強にもやる気が出て朝のノルマをクリアすると、制服に着替えてパジャマとカバンを持つと一階へと下りて行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる